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模倣犯
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模倣犯の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.01pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全405件 121~140 7/21ページ
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これほど精神的に疲れる小説は初めてかもしれない。 それでも最後まで読まずにはいられない。 そしてラストでようやく模倣犯というタイトルの意味がわかる。 その意味がわかったとき 実際に起こったいくつかの凶悪事件が私の脳裏をよぎった。 ピースのような人間が現実にいるはずもない、 作り話にしても手が込みすぎている、そんな風に感じたりしたこともあったが 自分の犯した罪をわざわざアピールしたり 犯罪者である自分を神かヒーローのように錯覚していたピースのような人間は確かに存在していた。 高井兄妹の死をはじめ あまりにもやりきれないストーリーがいくつも展開されたが 本当のことはどんなに遠くまで捨てに行っても必ず帰り道を見つけて帰ってくる という有馬義男の言葉は唯一の救いだった。 長い長い犯罪ストーリーのラストを通りすがりの母娘で締めくくるあたりは さすが宮部みゆきさんだな と思った。 塚田真一の成長ぶりにも胸が熱くなった。 この小説を通して 作者が一番伝えたかったことが何なのかは 正直 よくわからない。 しかし 名もなき愚かな大衆の一人である私は これを読んで 改めて誠実に生きることの大切さと美しさを痛感した。本当のことはいつか必ず帰ってくると信じて。 | ||||
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私は宮部みゆきさんの小説の中では 火車が一番好きなのだけれど 模倣犯1巻に関しては 火車を越える作品だと思う。 ひとうの殺人事件を軸に 有馬義男 塚田真一 前畑滋子の3人のストーリーが 別々に描かれている。 有馬義男は今回の事件の被害者の祖父である。 なんとか孫娘を助けたい一心で 冷酷きわまりない犯人に振回され 激しい憤りを持ちながらも 冷静に対処しようとする姿に感動した。 塚田真一は過去に両親と妹を殺害された被害者遺族である。 そしてその事件に対して なんらかの重荷を背負っている。その内容はこの巻ではわからない。 今回の犯人にしても 真一に付きまとう加害者の娘 樋口めぐみも ありえないほどの異常人物である。 にもかかわらず どの場面にもリアリティーがあふれているところはさすがだなと思う。 ボイスチェンジャーを使った犯人のキイキイ声は 本当に私の耳に聞こえてくるようだった、。 タイトルの模倣犯の意味はまだわからない。 | ||||
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2巻は殺人事件の犯人の一人である栗橋浩美の人生が描かれている。 自分勝手で プライドだけは高い 実にいやな人物である。 しかし そんな彼にも抱えてるものがある。そしてその存在が結果的に彼を殺人鬼へと導いていく。 それでも栗橋は まだ どこかに人間らしさのかけらを残しているが ピースは到底人間とは思えない。 そして高井和明がどんな風に 巻き込まれていくのか 私は2巻あたりから少しずつ この作品にストレスを感じ始めている。 | ||||
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1巻の事件の内容と栗橋の犯行に気づいた高井和明の苦悩が見事に描かれている。 和明は 他に類を見ないほどの善良な人間である。 しかも おそらくこの世で唯一の栗橋の理解者でもある。 そんな彼が事件の犯人に仕立て上げられて行く。 作品自体はすばらしいので 星4つを付けたが 個人的に好きな作品かと問われれば否である。 もう読むのをやめようかとも思ったが 最後はきっと カズの無実が証明され ピースに天罰が下ると信じて あと2巻 読んでみることにした。 | ||||
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善良な和明は世間からケダモノ呼ばわりされ 兄の無実を訴える由美子は あろうことかピースを心のよりどころにしてしまっている。2巻途中から じわじわと感じ始めたストレスはここに来てピークになった。 事件の被害者遺族 加害者家族 警察 マスコミ 傍観者 作者はありとあらゆる人たちに視点を当て それぞれの感情や本音を見事に描いている。 読者に先に事件の全容を知らせることで 世の中の理不尽さや身勝手さが必要以上に浮き彫りにされてくる。 救いようのない現実ばかりを突きつけられ 自分まで精神的に追い詰められていくような気がしてしまう。 篠崎刑事や有馬義男の優しさに わずかに癒されるものの 作品全体としては 感動や共感には程遠いものがある。 ここまで私を憂鬱にさせてくれる小説は今まであったろうか、と思う。 それだけこの小説には力がある、ということなのだろう。 物語の展開のさせ方や登場人物のわずかな仕草などの表現は見事としかいいようがない。 5巻でこのストレスから心地よく開放されることを願って 今回は星4つにとどめました。 | ||||
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無駄な所が多いと感じましたが、それでも滋子が一泡吹かせたシーンは圧巻でした。悪くないけどオススメは出来ない小説ですね。 | ||||
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読みたかった本なので満足しています。又この次も読みたいです。 | ||||
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模倣犯が全巻そろい、読むのが大変楽しみになりました。満足しています。 | ||||
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文庫本5冊分となりますが、一気に読みきった感じです。 読み終わった感想ですが、タイトルのとおり、おそらく作者の宮部さんの中では最初にあったのは真犯人がカミングアウトするシーンだと思います。真犯人は、自分が犯人だと明らかにしてでも守り通さねばならない「犯罪美学」とでも呼ぶべきものがあったんですね。そのシーンに向けて、丁寧に丁寧に伏線を張ったストーリー作りはさすがだと思わされました。 真犯人のその「犯罪美学」が、本当に優れたものであるならば、この作品は大問題作になったと思います。しかし実際は、その「犯罪美学」は、自分以外の人間を、自分の犯罪のための素材としてしか認識できない欠陥人間の妄想に過ぎず、自分が「大衆」とは違う特別な人間だと真犯人が次第次第に思い上がっていき、地に足がつかなくなったところで実にくだらない「カマかけ」に引っかかってしまい、足元をすくわれる…という形で真犯人は馬脚を現します。というわけでこの作品は大問題作にはならなかったわけですが、よく考えて見れば「犯罪美学」と呼ぶようなものであってもまともに物を考えられる人がそれを持つならば、そもそも連続殺人犯などになるはずはなく、従って小説にも当然なるはずはない、ということになります。「犯罪美学」は、「犯罪」の「美学」であるという点で、既に決定的に破綻しているわけです。 私は現実に連続殺人犯に会ったことはなく、それどころか刑事犯を犯した人に会ったこともありません。しかし、極めて法律違反が濃厚な手段で荒稼ぎをしている人物を複数知っています。彼らに共通するのは、大金を生み出す自分の手腕に酔っていて、他人を見ると自分のやっている「仕事」において駒としてどう動かせるか、ということしか考えない点です。自分のやっている行為に酔うあまり、目の前の人間もその人独自の思考・感情・論理を持つ人間だということを認識できないのです。ですから彼らは一様に、目の前の人間が自分の思い通りに動かないことに対して極めて感情的になりやすいです。そういう意味でも、作者の人間観察眼の鋭さに感心させられました。 この作品の主眼は、そういう「犯罪美学」に酔った人間の行動を克明に描き出し、そしてその末路の惨めさを知らしめることだったと思います。なので、不幸にして「被害者」になってしまった人の、その後の悲しみというのは、誤解を恐れずに言えばこの作品にとっては「蛇足」でしかありません。この部分を最小限に抑えていることも、この作者の物語作りのセンスを感じさせます。 長すぎるという意見もあるようですが、私はそういう主題を描き出すために必要な要素が盛り込まれ、かつ無駄な部分がないという意味でタイトなストーリーだと感じました。主題の設定が良かったのだと思います。 | ||||
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登場人物に関するディテールの書き込みが素晴らしい。 「単なる被害者」という扱いにはなっていない。 感動というのはおかしいかもしれないけど、 この作品は、逆説的に人々の営みの愛しさや愛を 伝えようとしているように思える。 | ||||
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これはすこぶる面白い小説です。 劇場型犯罪とは、斯くも陰湿なものかと思いました。 人間ドラマが凝縮した一冊です。 | ||||
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宮部 みゆきの小説は面白いらしい。すごく売れてるし映画化もされている。だったら絶対おもしろいはず!と思い、読む前にいくつかのシリーズをまとめて買ってしまった。 そして初めて「ステップファザー・ステップ」を読み、あまりのつまらなさにまとめ買いしたことを後悔した。 話題になった「レベル7」「火車」もやっぱり退屈。 買ってしまったから仕方なく読み始めた「模倣氾」 これでやっと宮部みゆきの面白さが理解できた!! 以前は退屈だった多過ぎる枝葉のエピソードも、今回はちゃんと物語に生きていることが感じられたし、細かすぎる人物の生い立ちも、感情移入するために欠かせない描写だった。 緊迫するシーンや怖いシーンでは本当に緊張して自分の手も冷たくなったし、ユニークな構成のおかげで読み始めたら止まらなかった。 映画も観てみよーっと。 | ||||
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でもそこに至るまでが、やはり長すぎる。 で、削れるとこを考えてみた。 塚田真一は別に事件の遺族でなくても良かったのではないか? 立場のちょっと違う遺族という、有馬さんと対象させる人物が欲しかったんだろうけど そんな対立軸はいらなかったのではないか? となると、樋口めぐみのパートもバッサリカット出来る。 彼女こそ、本当に要らない「模倣犯」のあだ花。 映画版(ほんとに最近初めて見た)は一切触れてませんでしたが なくてもスジは成立してたし。 ハードカバーが世に出た頃に初読しましたが、樋口のエピソードがほんとにいやで 出てくるたびに、「こいつ要らんなぁ」と焦れてました。 ただ今年に入って読んだら、そんなに気にならなかった自分に少し驚いた。 まぁそんなワケで、塚田君の背後をまったく別にして 同じ事を裏表視点には分けず、時系列で書いたら 200ページ分くらいは削れたんじゃないかと。 その分、網川の声紋を調べるとこや、子供が拾った携帯の分析する描写を入れたら ”ミステリー”としての面白さがより出たのではなかろうか。 声に着目する部分で言えば、角田真弓のエピソードだけはいただけない。 バイクで逃げてるのに(しかもヘルメット被っているであろうに)、ピースの声を聞いたとか 上京する飛行機が網川と一緒で席も近いとか・・・。 最後に網川を追い詰めるとこは、ちょっと非現実的ですが、 そこは小説ならではの面白さがあって、結構高揚しました。 そして最後の最後に有馬さんを嗚咽させるんだもんね・・・。 初読では泣きませんでしたが、今度はちと泣けた。 | ||||
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2刷が出た頃に買って読んで以来の再読。 このちょっと前に『理由』を再読してたのですが・・・。 「あぁこれはやっぱりダメだ」と思ってしまいました。 宮部さんの、膝を打つような上手い表現がたびたび出てくる筆致が、消えてしまってますよね。 『理由』は大きな賞をもらった重要な作品となりましたが、 『模倣犯』に落とす暗い影を思うと、”失敗作”だったんじゃないかと・・・。 暗い影とか言ってますが、ざっくり言い変えると、「人物造形に必要以上に凝り過ぎ」。 読んでる途中で思いました。 「宮部みゆきは、そんなに人が殺したいのか?」と。 実際にやったら逮捕ですが、小説(≒頭の中)なら何しても自由。 単に「○○という人物が殺された」という表現では満足出来ず、 とことん生い立ちや成長過程まで微細に渡り設定し・・・それを壊す。 そこに何らかの達成感でも見出してしまったのか? もしくは、この陰惨な事件を”模倣”する輩を、現実に生み出す事を目的に ここまで事細かに表現し尽くしているのだろうか? それ故に題名が「模倣犯」なのではなかろうか?・・・と 要らん事まで訝る始末。 上巻を読んでる時はそんな感じでした。 初読の時1部の後の方だったかで、鞠子に関して有馬のおじいちゃんが思いの丈を述べる部分で ホロッと涙してしまった事がありました。 今回は泣けなかったのですが・・・。 (下巻に続く^^;) | ||||
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週刊ポストで5年間に渡って連載されたという長編の文庫化。全く息もつかせぬ展開と人物描写の隙のなさ、多くの登場 人物が出ても、それぞれが意味のある存在で、作者の筆力をいやというほど見せ付けられた作品だ。もともと宮部は 私の好きな作者ではない。いつも浅薄な筋運びや、ご都合主義の登場人物に嫌気がさしていた。しかし、「理由」で 抑えた文体の中で登場人物の深みのある存在を描いて見せた。そして、それよりも先に書き上げていたこの「模倣犯」では もっともっと展開力を持った作品を書き上げていた。第一部では、ピースと呼ばれる主犯と栗橋という軽薄で冷酷な男の 犯罪が描かれる。第二部ではその二人の詳細な描写、そして第三部では、ピースこと網川浩二が堂々と登場してマスコミの 寵児としてちやほやされる中、やがて正体が暴かれる様、全てそれぞれが立派な作品になるほど詳細かつ、丁寧に 描かれていく。間違いなく宮部の代表作になるであろう最高の力作だ。 | ||||
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模倣犯を全部読みきったときの息苦しさを忘れられません。 事件は終わった。 でも、事件に巻き込まれた人たちの傷は癒えないままです。 被害者であるはずの人がさらされ、歩いていくはずだった道をふさがれる。 現実を見せつけられ、どうすることもできない事実にただ苦しく、哀しかった。 小説としてとても面白い本でした。 でも、世間という時に冷酷な存在を最後に見せつけられ、哀しさと息苦しさを感じた本でもありました。 | ||||
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想像した通りとてもよかった。また次の商品も購入したいと考えている。 | ||||
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久しぶりに、この作品を(4回目!)読み直しています。始めは筋読みで楽しみました。2度目、3度目と読んでいくとそれぞれの人物描写のすばらしさ、伏線の面白さに引き込まれます。この作品は映画になりましたが、見たとき、正直言ってがっかりしました。映画では宮部みゆき氏の作品のよさが伝わってきませんでした。活字でこそ味わうことのできる、この作家の奥深さを楽しんで欲しいです。 | ||||
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最後まで寝る間も惜しんで読み進めてしまいました。犯罪者の未熟な子供っぽさが何とも恐ろしい。由美子の情けない後半に憤りを感じ、「しっかりせいっ!」など1人でツッコミを入れながら読んでいました。被害者にも加害者にも親兄弟がいて、何をした訳でもないのにテレビで顔をさらされて、世間の偏見と誤解の中で生きていかなくてはならない苦しさが丁寧に描かれています。宮部みゆきさんの他の著書でも共通して感じるテーマですが、コツコツと、正直で、謙虚に、思いやりを持って生きていくことの大切さを教えてくれる作品です。 | ||||
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宮部みゆきさんが好きです。 そう簡単に言えなくなるほどの作品でした。 私がこの本をはじめて読んだ時は同じ女性であり、被害者の彼女達に 近い「危険」に遭遇した事がある、つまり若さある時期でした。 私自身がそういう目に合うのは「お前のせいでもある」という視線を 感じた事もあります。ただ思いがけず「被害」にあっただけなのに。 その絶望感たるや、人間とはこうも思いやりがないものか、何故私が 悪いのか?お前達も同じ目に合えばいいとまで考えたものです。 しかし、それらの多感であり華々しかった時期を過ぎて久しぶりに 読み返したところ、全く違った立ち位置にいました。 「それはその子らにも問題があった」と思っている現在の自分が居る事に 気付いてしまったからです。 まさにこの本の中に、「被害者の私」と「大衆の中で被害者にも原因があると 言い放つもう一人の私」が存在しているかのように描かれていました。 そういう描写があまりにリアルで、特に醜さを伴ってしまった今の私には とても読み進めるのが重く辛かったです。 これはフィクションなのかノンフィクションなのかもわからず、とにかくただ 消化しないことには満足に眠ることもできませんでした。 この本は好きか嫌いかと聞かれると恐らく嫌いです。私は救いのある物語が 好きだから。ただ、心が揺さぶられるような作品はどれか?と聞かれた時に これを思い浮かべてしまうのではないかと感じています。 | ||||
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