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劫尽童女
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劫尽童女の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1~5 1/1ページ
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父伊勢崎博士に遺伝子をいじられたかしたで、超能力(身体能力、鋭い五感等)を獲得した伊勢崎遥。父の謂われるがまま殺戮を繰り返す。 彼女は設定上は小学生中学年か高学年という事だが、意識としては老成した50代程度みたいな設定です。 倫理的な思考はできるものの、殺戮への罪悪感は薄い模様。ただ、物語の後半でニューメキシコかシェラネバダあたりの貯蔵施設で核爆弾の処理(誤爆→周囲の汚染)に騙されて加担するというくだりがありました。これが応えた?模様。 ・・・ このあたりの「心」未熟さが面白いところかもしれません。 ミュータントやロボットは自尊心を持ちうるのか、とでも言い換えることが出来るのかもしれません。キチンと情動もそなわっているのに、他人の為に労働を強いられる。感じる心が無ければ労働だって殺戮だって呵責もないものを、わざわざ心が、感じる能力が備わっている。だからこそ主人公の遥も他人の計算通りに動かずサプライズを起こす要因にもなりましょう。 で、ふと思い立ったのが、「アキラ」です。かの作品でも超能力を使える子どもたちが隔離され、訓練されていました。彼らもまた周囲の他人の為に自分の人生を犠牲にすることを余儀なくされていました。 同様に思い出されたのが「私を離さないで」のキャシー。詳らかにされませんが、臓器移植のために生み出されたクローンのような人々。これまた自己意識があるために、「なんだかんだで自分の人生悪くなかった」と必死に思い込もうとするような、まあどんよりした作品でした。 ・・・ 「人間は考える葦である」なんてパスカル某が言ったとか言わないとか。 その「意識」「思考」こそが人・生き物を崇高にもすれば、苦しみもさせるのかもしれません。 ・・・ ということで、恩田陸さんの作品でした。相変わらず作風に富んだ作家さんであると感じました。 本作単体ではそこまで響くところは個人的になかったのですが、非人間の生き方、生き様、生命の優劣、自己決定権は人工物に及ぶのか、みたいなテーマで考えると世界が広がってゆく作品だと思いました。 ですので、本作はエンタメ好き、恩田さんファン、SF好きやディストピア好きのみならず、生命倫理等に興味がある方にもお勧めできると思います。 | ||||
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読んでいて、宮部みゆきの「クロスファイア」や伊坂幸太郎の「ゴールデンスランバー」あたりを思い出しました。でも、内容的にはこれらの著作の方が圧倒的にレベルが高く、内容もスリリング。この本もストーリー展開としてはかなり面白いと思うんですが、手に汗握る場面でいちいち「それどういう事?」となる感じです。作家の言葉が足りないのか、私の理解能力が足りないのか、不明ですが…。 終盤にかけて徐々に主人公の少女の置かれた立場が明かされていくはずなのに、何度読み返してもすっきりしませんでした。特に、ラストの地雷原のシーン。彼女と犬は一体どうなってしまったのか、あまりに描写が簡潔すぎて腑に落ちません。 この著者の本は、個人的に読後感があまり良くないので最近は避けていたのですが、こちらも同様でした。テーマは良い所を突いているし、序盤はなかなか面白かったのですが、残念です。 | ||||
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ゼナ・ヘンダーソンのピープル・シリーズのオマージュとして書かれた「光の帝国」では、 特殊な能力を持ちながら、普通の人々の中に埋もれてひっそりと暮らす人々を書いていたが、 本書ではその対極のように人為的に特殊な能力を持たせた人の発生、成長と開放をライトのベル風に書いている。 秘密組織ZOOとか、米軍の動向や、本書の主人公、遥を支援する組織などをただ存在していることに してしまう潔さがライトノベル風と思えるのかもしれないが。 アレキサンダーがオラフ・ステープルドンの「シリウス」思い起こさせるが、遥との関係を深く掘り下げてないのはちょっと残念。 | ||||
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和製ファイアスターターの予感に期待して買ってみました。が。某国軍部に深く関わる組織が、こんなにあっさり殲滅されてしまっていいものだろうか、と疑問。 主人公にした偽装工作は、たった二人の人物の個人的行動としては規模が大きすぎる上に、つじつまが合ってないんじゃなかろうか、という疑問。 パートナーのアレキサンダーがいまいち活かされていないなあ、という不満、ナポレオンは?という疑問、そして結末に関しては物足りなさ、という感想です。 特に結末に関しては、広げた風呂敷をたたむのだけでイッパイ?もうおしまい?という不満が多いに残ります。 本家本元キングの「ファイア~」が実に爽快な未来を感じさせる結末だっただけに、残念な読後感でした。 | ||||
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黒と茶の幻想で、オトナのかけひきも面白かったが、今回は光の帝国と同じ超能力もの。「光」のような能力をもつことの悲しさ、常野として生きることの切なさを期待したが、やや違う趣。能力全開のプレイステーションのようなバトルが随所に。そういや、テレビドラマでよく似た設定があったよな、米国の研究所で"開発"された天才の双子の話。 やっぱり恩田陸は学園モノがいいですね。私の好みだけの話かもしれませんが。だから星は3つです。 | ||||
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