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殺人鬼にまつわる備忘録(記憶破断者)



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【この小説が収録されている参考書籍】
記憶破断者
殺人鬼にまつわる備忘録 (幻冬舎文庫)

殺人鬼にまつわる備忘録(記憶破断者)の評価: 6.50/10点 レビュー 2件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.50pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全2件 1~2 1/1ページ
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

殺人鬼にまつわる備忘録(記憶破断者)の感想


『 警告!
自分の記憶は数十分しかもたない。 思い出せるのは事故があった時より以前の事だけ。 』

どうやら私は新しい記憶を留めていくことが出来ないらしい。 手元にあるこのノートだけが私の過去を知れる記憶媒体のようだ。
『今、自分は殺人鬼と戦っている。』


 自身の記憶が数十分しかもたない主人公と他人の記憶を意のままに改竄できる超能力者、2人の記憶破断者の対決を描くストーリー。
主人公側が絶対的に不利なのだが改竄できる記憶を持ち合わせてないという唯一の武器を手に立ち向かう。 この主人公かなりの切れ者でリセットされる記憶に対しての適応能力が半端ない。 殺人鬼側も傲慢な利己的な部分が表立つが能力を使用した狡猾な策略は抜け目が無い。
特殊設定を用いた知略サスペンスから小林泰三らしいブラックなオチは鮮やか。 







りーり
9EDFH0HC
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

殺人鬼にまつわる備忘録(記憶破断者)の感想

著者作品はSF寄りの記憶をテーマにした作品がいくつかありますが本書はその1つ。

・前向性健忘により記憶が保てない主人公
・触れた相手の記憶を操作できる殺人鬼
この2人の衝突の物語。

まず殺人鬼の行動や言動が胸糞過ぎて気分が悪くなりました。暴力から殺し、洗脳、日常の人々に対しての強烈な悪です。白昼堂々犯罪を行っても周りにいる目撃者の記憶を改ざんし自由に活動する倫理破壊。気分が悪くなりますが、ホラー文学として気持ち悪くなる文章や物語が巧いなという感想も得ました。苦手な人は苦手な話が多いです。

対して、記憶が保てない主人公。目覚めた所から物語は始まり、枕元に置かれたノートには自分の記憶障害と、"殺人鬼と戦っている"というメモが残されている。状況の混乱や疑心暗鬼、一方、慎重な言動や推測など頭を働かせる様が面白く読めました。

殺人鬼にどう挑むのか。悪との遭遇のサスペンスとして、不安な気持ちを抱えたまま最後まで一気に読めた面白い作品でした。
同じ主人公・田村二吉が登場する未読の別作品がある為、いつか追って読もうと思いました。

egut
T4OQ1KM0

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