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鹿の王
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【この小説が収録されている参考書籍】
鹿の王の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.01pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全347件 281~300 15/18ページ
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この作品は、上橋さんがかなり苦労されて仕上げることができた作品だというのが、 読んですぐに分かりました。 いつも読むたびに、これ以上の作品はもうないだろうと思うのですが、 新しい小説が出版されると、今までの中でも一番の力作だと思わせてくれ、 今回も圧巻で、ただただ感動の嵐でした。 それでも昔からの上橋作品のファンの方は、守人シリーズや獣の奏者の方が好きだという方が多いのも理解できます。 どの作品も読むと、やはりこれが一番と思わせてくれるぐらい、ストーリーの壮大かつ緻密さ、登場人物の魅力、文章や表現の美しさ、 何よりも深層心理の奥深さに揺さぶられます。 ぜひ、この作品を読まれた方は、守人シリーズや獣の奏者も読んでみてください。 | ||||
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上下合わせると1000頁を超える大作だが、一気に読ませる力を持っている。舞台は中国を思わせる大国に征服された、アカファ国だ。アカファ国には様々な民族が住んでおり、主人公のヴァンは最後まで征服者に対して戦った山の民族生き残りである。征服者と被征服者の間に、古代帝国オタワルの生き残りたちが絡まり、非常に複雑な世界が構築されている。 本書は、その民族の軋轢の中で発生した伝染病の謎がメインテーマとして物語が展開されるが、このようなスケールの大きな世界の中で物語を進展させ、そして終結させる構想力は実に素晴らしい。読み応えのある作品である。 | ||||
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作品については、かなり錯綜したストーリーなので、一読しただけの感想は敢えて控える。ただ私は漢方医なので、本作品中に出てくる東西医学の比較について数言述べたい。 本作では、ある重篤な感染症を巡って物語が展開していく。それを治そうとする者、拡大を押さえ込もうとする者も居れば、政治的思惑で病を利用しようとするものも居る。その治療を巡って東西医学のあり方の違いが描かれる。 著者は、西洋医学は自然の秘密にあくまで対峙し、人間の知恵と力の可能性の限りを尽くそうとするのに対し、東洋医学は自然に逆らわず、死は生の当然の帰結として受け入れようとすると指摘する。また西洋医学が何とかして病気の原因を特定しようとするのに対し、東洋医学は病気が起こるのは個体と自然の関係性によるもので、個別の特定された原因によって生じるのではないと考えるという。 漢方医である私からすると、著者は東洋医学、なかんずく中国伝統医学に関して、ある程度勘違いをしていると思われる。今日本で漢方医学と言われ、韓国では韓医学と言われる医学の大元は、中国伝統医学である。現代中国では「中医学」と呼んでいる。 この系統の医学はそもそも、疫病・感染症との戦いからスタートした。中国の歴史を読めば分かるが、古代から人々は疫病の猛威に苦しんでいた。自然に発生したこともあれば、戦禍に伴って人為的に広まったものもあろう。中国伝統医学の感染症の専門書「傷寒論(しょうかんろん)の序に、張仲景(ちょうちゅうけい)は言う。 「余宗族素多,向餘二百。建安紀年以来,猶未十稔,其死亡者,三分有二,傷寒十居其七。感往昔之淪喪,傷横夭之莫救,乃勤求古訓,博采衆方,撰用『素問』、『九巻』、『八十一難』、『陰陽大論』、『胎臚薬録』,并平脈辨証,為『傷寒雑病論』,合十六巻。雖未能尽愈諸病,庶可以見病知源。若能尋余所集,思過半矣。」'' 「私の親族は元々多勢あって、二百人にも余る程であった。建安紀年(紀元2世紀、後漢の年号)以来、まだ十年にもならないのに、其の三分の二が死んでしまい、うち傷寒(感染症)によるものは七割を占める。昔年、多くの身内が相次いで亡くなり一斉に消え失せた悲しい出来事を痛感し、或いは前途ある若い人々が死んで行くのを救う事が出来なかったことを嘆き、古い訓えを熱心に求め、多くの人々の薬方を手広く採用し、素問、九巻、八十一難経、陰陽大論、胎臚薬録、及び平脈弁証の書を撰び用いて、ここに此の傷寒卒病論を編述する。いまだ、もろもろの病気を治せると云うわけでは無いが、できれば病の源を知りたいものである。そのうえで私がここに集めた処の方論を研究して見られるならば、まだまだ発展することであろう。」(出典[・・・]) あるいはまた、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)という方剤がある。かつて「金」という国がモンゴル帝国に首都開封を攻められ籠城した際、城内で胃腸炎による体力消耗を伴った感染性炎症性疾患が蔓延した。その治療薬として名医李東垣(りとうえん)がつくったのがこの方剤だ。炎症性疾患が遷延して消化吸収機能が弱り、それにより栄養状態が悪化して免疫力が低下し悪循環となって炎症が治癒しないときに用いる。この方剤の意図するところは、胃腸の消化吸収機能を強化し、栄養状態を改善し、同時に免疫力を回復させ慢性炎症の治癒を促進させるところにある。 このように、東アジア伝統医学も、疫病、感染症との激烈な戦いにその長い年月を費やしたのである。また「病の源を知ろう」としたのである。決して、感染症は神の祟りと信じてむざむざとその餌食になったわけでは無い。 一方で、この医学では「胃気無き者は死す」と教える。現代医学は、瞳孔散大、心停止、呼吸停止をもって死ととらえる。簡単に言うと、心臓が止まったら死、最近はさらに脳がその働きを失えば脳死である。だが東洋医学では「胃気無き者」、すなわち自分で飲食を取らなくなった者は死ぬと考えるのだ。 中国医学では宋代に運気論が導入され、人の気は天地の気と交通しなければ生きてはおれないという考えが、それ以前より強まった。胃気が尽きて水穀の気を取り入れることが出来なければ、すなわち内外の気の交通が断たれたのであり、最早その人は死ぬしか無い。 あるいはまた、生命には親から貰った命の種火である「先天の気」と、大自然から絶えず受け取る「後天の気」とがあり、これらが相交わることで生を保つ。先天の精は腎に宿るが、後天の気は天地の気であり、これを肺と脾が取り入れる。だから「胃気が無ければ先天の気と後天の気の交通が断たれ、死を逃れ得ない」とする。 こうした考えからすれば、現代のように自ら食を取らなくなった者の鼻からチューブを突っ込み、あるいは胃に穴を空けて外から栄養物を注入して生かすというのは、生命本来のありように抗うことであり、異常な振る舞いと言わざるを得ない。このようことをするのは、西洋医学しかあり得ない。 西洋医学は世界に数ある医学の一つだが、「気」の概念を持たず、大自然の営みと人間の生命を切り離して考えようとする、極めて特異な医学なのである。この点については、本作著者の理解も、あながち誤りとは言えない。しかしながら、感染症に対しそれを神の意志として東洋医学が唯々諾々と受け入れてきたというのは、明らかな誤りであり、塗炭の苦しみと努力を重ねた先人達に謝って貰いたいものだ。 以上本作品に対し、漢方医の立場から指摘すべき事を述べた。 | ||||
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数日で上下読みました。面白かった。物語にもすんなり入れました。上橋菜穂子さんの作品は初期以外はすべて読みましたが、今回が一番抵抗はすくなく、いままでで一番すぐに入りこめたかもしれません。後書きでの上橋さんが記述していたウイルス、進化、生と死の関心など、自分も関心のある分野だったので上橋さんの影響受けた書籍を早速図書館で予約して入手して今から読むところです。でも上橋大先生様 また外伝でもいいいので、バルサ関連の話を書いてください。その後の王国の話をのぞきみれるような・・・バルサの子供とか、だめでしょうか。サンガルの皇女との結婚とかどうでしょうか。 | ||||
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上巻を読んでみて、物語の続きがどうなるのか気になった。 …けれど! 下巻も全て読んだ後のレビューとしては、この作品は頭でっかちで何か物足りない気がした。 全体的に完成度は高いのですが、上橋ワールドの面白さはこんなものではない! | ||||
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ファンタジーの世界にリアリティーを詰め込んだ作品 生物兵器テロや国同士の政治問題、民族間の問題、生きる事と死ぬ事 医療と政治と宗教の問題 ゴチャゴチャ絡み合ってるので子供向けではありません 子供に24を見せるようなものです 内容は破綻せずに中途半端に終わりました 最後の最後で投げやり感が出てモヤモヤする人もいると思います | ||||
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最愛の家族を失いどん底から這い上がった戦士の生き様。新たに愛する者の為に自分を犠牲にしてでも愛する者を守る姿は感動ものです。そしてもう一人の主人公の医術師も民族を超えて人を助ける事を生きがいにし、新たな治療薬を開発するために生きる様。人は人を愛し助ける事の大切さが書かれており、大人から子供まで全ての人に読んでもらいたい本です。 | ||||
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本屋大賞ノミネートと知人のお勧めで購入。面白く読ませてもったところ、やはり大賞受賞しました。 欲しい時にすぐに手に入るアマゾンは品揃え含め本当に便利ですね。 | ||||
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上巻と一緒に購入しました。コメントは上巻と一緒で面白く読ませてもらいました。 | ||||
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何人もの人、異なる場所のいくつものエピソードが一つにつながったときのほっとするような、やった!というような感覚がたまらなく好きなので、ミステリーを読むような気分で読んでたところもあります。極上の物語。伏線はすべて回収するけれど、すべてのできごとを描ききらないからこその余韻があると思います。個人的には、家族のその後を読んでみたい気もするけれど。 (ちょっとネタバレ?) 上橋先生はファンタジーに即した表現で医学の知識を記述することに、本当に気を配られたのではないかと思う。下巻の、ホッサルたちの説明シーンがすごく好きです。 | ||||
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上巻を読んでみて、物語の続きがどうなるのか気になった。 …けれど! 下巻も全て読んだ後のレビューとしては、この作品は頭でっかちで何か物足りない気がした。 全体的に完成度は高いのですが、上橋ワールドの面白さはこんなものではない! この作品が「2015年本屋大賞」に選ばれたことにより著者を知った人には、是非、『守り人シリーズ』や『獣の奏者』から読んで貰いたいと思います。 これらの作品の方が著者らしさが出ているし、何より読み易く、面白い!! 初めて上橋作品に触れるには、この本は敷居が高いように感じます。(かなりのボリュームだし、医療系知識を含み、登場人物も多く複雑です) バルサやエリンの話から上橋ワールドへの入門をオススメします◎ この表紙のデザインは素敵で好きですが。 | ||||
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これまでの児童文学とは打って変わって、大人向けに書かれた作品。 そのせいか、かなり頭でっかちに感じました。 物語としての完成度は高いのだけれど、色々な要素を盛り込みすぎちゃった感じがしました。 私は『守り人シリーズ』や『獣の奏者』の方が、純粋に、シンプルに上橋ワールドを楽しめて好きですね。 今回、この作品が「2015年本屋大賞」に選ばれたのをきっかけに、沢山の方がこの本を読まれると思いますが、ぜひ著者の他作品も手にとっていただきたいと思います。 上橋菜穂子の本領が最も発揮されているのは、児童文学ですから! | ||||
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この下巻を読み終えたところに、本屋大賞受賞のニュース。 おめでとうございます。 受賞にふさわしい、素晴らしい作品。 人としてどのように生き方をしていくか、どんな対応をしていくか。読みながら、深く考えさせられました。 登場人物一人一人、誰もが真剣に生きているのが感じられ、同調してしまいました。 内容的には、感染症への対応の仕方、人種、国、貧富、貴賤、自然とのかかわり方、いたるところに、今の私たちを取り巻く問題がちりばめられ、この作品を書き上げた上橋さんの力を感じました。 中高生では少々難しいかもしれませんが、ぜひ、読んでほしいと思いました。 大人には、より読んでほしい作品です。 | ||||
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上巻を今読み終わったところです。 おもしろい! 噂には聞いておりましたが、上橋さん、すばらしい! 早速、下巻に入ります。 | ||||
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娘が購入したのですが、よろこんでいます。 私も機会があれば読もうと思っております。 | ||||
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娘が購入して喜んでおりますが、私もまた機会があれば読もうと思っております。 | ||||
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人間は絶望の中でも生きる事の大事さ命の尊さが、問われている作品だと思います。今の時代簡単に人を殺す事が本当に多くなっている。 この本は若者・子供を持つ親に読んでほしい。 | ||||
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戦いで敵民族の捕虜になり、塩を採掘する鉱山で過酷な労働に耐えているヴァン。 その坑道に犬が1匹はいりこみ、次々と人を噛んでいった。 その後、噛まれた人々はあっという間に死んでしまう。 犬にかまれても、生き残ったヴァンは、同じく生き残っていた幼い女の子をつれて 逃避行することに。 一方、岩塩鉱で人々が大量死したなぞを追う、医術師ホッサル。 征服者民族「東乎瑠」。「東乎瑠」に恭順を示した「アカファ」族。 辺境に追いやられた「火馬の民」 それぞれの民族の争いは、まるで生物の体内での宿主と微生物の戦いのようでもあります。 ホッサルは、犬にかまれても死ぬ人と死なない人の差はどこにあるのか? 病気が人々を苦しめる前に、薬を作ることはできるのか? そして、犬に噛まれたヴァンの体に異変が・・・ ホッサルの祖父は言う 「生き物はみな、病の種を身に潜ませて生きている 身に抱いているそいつに負けなければ生きていられるが、負ければ死ぬ ほかのすべてと同じこと」 単なる民族感の争いという物語ではなく、 生き物、そして生きていくこととは?考えさせられる、深い深い物語でした。 | ||||
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さすが、というかんじで上橋さんの細かい世界観ががっつり描かれています。 ルビなしでは「これはなんて読むんだったかな…」とページをめくり返してしまいました…読み方や登場人物の立ち位置やらがわからなくなり、これを読了するまでに他の本を何冊も読み終えてしまうほど、読むにもエネルギーが必要かなと感じました。 コテコテの結末じゃないのがこの作者の素敵なところだと思っていますが、なにか、突然がくっと終わった感がどうしてもあります。 登場人物はみんな魅力的で、サエのかっこよさにぐっときました。 でも、それでも、もうちょっと踏み込んだ終わり方が欲しかった…でも…これはこれで…でも…うああ…ともやもや。読む方がこれだけのエネルギーを使うから、書く方はもうなまじなエネルギーではないだろうと、作家というのは本当にすごい人なのだなと思いました。 | ||||
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2014年はデング熱、エボラ出血熱と感染症の年でしたが、そんな時流にのるかのように、感染症と戦う人々の物語でした。ボリュームから言っても数年かけて用意された物語でしょうし、不思議な一致を感じます。著者インタビューをラジオで聞きましたが、ご自身の体の弱さが、守り人シリーズのバルサをはじめとするタフな(しかし飽くまで女性である)女性主人公たちを造形しているようです。今回も素敵な女性たちに出会うことが出来ました。なかなか読みやめることは難しいので、上下揃えて読み始めることをお勧めします。 | ||||
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