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火車
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火車の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.96pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全517件 401~420 21/26ページ
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普段はこういうサスペンスやミステリーという類を読まないのだが、火車にははまりすぎました。約600ページの文庫本で、あまりにも分厚すぎたため、買ってから約一年くらい手に取ることはなかったのですが、いざ読み出すと、一気に六時間くらいで読んでしまいました。先が気になって途中でやめることはできませんでした。話は借金苦で苦しみ、決して幸せとはいえない人物が、借金苦から逃れ、自分の過去を捨て、他人の戸籍を盗み、その人になりきってすごそうとするもの。犯人を捜す推理の展開にも興奮を覚えたが、そういったミステリーとしての楽しみ方だけではなく、現代におけるクレジットカードシステムに対する警鐘でもあり、そのリアリティある社会問題を取り上げているところも、この作品の価値を高めていると思いました。とにかくすごい作品です。ぜひ読んでみてください。宮部みゆきの別の作品を読んでみたいと思える作品でした。 | ||||
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間接的に薄ぼんやりとしか浮かんでこない関根彰子の人間像。薄ぼんやりとしか浮かんでこないので、逆にこちらが補完して感情移入していくため凄味すら感じてしまう事ができる。作者がこれを狙ったかどうか分からないが、そういった人間像の部分は関根彰子の細部であって、人間の細かい感情描写は宮部みゆきお得意のもの。それを営々と積み上げていったこの作品はまさしく傑作だと思う。そこまでして描いたのに、読者を最後まで隔靴掻痒させ続けるのは、関根彰子を包む薄ぼんやりした霧が少しは晴れたが、読者はそれでもまだ依然霧の中にいるからである。謎というものは詰まるところ、答えを知らない私たちの中にあるという事を、久しぶりに痛感させられた作品だった。 | ||||
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何でこの作品が映画化されないのかが不思議ですがまぁ、そのうちなるでしょう。と信じてます。クレジットカード関係のストーリーですけど犯人に追いついたようで追いつけない緊張感の裏で、個々のキャラが実に個性的で良かったですね。宮部作品の中でも非常に読み易いんじゃないでしょうか。絶対お薦めです。 | ||||
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現代の地獄、人間の業や決して悪人ではない人間の何とも言えない醜い部分、ドロドロとした心理をあざやかに描いています。 余談ですが、私は宮部作品は火車から入ったので、宮部さんは業や情念を描く作家なのかと思っていたら、他作品はもっと軽妙な感じだったので驚きました。 それらの作品も面白いんですが、火車くらい怨念を感じる作品もまた読んでみたいです。 | ||||
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宮部さんの小説には,押しつけがましい説明はなく,何気ない会話から事件の背景などを読み取れます。とても自然にすーっと入ってきます。宮部さんの小説の中の会話は,現代人が忘れかけている,あるいは気がつかない人情味に溢れています。この小説でも,子供達との会話が,ほのぼのとして,とても優しく,救いようのない犯人と被害者の状況とのコントラストになっています。この1冊で宮部ファンになりました。 | ||||
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90年代散文小説(ミステリーだけでなく)の最高傑作のひとつであり、一人の作家が一生に一冊書けるかどうかという作品だと思う。 特に優れているのはその疾走感と余韻である。 疾走感はいわばミステリーの必須品のひとつだからともかく、すばらしいのは余韻だ(いや、疾走感なくして余韻もないかもしれない)。 余韻こそは虚構の醍醐味だろう。この本には読み終えたあと、まるで時計の文字盤から数字がひとつ、とつぜん消えたかのような喪失感が残る。それでいて時計は、変わらずちくたくと時を刻み続けている。その音を聞きながら、読者は時計の消えた数字は「13」で、それは本来無かったのだ、ということを思い出す。そして一つの世界に暖かく包まれながら、その世界から追い立てを食う寂しさを味わうのだ。 余韻というものをここまで実現した推理小説を、僕はほかに知らない。 | ||||
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売れっ子作家ということで、初めて宮部みゆきの作品を読みました。さすが人気作家だけにストリー展開は上手いと思った。読者を引き込ませる力量はなかなか見事ですな。ただ気になるところもあって、必要のない余計な人物が登場してくる。やたら人のいいが現れて、絶対にこんなことありえないと感じたりもした。もともとフィクションだから仕方なくもあるのですが…。私の思うところ宮部みゆきという人は、一昔前のくさーい青春ドラマが好きだったのでは?海に向かって「バカヤロー」って叫ぶみたいなやつ。私はそのようなドラマが大嫌いだった。したがってそこそこ面白く読んだのだけど、もっと宮部みゆきを読みたいという気持ちが起こらなかった私なのでありました。 | ||||
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本書「火車」は、カード地獄の事です。誰もがカードで決算をする今の時代、そして、気づかないうちに、たくさん買い物をしてしまっている…そんなお話です。カード地獄から逃げる人物とその心情をリアルに描かれてます。この本を読むと、カードでお買い物をする時に「今月いくら使ったっけ?」って自然と考えてしまいます。 | ||||
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宮部みゆきと言えばミステリーやSF、時代劇と言った幅広いジャンルで活躍している人ですがこの「火車」という作品は宮部みゆきのミステリー世界を堪能するのにもってこいのように思います。どことなく淡い感じ、しかし背筋を凍り付かせるような迫力があります。僕はこの一冊を期末考査前だというのに夜中まで勉強もせずに読んでしまいました。さてカード地獄という現在では一つの社会問題(?)を題材としたこの作品。犯人を最後まで憎みきれない、そんな作品です。宮部みゆきの小説ではいつも最後の終わり方が気にくわなくて少しがっかりしてしまう僕ですが今回は余韻を残し、かつこの後どうなるのだろうと想像させる感じで上手く締めくくれているのではないかと思います。宮部みゆきをまだ読んだことのない人、ミステリー小説を読んだことのない人、または読書人にまで多くの人が楽しんで読める一冊だと思います。 | ||||
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ゆっくりとした滑り出しから、後半に従って読むスピードがだんだん早くなっていきました。特に後半の数十ページは、どうなるどうなる?って感じでドキドキしながらページをめくりました。読後にいろいろ考えさせられます。特に追って行く女性のことを・・・見方によっては、消化不良的な終わり方でしょうが、通常なら不満を覚えるこのラストを逆にこれで良かったと思ってました。実際にこんな人生をおくっている人が、どこかにいるような気がして妙に感傷に浸ってしまいました。宮部さんの作品はこれがはじめてですが、しばらくはまりそうです。 | ||||
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まあ自己破産とか勉強にはなりましましたが・・・正直まったく面白くない・・・・私はこの本の面白さがよく分かりませんでした。本屋に行き、今一番売れている作家の一番売れている本ってあったから期待したんですが・・。確かに読みやすく、す~っとはいっていけたのですが・・・・・肝心の面白さを一度も感じなっかった。我慢して最後まで読んでがっかりでした。 | ||||
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カタイですね、オモシロさは保障できる、という数少ない本。おまけに作者は、女性らしからぬ力強い筆致でぐいぐい、人間の奥底にあるどろどろしたものを掬い取って見せてくれて、なんといってよいか?脱帽です。 状況説明などもあいまいさをユルさず、くどいまでに現実的。う~む、こりゃ平成の松本セイチョーだわ。現代版「ゼロの焦点」みたいな印象です。 | ||||
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自己破産・・・なんだか身につまされました。お金のつかいかたには気をつけようと思った。それといくら美人でも犯罪はだめだろう。すごくおもしろかったけど。 | ||||
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今話題のクレサラ問題に興味のある人は必読。破産!?失踪!!とぐいぐい引き込まれる展開の素晴らしさに圧巻。履歴書を偽ってでも、殺人しても別人になりすます。自分以外の別の人間にどうしようもなくなりたい。そんな事ができたら…。とにかく、面白い!!夜更かしして一気に読みました。 | ||||
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職場がらみに、サラ金や会社関係の同僚や知り合いからから膨大な借金をこさえて、自己破産をして平然と生きている男がいました。それで、サラ金やクレジットのローンについて、怖いと思い調べていくうちに、この本の存在を知り読んでみました。ローン地獄などの点については参考になりました。一昔前の時代設定ではあるけど、それゆえに、現在の自己破産の多さというものがより実感できるなと思いました。失踪者を追う刑事が出会う、様々な登場人物。失踪者にまつわる真実を、彼らが登場人物が知ったらどう思うのだろう…そんな想像をしてしまいました。日陰にいた人間が、陽のあたる場所に出て行くのは生易しいことじゃない…以前読んだマンガに出てきたセリフを思い出しましたね。人間は、心のどこかで、違う人生を送ってみたい、もしくは過去を変えて未来を変えられたら、と思うもの。それを自覚しているなら、この作品に引き込まれるはずです。 | ||||
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まず、文章が読みやすい。特に会話文のやりとりに非凡な才能を感じます。この才能はどこから来るのかといつも思います。それと社会に対する認識がごく一般(普通)の人たちに合わせてあるのでそれがますます読み安い書物にしている。その読みやすい文章から、段々なんともいえない世界に引きずり込まれていきます。もう途中からご飯も食べず、トイレにもいかず読み続けることになります。なんとも切ない物語です。最後のシーンは涙物です。是非一読を。 | ||||
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内容がわかりやすく、とても読みやすい一冊でした。女性にしか理解できないようなところも垣間見え、この女性の持つ魔性性は、暗い過去の産物なのかな?と思ったりして・・・。でも、結局この二人の女性が求めるものは、単なる普通の「幸せ」だったんじゃないかな。そして意外にこういう事は、身近に起きているのかもしれません。自分の幸せを手に入れるために、何かを犠牲にする。彼女の場合、その対象が人間だったというだけの話です。少しずつ彼女の足跡に近づくたびに、彼女の過去が少しずつ浮き彫りになる。読んでいるこちらもその限界ギリギリの精神状態を考えると、罪人であるにもかかわらず、一抹の哀れみを感じてしまいます。でもちょっと切なすぎる。読み終えても後味のいいものではありませんでしたね。 | ||||
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「この本を読まずして宮部みゆきは語れない!!」と本屋さんのおすすめ文が宮部みゆきコーナーにあったんで、買って読んでみました。思ったより暗い、せつない話でした。一家離散の話が衝撃的すぎて、涙がでて、こんなことって本当にあるのかな・・あったんだろうなって本当に怖くなりました。恐ろしすぎて、生々しすぎて、残念ながらもう一度読み返そうとは思いません。作品としては、すばらしいと思います。あのラストもよかったと思います。 | ||||
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カード社会や自己破産者の実態を鋭く描いた作品、として聞いていましたが、一人の謎の失踪女性を”追いかける”ミステリーとしても充分楽しめました。ひょんなことから、親戚の婚約者である失踪女性を探すことになった求職中の刑事が、彼女の失踪の原因を探りながら少しづつカード社会の生み出した恐ろしい事件の真相に迫っていくことになります。ただ、こういった「追いかける」型のミステリーにありがちですが物事が都合よく進みすぎるのが玉にキズ。終わり方は見事だと思います。 | ||||
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一生懸命生きていくことすら許されない自分の人生。そんな自分の人生に見切りをつけ、人並みに生きられるごく普通の人生を手に入れるために、ついに犯罪に手を染める彼女。遠い幸せの記憶、大切な親友、恋人、全てを捨てても彼女はそれを手に入れなければならない。ごく普通に生きてゆくために。しかしその先に待っていたものは・・・。彼女は、この本の結末の後、どうなっていくのだろう。一家離散やカード地獄といった金融の落とし穴を描いた社会小説であると同時に、素晴らしいヒューマンドラマでもある。 | ||||
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