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(短編集)

あるフィルムの背景: ミステリ短篇傑作選



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【この小説が収録されている参考書籍】
あるフィルムの背景: ミステリ短篇傑作選 (ちくま文庫)

あるフィルムの背景: ミステリ短篇傑作選の評価: 3.86/5点 レビュー 14件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.86pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全14件 1~14 1/1ページ
No.14:
(5pt)

初めての作家との出会い

たまたまKindleで見つけて読んでみたが,どれも短い文中にサスペンス調の展開が仕組まれていて,飽きずに読破できた。初めての作家の文体にふれるというものもいいものだと思った。
あるフィルムの背景: ミステリ短篇傑作選 (ちくま文庫)Amazon書評・レビュー:あるフィルムの背景: ミステリ短篇傑作選 (ちくま文庫)より
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No.13:
(3pt)

単調な作品群

「日本ハードボイルド全集」という編纂で、結城昌治の作品が一巻編まれている。
その作品の質の高さに驚いた。全集そのものはあまり評価できないが、結城の作
品は質の高さで群を抜いている。中でも「幻の殺意」が秀逸だった。
 そこで結城の作品をまた読んでみようと思い立ち、本書を取り寄せた。  
 本書は第1部と第2部に分かれている。全13編の短編集。他のレビュアーの方
も記しているが、ここでも収載作品名を載せておく。
 惨事、 蝮の家、 孤独なカラス、 老後、 私に触らないで、
 みにくいアヒル、 女の檻、 あるフィルムの背景、 絶対反対、
 うまい話、 雪山讃歌、 葬式紳士、 温情判事、
ごく簡単に各作品のレビューをする。順不同となる。

 「あるフィルムの背景」。押収した春画、ブルーフィルムにある女性と似た女性
が出演していることに気がついた検事。あまりの疑いに、女性にその写真を見せ
てしまう。ここから悲劇は始まる。愛した人の過去の秘密が容赦なく主人公に襲
いかかる。弱みを握られた者が、さらに深みに入る。「限りない羞恥と屈辱」それ
が死を引き寄せる。スピーディな展開。そして暗すぎる結末。

 「絶対反対」。遺棄した場所の収用に反対する主人公。工事の折りに思いがけな
い事実が判明する。清張の「鴉」を思い出した。
 「うまい話」。まるで落語のようなテンポのいい話だが、最後は悪趣味な結末。
 「雪山讃歌」。山岳ミステリーとでも言うのだろうか。新田次郎でも書くような
背景となる雪山。ミステリーとブラックユーモアの中間的作品。
 「葬式紳士」。正体不明の人間に対する、大会社の重役の行動には違和感がある。
小品としてはこれでいいか。
 「温情判事」。現職の判事が大学で講義するのだろうか。その他細かな点でもリ
アリティが薄い。結局何をいいたいのか不明ままで結末を迎える。
 以上4作品は第二部に収載。推理ものというよりも、いささか現実味の薄い「オ
チ」となっている。小品とするにはこれでいいのだろうか、ふと疑問に思う。

 「惨事」。冒頭に収載。どうにも陰々滅々の事件で、当時(1963年 東京オリン
ピックの1年前)は、この種の事件では女性側がとにかく責められていたのだろう。
傷ついた女性がなおも傷つく。著者=結城が「悪達者」であることがよく分かる。
どうにも感心しない。衝撃しかない失敗作。
 「蝮の家」。まるでうまくいっていない家庭。夫婦の思いが交互に描かれる。実
験的でもある小説だろう。高慢な妻、下品な夫。双方の思いは自身にとっては「真
実」であったのだろう。互いの不貞行為。二匹の絡み合う蛇の物語か。結末は一転
するが、残念ながらいくつか瑕疵がある。片方のイヤリングだけ付けることはあ
りえない。アリバイ証明の女性と実行者の関係も、警察に知られないことなどあ
るはずがない。奇を衒ったあまりにストーリーが破綻している。失敗作。
 「孤独なカラス」。現在このストーリーで発表したら、まず間違いなく発刊され
ないことが設定されている。「下層」に住む人間が当たり前に犯罪など犯す訳がな
い。また精神疾患や発達障がいをこう利用するのは犯則。これは時代を経たから
言えるのではなく、当時としても好ましくないはず。これほど酷い結末を何故書
いたのか、それさえ不明な作品。何も感心できない失敗作。

 「老後」。こういう辛い生涯を送った人の話を、さらに酷く突き落とし、遂には
相手に対して「鬼」になる。こんな物語をよく描けるな、ふとそう思う。読者の「怖
い物見たさ」に迎合した作品。愚作。
 「私に触らないで」。主人公の白昼夢が、笑ってしまうほどありきたり。だが、
人生の半ばを越えて、ふとした冒険心が思いがけない結末を招く。結果として大
罪を犯した主人公。結局は愛する「花」にも裏切られる。
 「みにくいアヒル」。女性の容貌を揶揄的に描き、その醜さ故に犯罪を犯す。そ
んな小説は読みたくもない。「人無化十」とあまりにも惨い言葉。人間の嫌らしい
好奇心に阿る愚作。
 「女の檻」。よくある現在付き合っている人と別れ、新しい人と付き合おうとす
るが、それが拒否される。結城の描く女性はステレオタイプだ。ことさらに女性
心理を醜く描いているかと思う.。裕福な女性と生活苦のある女性、この二項対立
で話は進む。この作品も「ただ堕ちていく感覚」があるのみ。

 全体を通して。
 結城昌治はやはり筆を器用に扱える作家だ。だが作品のプロットとなると、変
化が少ない。哀しい背景を持つ人間が、結局はもっと哀しい結末を迎える。その
話を何度も繰り返している。手を変え品を変えても同じような読後感。
 本書収載の2~3編を読んだときには、息を呑むようなスピード感があった。
だが、最後は決まり切ったようなバッドエンド。
貧しい人、虐げられた人、精神的に変調を来した人、容貌にコンプレックスの
ある人、。その言わば「弱者」をさらに虐めてしまうプロットとなっている。これ
が少数ならばまだいいが、ほぼ全てがその形をとっている。どうにもやりきれな
い。 
 逆に「社会の上層にいる人」が道を踏み外す。そんな内容の作品は少なく、全体
として読んだときに、いやに単調な作品群という思いがある。つまりはワンパタ
ンな作品が多すぎる。どうにも辟易した。
 結城は情景描写も心理描写も上手で、どこか登場人物を突き放したような乾い
た「ハードボイルド」的作品を描けても、人間の複雑さは描けていない。

 よく出来ている作品群だが、もう一度読もうとは思わないだろう。
 よって☆は三つが限界だろう。
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No.12:
(5pt)

本格サスペンスってすごいなあと怖く思わせた作品・・

「惨事」について
若い頃の夜、この2時間サスペンスは夜にホラー映画でも見ているような恐怖と、真に迫るものを感じました。これでもすっきりしていて無理のない、実はありそうなリアルさがまず魅力です。また何より、純粋な感情をもって描き切り、主人公の周りと全体にもついて回っています。ここに今作の本当の恐ろしさと不気味さを、醸し出している気がします。。
短編って、それだけ設定が大きくしっかりしていたり、インパクト強く魅せるのが凄いなあと思います。
映像ではその後の弁護も描かれましたが、この短編では作品性として、その後は主ではない気がします・・核心である「殺意の有無」は、小説とまた映像によっても、若干違っています。それだけ、人間社会は1つ何かが違うと主題や物語に差異を生む、汎用性のようなものを感じ、また新鮮に映りました。これは事件に限らずで、展開が違う楽しみが予想され、心情も現実性も濃い作品です!若い女性は特に、物語として楽しめる恐怖があります、、
私にとっては、短編ならドラマ「ししゃもと未亡人」に準ずる、不動のミステリー性をもつ作品です( ;'Д`)
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No.11:
(2pt)

これはミステリ短編集ではない

これはミステリ短編集ではない。収録されている小説は、2編だけがミステリと言いうるもので、他はスリラーとホラーである。
 私が考える小説の定義を書いておく。ミステリ小説とは、冒頭に事件が起こり(たいてい殺人事件である)、主人公がその犯人(および動機や犯罪の方法)を探し出す物語である。サスペンス小説は、主人公が事件に巻き込まれて、危難から逃れようとする道筋を描く物語である。スリラーとは、読み手が恐怖を覚える結末が書かれている小説である。一部のホラーも、読み手が恐怖を覚える結末が書かれている小説であるが、この場合の両者の違いは恐怖の程度と、起こった出来事の残虐さの程度であると思う。また、ホラーには、残虐な出来事が複数回描かれる物語もある。
 一つの小説が、上記の4つの類型の複数の特徴を帯びることも可能である。ミステリであると同時にサスペンス、スリラーやホラーであるとかサスペンスであって同時にスリラーやホラーであることも可能だろう。
 さて、以上の分類に基づけば、この短編集でミステリと言えるのは、「温情判事」と「あるフィルムの背景」だけである。後者は同時にスリラーでもある。「惨事」、「蝮の家」、「私に触らないで」、「みにくいアヒル」、「女の檻」、「絶対反対」、「葬式紳士」はスリラーであろう。「孤独なカラス」、「老後」、「うまい話」、「雪山賛歌」はホラーであると思う。(雪山賛歌はミステリでもあると言いうるかも知れない。)
 結城昌治の「暗い落日」と「公園には誰もいない」は推理小説としてよくできている。私は感銘を受けた。特に「暗い落日」は傑作だと言ってよいと思う。それで彼の短編集を買ったのだが、本当にがっかりした。この短編集を「ミステリ短編集」と名付けるのは、読者をだましていると言ってよい。収録された大部分の小説で謎が投げかけられることがないからである。しかも、後味の悪い話ばかりで、うんざりした。
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No.10:
(4pt)

面白い、ただしドロドロですよ

お馴染みレーベルとなった日下三蔵編集の傑作選である。本書は竹書房ではなく、ちくま文庫だ。
60年代に書かれた作品を13篇収録している。

怪奇幻想ではなく、社会派寄りだ。本書の主人公たちは、社会的立場ではなく純粋に個人の欲望や好悪の感情で動く。だから松本清張よりも赤裸々で生臭い。
第一部八編から印象深い作品を語ると、
『惨事』強姦被害者が痛ましい。加害者に「若いから前途がある」などという裁決が下っては、被害者はたまらない。レイプ野郎に涼しい顔で平穏な人生を送らせてはならない。
『蝮の家』壊れた夫婦が憎みあい、たがいの破滅を狙っている。こういうドロドロ模様は、けっこう好きだ。
『老後』虐待を受けてきた老婆の復讐とは。
『孤独なカラス』歪な心を持つ子供の話だ。当時の異色作は、今では平凡である。
『みにくいアヒル』醜い容姿の女の半生を描く。現在はここまでストレートに書けないだろう。
外見による差別は消えるどころか強くなってるのに。
『女の檻』女性関係を巡る嫌な話だ。最後のセリフが怖い。

表題作はポルノフィルムを巡る事件がテーマだ。AVを見放題の今では考えられないほど異様な存在だったらしい。それなりにサスペンスであるが、真相も結末も平凡だ。
第二部五篇はオチで読ませるショートショートである。際立った作品はないが、まずまず面白く読めた。
『温情判事』は衝撃が尾を引く。『葬式紳士』は星新一に同じ趣向の作が存在する。どちらが先かはわからない。偶然アイデアが重なったのか。
普通に楽しめた。平均値は高め。
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No.9:
(3pt)

あるフィルムの背景

裏表紙の紹介文に「読者の予想を裏切る驚愕の結末」とあるが、これは正直に言って誇大広告だと思う。

そこに注目するよりは、第一部では人間性を深く掘り下げた人間ドラマを、第二部ではいわゆる「奇妙な味」とでもいうべき不思議な世界観を味わうと楽しめると思う。

個人的には印象に残る作品はなかったが、文章がとても読みやすく、ストーリー作りが達者であることは疑問の余地がないと思う。
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No.8:
(5pt)

美品

とても綺麗な状態で良かったです。
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No.7:
(2pt)

長く引っ張る展開の割にオチが弱く、スッキリさせてくれるわけでもない

13作品が収録された短編集。

収録作品
第一部
 ●惨事
 ●蝮の家
 ●孤独なカラス
 ●老後
 ●私に触らないで
 ●みにくいアヒル
 ●女の檻
 ●あるフィルムの背景
第二部
 ●絶対反対
 ●うまい話
 ●雪山讃歌
 ●葬式紳士
 ●温情判事

絶賛されている書評を目にするが、
全体的に評判ほど面白く思えなかった。

第一部に関しては長く引っ張る展開の割にオチが弱いし、
スッキリさせてくれるわけでもなくてストレスがたまる。

キャラクターは深く描かれているが
ひたすら不幸に見舞われた筋書きが続き、
後味の悪いままプツリと終わってしまう印象。

第二部はそれぞれの作品が短くなるので
テンポがよくなる分、ずいぶんマシに感じるが、
ショートショート程度のオチしか用意されていないのに
結末に持ち込むまでの前フリが長すぎるように思う。

どの作品も、ひとつしかない伏線を
いろいろな情報に紛れさせているに過ぎず、
これなら阿刀田高や星新一の方が高い満足度が得られる。
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No.6:
(4pt)

妻がAVに出演していました・・・そこから始まる悲劇。

結城昌治氏、自分に取って初見の作家さんでした。最近の自分は、読みごたえがないという理由のみで、あまり短編集は読まないのですが、結論から言うと本作は珠玉の作品が詰まっており、非常に満足の行く一冊でした。

この結城氏の作品は必ずと言っていい程、人が死にます。事故だったり、ある時は殺人だったり、自殺だったり・・・。にも拘らず、物語は実に淡々と進みます。勿論悲しみはそれなりに表現されていますが、どちらかと言うと事務的に取り扱われていて、阿鼻叫喚なんていう字とは全く無縁です。無機質な感じ?とでも言えばいいのでしょうか?
ただし、一作一作にひねりが聞いていて、逆にそれが不気味さや恐怖感を煽っている気が致します。
本作に収録されている作品は全部で13話。
第1部
【惨事】
憧れていた男性に乱暴され、何もかもが上手く行かなくなってしまった女性。彼女の心がふと揺れた時、何が起こったのか?
【蝮の家】
常に相手を出し抜き、なんとか財産を取られずに、または財産を取って、離婚しようとしている医者夫婦のお話。どちらが上手くやったのか?
【孤独なカラス】
カラスと云う仇名の孤独な少年が住んでいる街で起きた幼女惨殺事件。中々犯人を上げられない警察が最後に捉えたのは?
【老後】
旧家の放蕩息子に乱暴され、結婚することになったが、酷い扱いをされ続けて笑わなくなった老婦。何故、その老婦が最近微笑を見せるようになったのか?
【私に触らないで】
自分の人生は平凡すぎてつまらないと常に思っている歯医者にふと差した魔。結局、歯医者はどうやって平凡な自身の生活に別れを告げたのか? 
【みにくいアヒル】
器量が悪い主人公は、それなりに人生を乗り切って行こうと努力していたが、ある時、静かにキレる。その結果彼女に芽生えた思いとは・・・。
【女の檻】
やっと逆玉の輿に乗るチャンスが訪れたものの、昔から付き合っている腐れ縁の女がいる為にそれも叶わず悶々とする男。そんな時に起きた殺人事件。何か関係はあるのか?
【あるフィルムの背景】
この本の表題になっている作品で、恐らく一番有名なものだと思います。
主人公は裁判官。美しい妻と二人暮らしの何不自由ない生活。が、ある時、証拠のポルノビデオの中に、妻そっくりの女性が出演しているのを見つけます。他人のそら似と自身も思い込むようにするものの、妻に何気無く確認をいれてしまう主人公。そこから始る悲劇。一体何が起きたのか?

第2部
【絶対反対】
オリンピック道路建設の為に、立ち退きを迫られている独居老人の話。彼は何故そこまで反対をしているのか?やがて判るその驚愕の事実・・・。
【うまい話】
金持ちの家に強盗に入ろうと誘われた二人。が行ってみると何か様子が異なる。何か起きそうな予感がビシビシとしてくるが、一体何が起きたのか?
【雪山讃歌】
雪山で不自然な行動をする男を見つけた主人公は・・・。果たしてその男は一体何をしていたのか?
【葬式紳士】
社内のライバルをあっちの世界に葬り去ってくれる、殺し屋のお話。
【温情判事】
「罪を憎んで人を憎まず」を、実践している判事。そんな判事の妻が殺人事件に巻き込まれる。怨恨など全く身に覚えは無い為、通り魔の線で捜査するも、該当者は全く見つからず。そんな時に浮かび上がって来た真実とは・・・??

多少の差こそあれ、本著は傑作選ですから、それぞれ、とても面白く、夜を徹して直ぐに読んでしまいました。
感覚としては連城三紀彦氏とか米澤穂信氏に似ているかもしれません。もっとも結城氏は1927年生まれ(96年に亡くなっている)、連城氏も1948年生まれ(やはり2013年にお亡くなりになっています。)米澤さんは1978年生まれの現在41歳なので、活躍する、またはしていた年代がそれぞれ相当に異なっています。よって、互いに関係はほぼ無いと思いますが、接点位はあったのかなぁ。

思いっきり非日常の世界にお浸り下さい。
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No.5:
(4pt)

生きてないけど懐かしい。

私が結城昌治氏の作品を読むのは、1950年代、60年代、70年代の描写をハードボイルドテイストで読みたいからだ。

やはり自分が生きていない時代というのは、生きていないクセに懐かしく感じる風景がそこにはある。それを感じたくて読むところが大きい。今回もそれを味わえた。

当時を生きていない人が1950年代を描くのと、実際に当時を生きていた人が描くのとでは、リアリティが圧倒的に違う。だから、結城昌治を読むのだ。現役で書ける人は少なくなってきたから過去の人のを読むしかない。

毎回思うのは、今の時代と変わらないということ。
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No.4:
(5pt)

独特の雰囲気を堪能

昭和初期の時代背景で描かれた短編ミステリ集。
『孤独なカラス』など一種独特の雰囲気に仕上がっている短編も。
表題作もいいが『うまい話』『雪山讃歌』も秀逸。堪能した。
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No.3:
(5pt)

まさに珠玉の短編集

堪能した―。
流暢な文体。絶妙なストーリーテリングがつむぐ人生の陰影と、巧みな人物描写ににじむミステリアスな人の心の闇。そして、惹きこまれ夢中で読みすすんだ果てに投げ出される、ときに皮肉な、ときに劇的な結末に、しばし感嘆の息をつめ、今いちど物語を脳裏に反芻せずにはいられない余韻にひたされる…。
文句なし。一つの石もない、まさに珠玉の傑作集である。
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No.2:
(2pt)

残念すぎる。

書評を読んで買いましたけど...
さほど面白いとも思えません。というか、全然...。
物語の設定がとにかく古臭い。レイプされた貧乏な娘とか、誘拐されて殺された子供とか、旧家に嫁いだ女の悲劇とか。カラスの鳴き真似をする子供?なんで?なんのために?意味不明です。
下手くそな作家が奇をてらって頑張って描いた感じです。ストーリーも中途半端で、ラストが意味不明です。旦那の死に際に蛇見せて、襖を閉めるというラストだったりするのです。それがなんだというのでしょう?あーそれで、憎い旦那がびっくらこいて死んだわけ?とこちらは想像させられるだけです。虐げられた人々を描いて文学的要素も入れたつもりなんだろうけど、正直なにを言いたいのかまるでわからない。常に虐げられる者と踏みつける強者の図式ばかりで、うんざりしました。

松本清張を目指したけど、足元にも及ばない。松本清張の短編はもっと上手かったし。
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No.1:
(5pt)

和製ミステリのパイオニアの精選短編集

著者が日本ミステリに果たした功績はあまりに過小評価されている。
長編デビュー作であるユーモアミステリの傑作『ひげのある男たち』(1959年)、ベトナムを舞台としたエスピオナージュ『ゴメスの名はゴメス』(1962年)、本格ミステリと悪徳警官物の二部構成をとった推理作家協会賞受賞作『夜の終わる時』(1963年)、『暗い落日』(1965年)に始まる和製ハードボイルドの頂点である私立探偵真木シリーズ三部作、さらに渥美清主演で映画化された愉快なコンゲーム物『白昼堂々』(1966年)、戦争犯罪を告発した直木賞受賞作『軍旗はためく下に』(1970年)など著者が愛読した海外ミステリの潮流を巧みに取り入れ、その高みに挑戦したパイオニアとしての偉大さは手放しの賞賛に値する。
本書は著者の短編ミステリのまさにベスト・オブ・ベスト。表題作や「葬式紳士」「雪山賛歌」「温情判事」「孤独なカラス」といった傑作を一読すれば、巧みなストーリテリングと秀逸なアイデア、その中に込められた普遍的な人物描写の妙に驚嘆するに違いない。
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