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(短編集)

熊の場所



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【この小説が収録されている参考書籍】
熊の場所 (講談社ノベルス)
熊の場所 (講談社文庫)

熊の場所の評価: 3.96/5点 レビュー 25件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.96pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全25件 21~25 2/2ページ
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No.5:
(5pt)

恐怖心との対峙

友達に指摘されてなるほどと頷いたのだけれど、「熊の場所」は村上春樹「七番目の男」の話と酷似している。「七番目の男」において、恐怖の対象は“波”であったけれど、物語の最後、語り手である主人公は恐怖を覚えた波打つ海岸にてそれを克服する。そして「しかしなによりも怖いのは、その恐怖に背中を向け、目を閉じてしまうことです。」と結論付ける。明らかに「熊の場所」にて語られる父の体験談「恐怖を消し去るには、その源の場所に、すぐ戻らねばならない」に酷似している。「七番目の男」は約四十年もの間、恐怖に苦しみ続けることになった。だから、「すぐ戻らねばならない」のだ。
さて、舞城王太郎は村上春樹に影響を受けている「春樹チルドレン」の一人であると言われているが、それを踏まえたうえでこの物語を考えてみると、お父さん=村上春樹、“熊の場所”の話=“七番目の男”の話と捉えることができる。そして、そんな父の体験談を思い出し、それを教訓として恐怖を克服するために頑張る少年・沢チン=春樹チルドレンな舞城王太郎の話、と言う図式が浮かび上がるように思える。つまりこの「熊の場所」は村上春樹へのトリビュートとでも言える作品なんじゃないかなあ、と思った。どうでしょう?ちなみに、確証はありません。ごめんなさい。笑(「バット男」「ピコーン!」についても書きたかったのですが字数の関係で割愛しました。)
熊の場所 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:熊の場所 (講談社ノベルス)より
4061824074
No.4:
(5pt)

舞城が気になる方へ

舞城が気になる人はまずこれから読んでいることを進める。熊の場所も面白いが、その後のバット男、これが異常なくらい面白い。弱者というテーマを根底におき、主人公の友達二人の恋愛の発展と破滅と停滞をとんでもない文体で書いている。ぜひ読んでほしい。そして、弱者とは何か、バット男という作品内において弱者は誰だったのか、考えてほしい
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4061824074
No.3:
(4pt)

舞城入門書(?)

 舞城王太郎という作家が気になりだして、何か読んでみたいなーと思う人にお勧め。そうでない人にも勿論ですが。 独特の乱暴とも言えるスピード、リズムあふれる文体でつづられる短編集。どの作品も伝えるテーマは違うけれど、とにかく作品ひとつひとつにパワーがある。舞城氏の他の作品は、これらの持つパワーがもっとエスカレートしているモノだと思っても良いかも知れません。これを読んで何か感じるモノがあればそっちにも手を出して欲しいです。 舞城入門書として一冊。ノベルス化してお求めやすくなっております。
熊の場所 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:熊の場所 (講談社ノベルス)より
4061824074
No.2:
(5pt)

悔しいけど感動。

僕はこの本大好きです。文体は勢いがあるとも乱暴とも言える感じで、酔える。そこんとこは人によって印象が異なるだろうけど(ドライヴ感ってやつか・でなきゃ嫌悪感だね)、内容はけっこうマジで、ずっしりと胸に来るものがある。文体がどうあれ、あるいは文体の効果のおかげなのか、登場人物たちの痛いくらいナマナマしい感情とか想いとか願いはちゃんとコトバに乗って読者に届いてると思う。僕は特に『バット男』に感じるものがあった。どうしようもなくこんがらがって、誰もそこから抜け出せなくなってるゆがんだシステムの存在。それが自分や自分が大事に思ってる人を苦しめてる現実。小さな邪悪さとか愚かさが組み合わさって巨大な災厄になってる現状。それらに対する嘆きの感情は、やっぱり、苦しい。この苦しさの感覚はたぶん文化や時代に関係なく人類が共通して持てるものだと思う。なのに、なんでそういう「災厄のシステム」は一向になくならないのだろう?人間の知恵では人間自身の歪みは取り除けないのかなあ。ちっくしょう、哀しいなあもう。などというようなことを、読みながらいろいろと考えてしまうのでした。こういうの、感動したって言うんですよね?自分の中でも文体に賛否両論あるだけに、この感動は結構「にくい」。悔しいけど、ヘイヘイ、マイジョウの兄貴、やるやん?すげえやん?て感じ(かンなり影響うけとるなコレ)。それは『熊の場所』でも『ピコーン!』でも同じ(もちろん伝わってくるモノ≒テーマはそれぞれ違うけど)。とにかく、小説の持つすごいパワーはばっちり感じられる一冊だと思う。
熊の場所 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:熊の場所 (講談社ノベルス)より
4061824074
No.1:
(4pt)

初舞城作。

初めて読んだ舞城王太郎の作品。噂には聞いていたけれど異色。ただ、この話を通じて舞城が伝えたかったこと、というかそんなものは何となくわかる。いや、でももしかしたら何も考えずに書いたかもしれないし、読み手に感じて欲しくないかも知れない。本当の所、本人しかわからないのだが、私はそれをなんとかわかりたくて、理解してみたくて、また舞城氏の本を読むことになるのだろう。社会問題を通じて何か書きたいのか、何も書きたくないのか。でも舞城氏と同じ見解ができたら、ちょっと、いや大分楽しいと思う。思っていたい。
熊の場所 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:熊の場所 (講談社ノベルス)より
4061824074

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