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ホワイトラビット
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ホワイトラビットの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.87pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全78件 41~60 3/4ページ
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伊坂幸太郎というと、最初の数十ページを読み進めるのがひどく困難な印象がある。 とにかく登場人物が多く、描かれる場面も二転三転、早送りしたり巻き戻したりとそのままの姿で見せてはくれない。だから状況の把握に時間がかかり、ともすればわたしのような人間には退屈にも映る。実際、途中までわたしはドリンクバーの紅茶を何度もお代わりしないと眠たくなってしまうほどだった。 どこでその印象が変わったかというと、立てこもり事件に巻き込まれた三人の人物のうちの一人が、とある人物であったと発覚した瞬間だった。いったいどういうことだと自らページと時を巻き戻し、なるほどと膝を打つ頃には今度は早送りが止まらない。とにかく先を読ませてくれの一心で指先と心が逸り続ける。 わたしは熱心な伊坂ファンというわけではないが(そんなわけで、黒澤の存在などレビューで言及されているのを見るまで気付かなかった)、とにかく伊坂幸太郎の作品は中盤から終盤にかけての疾走感がたまらなく、今作においてもそれは健在というところ。 その上、たとえば『グラスホッパー』なんかはとにかく読んでいる最中、痛くて辛くて大変だった記憶があるのだが、いや、『ホワイトラビット』が痛くも辛くもないとは言いませんが、今作は登場する人々の多くが救われているように感じるところが個人的にとても好みだった。 「救い」というのを、ただ第三者の目線で断言するのはとても難しい。たとえば兎田なんかは綿子ちゃんが生きて戻ってきたのなら救われたと言えるかもしれないし、けれどあれだけ痛めつけられて可愛い顔に傷が残ったのならそれは「救われた」とは言えないかもしれない。神を信じないものにいくら神の御加護がありますようにと謳ったところで、それは心の救いになりえないように、人によって「救い」の形なんてまちまちだ。 それでも、たとえば抜け殻のようになっていた夏之目が前を向けるようになったきっかけや、ただ父親の影に怯えていた母子が問題に対面できるようになったこと、兎田が大好きな綿子ちゃんと再会できたこと、とんでもないトラブルをとんでもない方法で解決(?)したこと。それらの全てをわたしは「救い」だと感じたし、これは伊坂幸太郎による、この作品に登場する人々を救う物語なのだと思うのだ。 | ||||
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誘拐犯の立てこもり,常に落ち着いた泥棒,本物の悪,警察,機動隊.つながるはずのない出来事がつながりにつながる.それが伊坂ワールド.圧巻としか言いようがない.定期的に鳥肌が立ち,にやけてしまう.まさに伊坂ワールド.そして,この本を読むと,ベテルギウスとレ・ミゼラブルについて勉強したくなるはずだ.なぜそうなるか? それは読んで感じて欲しい. | ||||
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さすが伊坂作品です 伏線があちこちで面白かったです | ||||
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文庫本にして348ページと、本書の主要な登場人物である黒澤が登場し、同じ新潮社から出版されている「ラッシュライフ(456ページ)」「重力ピエロ(473ページ)」に比べると短めの長編ともいえる本書、土日2日に分けて読もうかと思い読みだしものの、これが面白くて読み止められなくなり、数時間であっという間に読み終えていました。 本書の雰囲気は、伊坂幸太郎初期作品でもある前述の2作に近いものがありますが、10年以上の歳月において磨かれた小説技法のクオリティーの高さを感じます。 特に本作、各所で引用されるユゴーの「レ・ミゼラブル」の技法同様、作者である伊坂幸太郎自身が物語を演出している感を全面に出しています。 この手法、一歩間違えると物語への没入感が阻害されてしまうのですが、本書においては、この手法により「ユーモア感」が爆発しており、最初の1ページ目からクスクス笑いながら読み進めていくと、時々「えっ何?どういうこと?」と思わせたのち、「ほう、そう来たか」と種明かしがあり、気が付いたら伊坂幸太郎のミスリードにハマっている自分がいます。 これぞ伊坂マジック。 本書ではオリオン座を構成する星の一つベテルギウスの爆発について何度が触れられます。 ベテルギウスは地球から640光年離れており、ベテルギウスの光が地球に届くまで640年かかるため、現在見えているベテルギウスは640年前の姿なのだ、ということから、本書の黒澤が次のように語るシーンがあります。 「すでに起きてる出来事も、時間がずれないと見えないわけだ」 これが本書のキーワードですね。 | ||||
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馴染みの泥棒黒澤が登場する事もあり、いかにも伊坂幸太郎らしい作品だった。ベストセラー作家の余裕と言うか、この作品はエンタメ小説ですよと宣言するような、作者の語りが入るのが楽しく、スラスラと一気に読むことが出来た。これも芸のうちだろうか。 いろいろ複雑な事をやってるんだけど、特に頭を使わずとも、作者の巧みな語りに任せていれば安心して読み通せる感じ。熟練した作者の芸が楽しめる、安定のエンタメ作と評したいが、兎田と新妻の関係だけは少し引っかかりを感じた。エンタメ作だからこそ、2人の今後が気になるのかも知れない。 | ||||
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仙台市内で起こった籠城事件を軸に様々な人物の視点で描いた物語。 複雑、捏ねくり回しすぎでは?というレビューもあるが個人的にはそうそう、伊坂作品はこれ!という印象。 様々な視点、時間軸で物語が語られ、最後に収束していくという構成はお馴染み。 しかし、伊坂作品には珍しい?、実写化不可なトリックにはすっかり騙され、本格派推理小説に近いものを感じた。 いくつも散りばめられた違和感と終盤でのそれに対するカタルシスは読む価値アリかと。 | ||||
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仙台市で起きた人質立てこもり事件、通称「白兎事件」について、登場人物の視点と時系列をこれでもか、というほど目まぐるしく変えていき、最後まで読者を全く飽きさせない展開は見事の一言。ただ、トリックに関してはなかなか複雑で、1度読んだだけでは理解する事が出来なかった。深刻で暗い事件の筈なのに、語り手や登場人物のノリが終始軽い事もあってか、あまり肩肘張らずに読めるのも良い。作品の随所に小説『レ・ミゼラブル』のオマージュが散りばめられており、未読の方はそちらを先に読めば、本書をもっと楽しく読める事だろう。 | ||||
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フィッシュストーリーやラッシュライフに参加している「黒澤」が 今回も登場。映画「ポテチ」も観たが「黒澤」が大森南朋に 「今村」が濱田岳としてのイメージが出来上がってしまった。 でもそれがベストマッチで、とても読みやすかったのも事実。 登場人物が繋がっている小説はスピンオフであったり、 続編であったりで、読んでいて得した気分です。 | ||||
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登場人物の癖のある会話が本作品では特に洒落っ気があって楽しい。伊坂節が心地よい。黒澤と同業者の偽善者ぶりもよく書けている。ストーリーの仕掛けには参りました。 | ||||
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ゴールデンスランバー以降、自分の感覚としては不作続きで、途中、殺し屋シリーズなどは読んでいたものの、自分の中での伊坂ブームは去ってました。しかし、今作は「黒澤」が登場するとか。 一気に読破してしまいました。 尻上がりで面白くなっていく感じ。登場人物が多いので、序盤が少したるいのは御愛嬌かな。 主役の白兎は誘拐を仕事にしながらも、自分の妻がさらわれた事を気に、己の本質と向き合っていく。悪人ではあるが、憎めないキャラに仕上がってます。そして黒澤の役どころは読んで確かめて貰った方がいいでしょう。良い助演というか、裏主人公です。 そしてSITの隊長役、夏之目も酷い過去を背負った役回りで、徐々に感動していけるキャラクターでした。 映画化するならキャスティングは・・って想像しながら読んでしまう。 小説ならではのギミックも、映像化の際にはどうするか・・とか。 いや、映画化するのかは知らんけど(笑) 最後は涙涙のエンディングでした。 真似したくなるような作風なのに、追随する作家さんがいないのは何ででしょうか。 露骨な伊坂フォロワーが現れてもおかしくないと思うのですが。 読んでなかったノンシリーズも買い集めてみようと思います。 | ||||
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たまにハズレを引く伊坂さんの小説。 今回も当たりで楽しいです。 クスっと笑ってしまいます。 一気読みできるお勧めの一冊。 | ||||
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こちらのホワイトラビットだが、物語の形式は群像劇である。 よって複数の登場人物の視点、心理描写が交錯し、時系列が入れ替わることで、展開される。 大雑把にまとめると、主人公は人質立てこもり事件に巻き込まれてしまった黒澤という名の「泥棒」であり、 シリーズものの最新作になると思われる。 彼は冷静沈着、論理思考、判断力に長けている一方、たまに抜けているため、読者には親しみが湧く魅力的なキャラクターだ。 さて、こちらのレビューの低評価には「技巧に走っている」「こねくりまわしている」「印象に残りづらい」など見受けられる。 しかし、物語の形式上、多少複雑になることは致し方ない。 むしろ、よくぞ1冊にまとめ上げたと感嘆する。 伊坂氏の小説は絶妙のユーモアを交え、世の中の真実を嫌味なく、さりげなく表現している。 「さりげなく」主張することに卓越した作家だろう。 実は、さりげない言い回しとは日常生活の中で、聞き逃すことがざらだ。肝心な時に限って。 そのため、読者も重要な場面で、キーワードを聞き流してしまってはいないだろうか。 可能性は大いにある。 主役の黒澤も、作中ではこうした主張を散りばめ、臭わせている。 そこが、作者の意図的な問いかけであり、狙い目のように思えてならない。 「一体この話はどう収束するのか」 あらゆる疑問は、ラストに向けて気持ちの良い疾走感で終盤に向かう過程で昇華されてゆく。 点と点が線になり、伏線は見事に回収。 少々ネタばれだが、立てこもり事件の責任者である夏之目課長のエピソードは、 主張は控えめであるにも関わらず、 たとえ話や比喩表現を生かし、哀愁や家族愛を惜しみなく滲ませる。 読んでいるこちらまで思わず号泣する始末。 何より、ラストの黒澤と夏之目課長との車内での会話、作中にで引用される「レ・ミゼラブル」との繋がりに 凄まじい深さを感じた。 まさに壮大な宇宙のような広がりである。 伊坂氏の語彙力の高さ、知識量、言葉選びのセンスの良さには感服せざるをえない。 すべてを語るわけではないが、ハッピーエンドを思わせる終幕はあっぱれ! 読み終わった後には、夏の青空のような、爽快感が残るに違いない。 | ||||
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章が変わる度に、時間と場所が巧妙に前後し入れ替わり、読者を騙しつつも、テンポ良く話が展開される。正に伊坂ワールドと呼べる物語で、自分は楽しめました。 伊坂幸太郎作品を読んだことがない人にも読みやすい作品だと思います。 ここからはネタバレが含まれます。 今回は特に、黒澤が著者になり代わり話の展開を切り貼りしていたので、特に黒澤好きの読者は読み進めていくうちに、どんどん引き込まれるのではと思いました。 | ||||
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僭越ながら、伊坂幸太郎さんの作品を読むのは砂漠とAXに続きまだ三作目なのですが、伊坂ワールド初心者からの感想を。 まず驚いたのは、時系列や場面の切り替えが非常に多いのにも関わらず混沌としていない点。 もちろん、気をつけて読まないと混乱することはあるかもしれませんし、どちらかといえばその整理は難しいでしょうが、それにしてもわかりにくさはまったくなく、さすがだなと感じます。 そうした切り替えのなか、一見関係のなさそうな事物が繋がった瞬間や、〇〇だと思い込んでいたものが実は〇〇で…と思ったら本当は〇〇だった!という爽快な裏切りが本当に楽しく、ページを繰る手が止まりませんでした。 読み終えた時には胸いっぱいに興奮が昂ぶり、また読もう!と思わずにはいられない。 これは私が読んだ他の二作でも感じたことです。 本当に良い買い物でした。 他の作品ももっと読みます! | ||||
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2度目読んでやっとしっかりわかりました。なかなか時系列を整理しながら読むのが大変。 | ||||
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相変わらず小気味が良く、スタイリッシュな作品でした。 田舎者の私はちょっとこそばゆく感じる独特のおしゃれ感も健在ですww 小さな伏線がたくさん散りばめられ、 最終的にはすべてのパーツがきれいに1つにおさまる気持ち良さはたまらない! さらに時系列をも飛び越えて、面白いけど気を抜けない緊張感もあります。 伊坂さんの作品は作者名を伏せて読んだとしても誰が書いたかわかるほど個性があり、 確固たる伊坂ワールドを構築していると思います。 けど、いい意味で「伊坂さんすぎる」のが逆に面白みがないかなぁ。 さすがだとは思うけど、なんだか新鮮味がないんですよね。 この感想にしたって、別の伊坂作品でも書いたことあるようなこと書いてる気がしますもん。 贅沢なこと言ってるのは重々承知ですが、もう少し何か新しい伊坂さんが見てみたい。 そろそろこの手法だけでは飽き始めてる読者も私だけではないでしょう。 | ||||
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今回は一風変わった誘拐事件を描いたミステリ小説だった。 ところどころに著者の主観や読者への気配りを入れたり、がらっと舞台が変わったりと、新しい試みもあり、テンポよく読めた。 折尾と警察の軽妙な駆け引きが好きだった。オリオン座の薀蓄はくどかったのだが、事件解決の意外なポイントになっていたので驚いた。 立てこもり事件も非常によく考えられており、著者ならではの創意工夫もあって最後まで楽しめた。 | ||||
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伊坂さんの新刊は、必ずチェックしています。今作も楽しめました! 読書ならではの体験ができるところが好きです。ぐんぐん楽しく読んで、すっきり本を閉じられました。 久しぶりに「ポテチ」を読み直したいです。 表紙もいいですね。さすが新潮社。 | ||||
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kindleを買ってから初めて有償で購入した書籍となりましたが、期待を裏切らないテンポの良さとユーモアが最高です。買ってよかった(^^♪ | ||||
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我らが黒澤さんがこんなこともするのかと、意外でした。一番悪い(?)やつは警察が捕まえないほうがよい結果になったかも。 | ||||
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