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壁の男



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【この小説が収録されている参考書籍】
壁の男
壁の男 (文春文庫)

壁の男の評価: 4.23/5点 レビュー 31件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.23pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全31件 21~31 2/2ページ
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No.11:
(3pt)

前半だらだら感あり、それでも頑張って読み続けられれば・・・

読み始めは「ぬるいな~」、このままだらだらだと・・・と
終盤近くになって盛り上がりを見せてくれて「無駄ではなかった」と
ただやはり前半のだらだら感は尾を引きずりました。
壁の男Amazon書評・レビュー:壁の男より
4163905529
No.10:
(5pt)

ビクトルエリセの傑作を観たときのような深い読後感

五章構成のこの本の最終章の冒頭で主人公を取材しているライターが独白する
「いくら調べても劇的な話には行き当らない
 やはり、平凡なひとりの男には本一冊をかけて語ることなどないのだ」
このなんのひねりもない無い文章を目にしたとき、
このライターは知らない設定なのですが、最前までの章で主人公の半生を読んで
知っている僕は深い深い感慨をいだきました。
主人公は実はまったく平凡でもなく薄っぺらでもない人生を送ってきたからです
そして、このように深い想いや出来事を経てきていながら実は物語上では
ライターには彼の人生は知る由もないのです

主人公を取材するノンフィクションライターは他の人を見るときの読者自身
この主人公は他の人に見られるときの読者自身です
人はだれもが、人に知られていようが、知られていまいがそれぞれに重く深い
物語を有しているのでしょう 幸福も悲しみも哀しみも・・・・
まるでビクトル・エリセの映画を観て感じたような感慨と同じものを
僕はこの本の読後に感じました。

物語は地方に住むひとりの中年男性が町並みの壁や塀に描いた奇妙な絵に
ネット記事で着目したライターが興味を持ち、ノンフィクションの記事にと
その町を訪れ取材をしてゆくことから始まります
彼の絵は原色でデッサンも筆線も稚拙でまるで幼児が描いたようでありながら
町中を埋め尽くす熱量と見た者を惹きつけ微笑ませる魅力を持っています
彼の絵を描くことの動因とは?また彼に自分の家に絵を描かせる住民たちの
心由とは?
主人公の絵を描くことに至った彼の過去の出来事については作者の意図により
ライターには知らされず、読者にのみ開示される構成になっています
この絶妙なポジショニング、バランス構成が読者には、神が人をみるときのような、
或いは名映画監督が俳優を撮るときのような前述の感慨を与えているのでした

2016年の作品で失礼ながら賞の候補にも挙がらず、装丁も地味な風采のこの本
でもその装丁さえも作者の想いを映したものの様にさえ思えてなりません
もっと話題になってもいいはず 少なくとも読んだ者にとってはきっと残る物語です
アドレナリン出させまくりのハリウッド大作や無理やり泣かせる邦画ではなく
しみじみとした人生って哀しいよねっていう語り口、そしてそれでも明るいなにかが
人生には残ってるよねっていうラストシーン、これはやはりヨーロッパ映画です

本を読むってことはこういうことなんだな
本をによってこんな感慨も受けることができるんだな
そんな 哀しいけれどうれしい気持ちにさせてくれる本でした おススメです
壁の男Amazon書評・レビュー:壁の男より
4163905529
No.9:
(5pt)

ある男の半生

読み進めるにつれて明らかにされる1人の男の人生。途中からページをめくる手が止まらなくなった。
後半、養護施設出身の若い夫婦が出て来たあたりで、不穏な空気が一気に倍加。こんな幸せな夫婦がこのまま幸せな生涯を送れるはずがない、との不安がよぎる。そして、衝撃のラストへ。
主人公と離婚した妻の、娘への愛情が今ひとつ薄いのがずっと気になっていたけど、それも腑に落ちた。考えてみれば彼女の人生も気の毒なのだ。
これ以外ありえなかっただろうと思えるほど構成も巧みである。
壁の男Amazon書評・レビュー:壁の男より
4163905529
No.8:
(4pt)

貫井徳郎はちゃんと作家なのだと思った

貫井徳郎とは叙述トリックと濃密な物語を両立させる作家だと認識していた。平井和正にも見え隠れするミステリ的部分をさらに突出させながら、平井和正の情念に近いものを文章に滲ませる稀有な作家だと思っていた。そして、ミステリ作家として自認するがために、言霊使いと自認してしまった平井和正より器用に小説というものを創りだしているのだろうと。だが、「夜想」を書き、あとを「余生」と規定した貫井徳郎は、自らその器用さを捨てたように思える。平井和正同様に、ただ書きたいものを書いているように。それならそれで。そう読んでいきたい。
壁の男Amazon書評・レビュー:壁の男より
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No.7:
(4pt)

久々に良作に出会った

現在から過去に遡っていく時間軸にそって、ストーリーは進む。違和感はほとんどなく、文章も読みやすい。著者の筆力の強さが光る。事故死した親友夫婦の娘を引き取るが、その最後の描写がまた悲し過ぎる。世の不条理すら感じさせるほどだ。貫井作品は初めて読むが、久々に良作に出会った感じがする。別の作品も読んでみたいと思わせる一作だ。
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No.6:
(4pt)

ここにあります!読み応え!!

あっという間に読み切ってしまった。 

 人生とは分からないものだ…もちろん本書はフィクションではあるが。

 平均寿命の半分を過ぎてしまうと、定年後の自分が気になる。

 今までの人生が、そしてこれからの人生をどうしようか?と考えてしまう。

 自分が不幸というわけではない。でも今は少し何かしらのスパイスが足りない。

 世の中が平和であることが一番良い。

 戦争とか紛争という大規模なものでなく、各々個人がみんな和気あいあいとして日々過ごせる時代が来れば・・・

 年寄り臭いのだが・・・本書を読んでそう感じた。
壁の男Amazon書評・レビュー:壁の男より
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No.5:
(4pt)

取っ付きにくい人柄に見えた伊苅が、章をすすめるごとに、好感のもてる人物になっていった

栃木の小さな集落で、壁に子どもの落書きのような絵を書き続ける男、伊苅。彼はなぜ下手な絵を描き続けるのか。そこには、大きな物語が隠されていた。

構成がよく考えられていた。まずは第一章で現在の状況が描かれるが、その後は、時系列というわけではなく、伊苅が現在に至るまでにどんな出来事があったのか、その断片が徐々に明らかになっていく。

最初は、取っ付きにくい人柄に見えた伊苅が、章をすすめるごとに、好感のもてる人物になっていったのが不思議だった。

伊苅の様々な苦悩が絵に込められているようで、ちょっと切なかった。
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No.4:
(3pt)

構成はミステリーチックですが、、

作者の作品ならどうしてもミステリーであるという先入観で読んでしまいますが、ミステリーではありません。一人の男が壁に絵を描き続け、その男の過去をノンフィクションライターが掘り下げていくかたちで物語は進んでいきます。

壁に絵を描く男の過去が詳らかにされ、そこには男女の愛情劇や親子愛、男が帰郷してからは地元ならではの人との繋がりやそして母親への思い等が切々と語られます。

何故絵を描き続けるのか、そこには得も言われぬ理由があり遣り切れない気持ちにさせられるラストです。
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No.3:
(5pt)

感動したよ‼︎

大好きな作家さんです。久しぶりに泣ける本に出会えました。こんなに素敵な本を読むことが出来て幸せです。
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No.2:
(2pt)

うーん

慟哭、愚行録、乱反射と大好きな作家さんですが、どうも最近出すのは外れが多い
微笑む人、我が心の底の光、私に似た人、どれもダメで、それ以降読んでませんでしたが、やっぱりダメでした。
慟哭、愚行録、乱反射みたいに読了後に何とも言えない気持ちにさせてほしいです。
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4163905529
No.1:
(5pt)

これは書店で推してほしい

栃木のある町で、何件もの家に幼児が描いたような絵があります
伊刈という男が何故絵を描き続けるのか
過去をさかのぼっていく作品です

伊刈が頼んで描かせてもらったのではなく、
近隣住民から頼まれて絵を描いています
子供が描くような絵が人を惹きつけた理由は
最後まで読めば納得できると思います

今回はどういう方向に持って行ってくれるんだろうと期待をしていたのですが、
これは良いラストでした
読了して平静でいられないような作品は久しぶりです
是非読んで確かめていただきたい
壁の男Amazon書評・レビュー:壁の男より
4163905529

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