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殺人鬼にまつわる備忘録(記憶破断者)



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【この小説が収録されている参考書籍】
記憶破断者
殺人鬼にまつわる備忘録 (幻冬舎文庫)

殺人鬼にまつわる備忘録(記憶破断者)の評価: 3.96/5点 レビュー 27件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.96pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全27件 21~27 2/2ページ
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No.7:
(5pt)

「忌憶」→「キ憶」→「記憶破断者」と想像力を膨らませていく様は大変お見事

「忌憶」(角川ホラー文庫)に収録された「キ(土偏に危)憶」が良かったので購入しました。小林泰三さんの特に手記形式の文章は気持ち悪くて大好きです。主人公は記憶が一時間程度しか持たないため常にノートを携帯していて、「8ページを見よ。但し刺激が強いので深呼吸をすること→俺は殺人犯と戦っている」を一時間ごとに読み状況を把握することをひたすら繰り返します。「キ憶」と書き出しは一緒ですが、まもなく違う物語になっていくところが往年の「かまいたちの夜」の分岐のようでワクワクして一気読みしました。「キ憶」で主人公は「俺の本質は脳や肉体ではなく、このノートだ」と語りますが、本作ではどうも他人の手でノートが改竄された事もあるらしく、そもそも自分の記憶は本当に自分自身によるものなのかというテーマが見えてきます。この辺はブタの臓器を次々に移植された自分は人間なのかブタなのかと考える「人獣細工」(角川ホラー文庫)や、人工腰髄を取り付けた後に自由意志はあるのだろうかと考える「脳髄工場」(角川ホラー文庫)と共に小林泰三さんの得意なテーマだと思いますが、「記憶破断者」は特に上手くエンターテインメントに昇華していると思います。「キ憶」にも本作の謎キャラ「夏生」の話題は少しありますし、「大きな森の小さな密室」(創元推理文庫・「モザイク事件帳」改題)にも主人公と徳さんが出てくる短編が2本ありますが、全部読むと余計にモヤモヤするだけだと思います。単に気味悪がらせるために書いているだけで本作のラストもデザートのようなもので特に意味はないのだと思います。「忌憶」→「キ憶」→「記憶破断者」と想像力を膨らませていく様は大変お見事です。
記憶破断者Amazon書評・レビュー:記憶破断者より
4344028031
No.6:
(3pt)

SFミステリーだけどミステリー要素は薄め

記憶が数十分しかもたない男VS人の記憶を好きなように操作できる殺人鬼。
この触れ込みの時点で「おっ」と惹かれ、さらに執筆しているのが小林泰三ときたら読むしかない。
SFミステリーといえば私の中で西澤保彦がもっとも馴染み深いのですが、この作家も良質なSF小説をいくつも生み出しているため期待して購入しました。
そして読了後。…うーん、悪くはない。悪くはないけど良くもない…。そういうわけで評価は間をとって☆3にしています。
やはり設定が奇抜すぎたか、肝心のストーリーが負けてしまっているような気がしました。大筋としては悪くないのですがラストに控えたどんでん返しも含めて全体的に取って付けたような展開が多く、予定調和感が強い。
似たような話ならば同作者の短編集に収録されていた、襲われた記憶を相手から消すことのできる怪物の話の方が洗練されていて面白かった。正直その短編がとてもよかったので無意識のうちにハードルを上げてしまっていたかも。
しかし本作の主人公は短編集で何回か登場しているキャラのようなので、それらの話を読めばまた違った感想になるのかな。とりあえずそちらは未読のため本作単独では☆3評価にしておきます。
記憶破断者Amazon書評・レビュー:記憶破断者より
4344028031
No.5:
(4pt)

小林泰三らしい雰囲気の対決

連続した記憶を持てない主人公と、雲英(きら)という名の某漫画キャラ二人を連想させる、 殺人鬼、というか極悪人との対決を描く。 やや強引とも思える展開もある、が、この作者らしい味とオリジナリティが散らばっているので、 何となく納得出来るし、楽しめる。 特に中盤に最大の魅せ所の一つがあり、ニヤリ、というより笑えた。 記憶を失ったあとの立ち直りの感じもなんからしい。 「ラスト驚愕」みたいな流行りの煽りだが、そこに過度に期待するというより、 全体の物語を楽める小説。
記憶破断者Amazon書評・レビュー:記憶破断者より
4344028031
No.4:
(5pt)

かなり面白い

小林泰三作品の中ではかなり面白い方 何もわからない主人公が情報を蓄積して敵と戦っていくところに、わくわくさせられる。 (映画『メメント』と似た設定で進む作品なので、面白くて当然なのだけれど) 過去に短編で何度か登場した主人公の話で、今回は長編版といったところ。 短編ではブラックなネタが強めに書かれていたが、今回は敵との戦いが主な内容になっている。 ちゃんと完結した一冊になっているので満足できる。 個人的には、このシリーズは短編でもいいので書き続けて欲しいくらい好き。
記憶破断者Amazon書評・レビュー:記憶破断者より
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No.3:
(3pt)

SFかつホラーテイストの強いサスペンス&エンタメ小説です☆

「アリス殺し」が、本格ミステリとして面白かったので、この作品も期待して読みました。
この作品は、本格ミステリ小説では、ありません。記憶を書きかえる殺人鬼と、記憶が数十分しか持たない記憶障害の主人公との
心理的なかけひきを描いた、超能力サスペンスです☆
殺人や暴行などの残虐なシーンや、強姦などの内容もあり、その手のハードボイルド&ピカレスク小説が、好きな人にはいいかもしれません。
貴志佑介さんの「悪の教典」を読んでいる感じでした☆ミステリの要素は全くなく、帯にある通り、最後の一行で、大どんでん返しが待っている
後味の悪さは、最悪でした。帯の注意書きがなければ、このオチに全く気付かなかったと思います。
一読後、前半部分を読み直してみて、最後の一行と同じ文章を見つけて、鳥肌が立ってしまいました。
ブラックユーモア色、全開の作品です。好みが非常に分かれる作品だと思います。
女性や子供、そして本格ミステリを期待している方には、絶対にお勧めできませんNE(&#62;_&#60;)
記憶破断者Amazon書評・レビュー:記憶破断者より
4344028031
No.2:
(5pt)

記憶をもたない男と、記憶を操る殺人鬼の対決

自分の記憶が数十分しかもたない前向性健忘症という病気を抱えた男と、記憶を改ざんして罪をおかす殺人鬼との戦いを描いた物語。

前向性健忘症の男が、記憶を改ざんする殺人鬼を追い詰めるという発想が斬新だった。

殺人鬼の脅威や非道さが際立って描かれており、そんな殺人鬼を相手に、前向性健忘症の男がどう立ち向かうのか。記憶が数十分しかもたず、頼みの綱は自分自身が書いたノートしかない。そのノートを頼りに、何度も同じことを繰り返しながら、殺人鬼の正体に迫っていく展開は読み応えがあっておもしろかった。

記憶をもたない男と、記憶を操る殺人鬼の対決というテーマでこれほど分かりやすく描かれているのは見事だと思う。本書の登場人物は著者の他の作品にも登場するみたいだが、他の作品を読んだことがなくても十分に楽しめた。
記憶破断者Amazon書評・レビュー:記憶破断者より
4344028031
No.1:
(5pt)

恐怖の記憶力対決

今作はかなり作品の良し悪しに差がある小林泰三先生の作品の中でもかなり良い方に分類されると思う。

過去作にも何度か登場した数十分で記憶を失ってしまう前向性健忘症の田村二吉を主人公としており、
触れただけで他人の記憶を書き換えることができる能力を持ち、好き放題に犯罪を犯す邪悪な男との戦いを描いている。
何度も記憶を失い、犯人に狙われていることすら忘れていく中、ノートの断片的な情報から推理していく様が非常にスリリング。
ただ、オチというかエピローグが完全に斜め上で、良くも悪くも衝撃的な。
この続きは絶対に執筆してほしい。

過去作を読んでいなくても十分楽しめるが、主人公の家の冷蔵庫の肉や協力者の老人、パン屋のくだりなど、
おそらく引っ掛かりを覚えてしまうポイントもいくつかある。
ひとまず『忌憶』は読んでおいた方がいい。できれば『モザイク事件帳』も読んでおいた方がいいかも。
記憶破断者Amazon書評・レビュー:記憶破断者より
4344028031

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