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神々の乱心
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神々の乱心の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.27pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全51件 21~40 2/3ページ
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上巻では埼玉県特高警察課第一係長警部の吉屋謙介と華次倶楽部幹事の萩園泰之とのからみに終始するが、469頁ものボリュウムがありながら未だ事件の輪郭さえ見えてこない。著者はそれほど大きな構想をこの作品では考えていたわけで、執筆を始めて2年後に亡くなってしまったのは著者自身としても意外だったろう。 満州、支那での阿片売買が陸軍の裏資金に流用されていたことは知られており、陸軍が支那からの撤兵を最後まで拒んだのも金づるがなくなることを恐れたためともいわれている。「大連阿片事件」という架空の事件を設定してこれからどんどん面白くなりそうなのだが・・・。 | ||||
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お安く購入できてありがたいです、ただ同時に2冊購入しましたので、送料を負けてくださると助かりますが…。 | ||||
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松本清張の最後の大作です。清張ワールドに引きずり込まれます。 | ||||
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悪名高い特高警察の係長を主人公の一人に配し、宮中の女官と怪しげな新興宗教の動きを他方に描くストーリーの展開が、この著者としてはとても異例な感じがするが、編集部のあとがきを見ると著作の構想が昭和から平成の代替わりの時期とのことで、なるほどと思った。 あの時は天皇の代替わりに伴う古色蒼然とした宮中祭祀が延々と続き、宮中の保守勢力の存在を強く意識させられた。また、オウム真理教などの怪しげなカルトが活発に活動していた時期でもある。 こうした時代背景を意識して、昭和史の暗部である満州の特務機関と大本教などの新興宗教の活動を掘り起こして描こうとしたのが、この著作である。 残念ながら著者の死去で物語の落としどころが見えず、また展開がやや散漫になっているが、取り上げられることの少ないテーマなので興味深く読めた。 | ||||
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上巻はとても面白かったのですが、下巻はなんだかダレてしまったのか、面白さが下がった印象がしました。 | ||||
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ストーリーの展開にハラハラドキドキ、二・二六事件当時の暗部を垣間見るようでとても面白く読み終えた。巻末の未完後のエピソードで更にストーリーに自らの想像を広げられた。 | ||||
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内容が濃く、高齢でも少しも衰えない創作意欲に圧倒されました。 | ||||
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引き込まれて読みました。何回も背景の説明が繰り返され、とても良かったです。 | ||||
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言わずもがなの巨匠の最後の作品。 昭和8年の事件からスタートするが、非常に難解。 元々、現在の小説ほど文体は読みやすくは無いのに、 更に題材に特高や宮中、家族、新興宗教、満州などなど 通勤の合間に読む小説では無かった。><! 469頁なので普段なら3日で読了出来るくらいのボリュームだが、 倍以上かかって1週間で読み終えた。 たぶん、この分野に詳しい人や頭が軟らかい人は、 そうでもないのだろうが、従来の著者の作品と感触が違っていて戸惑った。 在庫が無くて取り寄せだったが、 届いた本は2009年10月15日の第13刷で紙がパリパリとくっついている 状態だったので、おそらく取次に戻ってきて眠っていた本が回された のではないかと推察している。 巨匠の作品を増刷時に刷り過ぎたとも考えられるが 読み手を選ぶためと言えなくもない。 下巻で一応の終息はつくものの、未完で終えた作品であることを 考慮すると、敢えて読みたい少数の人以外にはお薦めしづらい作品。 上巻を読んだら下巻も読まずにはスッキリしないだろう事を 考えると、読むときは腰を据えるべきではないだろうか。 | ||||
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最後の部分を描ききれなかった無念を思うと、 著者の今迄の飽くなき探求心と努力とを鑑み 何とも言えない心境になってしまう。 188頁でその登場人物の本当の名前が明らかになるまで どういうつながりで、ストーリーが転がったのか さっぱり分からず2日程やきもきしながら通勤電車で読んでいた。 なので、気分的にはイライラしてしまったのだが そこが分かれば、また落ち着いて考えられる。 上下巻共に構成に振り回されてしまった感じが残った。 今回、著者は自分の書きたくて温めていた題材のために 読者の視点を割愛したのではないだろうかと考える。 勿論、ここまで数々の名作を世に出した著者の 最後のわがままともいうべき構成にケチをつける気は毛頭ないが、 読み手の努力や力量が必要になってくるだろう。 最後の440-446頁で編集部註として、未完部分の補足をしているが やはり消化不良である。 著者の言葉で語られず、誰が新興宗教を起こして、事件は・・・ といった事実の道筋が見えてきただけでの終了。 こことここを結び付けてきたのは安直ではないかとか、 ここがこう絡んできたのは、と想像するのは吝かではないが 所詮は素人で著者の深謀遠慮を推し量り切れるはずはない。 そういう視点で考えると、敢えて読むべき人もいるのだが、 趣味としての読書で、この上下巻を読むのは どうなのだろうと考えてしまう。 多分、世間を揺るがした大きな事件との関係や、主要人物達の 最後の思いや行動が交錯し、最後のサプライズにつながった筈だと 考えると、非常に残念で仕方がない。 | ||||
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人間の業と史実の闇(歴史の謎)を強靭な想像力と常に具象的な描写力で書きに書いた松本清張の最終作品。「週刊文春」への連載が第105回で終わり、「著者は編集部に『連載はあと十回も要らないよ』と言って」(442頁)いたとのことなので、未完部分が全体の約1割として、上下巻の本文頁が合計で892頁であるから、書き残した部分はあと100頁程度と推察される。(本当にそれで終わるのかとも思われるが、そうするともう一気呵成の物語の流れになったものと推察される。) それはさておき、「満洲宗教行」で舞台がいきなり満洲に飛んでからの叙述は迫力と力強さに満ちており、やはり読ませた。(一方で、どうして坂下キク(妹)が川崎春子(姉)に現地からくだんの面々の写真を送ったのか(399頁、403頁)など、上巻同様にエピソードが乱躍する場面が多かったように思われる。) さてさて、評者としては、次は原武史先生の『松本清張の「遺言」『昭和史発掘』『神々の乱心』を読み解く』(文春文庫)へと読書の歩みを進めることに致します。 | ||||
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この本は大分前に買って、途中で読むのを止めてしまったのですが、家の中で行方知れずとなってしまっており今回買いなおして読了しました。吉屋謙介と萩園泰之の動き(接近と離間の交互運動)を通じ、標記の2つの謎が何となく絡まっていく、そして更にうねりを加えて螺旋状に深まっていく様が圧巻の上巻でした。最初の部分を乗り越えると、物語が躍動しはじめるわけですが、そこがキモでしたね。 一方で私見ですが、こりゃ飛躍だろう、というかここまで登場人物の頭で判るっていうのはちょっと出来過ぎあるいは強引だろうという箇所などは、正直かなり多かったですね(143~4頁、191~2頁、204頁、287頁、342頁、358頁、366頁、370頁、440頁)。この辺は、清張も老いたということだったんでしょうか。なお、文中で何度も出てくる「江東茂代治」というのは、伊東巳代治のことなんでしょうね(95~6頁、269~70頁、297頁、364頁)。 佐賀県東松浦郡七山(237頁、384頁)は義理の親類がいるので訪れたことがあり、小倉城内の松本清張記念館も最近行ったばかりですので、何となく愛着をもって読めたことも記しておきたいと思います。さてさて、間髪入れず下巻を読みます。 | ||||
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この物語にでてくる女性たちはたくましい。 生命力に充ちている。それにくらべて男たちのしぼんで情けないこと。 先ず、 喜連川典侍と萩園彰子女官・・・皇室の女官であるが、新興宗教の力を 借りて権力奪取を画策(?)。 桔梗権掌侍・・降霊術をあやつる安倍晴明の子孫。夫、フレンチレストラン 巴里亭店主は彼女に奴隷のように仕えている。 川崎春子・・・三次の宿のやりて女将。亡夫はアヘンで大もうけ。 坂下キク・・・春子の妹。吉林の宿の仲居。夫は人前で口もきけない気弱な板前。 江森静子・・・満州の霊媒師。肉欲の権化。夫の巡査部長は不能。 ものすごいメンバーである。おとこは歳をとるとただのよぼよぼの爺いに なって枯れていくだけだが、おんなは情念をからだの内に貯めこんだ鬼神に 昇華されるという男女観が、文豪松本清張が最終的にたどりついた境地だと 妄想させられてしまう。まさに歴史は女性によってつくられる。 最後の章を書いて未完のまま数か月後には清張は他界する。でも少なくとも 殺人事件の謎はあきらかになったからほとんど物語の最終のフェイズには来て いたと思う。最後まで書かなかったことで逆に物語のスケールに膨らみが出て きている。それにしても死の直前まで清張の頭脳が明晰であったことに驚く。 あやかりたい。 | ||||
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松本清張が精力のすべてをそそぎこんだ最後の小説である。 清張はかねてからこう言っている。 ・・歳をとって、よく人間が枯れるなどといい、それが尊いようにいわれるが、 私はそういう道はとらない。それは間違っているとさえ思う。あくまでも貪欲に して自由に、そして奔放に、この世をむさぼっていきたい。仕事をする以外に 私の枯れようなんてないんだな。・・『清張さんと司馬さん』(半藤一利著) この小説執筆の時、清張は80歳台。しかし筆致はみずみずしく、論考も精緻である。 とてもあたまがぼけているとは思えない。しかも読んでいて楽しい。いや勉強になる。 昭和初期、満州国が出来たころの物語。たくさんのテーマと謎が織り込まれている。 皇居の中の女官たち、新興宗教、古代鏡、満州事変、大連アヘン事件・・。 謎を追いかけていくのはふたりの男。 1.吉屋謙介(埼玉県特高警察課第一係長警部) 2.萩園泰之(華次倶楽部幹事) このふたりがそれぞれ独立独歩で螺旋を描くようにつかず離れずで謎解きに 挑戦する。ふたりの謎解きの切り替えが見事である。しかも鋭い直観で 嗅ぎまわること。あきらかに清張は楽しんで書いている。例えば、備長炭に 関する薀蓄やそれに関係する人たちの詳細な描写などは枝葉であり、なくても 物語の本筋になんら影響しないと思うのだが、清張の筆ははずんでいる。 読んでいて私も楽しくなる。 | ||||
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本当は、未完作品ではなく、完結に至る原稿があるのではないか?現在の皇室に係わる内容の為に版元が、未完として刊行したのではないか? | ||||
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これは、一人の男が「アヘンを宗教でくるみ」でもって、宮中の女官たちを取り込み 、そして...とまあ、野望を成し遂げようとするストーリーかな?と私なりに推理してみましたが。 上巻に出てくるコックと夫婦になった、元高級女官などは、アヘン若しくは何かのクスリで異様な雰囲気になっているとしか思えません。 これは、出版当時から、現在まで何回も読み直して、その間に他の歴史小説等も読んで、はたっ、と膝を叩いたのです。 あくまで素人の推理ごっこですが。 それにしても、社会派小説の旗手と呼ばれる方の小説は、タブーにも、踏み込み始めたか!と考えると、おなくなりになったのが何とも残念です。 | ||||
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下巻はいうまでもなく未完です。したがって最終的なネタあかしもできません。ただストーリーはさらに空間と時間をさかのぼります。このフラッシュバックにより、上巻では明かされることのなかった部分がその歴史的な発端も含めて徐々に明らかにされていきます。 時代は大正末期から昭和初期へ、そして地理的な場所も満州へと展開されていきます。そこでの展開は非常に細かく描写されていきます。これにより過去と現在(昭和8-10年)との切っても切り離せない関係が明らかにされます。これは一面不思議な展開でもあります。日本の満州進出という現実政治の流れが新宗教の建設というある意味ではオカルトチックな話と微妙な結合を示していくのです。 この微妙な結合の中に清張は時代の「腐敗」と「腐臭」を嗅ぎ取ったのかもしれません。この不思議な展開の中には、日本の植民地の裏面に暗躍した奇妙な人物が登場してきます。そしてこのような人物を生み出した昭和前期の日本の得意な雰囲気も、もはや忘れ去られてしまった様々な歴史的なエピソードと共に描かれていきます。 具体的な謎の追求に関しては、特高の一係長も家族の二男もある種の壁にぶち当たる中で、作者によって語られていくのです。巻末の解説では、著者による後10回ほどでの完結の可能性の示唆について言及されていますが、それではあまりに尻切れトンボではないでしょうか。この作品が持つべき完結は少なくとももう一巻のスペースが必要だったはずです。これがあと10回で完結したとしたらそれこそ清張の衰えの証明だったのかもしれません。そういう意味では未完こそが幸福な結末だったのかもしれません。 | ||||
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久しぶりにページをめくるのがおしい作品に出合いました。作品自体の存在は知っていたし、解説ともいうべき「松本清張の「遺言」―『神々の乱心』を読み解く (文春新書)」も読んでいたのですが、とうとうこれまで読むことはありませんでした。というのも一時期そうとう清張を読んだためでしょうか、独特の臭さが鼻につくようになったのです。ところが、最近どういうわけかウオーキングでときどき埼玉のある地域(東武東上線や伊勢崎線沿線)を訪れるようになり、この地域の持つ独特の風土に気が付き、同じ地域を舞台としたこの作品をとうとう読むようになったわけです。 これは清張の類書とはかなり異なるようです。これは現代ものではないからでしょうか?清張のあの独特な個性的な視線がすっかり抜けているのです。怨念というべきでしょうか、あの独特の視線が、彼の年齢のせいでしょうか、それとももはや善悪の境の曖昧さを知り尽くして、脱俗してしまったのでしょうか、この作品からはすっかり消えています。 というわけで、話は淡々と進んでいくのです。そして作品技法上も、特高警察の係長と華族の二男という一歩主流から横に引いた人物を謎の解明者として設定することにより、推理小説としての色彩がより純粋に強調されているようです。 この二人は埼玉のある場所を発端として起きたある事件にめぐる謎を追って、全国津々浦々を同じように探索していくのです。この場所の選択がまた渋いのです。また探索を続けていく中で、いくつものペダンティックな話題(香、旅館、女官制度)が鍵となり、それへの細かい情報がちりばめられていきます。この上巻では、謎の発端の場所が最終的に浮かび上がります。ただ気になったのが話の展開の部分でカギとなるイヴェントがかなりアクシデンタルな形で展開される点です。 | ||||
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久しぶりにページをめくるのがおしい作品に出合いました。作品自体の存在は知っていたし、解説ともいうべき「松本清張の「遺言」―『神々の乱心』を読み解く (文春新書)」も読んでいたのですが、とうとうこれまで読むことはありませんでした。というのも一時期そうとう清張を読んだためでしょうか、独特の臭さが鼻につくようになったのです。ところが、最近どういうわけかウオーキングでときどき埼玉のある地域(東武東上線や伊勢崎線沿線)を訪れるようになり、この地域の持つ独特の風土に気が付き、同じ地域を舞台としたこの作品をとうとう読むようになったわけです。 これは清張の類書とはかなり異なるようです。これは現代ものではないからでしょうか?清張のあの独特な個性的な視線がすっかり抜けているのです。怨念というべきでしょうか、あの独特の視線が、彼の年齢のせいでしょうか、それとももはや善悪の境の曖昧さを知り尽くして、脱俗してしまったのでしょうか、この作品からはすっかり消えています。 というわけで、話は淡々と進んでいくのです。そして作品技法上も、特高警察の係長と華族の二男という一歩主流から横に引いた人物を謎の解明者として設定することにより、推理小説としての色彩がより純粋に強調されているようです。 この二人は埼玉のある場所を発端として起きたある事件にめぐる謎を追って、全国津々浦々を同じように探索していくのです。この場所の選択がまた渋いのです。また探索を続けていく中で、いくつものペダンティックな話題(香、旅館、女官制度)が鍵となり、それへの細かい情報がちりばめられていきます。この上巻では、謎の発端の場所が最終的に浮かび上がります。ただ気になったのが話の展開の部分でカギとなるイヴェントがかなりアクシデンタルな形で展開される点です。 | ||||
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99パーセントまでとっても面白く読んだ。そして残り20パーセントが、バニッシング…。遺作なんだからしょうがない | ||||
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