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遠い山なみの光
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遠い山なみの光の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.85pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全81件 81~81 5/5ページ
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メロディーを奏でるように滑らかに流れ行くリズムが、この本の全体に覆う暗い影をいくらか軽減させている。明日の見えない不安、孤独、僅かながらもしっかりした希望の存在。物語は原爆の落とされた長崎を舞台に、主人公の記憶の中を彷徨っていく。著しい変化に戸惑う人々、それでも、女たちは、不安を打ち消すことに必死にもがきながら生きていく。その表現は、決して泥臭いものではなく、淡々と語られていく。 主人公の悦子自身の葛藤は余り描かれることがない。彼女が何故イギリスに来たのか、そして日本から連れて来た娘は何故自殺してしまったのか、それは最後まで語られることはない。悦子はイギリスでも子供を産んでいる。彼女は娘に「あなたの好きなように生きなさい」と語る。それはまるで、人生を傍観してしまっているかのような、希薄な存在を表わすかのように。 まるで魔法にかかってしまったかのような印象。読み進む内に、世界に引きずり込まれ抜け出すことができなくなる。描かれることのない謎を、究明していきたくなる、そんな物語だ。 | ||||
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