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乳と卵
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乳と卵の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.31pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全143件 141~143 8/8ページ
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いいと話題なので、手にとってみました。一文の中で、これでもかという程、次から次への描写が書かれていて、テンポが速いので読みやすかったです。しかも、関西弁がより一層、物語の流れの速さをうながしているような感じがします。 そして、この作者さんは、前回の「歯」の事もそうですが、実際に経験した事柄などを、文章の中で生かしてあると思いました。 物語に結論というものがなく、普通なら一体なんだったんであろうかと思うところを、読後何も思わずすっきりと終わったという感じにさせるのもこの作者ならではの魅力だと思います。次に出るのが楽しみな作家さんです。 | ||||
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受賞で話題となり読んだ「わたくし率・・・」でKOされた。本作はある程度予想していたが、前作よりはるかに読みやすい。とは言え独特のリズムある文体はそのままで、今回も読むごとに世界に引きずり込まれた。なにしろ文章からあふれるエネルギーがすごい。関西弁であるのも必然だと思えてくる。クライマックスでは「魂の開示」のような壮絶なシーンが繰り広げられるが、それが面白いのなんの。卵、卵細胞、卵子、そしてメタファーとしての玉子をツールにつながる。性徴に戸惑う娘と豊胸しか頭にない母親。思春期の女の子はもちろん、体の成長をそのまま受け入れることが難しかった男性にも大いに共感できるだろう。 併録の作品は、これまでの2作と違い頭にすっと入って来ず短いのに手ごわい印象だった。 | ||||
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とても良い意味でですが、器も盛り方も取り立て目新しいところはありません。豊胸手術を受けに上京した「巻子」と、誰とも筆談でしか会話しない娘「緑子」。そのふたりのやりとりを、半ば傍観的に眺める「巻子」の妹「わたし」の視点と、「緑子」の語りのような手紙によって物語は語られます。題名の「乳と卵」もその「巻子」親子の在り方に因んでいますが、そういうふうに小さくまとめなくても、饒舌な文体で描き込まれた細部がきらきらと随所で目を引いて、思い切ってそっちで勝負してもよかったのではないかという気もしました(今までそういう作風だったのかもしれませんが。ただ、それだと芥川賞はどうだったでしょう)。そういう意味では試行錯誤のあとと取れるところもありますが、文体を含め高いポテンシャルを感じさせてくれる作品であることに変わりなく、こういった若い書き手がもっともっと出てきてくれれば、また新たな息の長い読み手を掘り起こすことにもつながるのではないでしょうか。また、 併録されている作品は受賞第一作の慣例に従って今月の「文学界」に発表されているもので、枚数の短めな、取り急ぎの習作の趣きです。しかし、こういった小品の細部に、この後の展開を予感させるものがあったりするので、意外と侮れないです。 | ||||
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