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ファーストラヴ
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ファーストラヴの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.49pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全92件 81~92 5/5ページ
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女性が視線に対して抱く感情とか、それが生き方に与える影響とか、そういう話 | ||||
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読み終えてはじめに思ったのは、読後感が非常に爽快でした。 島本理生さんの作品は以前から好きでしたが、 結末が手放しで喜べるようなものよりも ある種の含みを持たせた終わり方が多く そこに魅力を持ちつつも、勿体ない気がしていました。 今回の結末は読者に対して、 非常に現実的な希望や喜びを感じさせるものになっていると思います。 登場人物の中には、滅多に経験しないような出来事がある一方、 よく考えれば日常的に我々が経験しているかもしれないような事実や心の動きがあり、はっとすることもありました。 全体的な構成も緊張感を持つように あまり文量が多くなく読みやすいかと思います。 | ||||
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迦葉や我門と同年代の父親としては、環菜と由紀それぞれの父親のある行動が、娘に大きな精神的苦痛を与えていたことが深く印象に残った。環菜の父親のある行動(環菜にさせた事)は見方によっては性的なものから遠く離れた芸術的な活動の一環とも解釈できるし、他方、由紀の父親のある行動は確かに下衆で低俗な行為ではあるが、ここまで娘の精神にダメージを負わせることもあり得るとは恥ずかしながら思い至らなかったからである。二人の父親のどちらの行動も私個人とは一応無縁ではあるが、今後は類似した事例(例えばme too運動など)がニュースやドキュメンタリーなどで紹介されても、娘の前で安易に男性側に同情したり賛同するような意見は控えておこうと思った。 | ||||
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誰かに傷を突かれることを強く拒絶するのに、あえて自ら傷の痛みを感じるときが来たのではないかと直感的に思い、読んでみたいと購入した。 読了後、ザラザラした余韻だけが残って、だけどこれで良かったんだと納得している自分がいた。 過去は今を執拗なまでに追い詰め、今は過去から逃れたいと思っている。 結局は過去と今と対峙することでしか乗り越える術はないのだ。どちらも「私」なのだから。 その先に何があるかなんてわからない。 傷ついた事実は覆すことは出来ない。その事実を抱えて、凪いだ海のような心がただあるだけで良いではないか…その境地に達したものにしかわかりえない心理を一瞬でも感じられるラストだった気がする。 | ||||
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電子版を購入させて頂きたいのですが、「サンプルをダウンロード」しか見当たりません。どの様にすれば宜しいのでしょうか?或いは、こちらの商品は、電子版はサンプルしかないのでしょうか? | ||||
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戦前~戦後まもなくの生まれの人は、昔の教育観で育っているので、「子は親に孝行を尽くすのが当たり前」と信じ込んでいるように思えます。子供が(決して違法なことでなくても)親の意に染まないことをしたり、逆らったりすると、親不孝者→悪、という図式を持ち出して、子供に自責の念を刷り込ませているのではないでしょうか。 本書では、殴るなどの暴力やネグレクトのような明らかな虐待も出てきますが、どちらかといえば、社会的、経済的な面で標準以上の家庭の親が、自分の価値観を「子供のために」と子供に押し付ける、子供を親の所有物のように扱う、親が勝手にしたことを「せっかくしてあげたのに」と恩に着せる、などの毒親行為と、それを受け入れられない子供の葛藤が描かれています。 父を殺した女子大生、その事件のノンフィクションの執筆を依頼された女性臨床心理士、女子大生の弁護を担当する男性弁護士、この三者それぞれの家族模様の物語です。 最後は、それぞれが過去とある程度の折り合いをつけ、先に進むという前向きな形で終わります。小説ですからそこで終わらないときりがないので、それはいいのです。 しかし個人的には、一般に「虐待は連鎖する」と言われますが、毒親は連鎖するのだろうか?という疑問が残りました。臨床心理士の由紀だけは既に子持ちですが、あとの2人は独身で、彼らが親になった時、どんな親になるのだろう?と思いました。 | ||||
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主要人物がみんな何かを抱えている危うさ。でも自分も含め誰しも何かのきっかけで抱える側の人間になる可能性がある。すぐ隣で起きていることのような身近さを感じました。 今自分が直面していることが少しだけちっぽけに思えました。 | ||||
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美人大学生環菜が、父を刺殺した。 なぜ?動機は? 環菜についてのノンフィクションの本を書こうとする主人公の臨床心理士、真壁由紀。 環菜の弁護士は、夫の弟、庵野。 由紀は、環菜と接見を繰り返し、環菜を取り巻く人々の話を聞きまわるうちに環菜の事件、過去に引き込まれていく。 由紀の過去。 夫、義弟との関係。 読み手もすっかりその謎、秘密に引き込まれていく。 | ||||
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島本理生さんの本を前に読んだことがあるかどうかわからないけど、とても重い話だった。ある種の児童虐待にあって、自尊心を持たず自傷を繰り返してきた大学生の少女が、義父を刺して捕まる。そしてこれは、担当弁護士の迦葉と少女を取材して本を書こうとしている臨床心理学者の由紀の話でもあり、由紀と夫の我門の話でもある。我門さんみたいな安定した心の人、素敵だな。ラストはナイス。直木賞候補作品 | ||||
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『なぜ彼女は父親を殺さなければならなかったのか?』 その動機と真実が知りたくて最後まで一気に読みました。 美貌の女子大生・聖山環菜が包丁で父親を刺殺 臨床心理士である真壁由紀がこの事件のノンフィクションの執筆を依頼され 環菜やその周辺の人々に調査を進めて行くうちに徐々に明らかになっていく環菜の生い立ち。 読了後、タイトルから想像していた恋愛小説でもなく、殺人事件の謎解きと言うミステリーでもなく これは家族小説なんだと気付かされる。 父と娘、母と娘、共にいびつな関係性で結ばれた家族 なんとも言えない不穏な空気が絶えず文中から浮かび上がり デッサン風景の場面を想像するだけで不快感で一杯になりました。 環菜、環菜の母、臨床心理士の真壁由紀 皆、心に傷を持ったまま生きていて辛い読書時間だったが どっぷりとのめり込んだ作品 | ||||
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環菜はこちら側の人間だ、と思いました。 過緊張、自己否定、強い自責の念。 世の中に起こるすべての悪いことが 自分の責任だと思いこんでしまうところ。 あの人がひどいことをするのも私のせい。 あんなひどいことが起こったのも私のせい。 混乱した思考でそう思い込み、 ほかの人が、 「客観的に見て それはあなたのせいじゃないと思うよ」 と言ってくれても、 自分で自分を信じてあげることが難しい。 こちら側の生きづらさを、島本さんはとてもリアルに 描きだしてくださったと思います。 そして、最後の頃の環菜に救われました。 | ||||
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事件から浮かび上がった父親殺しの娘の家族や愛の形。この内容を執筆依頼された臨床心理士の、家族と親戚の関係。丁寧でかつ無駄のない描写。追体験しているような危ない臨場感に、どんどん引き込まれていく。 | ||||
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