■スポンサードリンク
月の満ち欠け
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
月の満ち欠けの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.43pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全136件 81~100 5/7ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
途中何度か語り部が変わるので、間を置かず読んだ方がいいと思います。読み始めてから忙しくなり3日ほど経ってから続きを読んだのですが、もう一度作品に気持ちが入り込むのに若干時間がかかりました。残念ながら正木瑠璃が何度も生まれ変わってまで三角に逢いたい想いの深さが私にはイマイチ伝わらなかったです。ただ転生を主題にした物語としてはとても面白かったです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ラストが気になり一気に読めました。直木賞でこういう作品ふ久しぶりのような気がします。何点か腑に落ちない点はありましたが、好きな人を思い続ける気持ちは素敵なものだなと思いました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
これ、純愛のいい話っぽく締めてますけど、時空を越えた「とんでもストーカー女」の話ですからね。 「死んでも生まれ変わってまた会える」という古典的なラブロマンスの文学表現が、「現実にあったら痛いよね」とまさに痛感させられる話。 その「痛さ」については筆者も気づいていたようで、ストーカー女へのアンチテーゼとして「生まれ変わっても名乗り出ず、でも近くのポジションを確保して見守る」というスタンスの人物が示唆されています。 そういうこともあって、話の主軸は小山内家と思われ、三角の大学生時代の青臭い恋愛エピソードは、なんとも取って付けた感があります。 時空を越えたラブロマンスの起点としては弱い。 最後の三角との再会シーンも、いい話のようで現実にあったら犯罪感強いビジュアルです。 毎回の家出シーンで誰もが思うことは、「そもそもランドセルは置いて行け!」でしょう。 現母親のほうも、産んだ娘が高校時代の親友の生まれ変わりってどうよ? とか、明るい未来がまったく想像できないすごいラストです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
平易な表現の中に込められた普遍的な感情。終わってほしくない、読み終えたくないと思いながらページをめくるのをやめられなかった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この小説ではよく人が死にます。正確には瑠璃が何度も死にます。 「事実は小説より奇なり」と言いますが、 逆から見ると、小説の中ではそれほど奇想天外なことは起こりません。 小説では因果関係が重要であり、 無駄な偶然はできるだけ排除されているような気がします。 つまり、作者が自分の都合で登場人物を死なせることは、 小説においては禁じ手だと思うのです。 瑠璃の数回に渡る死のうち、 物語のテーマ上必然と言えるのは最初だけと思います。 ところが瑠璃は何回か生まれ変わり、その都度転生の目的を果たすことなく、死んでしまいます。 必ず誰かを巻き込みながら。 瑠璃が転生する度に、無駄に死んでいく人達がいます。 彼らの死は本当に必然だったのか、疑問に思います。 愛のための転生なら一度で十分で、犠牲者を出す必要はありません。 この小説では、ストーリーを展開させるために作者の都合で登場人物が何人も死んでいます。 作者は禁じ手を何度も使っているように思えます。 ここで、 彼らの死を必然とするために、 瑠璃は人間ではないと考えて見ました。 樹木のように死ぬことを選んだ人間とは違う、 月のように死ぬことを選んだ生き物。 そういえば、雨の中に立っていたり、舌を出したり、奇妙な話し方をしたり、 瑠璃はどこか妖怪じみています。 三角は美しい女性の姿をした妖怪に憑りつかれ、人生を棒に振ります。 寿命の短い妖怪は何度も死にます。 身近な人間を道連れにして。 そう考えれば、ホラー小説として成り立つと思います。 【2019年10月追記】 今回文庫化をきっかけに読み直し、 星の数を☆☆から☆☆☆☆に変えました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
神から特別の美と知性を授かった女性だけ、死んでからも特別の運命で魂が生かされる物語。 (この物語は、捉え方によって物語全体が非常に不公平で残酷である。物語のシナリオ作りが不完全なせいかも知れない――岩波書店のせいなのかな?) 純愛中に死亡した女性が生まれ変わって同じ相手との純愛を全うしようとする物語なのであるが、そのための犠牲者が多く、人道的に微妙な物語である。生まれ変わった女性は、幼児期のある時点で自分に託された元々の女性のすべての記憶や体験を引き継ぎ、純愛相手を求め始める。 生まれ変わりの女性が不幸にも死亡したらすぐに次の生まれ変わりの女性が生まれるが、その生まれ変わりの女性は直前に死亡した生まれ変わり女性のそれまで蓄積した記憶や体験も追加して引き継ぎ、さらに二番目の生まれ変わりの女性が死亡しても、つぎの生まれ変わりの女性が同じように直前に死亡した生まれ変わりの女性のそれまで蓄積した記憶や体験も追加して引き継ぐことを繰り返す。何回生まれかわっても、生まれ変わりの女性は最初の純愛の相手を求め始める。 結局、純愛相手に会うことができる生まれ変わりの女性は、純愛を抱えて死亡した美しく教養のある女性と同様に、神に選ばれ美と知性を授かった大女優の美しい娘(幼女)であった。 純愛相手だった男性も忘れずに待っていてくれただろうか・・・(涙) | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「輪廻転生」の問題を、この様な綺麗な恋愛小説として扱った作品は、今まで読んだ記憶がありません。 「輪廻転生」と言う昔から言われている問題を信じるかどうか別として、人が生まれ変わってももう一度会いたいと言うそれほど強い気持ちを持った愛情が、存在するのかと言うことも気になります。 この小説の中でも、そこが一番気になります。 初っ端の切っ掛けとなる哲彦と瑠璃の関係が、それほどのものの様には読み取れません。 むしろ、そうではなくて、瑠璃の「輪廻転生」を望む気持ちが非常に強かったということでしょうか。 「月の満ち欠け」と言うタイトルも、月の満ち欠けの様に、人が生を受け死に再び生を受けると言う、瑠璃の「死」に対する考え方からきています。 序盤のこの「輪廻転生」への期待感を扱った小説から、終盤では「輪廻転生」に至る愛情の強さに話が変わってゆきます。 そのあたりに、この本の、いやこの問題を扱う小説の限界がある様に思えます。 ただ、非常に上手く纏められており、「読ませる」小説になっていると思います。 だからこその「直木賞」だと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
何かパズルのピースが一つ足りない状況で物語が進む感じ。もやっとしながらもドキドキ感がある。そしてだんだん真相が明らかになっていく。真相といってもにわかには信じられない。想いが強いと生まれ変わって、また会いたい人に会えるのだろうか。なんか大人のファンタジーを読んだ気分。心が洗われる感じが、自分に心地よくあり、引き裂かれるような、締め付けられるような、苦しみと安らぎになって同時に襲ってくる。生まれ変わりって本当にあるのかも。ほとんどの人は、そのサインに気がついていないだけかもしれない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
面白く読めました。輪廻転生の物語ですが、それがかえっていくつもの災いをもたらすところに読みごたえがありました。実際、世界中にいくつかの実例があることも知っています。ただ、こんなに多いはずはありません。 輪廻転生は、仏教的には決して幸福ではありません。より高度の存在へ解脱しそこなった命が、未熟に終わった修業を繰り返しているのですから。大衆の多くがそこを誤解しています。 転生したとしても、前世の記憶は忘れていた方が幸福なようです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
月の満ち欠けのように、生と死を繰り返す。30年におよぶ転生の結末はどうなるのか。 物語は妻と娘を事故で失ったある男の回想として描かれていくのだが、転生を繰り返す瑠璃がキーワードとなって、時間軸が様々に切り替わっていく。 最初は人物像がうまく掴めなかったのだが、読み進めるにつれて物語の輪郭が形作られ、ひとつの流れができるとともに、人物像が把握できるようになってきた。 序盤のあきひこが働くレンタルビデオ店でのマニアックな映画のくだりは冗長に感じられたが、中盤以降は瑠璃をめぐって起こる様々なトラブル、それを受け入れる者とそうでない者、瑠璃の言葉を確かめるため起こす行動など、物語に引き込まれて一気に読んだ。 愛の深さが生まれ変わる条件なら、ほかにも生まれ変わる資格のある人はたくさんいるという、物語終盤の少女の言葉は衝撃的だった。この物語に続きがあるのならいつか読んでみたい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
構成がとてもすばらしい。。。 直木賞受賞作で、面白くて、活字世界なわけなんだけども・・・・ 読み終えて、一時して、 ふっと・・・ 映画化しても面白いかな?と思いました。 文学は文字だけで勝負する世界なので、 素晴らし作品は、決して映像で、活字描写の世界に勝てない本も存在していて。。。 でも、 こちらの作品は活字世界もよかったけど、映像にしてもおもしろそうです! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
佐藤正午さんの本、初めて読みました。 最初のページから、別世界に引き込まれて。2日で読みました。読書が好きな人なら、おすすめですね。なぜなら… 読んでいるあいだ、現実が遠ざかる感じ?引き込まれます。文句なしに面白かったです。途中、混乱して、戻ることも、ありましたが、最後の1行は、鳥肌が立ちました。他の作品も読んでみたいな。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
時間軸の交錯,登場人物のつながり,うまれかわり,,,頭がもやもやして,薄気味悪い感じのなか,不思議と一気に読み進めました。 終盤,作家と読者の答え合わせ,,,もやもやしたモノが霧が晴れたように消えてゆきました。すっきりした気持ちで迎えた終幕,一気に爽快感におそわれ,それまでの薄気味悪さがうそのように吹っ飛んで,胸がキュンとしました。 が,先輩の自死を非難した竜之介が選んだ顛末。選ばされたのかも,,,なんて考えると,やっぱ怖いな~と。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
最初から何かが起こりそうなワクワク感。これは、恋愛小説なのかミステリーかまたはホラーなのか、途中背筋が三回ほど寒くなりながら読み進めました。ですが最後は究極の愛なのかなと思いました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
瑠璃という名の女性の生まれ変わりを画く。終盤物語が急展開してストーリーが錯綜して分かりにくくなる。読みにくさを感じた。テーマは大変面白い。AはBの生まれ変わり、BはCの生まれ変わりで、AはBの過去を知り、BはCの過去を知るとしても、だからどうだというのか、それがそれぞれの人生にとってどういう意味を持つのか、もう少し瑠璃の人生を掘り下げて描いてほしかった。不明瞭な読後感が残り、残念だ。単なる不思議な物語で終わらせてはならない小説である。面白さ抜群な小説なので、ぜひこの小説を読み、何が言いたい小説なのか、考えて見てほしい。再考を要する小説である。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ラストに涙する、素晴らしい作品です。一気に読みたい作品です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
私が文学界随一の純文学作家であると思っている作者が本作で「直木賞」を獲った事はある種の驚きだったが、まずは喜ばしい事で慶賀の至りである。本作のテーマが大衆文学に近いという判断なのだろうか ? そのテーマとは、題名通り、「『人の生と死』は『月の満ち欠け』(即ち、<輪廻>)の様であって欲しい」という願いである。このテーマのため、全編のヒロインとして"瑠璃"という名前の<生まれ変わり>の能力(?)を持つ女性を用意している。そして、このやや胡散臭い設定に文学的な説得力を与えているのが作者の純文学的技巧である。 まず、瑠璃を事を直接には描かずに、瑠璃と関係があった人々(瑠璃は<生まれ変わり>の能力を持つので当然複数人)の"問わず語り"の集合体として書いて、所謂、多視点物語としている点。更に、関係者の人格は当然異なるので、それに合わせて文体を自在に書き分けている点。加えて、瑠璃が<生まれ変わり>の能力を持つにも関わらず、関係者を全て現代という同時代に設定している点。これによって、<輪廻>の因果が益々強くなる事は言うまでもない。特に、関係者同士の回想・確執が交錯する辺りは読み応え充分であった。更に、上で多視点物語と書いたが、これによって、本作が(語り手の)関係者自身の物語ともなっている点も見逃せない。関係者達の人生の挫折や成功も巧みに描かれており、「月の満ち欠け」、という題名が、こうした人生における浮沈のメタファーとなっている点にも感心した。正確には掴みかねたが、「記憶と現実との乖離・一致」のメタファーともなっている様である。 ラスト近くで、小山内という関係者に訪れるエピソードはファンタスティックで瑞々しいと同時に、人生の機微を感じさせる。このエピソードで本作に妙な現実感を与えている点にも感心した。「語る=騙る」という技巧を長年駆使して来た作者の円熟味が静かに炸裂した傑作だと思った。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
出会いや愛を運命だと受け止めて生きること。あるいは、運命に従って人を好きになり人生を送るということ。 魂は蘇り、記憶は紡がれていくこと。あるいは、時空を超えて愛情は相互性を保ったまま永らえていくということ。 誰も証明などできないのですが、どこかで私はそのいずれをも信じています。 佐藤正午さんの絶妙な書きぶりが物語の枠を超えて、その気持ちを呼び覚ましてくれました。 ありがとうございます。そして、直木賞受賞おめでとうございます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
いいところで筆を置いていますが、ここからあとのことを考えると、けっこうな地獄です。 作中に「天国から来たチャンピオン」が出てきますが、これは男性が生まれ変わりそれを理解してもらおうと四苦八苦するお話でした。女性を主人公にして、かなりの時間差と複数転生というひねり技を入れたのが本作というところでしょうか。 面白かったです。 直木賞、とっくに取っている作家だと思っていたのですがまだだったのですね。 追記 生まれ変わりものは映画でも小説でもけっこうありますが、最近のものでお手軽なのは「こんにちは刑事ちゃん 」でしょうか。タイムスリップものと同様、どんなドラマチックな舞台設定でも簡単にできてしまうので、酷評されないためには、かえって筆力が必要です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読書中も読後もその小説の世界は続き、その余韻に浸っている。 ”瑠璃も玻璃も照らせば光る”。 切ない想い。 奏でる繊細な文章に浸る。 切り口が語る。 戦慄が走る現実の一理。 ”君にちかふ阿蘇のけむりの絶ゆるとも萬葉集の歌ほろぶとも”。 幾重にも重なる想い。 ひと時を過ごした記憶は繰り返し現れる。 ”月が満ちて欠けるように” | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!