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模倣犯
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模倣犯の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.01pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全405件 321~340 17/21ページ
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日本史上最高の劇場型犯罪(もちろんフィクション)を描いた大作。でも作者の意図は、犯罪者やそのプロセスより、被害者遺族や加害者家族の苦しみや悲しみを密度濃く描きたかったのではないか。上手くはいかなかったと思うが、そこにスポットを当てた点は評価したい。 | ||||
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ものすごく深みのある、重厚な作品でした。でもノンストップでとくに下巻は一日で読めました。すっごい面白かったです。タイトルが非常に女性らしく意地悪でした。オリジナルであることに価値観を置いた人を人前で貶めたのですから酷いです。それをタイトルにするというのもすごい。あの時滋子さんがああいったのは、別に網川の破滅を願ってのことではないでしょう。だって警察はもう動いてた。読者にはわかることですが、携帯だって見つけられた。カズの声紋も発見されるでしょう。別にこれは探偵小説ではないのです。追い詰める者と犯人がぞくぞくするような言い争いを繰り広げたりはしない。警察はきちんと捜査して証拠をそろえて、犯人を逮捕します。だけどそうやって事件が「解決」したって、網川は別に傷つきはしなかったでしょう。むしろ堂々と作者だと名乗れると喜んだかもしれない。作中で、「商品化された女性」のイメージは幾度も強調されます。彼女たちは傷つけられ、貶められる。それでも黙って殺されるわけじゃない。かわいそうだねと、運が悪かったんだよと、だけど女性にも過失があったんじゃないかと、そんな風に片付けられたくはない。誰よりも悪いのはいつだって手を下した者です。だから、必ず、必ず、報いがなくてはならない。復讐されなくてはならないのです。だからあの言葉を言うのは、真一くんでもおじいさんでもなくて、傷つけられて追い詰められた滋子さんだというのは私にとって非常に価値がありました。真一にとって恐怖となる少女とか、網川の声紋を調べるきっかけになった告発をした女性がのっぽであるとか、そういう細かさもとても上手かったです。視点と筆力の凄さに鳥肌立ちました。一読の価値はあります。 | ||||
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高井和明は被害者で、高井由美子が信じていた事は本当で、栗林浩美は犯人で、ピースは犯人だった。経過を1ページ1ページ読み進めていくことが出来る僕はもちろんこの事実を知っていたが、和明たちが住む世界の人々には全てを知ることは不可能だった。現実の世界で僕は彼らと同じで全ての事実を知ることは出来ないし、全ての事に目を向けている訳でもない。この本を読みながら頭のはしっこで考えていたのはそんな事だった。その当たり前の事を僕が本当に理解したとしても、その当たり前のことは当たり前のままで残るだろう。けれども僕がその事を本当に理解できたら今よりは少しましな人間になれるんだろうなと思った。もう片方で今まで見た映画や読んだ小説の中に出てくる、自信満々or悲しげな瞳で全てを見通す事が出来る登場人物に自分を重ねる僕もいたし、これからもいるんだろうなと思う。 | ||||
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とてもよくできたサスペンス小説で,作者のストーリーテラーとしての素質が生きている。まだ読んでいない人は,すでにたくさん書かれたカスタマーレビューを参考に,読んでみて損はないと思う。ただテーマとなっている「悪」がどれだけ描けているかとなると,いまいち深みと真実みが感じられない。作者の世界観がその理由としてあげられるのではないか。 本作以前にも,宮部氏の作品は大好きで,単行本を買うお金はなかったので,文庫を片端から読んでいった。だが,どうも『模倣犯』を最後に,失速してしまったようで,少し悲しい。 そもそも宮部氏の作品の魅力は,登場人物たちの交わりの人情味あふれるところに拠るところが大であったと思う。しかし,その人情味は,超越的なものへの志向性を欠き,昔ながらの落語にでも出てきそうな,人生の酸いも甘いも熟知して,善悪や白黒をつけることのできない,善いこともすれば悪いこともする,人間くさい人間を理解し受け入れましょうというような,池波正太郎的な世界観に終始するものであった。池波のように,時代小説ならばこれでもいいのかもしれないが,こうした世界観だけで現代(の問題)と切り結んでいこうとしたのでは,やがて力尽きるだろうということは,考えてみればはじめから予測できた。 『模倣犯』を最後の輝きにしないために,宮部氏には世話物的世界観を乗り越えてほしい。 | ||||
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事件には犯人だけではなく、被害者、被害者の家族や友人、犯人の家族や友人、そのまた家族や友人、そして警察とマスコミがいる…そして、宮部みゆきは、その一人一人の心境を何一つ省くことなく展開していく。犯罪心理だけではなく、あらゆる関係者の心理を鋭く追究する名作。読んでいる間、自分自身の心理状態も不安定になってしまうほど、引き込まれました。 | ||||
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上下巻、一気に読みました。上巻の中盤で、ミステリー性はなくなりますが、登場人物一人、一人のその時々の事件が起きたときの、状況や心境が書かれており、私としてはあの本の厚さになってしまうのは、いたしかたないと思いました。今の時代、無差別犯罪が多くなってきていますが、考えさせられる一冊ですので、ぜひ、読んでいただきたいです。 | ||||
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宮部みゆきさん、ちょっと設定に無理があるんでねえの。1)事故で死亡した時の状況だけで栗原と高井を犯人にしている。高井の日常をみれば、あっという間に共犯にしてしまうは無理がある。2)下巻で真犯人網川がでてくるが、警察は全く身辺調査していない。あとのほうでやっと滋子がおかしいと気づいてくれるけど、あんなの警察の初歩捜査で、ねえの。3)上巻で、勝ち気だった高井由美子が後半網川べったりで、自殺までする。かんたんにキャラクターをかえてもらっては、困る。4)知能犯??ピースがあっけなく警察に投降してしまう。5)ほかにもかなり人物、環境などでむりがある。連載だったからかなあ。誰かさんのレビューにもあったが、塚田真一と有馬じいさんのやりとりで、やっと宮部のあたたかさを再確認できたのがよかった。おまけみたいな頁はとばしても、上下巻読むのに20時間かかった。長編です。宮部みゆきさんごくろうさまでした。今度は後味のスカーとする作品をたのんまっせえ。 | ||||
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あまりのヴォリュームに最初はひるんだものの、一気に読み通せた。「なぜひとは犯罪に走るのか」という事件の〈動機〉の全体像が、心理学の知見も盛りこんで、丁寧に追究されている。この分厚さは、無くてはならなかったものだと言ってよい。 その達成は見事であるが、しかし犯罪の〈動機〉についての宮部の結論は、世間の常識を一歩たりともはみ出すようなものではないし、それゆえ大ベストセラーになりえたのだろう。宮部が書いているのは、正確に言えば「どのようなタイプの人間が犯罪に走りうるのか」ということなのである。 だからこそ、定職につかない者、他人にコンプレックスやルサンチマンをいだく者、組織に適応できない者らは、宮部にとってはアプリオリな「犯罪者予備軍」と見なされる。じじつ、本作中の連続殺人犯(ピースと栗橋浩美)も、そのようなキャラクターなのだ。被害者の遺族の口を借りてマスコミを批判しているように見える宮部も、結局はマスコミ的・世間的な感性を共有しているのである。 言いかえれば、本作に決定的に欠けているのは「犯罪をいかに裁くか」という問題意識にほかならない。近代法では、判決が下る前ではすべての者が「推定無罪」であるのだが、宮部がとっている視点は、上述のように「これこれのタイプの人間は犯罪者に違いない」という「推定有罪」なのだ。これはまぎれもなく世間やマスコミの姿勢の確認であり、それへの追従である。(聞くところによると、某大学法学部には「宮部信者」が多いそうだが、これは日本が近代社会ではないことを証しているのでは?) | ||||
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登場人物が無意味にリンクすることに必然性を感じない リアリティがない 個人的にこの手の小説にはリアリティを求めるので完全にハズレだった | ||||
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過去、これほど多くの人々の思いを綴った犯罪小説があったでしょうか。加害者とその家族、被害者の家族、警察、マスコミ、目撃者、そして網川の言葉を借りるならば一般大衆。ひとつの事件をめぐる個人個人の見解、それが今回宮部さんが伝えたかったことなのだろうと解釈しました。模倣犯に登場するあらゆる立場の人々のあらゆるストーリー。共通していることは、こうした事件は関わる全ての人を不幸にしてしまうという悲しい事実のみ。決してこの物語は長いとは思えなかった、さすが宮部みゆきだとうならされました。 | ||||
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宮部みゆきさんの作品でちょっと異色のほうなのかな?犯人の思考なんかは楽しめたのですがいまいち自分の中で想像できなかった(俺の頭が悪いのか?)内容はおもしろかったし、買って損はしなかった作品でした。 | ||||
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上下2巻の大冊で読み応えがあり、とにかくおもしろい。うまい。しかし、初期の宮部みゆきを愛読したものから見ると、どうも不満が残る。特に上巻まではイヤな気分。人間の醜さをここまで書かなくてもと思った。後半、宮部お得意の少年と老人のあたたかい触れ合いがあり救われるのだが・・・。初期の作品のあのさわやかな読後感がなつかしいと感じるのは私だけだろうか。 | ||||
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上巻の読み応えに魅かれて、読み進みましたが正直う~んといった感じです。 宮部作品のラストはいつも意外性と、何とも言えない切なさと割り切れなさが残りますが、それがまたそれが宮部らしさの魅力と思います。今回はラストに向け登場人物の行動・感情が読める上、これだけのページを重ねてきたのにあっけなさすぎとの感がぬぐえません。 宮部作品は全部読みたいといった方には、否定はしませんが「宮部長編代表作」と思って初めて読む方は避けたほうが賢明。宮部作品は大好きで皆読んできましたが、これでつまづきました。 | ||||
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とりあえず読み終わりました。夏休みだからというのもあってか、読むのにかかった時間は上下巻あわせて20日。約1400Pです。内容は、描写の仕方がとてもリアルで臨場感がありました。ただ、長いのと登場人物が多いのとで、フッと名前がでてきても「アレ?この人誰だっけ?」と思ってしまうところがしばしば。読み進んでいくうちに「あぁ。はいはい。ここででてきた人か。」と思い出すんですがやっぱり脇役が多すぎかな、と思います。内容はホントにすごくおもしろいけど時間がないと一生読めない気がします。1400Pといっても1Pを上と下に分けてあるので、実質は2500Pぐらいあるんじゃないかな。 | ||||
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面白いことは面白いのですが、長いですね。ちょっと読み疲れます。犯罪者側のやることは気味が悪く、また憎たらしい。読んでてそう感じさせるだけの筆致力は十二分ある。物語に入っていくのも割とすんなり入れたと思います。しかし、あそこまで長いストーリーにした意味はよく分かりません。もう少し適当に端折っても同じような話は書けたと思います。その意味で、少しテンポの悪い部分があるように思います。ちなみに模倣犯というタイトルの意味は、読んでる途中では余り考えない方がいいと思います。どうせ分からないので(笑)。読み終わればもちろん分かりますが。 | ||||
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面白いことは面白いのですが、長いですね。 ちょっと読み疲れます。 犯罪者側のやることは気味が悪く、また憎たらしい。読んでてそう感じさせるだけの筆致力は十二分ある。物語に入っていくのも割とすんなり入れたと思います。 しかし、あそこまで長いストーリーにした意味はよく分かりません。 もう少し適当に端折っても同じような話は書けたと思います。 その意味で、少しテンポの悪い部分があるように思います。 ちなみに模倣犯というタイトルの意味は、読んでる途中では余り考えない方がいいと思います。どうせ分からないので(笑)。 読み終わればもちろん分かりますが。 | ||||
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流行型推理小説―――登場人物を縦割りで書き分け、伏線を大切にし、カタルシスの美しさを競い合う―――を読みなれている人がその観点から見ると、この本は物足りないと思います。しかし、これは推理小説的な「逆算」ではなく、純文学的な「順送り」によって書かれたものでしょう。やろうと思えば何千何万ページでも書けたわけで、つまりは、問題は結末ではなく過程にあると思いました。で、その過程で言っているのは何かというと、<欠点を補おうとしないくせに「個性」ばかりを主張する、最近の青年に対する厳しめの叱咤激励>だと感じました。そういう点から読んでみると、身につまされる人も多いのではないでしょうか。「悪」と「善」の位置関係を考えると面白いかもしれません。「悪」がデッかく中心にあって「善」が逃げ回っているという序盤の位置が、過程によってどのように変わるのか。ところで「独自性」はゴールではなくスタートとするものです。その意味でこそ、この犯人は子どもですが、そこは書かれていないように思いました。 | ||||
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手放しでおもしろかった! 「作者はどうやってこの犯人の心理をリサーチするのだろう??」と思うほど、リアルで生々しい心理描写が素晴らしい。かなり分厚いハードカバーで上・下巻ありますが、時間をかけても読む価値ありと思います。 「長すぎる」「無駄な部分が多すぎ」「結末が拍子抜け」等の意見もあるようですが、、、。人間形成って、とても複雑なものですよね。その人がなぜそういう人間になったのか、なんて説明できるものじゃない。それを極力伝えようとしたのが、この作品なのではないか?と思います。結末が拍子抜け、という意見に対しても、伏線としての真犯人の人間形成過程が鮮明に描かれているからこそ、違和感なく感じられました。 | ||||
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宮部世界の魅力は、登場人物たちを包む視点の温度にある。「保健室の先生」である。本書でもみんな懸命に生きている。微笑ましいそれは宮部ワールドの住人である。しかし、今度の相手(犯人)はそんな共和国法にお構いなしに、見たこともないフットワークで圧倒する。中に飛び込みショートアッパー、外からはロングフック。主人公(犯人以外)がついていけない。そもそも距離が違うのだ。こういう相手と試合することは、大きな困難ではあるが、自らの限界に挑み自らを超えるチャンスでもあろう。しかし、作者は自分のスタイルに自信があるために、自分を崩すことなく忠実に戦った。果たしてその結果やいかに。私は、作者が自分のワールドの中に、トピックの全てを咀嚼して取り込めていないのがそもそ!もの問題だと思う。「意思」が新聞の社会面から抜け出せていない。KO決着、しかし、タイプが違うために試合としては噛み合わなかった、そういう違和感、そういう印象。 | ||||
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全部を通読しての感想なので,上下巻両方のレビューに同内容で投稿させてもらいました.多くの人が書かれているように,物語世界の全体を俯瞰するためとはいえ長過ぎると思いますし,所謂「犯罪小説」が好みの人には登場人物のキャラクターや最後の真犯人の稚拙さが納得できないかもしれません.また,やはり「火車」を超えていないと言われたら,そうかもしれないとも思います.でも,それなら読むに価しないかと問われたら,やはり読む価値は有ると思うのです.ちょっと甘いかもしれませんが,5つ星にしたのはそのためです.最近巷に溢れる犯罪小説の犯人は頭が良くてスマートな人間が多くなってきました.でも,彼等が散々に猟奇的犯罪を犯した挙げ句に「だから人間の本質は残酷なのだ」みたいな㡊??とを言われても,本当にもう結構という気しかしないのです.いつからか犯罪者がヒーローのように扱われる本が巷に溢れているのに違和感を感じるーーそういう感覚を持っている人になら,この本は絶対にお勧めできます.その意味で,本書の山場は前畑が真犯人と直接対決をするところではなくて,有馬義男と真犯人が電話を挟んで対峙するあのシーンにあると思うのです.連続殺人者でありながら自らの知性と正義に耽溺する真犯人に対し,「それでも犯罪者は愚かだ」と叫び,反駁し,論破してくれる彼の2ページに渡る台詞こそが,作者の書きたかった言葉なのではないでしょうか.最初に述べたような箇所で批判するのは易しいでしょう.それでも私は,特に最後の50ページは,読む価値が有ると思うのです. | ||||
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