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(短編集)
奴隷小説
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奴隷小説の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.26pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全19件 1~19 1/1ページ
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作者さんの他の本が面白かったので読んでみましたが、 6割くらい読んで挫折しました。 どの話も最後にオチがないというか、スッキリしないし、やや表現がグロい。 入り込めない。 せっかく買ったからなんとか残りも読みたいですが、後味悪くて無理かも。 | ||||
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桐野夏生さんの本です。 「雀」「泥」「神様男」「REAL」「ただセックスがしたいだけ」「告白」「山羊の目は空を青く映すかDo Goasts See the Sky as Blue?」の短編がおさめられています。 どれもが、物理的・精神的にとらえられていて、「奴隷」という感じの小説群でした。 また、時代や視点人物も変わり、さまざまな「奴隷」からの視点、というのが大切にされているのかもしれません。 我々は自由に生きていると思っていますが、ただ、とらえようによっては、我々は「奴隷」なのかもしれません。 そういうことを感じさせてくれる短編小説群でした。 ただ、いささか、キツい表現もありますので、精神が弱いときには読むべきではないと思います。 | ||||
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おもしろかった。 寝る前に読んだが、どんどん読めてしまい、なかなか眠れない。 世界が異なるため、怖くて眠れないとか、トイレにいけないとか、そういう怖さではない。 | ||||
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7編の短編はいずれも仏教でいう愛着、または愛執の物語と言えます。全ての短編で、誰かや何かを(しばしば永続的に)自分の所有物と思い込み囚われてしまうために、異なる立場の間で自由の不均衡が生じています。本書タイトルにある”奴隷”とは、抑圧される側の奴隷状態を表すとともに、抑圧する側もまたまた愛執の奴隷になっている事を象徴していると感じました。レビュータイトルは「羊たちの沈黙」のクラリスが幼い頃に殺されてしまった子羊に囚われ、トラウマの奴隷になっていた所をレクター博士に見透かされ、後々アンダーコントロールになっていった所からつけました。 本書を読もうとしたきっかけは、本書の一編「神様男」です。 売れない地下アイドルメンバーの母親の目線で、アイドルコミュニティの異様さが描写されています。うさんくさい地下アイドルの一員となった長女は、輝かしいアイドルになる事にガチガチに囚われており運営プロダクションに言われるままお金と時間を巻き上げられています。直接お金を出すのは長女の母ですが、彼女もまた娘へのインスタントな愛情に囚われているようです。とあるアイドルの合同ライブで、母は熱烈な中年アイドルオタク=神様男と出会います。彼は長女のグループ単推しというわけでなく、横断的に多くのアイドルを見ているようです。 神様男のような自称アイドル評論家は実際に生息する生き物で、昨今のグループアイドルの活動としては定番となっている握手会において、頼まれてないのにアイドルにダメ出しや説教する生態があります。年端のいかない少女達からすればそれでもお客様である事に違いないため、クソみたいな戯言を延々聞かされ、泣かされたりしながら神様男たちに謝意を述べたりするそうです。不快な思いをするアイドル自身も、これを自分の夢のためと信じて耐え忍ぶ事が正しいと思ったりするそうで、彼女たちも神様男も思考停止して奴隷である事にどっぷりつかっています。 あくまで神様男はドルオタの一部にすぎませんが、自分がアイドルを育成する神様だという妄想に囚われアイドルを奴隷扱いしている事に気づかず、本人としてはアイドルの成長のために愛情をもって接していると錯覚する連中がこのコミュニティには一定の割合で存在します。こういうお金払うだけで他者にマウント取れると思い込む欺瞞に満ちた連中の気の弱さや無責任さ、薄っぺらさが、神様男の一人称を「僕たち」にすることで的確に表現されています。主語を大きくする人間が自分の言葉に責任持つわけがありません。 私は先日、生まれて初めてアイドルグループを応援するようになって、初めて恋愛スキャンダルによるメンバーの卒業を体験し、アイドルコミュニティの異常さを目の当たりにしました。なぜ(多くの)ドルオタは一方的にアイドルに恋愛を禁じ、ルールを破ったアイドルを追い詰めるのだろう、そのアイドルが炎上で深く傷ついてもひとりの女性をぼろぼろにした事に責任を感じないのだろう、と不思議に思い参考文献の1冊として本書を読みました。アイドルを我が物にしたいという愛執と、奴隷状態に対し「そういうものだから」と思う(アイドルと神様男じみたドルオタ両者の)思考停止が、この異常さの原因だろうと推測しています。 仏教では、愛執は悟りを妨げる原因のひとつに数えられます。仏教的に正しいアイドルの応援の仕方はあるのでしょうか?アイドルそのものを認めない、というのは誤りかと思います。あってはならないという考えに凝り固まってはならないはずです。理性をもってアイドルを応援して、アイドルに認知されたいからと過剰な投げ銭をすることなく、変化していく事を当然と受け止め過度な思い入れをもたない、といったところでしょうか?あまり楽しくなさそうです。 | ||||
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私のキャパシティの問題か…まだ、読み解けていません。1度目は驚きのみで若干の拒絶も。正直どう受け取って良いものか…2度3度と読み込んでみます!理解したとき新しい自分に出会えるのかも! | ||||
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7編の短編集です。 個人的にはラストに希望が見える「雀」と「泥」が好きです。 日本であった人身売買の話「告白」、じっくり読み返したい「Real」もよかったです。 乾いた、突き放したような文体と内容があっていると思います。 | ||||
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なんとなく桐野さんの才能が発揮されていない、ダークなだけの後味の悪い読み終わりでした。これなら買わずに図書館で購入した方がよかったかな。 | ||||
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奇をてらう内容ですが、一話一話が短く、作者特有の自分の世界観に酔っているだけの作品ばかりでつまらなかった。ハズレでした。 | ||||
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桐野さんの作品が好きでよく読みますが、こちらはダメでした。期待で一気に読み進めましたが、最後まで期待は叶わず… 短編だからかもしれませんが、テーマは残酷だったり重めなのに、内容が浅く感じられつまらなかったです。 読後、著者を間違えたかと表紙を確認してしまいました。 | ||||
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最初の短編ってか掌編小説なんかは、マルキ・ド・サドの的である意味、性的にゾクゾクって香りをかすかによぎるも、決して、そうではなくて、なんというか、奴隷=性、と単純でなくて、もっと桐野節的な悪毒なテクストって感じがした。さすが! 奴隷といえども、それぞれの掌編作品を多角的にとらえた本で、 バックに入れておけばいつでも気軽に読める。内容は暗いけど。 なんか人間の欲をすごく垣間見た作品集だった気がする。 奴隷だから自由はないんだけど、人間どこまで行っても欲からは解放できない意味では俺も奴隷かな?! 表紙の写真は限りなく最後の作品のイメージはあるね! | ||||
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精神的または身体的に奴隷状態にある本人、 または、その家族の心情を綴った短編集。 各々の物語に関係性はない。 内容は、タイトルの通りと言われればその通り。 奴隷的な立場にある者たちの、ある意味で淡々した思考と吐露。 1編のページ数が少ないこともあり、 背後関係が描かれておらず内容を理解しにくい点が多い。 また、登場人物たちの思考についての説明も不足していると共に、 行動に一貫性がないので共感もしにくかった。 作者らしい作品と言えなくもないが、 非常に読後感が悪かった。 | ||||
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桐野夏生さんということで期待していたのですが、つまらないです。 全くの架空の世界の話です。 現代社会に対して言いたいことがあるようですが、想定があまりにもリンクしてなさ過ぎて、伝わらないです。 話自体もつまらないですし。 残念な一冊でした。 | ||||
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集落の掟に縛られたり、突然連れ去られたり、過去を忘れられなかったりと、様々な奴隷的な状況を描いた7つの短編集。 どの話も、この先はどうなるんだろうというところで終わってしまうので物足りなさは残ったが、怖さと欲望が緻密に描かれていて読み応えがあった。 個人的には「神様男」と「ただセックスがしたいだけ」が印象的だった。 神様男は、アイドルの卵の女性がライブに出演する話。アイドルとして売れっ子になるのが以下に大変かが描かれている。何が奴隷?と思ったが、最後に謎が明らかになる。 ただセックスがしたいだけは、炭鉱労働村で働く男の話。酒も本も映画も何の娯楽もない村で、寒くて川が凍る冬の季節に何かが起こる。男の欲望の強さがよく描かれていた。 | ||||
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千葉県野田市の清水公園の早咲きのキリシマツツジ、クルメツツジ、オオヤマツツジなどが、今年も多彩な花を身にまとって、女房と私を迎えてくれました。ここでは樹形を整えない方針が長年に亘り守られていますので、背より遥かに高いツツジのジャングルの中を探険する気分を味わうことができます。因みに、本日の歩数は10,399でした。 閑話休題、桐野夏生(なつお)の短篇集『奴隷小説』(桐野夏生著、文藝春秋)を手にしました。桐野の小説にはいつも驚かされますが、今回も期待を裏切られませんでした。 世界は野蛮で残酷な牢獄に満ちているとして、著者が、「囚われている人々を書いてみました」と語る、その世界にたちまち引き込まれてしまいます。 一番強く印象に残ったのは、『泥』という作品です。「私たちは、泥に囲まれた島に囚われている。島はそう大きくない。高校の運動場ほどの大きさ、と言ったらわかりやすいだろうか」。 「たぶん、湖沼の水が泥になる前は、穀物倉庫か何かに使っていた建物なのだろう。けれども、今は泥の中にある島の、朽ち果てた廃墟でしかない」。 「私たちは、首都の私立女子高の生徒である。いや、女子高生だった。今は、自由も尊厳も何もかもを奪われた、若い女の集団だ。しかも、何の統制も取れていない」。 泥の中に飛び込んで逃亡を図った仲間の一人が銃殺される。「奴らは、私たちが怖がるのを笑った後に、彼女の死骸を泥に投げ捨てた。彼女の死骸はしばらく浮かんでいたが、やがて沈んで見えなくなった。泥が呑み込んだ死。私はそれが怖かった。私たちを取り囲んでいる泥が、大量の死を包含しているような気がしたからだ。皆が啜り泣いていると、兵士たちから『司令官』と呼ばれている男が前に出て、覆面をかなぐり捨てた。・・・『黙って、よく聞け。政府との交渉は決裂した。おまえたちは人質ではなくなったことによって、運命が大きく変わった。おまえたちは、自分がどんな立場にあるのか、知る必要がある。おまえたちは女である。だから、男に所属する物だ。男のズボンや靴と同じように、男の持ち物であり、牛や豚と同じように、男の家畜である。つまり、おまえたちは男の財産であるが故に、これから男たちに分配されることになった。おまえたちの中で、美しく、処女である者に限っては、花嫁として、この国の男に手渡されることになろう。だが、それ以外の者は、下女となって死ぬまで働くか、奴隷として他国に売られることになる。どの境遇になっても、懸命に生きて、男のために尽くすことが神に仕える道である』」。 「私」たちは、いったいどうなるのでしょう。 | ||||
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読後のダウン感はなかった。毒ではあるが、じめつき感はさほど感じず、同じ毒でも飲みやすい毒といった感じ。 楽しみました。 | ||||
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短編集。 桐野夏生ワールド、まさに全開だ。 題名がすごいのだが、その題をすら、軽く感じさせられる、すごい7編だった。 恐怖は人間を骨抜きにし、人はその恐怖心によって拘束される。 じわじわと追い詰めるような物語は、どれも、不気味だ。 私が特に怖かったのは「雀」と「泥」。 理不尽な世界には、逃れる方法がない。 辛いのだが、どこか救われる気分であったのは、 「山羊の目は空を青く映すかDo Goats See the Blue?」 自らを見出せた主人公がまぶしかった。 | ||||
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囚われたり、支配されたりした人々を書いた全7編の短編集。桐野夏生氏らしい、しか書けない異色作です。 時代や場所などが特定できない作品が多く、奴隷小説だけに読後感は良くないです。 閉鎖した農村の長老や謎の兵士達、アイドルオタクのファン、亡くなった娘など、様々な囚われパターンが桐野夏生氏の想像力で繰り出され、その不思議な世界観にどっぷり浸かれます。 ラストに哀愁が漂う最終話「山羊の目は空を青く映すか」と、主人公の絶望感が強烈な「告白」、なるほどと思った「神様男」が印象的でした。 | ||||
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わずか155ページに短編が七篇収録されている。あっという間に読み終わった。 強烈なタイトルだ。一時期このまま普通小説に流れてしまうのか?と心配していたが、桐野先生の作家魂健在を見せつけてくれてファンとして喜ばしい。 テーマはタイトル通り「奴隷」だ。様々な社会で理不尽に虐げられ、人間の尊厳を奪われた人たちの視点から世界の残酷さを炙り出す。 どれも読みごたえがあるが、短いので情念が煮詰まる前に終わってしまう。「これは長編で読みたかったなあ」と思わせる作が何本かあった。 『雀』舞台は戯画化された日本の農村か。厳格な家父長制に基づく一夫多妻制の陰惨さが強烈な印象を残す。昔の日本て、これに近かったのでは。 『泥』乱入した兵隊たちに、少女たちの日常は奪われた。アフリカか中東を思わせる世界を描く。容赦ない筆致に圧倒された。 『ただセックスがしたいだけ』探鉱で働く男が娼婦との一夜に夢中になる。どことも知れぬ世界の寒々しい情景が心に沁みる。男は性欲の奴隷なのか。 『神様男』本作だけ毛色が異なる。舞台は現代日本で、生命を脅かすような状況ではない。母親が売れないアイドルを続ける娘を見守る話だ。が、ここもまた残酷さに満ちた世界ではある。ライブハウスの描写が生々しくて引き込まれる。 苛酷な現実には違いないが、別に奴隷とは言えないのでは?と思っていたが、友梨奈の最後のセリフで奈落に突き落とされた。なるほど、確かに奴隷だ。 『山羊の目は空を青く映すか』閉塞感は本編が一番だろう。北朝鮮の収容所を思わせる世界で生きる少年は、一度も外界を見たことが無い。 思わぬことから外を見ることができたがーー。 物足りない気もするが、あっさり読めてしまうという利点もある。「忙しいけど内容のある小説を読みたい」という人にお勧めしたい。 | ||||
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時代や場所にかかわらず、人間社会に時折現出する、さまざまな抑圧と奴隷状態 それを淡々と書き綴り、 何の救いもなく、読み終えた後に心の中にざらりと苦い澱が残ります。 ワインの澱は、 長く熟成され重厚な味わいを持った上質な赤ワインに多く見られるとのこと。 まさしく、この短編集は桐野夏生の「澱」です。 この作品の7つの短編一つ一つが、 赤ワインの澱の成分、たんぱく質やポリフェノール、 渋み成分であるタンニンや色素成分であるアントシアニンなどの結晶のように、 いろんな種類の、なんとも言えない不気味さ・気持ち悪さが心に絡み付きます。 桐野さんの長編もいいけど、 この短編集はまさに桐野夏生エッセンスって感じです。 桐野夏生が好きな人でも、好き嫌いの別れる作品と思いますが私は好きです。 しっかり本棚にしまい込んで、時折読み返しそうです。 なんでだろう・・・ 読んでも気持ちが悪いだけなのに。 希望も救いもないないのに。 怖いものみたさというよりも、人間は一人で生まれてきて一人で死んでいく。 所詮は一人ということを確認できるからかもしれません。 | ||||
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