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(短編集)
熊の場所
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熊の場所の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.96pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全25件 1~20 1/2ページ
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私には熊の場所がたくさんありますね。 熊の場所には行かないとダメですか? 自分が行けない場所がたくさんあっても、自分の居場所があればいいんじゃない? 熊の場所は行かない方がいい場所かもしれない。 でも、熊の場所に行ける人の方がいいのかな? 熊の場所に行ったらもう立ち直れない人もいるんじゃない? | ||||
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この本を手に取ったきっかけは、小川哲氏著の「君のクイズ」です。 同作の肝心の場面で表題作「熊の場所」が語られています。 期待したとおり、表題作を含めた3作全て、一度読むと忘れられない作品です。 個人的には「バット男」の中で語られる、不幸になるように出来上がっている「システム」の存在に賛同しました。 不幸になるようにというのは、正しい表現ではないかもしれませんが、ネガティブ・スパイラルが起こる「過程」と言えるでしょうか。 作者は覆面作家、舞城王太郎さんですが、著者の出身地である福井県が各作品でとても美しく描かれています。 | ||||
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久しぶりに舞城王太郎作品が読みたくなり購入。 相変わらず文章がうまく、サラサラと読めます。舞城度は低めなのではじめての人も読みやすいのかもしれません。暴力的な世界の不条理が熱をもってでも淡々と流れていきます。 | ||||
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表題作「熊の場所」を含む短編小説集。 最後まで読んでみたが、結局何も得られなかったという感覚。 特別つまらないわけではないが、結末まで読んでも良く分からない。 著者はこういうことを言いたいのだなということは何となく分かるが、決定打に欠ける。 小説ならもう少し面白みを出すべきであるし、主張したいことがあるならば、あまりにも抽象的であろう。 どっちつかずというと失礼かもしれないが、そんなところだろう。 もちろんこういった小説が好みであるという人も大勢いるだろう。 小説をそこそこ読んできた私からすると、あまり小説とは呼べない一冊なのではないだろうか…。 ただ、決して著者の作風を否定しているわけではない。あくまでこの小説の場合であるが。 | ||||
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舞城王太郎さん『熊の場所』は、嫌なことにあえて立ち向かっちゃう男の子の話である。 小学校の同級生まーくんが、切り取った猫の尻尾を持っているのを知ってしまった”僕”=沢チン。「あっち行け阿呆、殺すぞ」とまーくんに言われ、逃げ出してしまった。沢チンは、父親の大学生時代のエピソードを思い出す。父親は、熊に襲われて逃げ出し、恐怖を克服するために、舞い戻って熊と対峙したのだ。沢チンは、まーくんの家に遊びにいくことを決意する ・・・ まーくんのびびりながら、チキンを脱却していこうとする過程が面白い。逃げまわるのではなく、あえて熊のいる場所まで戻っていく。私のような臭いものにはフタをするタイプの人にとって、まったく読んでいて”耳”が痛くなる。 舞城王太郎さんは、頭の中が色んなことを考えて、ぐるぐるーっとなっている状態を描くのが上手い。深刻さを増せば増すほど、笑えてきてしまう。こんなふうに自分自身の深刻さを、客観的に笑い飛ばせれば随分楽なんだろう。 同時収録の『バット男』は、愛がありすぎて壊れていく男女の関係を、『ピコーン』はスーパービッチでキュートな女の子の生き様を描いている。いずれも舞城王太郎さんにしか書けない頭の中ぐるぐる系の作品だと思うのだけど、どうだろう。私は一番笑えた『ピコーン』がお気に入りだ。 | ||||
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舞城王太郎なる人の作品を初めて読みましたが、まあ、2冊目はないね。読んでて疲れる。好きか嫌いか両極端しかないと思うので、私は買ったことすら後悔している。借りて読めばよかったと…。普通に読み易い文章で、伏線張るのが上手で、とんでもないオチを書いてくれる作家がいいな。 | ||||
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猫殺しの少年と僕はいかにして特別な友情を築いたのか(『熊の場所』)。おんぼろチャリで駅周辺を徘徊する性格破綻者はゴッサムシティのヒーローとは程遠かった(『バット男』)。ナイスバディのわたしが恋人のためにやったこと(『ピコーン』)。氏の世界観炸裂の短篇集です。 「人生はスポーツではない。負けてないことが勝つことにはならない。そしてこれは誰でも判っているだろうが、人生ってのは大きな引き分け試合だ。でもそれぞれの局面において、勝ち負けはちゃんとある。って言うか勝ち負けしかない。でも負けたときしか、勝ち負けの判断はうまくできないのだ」 | ||||
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3作収録の短編集。どの作品もミステリーの形は一応取ってはいるものの、なぜこの世には人の命が奪われるような暴力が存在してしまうのかという究極の謎にタッチを試みており、しかもそんな「世界」の哀しさをきちんと表現しているため、単に人が死んでその謎解きを行うという凡百のミステリーを遥かに超えている。(特に「バット男」は絶品。) 一方で哲学者めいた説教臭さは全くなく、登場人物達の軽目のモノローグと内面の動きで、きちんとこの哀しさが伝わってくるのが凄い。同時代にこんな凄い作家がいて、しかもきちんと売れている(らしい)という事実が僕は本当に嬉しい。誰だ、勝手に「小説は終わった」「今、いかに文学が可能か」とか適当な文句をしたり顔で繰り返してるのは?お陰でこの作家に出会うのが10年遅れちゃったじゃないか。 | ||||
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3つの短い短編が入っているだけの本。 3つとも全然違う色の作品だと思います。 でもラストでグッとさせてくれるのは、いつもと同じです。 舞城が書く登場人物たちは、どいつもこいつもどうしてこんなに私を泣かせるのか。 こんな短い小説で、こんな純文学今まであった? すっかり舞城中毒で一体どうしてくれんのよ? | ||||
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3作ともがこの人の水準作だと思いました。 個人的にはピコーン。凄い推理より、フェラがまだ残っているなか死んだ彼ト彼女がまだ見たかった。熊の居場所 小学生の語り口を生かしまーくんにせまるぼくの気持ちが子供らしく色々考えていながら分かりやすい。 | ||||
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最近,ぼくが一番嵌っている作家が,この舞城王太郎.デビュー作にしてメフィスト賞受賞作の『煙か土か食い物』を読んで,一発で嵌った. 舞城は元々はミステリー作家であるが,元々ミステリーのトリックは面白くなかった.突拍子もないトリックも論理も碩学もない.しかし,落とし方が巧いのである.まさにミステリーのもうひとつの醍醐味を味わえる作家である. そして,なりより,流れるようなスピード感溢れる文体が素晴らしい.改行もほとんどせず一見読みにくいように思えるが,読み始めると一気に頭の中を舞城の文章が流れていく.この筆力はすさまじい.天性のものか. 本作品集『熊の場所』は舞城がミステリーから純文学へと枠を広げるきっかけとなった作品.特に2作目『バット男』が素晴らしい.こんなに琴線を掻き鳴らされたのは,ホーガンの『星を継ぐ者』以来のことかもしれない.『バット男』は,社会的弱者に肉体的な危害を加えることでしか精神を保てない弱い人間と,どうしようなもいほどの馬鹿なカップルの救いようのない物語だが,舞城の表現している愛情と他者への攻撃性には,ぼくは共感を覚えてしまうのだ.この物語の登場人物は馬鹿だけれど,みんな馬鹿にならないように『バット』男に目を背けているだけに過ぎないのではないのだろうか. 他の2編,表題作の『熊の場所』は思春期の少年の持つ暗い感情と秘密という危うさを見事に表現していたし,『ピコーン!』のフェラチオ100万回で不良少年を矯正という馬鹿馬鹿しいなネタも結構好きだったり. どの作品も適当な長さですぐに読める.まず,この一冊から舞城を読んでみて欲しい. | ||||
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初の舞城作品。 『熊の場所』『バット男』『ピコーン!』と言う3つの短編集が収録されています。 薄いし舞城入門には最適の一冊かも。 最近、阿部和重にしろ、そのルーツにあると思われる高橋源一郎にしろ、町田康にしろ、「ぶっ飛んでる小説」を好んで読んでいる。 いわゆる売れ筋の大衆小説、キレイな?小説はもう飽きたし、読む気が起こらない。 やはり文学と言うのは常に新しいものを求めてなければいけないものだし、ぶっ壊すものだ。 そんなこんなで手に取った舞城作品。 どの短編もぶっ飛んでいるんだけど、きちんと主張があり、『文学』を感じさせる。 特に最後の『ピコーン!』は非常にエログロだが、恋愛小説としてまとまっていると僕は思う。 破壊者と言うのは常に読者を選ぶものなのだ。 | ||||
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『熊の場所』です。短編集です。表題作の他に『バット男』『ピコーン!』の三作品が収録されています。本は薄いので、文体も口語調で読みやすいので、すぐ読めます。 三作品とも、作者の出身地である福井県を舞台としており、微妙に共通する地名や人物が見え隠れします。 表題作は、野球少年ではなくサッカー少年の田中まー君と主人公との微妙な友情を描いたもの。 三作品すべてにいえると思いますが、なんとなく純文学で、なんとなくミステリーです。 小難しい純文学は手を出しにくいし、かといって単なるエンターテインメントではないものを読みたい、という方におすすめですかね。 本格的な純文学、本格的なミステリーを読みたいのなら、避けた方がいいかも。 | ||||
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評価悪いみたいだけど、この本に収められている短篇三作ともよくできていると思う。文章のレベルは、小学生を視点にして書いたりしてるから落ちた様に感じるだけでは??とか思うんだけど…三作品中特におもしろかったのは「ピコーン!」で、ぶっとびながらもうまく恋愛小説としての味をだしてて巧かった。舞城作品の中では割と初心者向けで読みやすいし、まずは入門書として手にとってみてはいかが??みたいな。 | ||||
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舞城王太郎には純文学や短編は向いてないのかも。 と思うけど『川を泳いで渡る蛇』みたいなちゃんとした佳作短編を書いてもいるし、 何よりも作風は好きなので、純文に挑戦する舞城王太郎をいつまでも諦められずにいたりする。 単純に力量不足なのかな? どうも熊の場所にしろバット男にしろ構成が短編というより、 長編や中編を切って編集したような印象を受けるし、所々あまりにも素人臭い文章が挟まってるし。 でもまぁ、いくら文句を言ったところで、この人の本が出ると思わず買ってしまうわけだけれど。 | ||||
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めちゃ文学的な内容でしたね。一見、グロかったりふざけて書かれているように見えて、その実これはバリバリの純文学です。賞をとったのも納得ですね。熊の場所は、人生を生きていく上で教訓になる名作だったと思います。恐怖から逃げてしまうと、それはトラウマになり一生苦しまなければならないかもしれない。トラウマをなくすためには、その恐怖の中心へ自ら向かいなんとかするしかない。わたしも熊の場所があって、わたしはそこからずっと逃げているので、この作品にはいろいろと思うところがありました。やはりトラウマを完全になくすためには、恐怖の対象と闘うしかないのでしょうかね。バット男もよかったです。これは青春純文学ですね。ピコーン!はミステリー風の佳作ですが、あまりにも卑猥で過激な内容なので読者を選ぶことでしょう。これはもうちょっとイッてしまった設定の主人公が登場してしまいます。主人公は天才的ともいえる名推理を披露するのですが、設定が設定なだけに、わたしはこの主人公に共感したり素直にすごい!と思ったりはできませんでした。 | ||||
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ポップでスタイリッシュで現代性溢れる、そんなに面白くない小説になりました。 リアルさを活字から味わいたい人にはお勧めですが、読み返したくなる仕掛けはなくなりました。 私よりも文章を深く読み取る力のある読者でしたら、もっと楽しめると思います。 | ||||
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この本には3つの短編が収められている。 その中で2番目に収録されている「バット男」について。 "人生の岐路に立つ”とは良く聞く言葉ではある。 しかしそんな大袈裟なものではない。 私たちは毎日、毎時間、瞬間瞬間でいつの間にか選択して生きている。 常に阿弥陀くじのように選択し進み、また選択し進む。 運良く道を間違えなければ"当たり!"だし、1つでも道を間違えば"ハズレ、ざんねーん"だ。 この作品に出てくる人物たちは1つ選び間違ってしまったためにハズレ街道を進んでいくことになる。 人生の阿弥陀くじの結末には"バット男"というハズレ中のハズレくじが時々混じっていて誰でもそのくじをひいてしまう可能性はあるのだと思う。 今回舞城作品を初めて読んだのだけれど、句読点の少ない文章・人を食ったような文章で面白いと思った。 他の作品も読んでみようと思います。 | ||||
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テンポは良いのですが、段落が個性的な上に、 ものすごくみっちりと、重く深いものが詰まった文体。 何度も何度も読んでしまいました。 他の作品も是非、読みたいです。 | ||||
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この文庫には3本の短編が収められており、それぞれ扱っている題材(例えば暴力、恐怖、性、愛、家族など)や文体、字体が異なっていますが、どれを読んでもじゅうぶんに舞城ワールドが楽しめると思います。 「熊の場所」は、小学生のころの狂気や倒錯した性癖を抱えた友人との交流を、あとになって振り返った視点でかかれたものです。ここでは本人でもコントロールできないような狂気についてや、恐怖とは何か、それはどのようにして人を捕らえるのか、そしてそれに捕らえられたときどのように対処すべきか、などについて友人との交流をまじえながら爽やかさをもってかかれています。 「バット男」は、おそろしいほどにクール。誰かに暴力をふるったり振るわれないためには自分自身が強くなければならない、そのためには友人までも見捨てざるを得ない...。そういった救いのないような現実がおそろしいほどのクールさで描かれています。 「ピコーン!」は句読点の少ない熱の入った文体で描かれた喪失と希望の描かれた話。最後はちょっとしたミステリー仕立てになっていて、そういった部分でも楽しめます。また主人公である女の子がピュアで強くて読んでいて元気がでてきます。 どの作品にも正直なくらいストレートにメッセージが込められていて、どれも存分に舞城ワールドを楽しめるつくりになっていると思います。 | ||||
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