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モンテ・クリスト伯



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モンテ・クリスト伯の評価: 4.39/5点 レビュー 199件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.39pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全199件 121~140 7/10ページ
No.79:
(5pt)

フランスふうにしますか? トルコふうにしますか?

いぜん
保育社のカラーブックス・シリーズで
『コーヒー入門』
という一冊がありました。

つらつら読んでいくと
その中に
『モンテ・クリスト伯』からの引用がありました。

フランスふうにしますか?
トルコふうにしますか?
濃いのにしますか?
薄いのにしますか?
砂糖をいれますか?
いれませんか?
こしたのにしますか?
煮たのがよろしいか?

カラーブックスの著者も
『モンテ・クリスト伯』の愛読者だったのでしょう。
いい味を出している文章でした。

どの場面からの引用か
私にはすぐに分かりました。
(ヒント
話し手はモンテ・クリスト伯爵
聞き手はフランツ・デピネーです)

なぜなら
『モンテ・クリスト伯』は繰り返し繰り返し
読んできた愛読書だったからです。
むかし
岩波文庫で7冊買いそろえ
当時はカバーがなかった(パラフィン紙だけ)ので
表紙が破れると、そのつど買い直してきました。

今回
Amazonで全7巻を購入し
もう何回目かわかりませんが
また読み返しました。
ワイド版は単なる文庫本より
紙質も良いし頑丈なつくりです。
7冊ヨコに積み重ねたら12センチになりました。

その中で
エドモン・ダンテスが
つまりモンテ・クリスト伯爵が
ファリア司祭が
船主モレル氏が
マクシミリヤン・モレルが
ノワルティエ・ドゥ・ヴィルフォールが
ヴァランティーヌが
アリ・パシャの娘エデが
そしてカタキである
フェルナン・モンデゴが
ダングラールが
検事ヴィルフォールが
カドルッスが
私を待っています。

こうして登場人物を思い起こしていくと
とても書き切れないことに気づきます。
しかし
小説としての構造は単純で
良い人=味方

悪い人=敵
がはっきり分かれています。

初めて読む方は
直接のカタキは上記4人であることを
忘れなければよいでしょう。
その4人にも家族や友人がいますが
それは幹に対する枝葉です。
またその4人に復讐するために
将棋の駒として使う人物がいるために
登場人物が多くなっているだけです。

私は大学で第二外国語として
フランス語を選択し
さらに
ラテン語と
古典ギリシア語を
選択科目で履修しました。
もちろん、そうした言語を知らなくても
いくらでも本書を楽しむことができます。

導入編はナポレオンの「サン・ジュール」(百日天下)で
本編(復讐編)は1830年代の7月王政の時代です。

本書全7巻は
もちろん復讐の話ですが
恩返しの話でもあり
また男女の恋愛と結婚の話でもあります。
ぜひ、ご一読ください。
モンテ・クリスト伯〈1〉 (岩波文庫)Amazon書評・レビュー:モンテ・クリスト伯〈1〉 (岩波文庫)より
4003253310
No.78:
(3pt)

フランスの大衆小説

まさに「神の如き」ヒーローと息もつかせぬストーリであっというまに7巻を読了しました。
結末はいかにも大衆小説らしい終わり方。登場人物の個性がどうの、時代を反映して
いるのどうのをいう小説ではない。吉川英治の『宮本武蔵』といったところ。イギリスの
推理小説、中国の『聊斎志異』のごとく読書の醍醐味は味わえるが、それ以上ではない。
モンテ・クリスト伯〈1〉 (岩波文庫)Amazon書評・レビュー:モンテ・クリスト伯〈1〉 (岩波文庫)より
4003253310
No.77:
(5pt)

まだの人は読んでみて!!

絶対おすすめ!!
長すぎる?いえいえ、読めちゃうんですこれが、面白いから。
読まないと損してると思う。
モンテ・クリスト伯〈1〉 (岩波文庫)Amazon書評・レビュー:モンテ・クリスト伯〈1〉 (岩波文庫)より
4003253310
No.76:
(5pt)

とにかく何処にいても読みたくなる

読み始めてからはどこに行く時も連れて行きました。
歩きながらも読んでしまうくらい。
とにかく先が気になる、こんな作品にはめったにお目にかかれないでしょう。
おススメ。
モンテ・クリスト伯〈4〉 (岩波文庫)Amazon書評・レビュー:モンテ・クリスト伯〈4〉 (岩波文庫)より
4003253345
No.75:
(5pt)

読んでよかった

明るい海原と白い帆が目に浮かび、爽やかな潮風を感じます。

にしてもメルセデスが可哀そう…
モンテ・クリスト伯〈5〉 (岩波文庫)Amazon書評・レビュー:モンテ・クリスト伯〈5〉 (岩波文庫)より
4003253353
No.74:
(5pt)

復讐すべきは4人? それとも5人? 6人?

この第三巻で
モンテ・クリスト伯爵は
(つまりエドモン・ダンテスは)
復讐の舞台となるパリにはいります。

ダンテスにとって
生まれて初めてのパリです。
復讐のため、この北の都にやってきたのです。

復讐すべき相手は何人でしょうか?
最低でも4人です。
解釈によっては5人とも6人とも言えます。

まず最初に再会したのは
1)モルセール伯爵。
かつてのカタロニアの漁師フェルナンです。
貴族院議員に成り上がっています。
ダンテスを告発する手紙を投函した男です。
妻はメルセデス(かつてのダンテスの婚約者)。
息子はアルベール。
このアルベールを、モンテ・クリスト伯爵が
ローマで山賊から救ってやったことから
パリにまねかれ
父親のモルセールに紹介されたわけです。

次に再会したのは
2)ダングラール。
かつてのファラオン号の会計係です。
裕福な銀行家になっています。
ダンテスを告発する手紙を書いた男です。

最後に再会したのは
3)ヴィルフォール。
検事総長に登りつめています。
マルセイユで検事をしていたとき
ダンテスが無実であると知っていたのに
わが身かわいさ(保身と出世)のため
ダンテスを過激な政治犯として
監獄(シャトー・ディフ)に押し込みました。
(裁判も受けさせず事実上、終身禁固刑にします。
予審判事もかねていたのかもしれません)

ダンテスは以上3人と「再会」します。
果たして3人は
目の前のモンテ・クリスト伯爵が
かつてのエドモン・ダンテスと
気がつくのでしょうか?
(ぜひ本書でご確認ください)

ダンテスは
モルセール伯爵夫人となったメルセデスとも再会します。
メルセデスはダンテスの婚約者でした。
しかもダンテスは
婚約披露宴の席で逮捕されたのでした。
(詳しくは第1巻をお読みください)

現代日本の卑語・俗語で恐縮ですが
「元カノ」「元カレ」
どうしが再会したことになります。
ダンテスから見れば
メルセデスは婚約者(ダンテス)を見捨てて
恋敵(フェルナン)と結婚した裏切りものです。
メルセデスから見れば
ある日、突然逮捕され、刑務所にいれられたまま
いつ戻ってくるかもわからない
(おそらく戻って来ない)婚約者(ダンテス)を捨てて
2番目に好きだった男(フェルナン)と結婚
という現実的選択をしただけです。

男と女の違いがよくあらわれていると思います。
19世紀フランスのみならず
現代日本にも通じる普遍的な価値観の相違と言えるでしょう。

なおダンテスから見れば
メルセデスの息子アルベールも
モルセール(フェルナン)の息子として
復讐の対象です。

だからダンテスの復讐の対象は
もともとの4人に
メルセデス、アルベールを加えると
5人ないし6人となります。

なお第三巻では
もともとの4人のひとり
カドルッスとだけは再会しません。
小説の上でも直接には登場しません。
モンテ・クリスト伯爵が雇った
家令ベルツッチオが語る回想の中でのみ登場します。
(どうなっていたかは本書でご確認ください)

さて第三巻だけでも
400ページ以上あります。
登場人物も
マクシミリヤン・モレル
フランツ・デピネー男爵
ベネデット
など多数です。
いずれも今後のストーリーの重要な伏線ですから
是非ご自分で
本書を読んで
アレクサンドル・デュマ(父)のリズムを感じ取るようおすすめします。
モンテ・クリスト伯〈3〉 (岩波文庫)Amazon書評・レビュー:モンテ・クリスト伯〈3〉 (岩波文庫)より
4003253337
No.73:
(5pt)

諦念と解脱の物語

モンテクリスト伯7冊を読了した。思いつくままに記す。
  A.デュマという人、優れたストーリィー・テラーだったのであろう。7冊に及ぶ長編を読者に一気に読ませてしまうほどの力量をもっていたと思われる。著者の力量と翻訳者の力量もあってか、大作なのに大変読みやすい。長文が多数ちりばめられているが、混乱なく理解できるのは、原文が優れていると共に翻訳の力によるのであろう。80年以上前の翻訳とあって古風な箇所は多数あるが、それも、古い小説の雰囲気を表していてむしろ好感する。たしかに、今となってはほとんど知られない言葉、「一揖」「塋域」などを見出すが、大変勉強になる。村上春樹が翻訳したらどうかという意見があったが、成功するとは思えない。文学は味わうものである。味わうとは、その時代のすべての雰囲気を感じるということである。理屈ではない。最近の翻訳になるロシア文学は、分かり易いが、現代の家庭小説のようで、鬼気迫る味わいがあるとは思えない。ワグナーのオペラの現代劇版など見る気が起きるであろうか。
  確かに、冤罪、投獄、出会い、脱獄の第1,2冊に比べて、第3冊以降冗長な面はある。伯爵の復讐計画が緻密かつ遠大に過ぎて、復讐という目的を忘れそうになってしまう。また、復讐が仇敵3人を血祭りにあげるような過激な形で行われると期待していた向きは失望するであろう。伯爵が仕組んだ結果とはいえ、3人は、伯爵自らが手を下すこと無く、それぞれの事情により破滅して行く。伯爵が復讐計画を遂行する過程で、仇敵を「赦す」に到るのに、この冗長さとこれだけの時間が必要だったのである。時間とは何と尊いものであろう。どんなに深い悲しみも、どんなに激しい憤りも、どんなに根深い恨みも、すべて時が癒やしてくれる。
  第7冊、ヴァランティーヌが継母に毒殺されそうになるのを伯爵は救う。伯爵のこの行為は容易に想像できる。しかし、彼女は仇敵検事総長ヴィルフォールの実の娘である。その彼女をなぜ救おうとしかつ実際にそうしたのか。さらに、恩人モレルの息子マクシミリアンと彼女との結婚をなぜ是認しかつ推進したのか。ここにも伯爵の「赦し」の境地が感じられる。これまでモンテクリスト伯を単なる復讐物語と考えていたが、はじめて実際に読んでみて、もっと深い諦念と解脱の物語であるとの想いをもつに至った。
モンテ・クリスト伯〈1〉 (岩波文庫)Amazon書評・レビュー:モンテ・クリスト伯〈1〉 (岩波文庫)より
4003253310
No.72:
(5pt)

希望を持って待つ

2014年の夏の自己課題図書です。

舞台は19世紀初頭。
現在のような通信手段や交通手段はありません。
どうやって現状を把握出来たのでしょうか。
人間の悪いところを全部集めた物語。
すごいスケールとパワーを持っています。
最後は行きすぎじゃないかとも思いますが・・。

多くは語りません。
まずは1巻を読んでみてください。

時間をかけてじっくり何かを読みたい人にお勧めです。

ワイド版岩波文庫が 字が大きくて読みやすいです。
持ち運びはやはり文庫が最適です。
モンテ・クリスト伯〈1〉 (岩波文庫)Amazon書評・レビュー:モンテ・クリスト伯〈1〉 (岩波文庫)より
4003253310
No.71:
(3pt)

待て、しかして・・・

19世紀フランスの小説家アレクサンドル・デュマ(デュマ・ペール、1802-1870)の代表的長編小説、1841-1845年執筆。19世紀のフランスはしばしばその政体を変えており、物語も第一帝政・復古王政・百日天下・七月王政という歴史的情況を重要な背景としている。

  □

1815年、ルイ18世の復古王政下。エドモン・ダンテスが、人生の幸福から一転、ナポレオンの「百日天下」に巻き込まれるような形で政治的謀略に嵌められて無実の罪を着せられ、牢獄に幽閉されるまでを描く。筋の起伏が明白かつ豊かで読んでいて実に楽しい。特筆すべきは、やはり獄中に於ける老学者ファリアとダンテスとの遣り取りだろう。ファリアは獄中で且つ病魔に侵されながらも、脱獄の為の諸計算やその実行に必要な様々な工具類や縄梯子、更には精密な日時計や紙・ペン・インクそしてロウソク等々を気の遠くなるような長い時間と絶えること無き創意を重ねて作り上げていた。そればかりでなく、様々な言語の単語帳を作って勉強したり、持ち前の学識を用いてイタリア統一に関する大論文まで執筆しているというのだから驚く。舌を巻いたダンテスから「紙とかペンとかインクとか、それをおもらいになったのですか」と尋ねられてファリア曰く、

「いや。わしがつくった」

痛快な一言。不撓不屈の精神と強靭な知性(「順序は、あらゆる問題にとっての鍵だ・・・」)に、清々しさを覚える。そして、ダンテスが陥った謀略の真相をファリアが次々と暴いていく過程は探偵小説の如く(「・・・、犯人を見付けるためには、まずその犯罪によって利得する者を求めよ!」)、また旧家の財宝の秘密を探ってモンテ・クリスト島を暗号解読さながらに導き出す過程は冒険小説の如く、読んでいて胸が躍る。

  □

1829年、投獄より14年を経て、脱獄。この有名な脱獄場面は、読む者にまさに冒険活劇の興奮を与える。その後、モンテ・クリスト島の財宝を手にし、故郷へ。そこで、父の既に亡きこと、14年前に自身を陥れた者たちによる謀略の真相と彼らのその後、許嫁の行方、そして昔日の恩ある船主モレル氏の窮状を知る。嘗ての雇い主であり庇護者でもあったモレル氏に対するダンテスの恩返しは、モレル氏が困窮の最後に於いてまで家族や部下の船員たちに失うことなく示し続けた気高く腹蔵無き真の愛情とともに、読む者に大きな感動を与えるだろう。

脱獄を果たしたダンテスの相貌は、「眼には深い悲しみがしめされ、その悲しみの底からは時折、世を厭う心と憎悪の心との暗澹たる閃きが迸り出て」、「自分自身にさえ自分がわからないのだった」。ダンテスは、この世が、神の存在のもと善悪が真っ当に報われる"最善"の世界ではないことを痛感し、神に代わって神が為すべき正当なる報いを実行しようと決意をした。「・・・、遅かれ早かれ、正直者にはたしかにお賞めがありましょうし、悪いものにはきっと報いがありましょう・・・」。これは実に畏怖すべき決意である、人間が神に取って代わろうと、人間自身が決意するのだから。ダンテスにあっては、最早、ライプニッツ(1646-1716)が唱えた「弁神論=世界最善説・予定調和説」など全くの無力である。ここに、ヴォルテール(1694-1778)によるライプニッツ批判(『カンディード』など)を通過して、神に対する奴隷状態からの、人間の倨傲とも呼ぶべき自律の兆候が読み取れる。善への報い(モレル氏への恩返し)が果たされれば、残るは悪への報いのみである――神ならぬ人間が為すそれは、「復讐」と呼ばれる。人間が神に代わってその役割を果たそうとするとき、人間は、次第に唯名化していく神という観念から自律しようとするとともに、人間性という観念をも超え出てしまいかねない。

「なさけよ、人道よ、恩義よ、さようなら・・・・・・人の心を喜ばすすべての感情よ、さようなら! ・・・・・・私は善人に報ゆるため、神に代わって行った・・・・・・さて、いまこそは復讐の神よ、悪しき者を懲らすため、御身に代わっておこなわしめたまえ!」

  □

エドモン・ダンテスはモンテ・クリスト伯爵を名乗り、巨万の富をその力の背景として、復讐の鬼神となって、パリへ、モンセール家へ、ダングラール家へ、ヴィルフォール家へ、入り込んでいく。そこは「価値ありげな顔をせよ、しからば世間も価値をつけよう」という欺瞞の準則が罷り通っている俗物社会だ。効率的な利益の獲得という即物的な無内実を糊塗する為につけられる仮面。仮面の下が虚無であることを自他に対して欺瞞的に隠蔽する為だけの仮面。目前に迫った死がその仮面を剥ぎ取る段になって初めて、仮面の下には何も無かったということが、他ならぬ自己自身に対して突きつけられるだろう。仮面は、その下が実は虚無でありながらさもそこに意味ある何かが存在するかのように仮構する為のものでしかないが、こうした俗物"界(champ)"にあっては当の仮面そのものが内実そのものであるかのような倒錯が起こるだろう。「社交"界"」とは、そうしたルールに則ったゲームだと云える。

人間が神に取って代わろうとするとき、逆説的に、当の人間は悪魔じみてくる。

「『わたしは、いままで神の摂理という言葉を聞かされていた。だが、それを見たこともなければ、またそれに似たようなものさえ見なかった。したがって、わたしは、それが存在しているとは思わない。わたしは神の摂理そのものになりたい。なぜかというと、わたしの知っているかぎり、この世においてもっとも美しい、偉大な、そして崇高なことは、自分の手で賞罰を与え得ることにほかならないのだから』。すると、悪魔は、首うなだれて、溜息をつきました。『・・・。わたしがお前のためにしてやれること、それは、お前を神の摂理の使徒の一人にしてやることなのだ』。取引はできました」
モンテ・クリスト伯〈1〉 (岩波文庫)Amazon書評・レビュー:モンテ・クリスト伯〈1〉 (岩波文庫)より
4003253310
No.70:
(5pt)

少年用にしているが

きちんとした文章、ストーリーもはずさない、少年用といえ素晴らしい。必読の書
モンテ・クリスト伯 (中) (岩波少年文庫 (504))Amazon書評・レビュー:モンテ・クリスト伯 (中) (岩波少年文庫 (504))より
4001145049
No.69:
(5pt)

良い意味で期待を裏切るストーリー展開

古典文学ということで、堅苦しさを一番に懸念する人も多いでしょうが、心配無用です。前置きや、偏った説明などなく、いきなりストーリーのみに入っていきます。
皆さんも、レビューで説明しておられるように物語に引き込まれて睡眠不足になる人が多く見受けられます。一般の小説を読んでいると、読者はたぶんこの先はこうなるのよねという予想をしながら、読み進んでいきます。しかし、この物語は予想を遥かに超える展開に、良い意味で予想を裏切られたと思うはずです。
ただ、注意してほしいのは、長編小説のため当然ですが登場人物が多いのです。なので、読みながら必ず自分なりの登場人物のメモを忘れずに書いておいてください。1巻で登場し、それまで無縁だった人物が再び5巻や6巻で登場などという場面もあるからです。

しかし、アレクサンドル・デュマの人生のほうが、モンテ・クリスト伯より波乱にみち、面白いかもしれません。鹿島茂氏によると、デュマは「ケインズ経済学を理論的に知るはずもないが、それを実践した人」と書いています。(モンテ・クリスト伯の金銭感覚をみるとわかります)
デュマの生涯については鹿島茂の「パリの王様たち―ユゴー・デュマ・バルザック三大文豪大物くらべ」(残念ながら絶版)または佐藤賢一の「褐色の文豪」をお薦めします。個人的には、鹿島茂の作品のほうが好きですが。

この作品は、当時新聞小説で連載されたそうです。毎号、期待に胸ふくらませ、わくわくしながら読んでいた当時のパリの人々と、現在の読者が時代が違っても同じ感動を分かち合えるなんてと思うとロマンを感じます。
モンテ・クリスト伯〈1〉 (岩波文庫)Amazon書評・レビュー:モンテ・クリスト伯〈1〉 (岩波文庫)より
4003253310
No.68:
(5pt)

モンテ・クリスト伯

モンテ・クリスト伯---これごど面白く、ページが読んでいて飛ぶように進み、かつ近代欧州の状況を鮮やかに描いた本を
私は初めて読んだ。今まで読破した、ロシア作家ドストエフスキーの「罪と罰」、「カラマーゾフ」と一線を画す作品では
あったが、読破することによって得られた自信はそれらに勝るとも劣らない。
また、これが仏文学に触れた最初の機会ともなった。モンテ・クリスト伯の主題はまさに「復讐」であり、
主人公エドモン・ダンテスがかつて自分を陥れたパリも名士3人に見事、恨みを晴らすという内容である。
主題だけを見てしまうと勘違いが起きてしまうのも無理はない。しかし、心に留めて欲しいのはこの作品には
人の人情や弱さを生き生きと描いたインディーズ的な側面があるということだ。
確かに七刊もあり、ヘビーな内容に思えるかもしれないが、読み始めていざ終わってしまうと、もっと続きが読みたくなる気持ちを禁じ得ない。私のこの文章だけでは、モンテ・クリスト伯たる巨作の全てを諸君に伝える事は到底不可能である。
しかし、もしこの機会にこの本に諸君が興味を持ち、手に取ってもらえば幸いである。
モンテ・クリスト伯〈1〉 (岩波文庫)Amazon書評・レビュー:モンテ・クリスト伯〈1〉 (岩波文庫)より
4003253310
No.67:
(5pt)

魂に響く読後感!

なかなか読めなかった本書をGWに一気に読んだ。この重厚な読後感は人生の宝である。ワイド版岩波文庫は中高年者には文字が大きくて読みやすく、紙質が良いので経年による変色が少ない。我が国の文庫本はドイツのレクラム文庫を導入したものだが、高齢化社会には時代的に合わなくなってきている。英米のペーパーバックを模範とした軽くて大きくカバーなしの名作・古典シリーズの刊行を本格的に導入する時期にきていると思われる。岩波文庫をはじめ、各文庫の出版社はぜひご検討頂きたい。
モンテ・クリスト伯〈1〉 (岩波文庫)Amazon書評・レビュー:モンテ・クリスト伯〈1〉 (岩波文庫)より
4003253310
No.66:
(3pt)

とにかく文章がくどい5巻までが、我慢の限界でした。岩波さん翻訳代をケチらずに新しくしたら・・・・・・

読者の皆様くどくどと続く文章にお覚悟ください。出来ましたらお読みになる前に登場人物の概要を手に入れてから始めるのがよろしいかと。
原作がそうだからと言われれは゛なるほどですが、翻訳が古すぎるとではないかとおもいます。今どき一尺何寸とは恐れいいりました。
第1巻は面白い第2巻もまあまあ3.4.5.上記の通りの感想です。新訳は村上春樹さんにおねがいします。
モンテ・クリスト伯〈1〉 (岩波文庫)Amazon書評・レビュー:モンテ・クリスト伯〈1〉 (岩波文庫)より
4003253310
No.65:
(5pt)

ワクワクドキドキ

子供の時に読んでおおよそ内容は知っていたが改めて読んでみて感動しました。
モンテ・クリスト伯〈2〉 (岩波文庫)Amazon書評・レビュー:モンテ・クリスト伯〈2〉 (岩波文庫)より
4003253329
No.64:
(5pt)

加速度的に面白くなってきました

4,5巻あたりは、新たな登場人物が多く、少しだるかったですが、
6巻と最終巻ですべての点がつながりました。

もう一度、1巻から読み返していますが、「こいつ、このとき、こんなん言うてたんや」
ということが多く、長編ですが2,3回読みたくなりました。
モンテ・クリスト伯〈6〉 (岩波文庫)Amazon書評・レビュー:モンテ・クリスト伯〈6〉 (岩波文庫)より
4003253361
No.63:
(3pt)

時間が十分あるときに読みましょう

登場人物の名前と関係を覚えるのに一苦労。
しかしここでおろそかにすると先でついていけなくなります。
モンテ・クリスト伯〈3〉 (岩波文庫)Amazon書評・レビュー:モンテ・クリスト伯〈3〉 (岩波文庫)より
4003253337
No.62:
(4pt)

片手間には読めない

物語が進展してきたのでここにきて読むスピードも速くなりました。
モンテ・クリスト伯〈4〉 (岩波文庫)Amazon書評・レビュー:モンテ・クリスト伯〈4〉 (岩波文庫)より
4003253345
No.61:
(5pt)

別人となるダンテス、その理由

若々しくエネルギッシュ、人を憎むことを良しとしない青年。
そんな主人公ダンテスのイメージが二巻で覆される。
ハシッシュという幻覚物を服用し、眼から「怪しい残虐性に燃えた視線」
(p291より)を射すようになるダンテス。

作者のアレクサンドル・デュマの描きたかった世界は
読者をワクワクさせる復讐劇に留まらなかったことが二巻から読み取れる。
ダンテスの変貌ぶりは、獄中での過酷な経験に加え
誰かを憎み復讐しなければならない運命によるものである事が明かされていく。

たとえ沢山の財宝を手に入れようとも、美しい女性と連れ添おうとも
それはダンテスの描く「幸福」とは違う。
ハシッシュの幻覚に酔い、孤独を紛らわせる姿。
青い顔色と焔で輝いた大きな眼、吸血鬼を連想させる風貌になった男。
(本文よりp415参照)
そこへ至るまでの長い経緯を考えると、思わず同情の念を禁じ得ない。

復讐を果たすことは、対価を払い負の感情と向き合うことである。
人間の感情の中で最も闇に深い部分である「憎悪」を膨らませ、
行動に移さなければならない。
それは当人にしか解らない孤独と苦しみの連続だろう。
道理に反した者たちへの制裁と、終わりなき戦いの行方…
登場人物の心理描写にも注目し読み進めていきたい。

二巻で気になるところがあるとすれば
多額の負債を抱え破産しそうになるモレル氏への救いの手を
ダンテスがもっと早い段階で差し伸べてほしかったという所だ。
モレル氏が哀れで仕方がない。(物語の展開としては面白いけれど)
モレル氏は9月5日に死を覚悟するほど追い詰められることになるのだが
あまりの重圧に心臓発作で他界してしまわないか、気を揉みながら読んだほどだ。
緊迫するストーリー展開に思わず夢中になって読んでしまう。
登場人物に感情移入してしまうのも、作者アレクサンドル・デュマの
鬼才ならではのことだろう。
モンテ・クリスト伯〈2〉 (岩波文庫)Amazon書評・レビュー:モンテ・クリスト伯〈2〉 (岩波文庫)より
4003253329
No.60:
(5pt)

「復讐」で幸福は得られない…

幸せの絶頂から奈落の底へ…

人生というものは、時に神を恨みたくなるほど
不条理で過酷な一面を持ち合わせている。
けれど、奈落の底から見る人生は
幸せの頂に立つ人生よりも
真理を得てして存在するのかもしれない。

未来の幸せを約束された主人公ダンテスは
美しい許嫁のメルセデスとの結婚を目前にしていた。
彼の前には輝く未来しかない。
船主のモレルは彼を信頼し、船長という重役をダンテスに
任せると約束してくれた。
だが悲劇はダンテスの見えぬところで着々とその足音を忍ばせていた。
彼を囲む人間の裏切りや妬み、そこに運命という一綱をも背を向けられ
孤島に十四年もの間、投獄されることになったのだ。
投獄され すべての希望を失っていくダンテスの胸の内が描かれている。

「(略)それはあの当時おれが幸福だったからのことなのだ。
命を取りもどすということが、すなわち幸福を取りもどすことに
ほかならなかったからなのだ。すなわち死は、自分の求めたものでなく、
また自分のえらんだものでもなかったからだ。
(中略)だが、今日はまったく問題がちがう。おれに命を惜しいと
思わせるようなものは、すべてなくなっている。死は、子供を寝かしつける
乳母のようにほほえみかけてくれている。そしていまでは、おれはわれから
望んで死のうと思っている。」 (「モンテ・ウリスト拍【一】」p294〜295)

作者であるアレクサンドル・デュマの素晴らしいところは
希望の頂から奈落の底へ落とされた者の心理描写を
あたかも自分が主人公ダンテスであるかのように
詳細に描けるところにある。
自分を陥れた何者かに激しく憤り、運命を呪い、精神錯乱に陥りそうになる。
神に慈悲を求め、無気力となり、生が価値あるものに思えなくなる。
ダンテスにとって闇の中にある希望の光とは何か
そこから彼を奮い立たせ、生の息吹を与えるのは何か…
彼を無情にも不幸へ陥れた者たちの心理描写と共に注目していきたい。

人を不幸に陥れるということは、同時に果てぬことのない良心の呵責と
命尽きるまで癒えることのない恐怖を抱えて生きることなのだと
理解できる。
同時に、人を愛し希望を与えることは
たとえ命尽きようとも、永遠に生が満たされ、悦びを失わず、
闇のなかにおける光の羅針盤となることを教えてくれる。
モンテ・クリスト伯〈1〉 (岩波文庫)Amazon書評・レビュー:モンテ・クリスト伯〈1〉 (岩波文庫)より
4003253310

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