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(短編集)

あるフィルムの背景: ミステリ短篇傑作選



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【この小説が収録されている参考書籍】
あるフィルムの背景: ミステリ短篇傑作選 (ちくま文庫)

あるフィルムの背景: ミステリ短篇傑作選の評価: 3.83/5点 レビュー 12件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.83pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全3件 1~3 1/1ページ
No.3:
(2pt)

これはミステリ短編集ではない

これはミステリ短編集ではない。収録されている小説は、2編だけがミステリと言いうるもので、他はスリラーとホラーである。
 私が考える小説の定義を書いておく。ミステリ小説とは、冒頭に事件が起こり(たいてい殺人事件である)、主人公がその犯人(および動機や犯罪の方法)を探し出す物語である。サスペンス小説は、主人公が事件に巻き込まれて、危難から逃れようとする道筋を描く物語である。スリラーとは、読み手が恐怖を覚える結末が書かれている小説である。一部のホラーも、読み手が恐怖を覚える結末が書かれている小説であるが、この場合の両者の違いは恐怖の程度と、起こった出来事の残虐さの程度であると思う。また、ホラーには、残虐な出来事が複数回描かれる物語もある。
 一つの小説が、上記の4つの類型の複数の特徴を帯びることも可能である。ミステリであると同時にサスペンス、スリラーやホラーであるとかサスペンスであって同時にスリラーやホラーであることも可能だろう。
 さて、以上の分類に基づけば、この短編集でミステリと言えるのは、「温情判事」と「あるフィルムの背景」だけである。後者は同時にスリラーでもある。「惨事」、「蝮の家」、「私に触らないで」、「みにくいアヒル」、「女の檻」、「絶対反対」、「葬式紳士」はスリラーであろう。「孤独なカラス」、「老後」、「うまい話」、「雪山賛歌」はホラーであると思う。(雪山賛歌はミステリでもあると言いうるかも知れない。)
 結城昌治の「暗い落日」と「公園には誰もいない」は推理小説としてよくできている。私は感銘を受けた。特に「暗い落日」は傑作だと言ってよいと思う。それで彼の短編集を買ったのだが、本当にがっかりした。この短編集を「ミステリ短編集」と名付けるのは、読者をだましていると言ってよい。収録された大部分の小説で謎が投げかけられることがないからである。しかも、後味の悪い話ばかりで、うんざりした。
あるフィルムの背景: ミステリ短篇傑作選 (ちくま文庫)Amazon書評・レビュー:あるフィルムの背景: ミステリ短篇傑作選 (ちくま文庫)より
4480434763
No.2:
(2pt)

長く引っ張る展開の割にオチが弱く、スッキリさせてくれるわけでもない

13作品が収録された短編集。

収録作品
第一部
 ●惨事
 ●蝮の家
 ●孤独なカラス
 ●老後
 ●私に触らないで
 ●みにくいアヒル
 ●女の檻
 ●あるフィルムの背景
第二部
 ●絶対反対
 ●うまい話
 ●雪山讃歌
 ●葬式紳士
 ●温情判事

絶賛されている書評を目にするが、
全体的に評判ほど面白く思えなかった。

第一部に関しては長く引っ張る展開の割にオチが弱いし、
スッキリさせてくれるわけでもなくてストレスがたまる。

キャラクターは深く描かれているが
ひたすら不幸に見舞われた筋書きが続き、
後味の悪いままプツリと終わってしまう印象。

第二部はそれぞれの作品が短くなるので
テンポがよくなる分、ずいぶんマシに感じるが、
ショートショート程度のオチしか用意されていないのに
結末に持ち込むまでの前フリが長すぎるように思う。

どの作品も、ひとつしかない伏線を
いろいろな情報に紛れさせているに過ぎず、
これなら阿刀田高や星新一の方が高い満足度が得られる。
あるフィルムの背景: ミステリ短篇傑作選 (ちくま文庫)Amazon書評・レビュー:あるフィルムの背景: ミステリ短篇傑作選 (ちくま文庫)より
4480434763
No.1:
(2pt)

残念すぎる。

書評を読んで買いましたけど...
さほど面白いとも思えません。というか、全然...。
物語の設定がとにかく古臭い。レイプされた貧乏な娘とか、誘拐されて殺された子供とか、旧家に嫁いだ女の悲劇とか。カラスの鳴き真似をする子供?なんで?なんのために?意味不明です。
下手くそな作家が奇をてらって頑張って描いた感じです。ストーリーも中途半端で、ラストが意味不明です。旦那の死に際に蛇見せて、襖を閉めるというラストだったりするのです。それがなんだというのでしょう?あーそれで、憎い旦那がびっくらこいて死んだわけ?とこちらは想像させられるだけです。虐げられた人々を描いて文学的要素も入れたつもりなんだろうけど、正直なにを言いたいのかまるでわからない。常に虐げられる者と踏みつける強者の図式ばかりで、うんざりしました。

松本清張を目指したけど、足元にも及ばない。松本清張の短編はもっと上手かったし。
あるフィルムの背景: ミステリ短篇傑作選 (ちくま文庫)Amazon書評・レビュー:あるフィルムの背景: ミステリ短篇傑作選 (ちくま文庫)より
4480434763

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