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殺人鬼にまつわる備忘録(記憶破断者)



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【この小説が収録されている参考書籍】
記憶破断者
殺人鬼にまつわる備忘録 (幻冬舎文庫)

殺人鬼にまつわる備忘録(記憶破断者)の評価: 3.96/5点 レビュー 27件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.96pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全19件 1~19 1/1ページ
No.19:
(5pt)

記憶は信頼できない、というテーマ

記憶は信頼できない、ということを、より積極的に記憶を信頼できないものにしてしまう男の登場によりホラーのレベルにまで仕立て上げたミステリでしょうか。

主人公の不安定な状況が無敵とも思える犯人を追い詰めていく過程は実に巧妙で楽しめました。
また、ようやく解決された途方もないスケールの事件の外側に、主人公にとってはさらに大きな事件が待っているという結末はただのどんでん返しではなく、物語中の未消化の謎が最後に伏線として機能し始めるという緻密な構成となっていて舌を巻きます。

しかしこの物語を読んでいて何より恐ろしいと思ったのは、物語序盤のコンビニや喫茶店の前の路上で行われた、犯人にとっては些細な犯行のシーンにおいてもこのままラストまで読み進められるか自信がなくなりかけるほど犯人へ嫌悪感を感じていたにもかかわらず、読み進めるほどにこの唾棄すべき犯人の行動に慣れ、眉を顰めながらも読了してしまった読者である自分自身の順応した事実、です。

そういえば、政治とか、上げ底のコンビニ弁当とか、有料のレジ袋とか、順応して鈍感になった経験の何と多いことか。

嗚呼恐ろしい。
殺人鬼にまつわる備忘録 (幻冬舎文庫)Amazon書評・レビュー:殺人鬼にまつわる備忘録 (幻冬舎文庫)より
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No.18:
(5pt)

お互いの事情を隠したステルスの戦い

記憶を留められない障害の主人公が特殊な殺人鬼と戦う物語。
毎回記憶を無くしてしまう主人公の目線で展開する物語で、まるで自分も記憶を無くしているかの様にいつも突然のはじめましてで始まる。
これまでの事はいつも記憶に無いし、眼の前の相手が敵なのか味方なのかもわからない。
ハラハラする展開と、まるで『アルジャーノンに花束を』のサスペンス版の様な、他人の目線に憑依したかのような体験は小説ならではなのだと思う。
紛れもなく名作と言える。

可能なら続編を読みたいが作者はもう亡くなられて居るという悲しみ。
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No.17:
(5pt)

捻りの利いた名作

「短時間しか記憶が持たない」という障害を持った人物を語り手に、、、という設定は、筆者の晩年の作品「未来からの脱出」に近いものがあるかと思います。
繰り返しが多く、会話がくどいという面はありますが、悪役の人物像、設定を利用したひねりのうまさ、悪役との対決シーンなど、読ませどころの多い作品だと思います。
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No.16:
(4pt)

記憶の不確実性につけ込まれる恐怖

主人公と殺人鬼の物語が交互にリフレインする前半。主人公は前向性健忘症で、数十分しか記憶が保てな
い。また殺人鬼は他人の記憶を操る超能力者。ふと、この二人が出会ってしまったらどんな方向に発展する
のだろう?と想像する。
 出会ってしまった・・・。主人公と殺人鬼の壮絶な思考バトルにハラハラしながらも、記憶そのものの曖
昧さに忍び寄る不安や不気味さがひしひしと伝わってくる。加えて終盤に、著者は読者自身の記憶の曖昧さ
にも直接訴えかけてくる。
記憶破断者Amazon書評・レビュー:記憶破断者より
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No.15:
(5pt)

前作と合わせて楽しめたサスペンスミステリー名作でした(^-^*)

今作の前に読んだ『忌憶』の最後の話を、更に膨らませて描かれた長編です(^-^*)/

『忌憶』と大きく異なるのは、(身体に触れるだけで)他者の記憶を自在に変える事が出来るサイコキラーと、主人公が全面対決する点でして、
自分が短期記憶障害だからこそ、サイコキラーの記憶書き換え能力に気付いたり対抗処置を考える主人公が頼もしく、すっかり惹き付けられ楽しめました!

ラストもホラーの名手っぽくゾクリとさせられて見事!
前作と合わせて楽しめたサスペンスミステリー名作でした(^-^*)/
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No.14:
(5pt)

続きを思わせるような終わり方もよい。

記憶が数十分しかもたない主人公が「今、自分は殺人鬼と戦っている」と自分が記したと思われるノートを頼りに殺人鬼に挑むストーリー。設定も面白いし、問答のような会話も面白い。主人公の考え方も知的で頼もしい。ただ何故こんなに積極的に危ない殺人鬼に絡んでいくんだ…?という疑問はありましたが、先へ先へと読ませる展開や文章なので一気読みでした。
「衝撃のラストに二度騙されるミステリー」ということですが…なるほどなあ、主人公のお節介の意味も分かり、そうくるかあ!という感じでした。
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No.13:
(5pt)

一番の悪者は?

主人公の思考が中心なので読みやすい。関係者が行動範囲にいるのは、やはり操作されていたからか。個人的にはハッピーエンドにして欲しかった。ただし、この終わり方なら続編が作れそうですが。。。
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No.12:
(4pt)

作者の用意した設定を素直に楽しむ作品。

初めての小林泰三作品。
ホラー作家のイメージがあるので読みにくいのではと思ったが、とにかく読みやすい。
セリフが多く、一気に読める。

記憶が数十分しかもたない田村二吉と、触れた人間の記憶を改竄できる超能力者雲英(きら)が対決する物語。
二人が出会うところから面白くなる。
ただ、設定がややこしいのでその分説明文っぽい箇所が多く、読む人を選ぶかも知れない。
個人的にラストの衝撃はそんなに感じなかった(ミステリ要素は薄い)。
ミステリというより、作者の用意した設定を素直に楽しむSFの要素が強い。

人間の記憶って当てにならないから、私も備忘録をつけようと思った。
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No.11:
(4pt)

改題

「記憶の破断者」として読んだ内容は最高点であるが、この書籍が改題されたものであることをサイトの分かりやすい場所に示すべきではないか。続編と勘違いして買う可能性がある。タイトルが変わっているため、以前に買っているとのアラートも出ない。私自身が一度ウイッシュリストに加えてから、他のレビューを読んで以前読んだものと同じ本であることを知った。
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No.10:
(5pt)

記憶がなくなるという恐怖

本のタイトルが目に入り、数ページ立ち読みしたところ、数十分しか記憶を保てないという主人公の身の上に興味を惹かれ、衝動的に買いそのまま一気読みしてしまった。

調べたところ、以前に「記憶の破断者」という表題で刊行されていたものらしい。だけど、僕は読んだことがなかったので新鮮な気持ちでストーリーにのめり込むことができた。

本文に「記憶を持たない英雄vs記憶を操る怪人」とあるのだが、まさに本作を言い表した言葉。
前向性健忘症の主人公が、相手の記憶を思いのまま改竄できる能力を持つ殺人鬼に立ち向かう。どちらも個性ある人物だが、記憶障害者は世の中におり、主人公に対して身につまされるような思いが湧いた。

ふとした拍子に記憶が抜け落ちる。そんな彼が現状を確認する手立ては肌身離さず持ち続けるノート。なにかイベントが起きるたびにノートに書き連ねていく。
要するに、彼が信じるのはノートの内容のみだった。

僕たちは当たり前のように記憶を保持しているが、もし記憶がなくなったらとてつもない恐怖を感じる。
殺人鬼にまつわる備忘録 (幻冬舎文庫)Amazon書評・レビュー:殺人鬼にまつわる備忘録 (幻冬舎文庫)より
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No.9:
(5pt)

障害者vs超能力者

主人公は新しいことは数十分または数時間で忘れてしまう。
一方主人公の町に住む殺人鬼。
彼は触れた人間の記憶を改ざんできてしまう無敵の超能力者。
警察も彼を捕まえれない、どころか疑うことすらできない・・・

この町の運命は私生活すらままならない主人公に全てたくされたのですw!
記憶破断者Amazon書評・レビュー:記憶破断者より
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No.8:
(4pt)

デスノートのような戦い方

2人の視点が交互に切り替わりながら進みますが、
1人は超能力を持って記憶を操れます。もう1人は記憶がすぐに無くなる病気です。
これが絡み合って、話の進み方が奇妙で新鮮なんです。
病気の主人公はルールに従って同じことを繰り返すだけなのに、少しずつ結末に近づいていくところが面白かったです。
ただ著者の作品にしばしば登場するんですが、すべてを見透かしたような謎のおじいさんみたいな役は不要かなと思いました。
記憶破断者Amazon書評・レビュー:記憶破断者より
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No.7:
(4pt)

ミステリーのようなサスペンスで、最後の気味の悪さは格別

記憶が数時間しか持たない男と記憶を操る狂人の戦いを描いたスリラー作品。

帯であおっているとおり、最後の一行で「ぎょえっ!」とさせられる。

著者のほかの作品と関連があるようで、それと組み合わせることによって最後の一行にはいくつかの解釈ができるようだが、残念ながらワタクシはそれらの本を読んでいないのでもっとも単純な解釈しかできなかった。

しかし、おそらくこのもっとも単純な解釈こそが読者を恐怖のどん底に陥れるものなのではないかと思う。
まあまあおもしろかった。
記憶破断者Amazon書評・レビュー:記憶破断者より
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No.6:
(5pt)

久しぶりに後味の良い胸糞作品(褒め言葉)

記憶が数十分しかもたない主人公が、人の記憶を操ることが出来る殺人鬼と戦う物語。

なんだか読んでいてこちらが記憶をいじられている感覚に陥ってしまう。
もうなんというか、今までの記憶は本当に正しいのか疑いたくなってしまう…。
これに関しては著者の才能であろう。本当に引き込まれてしまった。

読んでいると、前半は殺人鬼の描写に少し気分が悪くなってしまった。
グロ耐性の無い人は心して読んだ方が良いだろう。

物語の雰囲気は「MONSTERS」に「掟上今日子」を混ぜた感じ。
推理小説でもミステリー小説でもないが、なかなか引き込まれる作品となっていた。
記憶破断者Amazon書評・レビュー:記憶破断者より
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No.5:
(5pt)

「忌憶」→「キ憶」→「記憶破断者」と想像力を膨らませていく様は大変お見事

「忌憶」(角川ホラー文庫)に収録された「キ(土偏に危)憶」が良かったので購入しました。小林泰三さんの特に手記形式の文章は気持ち悪くて大好きです。主人公は記憶が一時間程度しか持たないため常にノートを携帯していて、「8ページを見よ。但し刺激が強いので深呼吸をすること→俺は殺人犯と戦っている」を一時間ごとに読み状況を把握することをひたすら繰り返します。「キ憶」と書き出しは一緒ですが、まもなく違う物語になっていくところが往年の「かまいたちの夜」の分岐のようでワクワクして一気読みしました。「キ憶」で主人公は「俺の本質は脳や肉体ではなく、このノートだ」と語りますが、本作ではどうも他人の手でノートが改竄された事もあるらしく、そもそも自分の記憶は本当に自分自身によるものなのかというテーマが見えてきます。この辺はブタの臓器を次々に移植された自分は人間なのかブタなのかと考える「人獣細工」(角川ホラー文庫)や、人工腰髄を取り付けた後に自由意志はあるのだろうかと考える「脳髄工場」(角川ホラー文庫)と共に小林泰三さんの得意なテーマだと思いますが、「記憶破断者」は特に上手くエンターテインメントに昇華していると思います。「キ憶」にも本作の謎キャラ「夏生」の話題は少しありますし、「大きな森の小さな密室」(創元推理文庫・「モザイク事件帳」改題)にも主人公と徳さんが出てくる短編が2本ありますが、全部読むと余計にモヤモヤするだけだと思います。単に気味悪がらせるために書いているだけで本作のラストもデザートのようなもので特に意味はないのだと思います。「忌憶」→「キ憶」→「記憶破断者」と想像力を膨らませていく様は大変お見事です。
記憶破断者Amazon書評・レビュー:記憶破断者より
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No.4:
(4pt)

小林泰三らしい雰囲気の対決

連続した記憶を持てない主人公と、雲英(きら)という名の某漫画キャラ二人を連想させる、 殺人鬼、というか極悪人との対決を描く。 やや強引とも思える展開もある、が、この作者らしい味とオリジナリティが散らばっているので、 何となく納得出来るし、楽しめる。 特に中盤に最大の魅せ所の一つがあり、ニヤリ、というより笑えた。 記憶を失ったあとの立ち直りの感じもなんからしい。 「ラスト驚愕」みたいな流行りの煽りだが、そこに過度に期待するというより、 全体の物語を楽める小説。
記憶破断者Amazon書評・レビュー:記憶破断者より
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No.3:
(5pt)

かなり面白い

小林泰三作品の中ではかなり面白い方 何もわからない主人公が情報を蓄積して敵と戦っていくところに、わくわくさせられる。 (映画『メメント』と似た設定で進む作品なので、面白くて当然なのだけれど) 過去に短編で何度か登場した主人公の話で、今回は長編版といったところ。 短編ではブラックなネタが強めに書かれていたが、今回は敵との戦いが主な内容になっている。 ちゃんと完結した一冊になっているので満足できる。 個人的には、このシリーズは短編でもいいので書き続けて欲しいくらい好き。
記憶破断者Amazon書評・レビュー:記憶破断者より
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No.2:
(5pt)

記憶をもたない男と、記憶を操る殺人鬼の対決

自分の記憶が数十分しかもたない前向性健忘症という病気を抱えた男と、記憶を改ざんして罪をおかす殺人鬼との戦いを描いた物語。

前向性健忘症の男が、記憶を改ざんする殺人鬼を追い詰めるという発想が斬新だった。

殺人鬼の脅威や非道さが際立って描かれており、そんな殺人鬼を相手に、前向性健忘症の男がどう立ち向かうのか。記憶が数十分しかもたず、頼みの綱は自分自身が書いたノートしかない。そのノートを頼りに、何度も同じことを繰り返しながら、殺人鬼の正体に迫っていく展開は読み応えがあっておもしろかった。

記憶をもたない男と、記憶を操る殺人鬼の対決というテーマでこれほど分かりやすく描かれているのは見事だと思う。本書の登場人物は著者の他の作品にも登場するみたいだが、他の作品を読んだことがなくても十分に楽しめた。
記憶破断者Amazon書評・レビュー:記憶破断者より
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No.1:
(5pt)

恐怖の記憶力対決

今作はかなり作品の良し悪しに差がある小林泰三先生の作品の中でもかなり良い方に分類されると思う。

過去作にも何度か登場した数十分で記憶を失ってしまう前向性健忘症の田村二吉を主人公としており、
触れただけで他人の記憶を書き換えることができる能力を持ち、好き放題に犯罪を犯す邪悪な男との戦いを描いている。
何度も記憶を失い、犯人に狙われていることすら忘れていく中、ノートの断片的な情報から推理していく様が非常にスリリング。
ただ、オチというかエピローグが完全に斜め上で、良くも悪くも衝撃的な。
この続きは絶対に執筆してほしい。

過去作を読んでいなくても十分楽しめるが、主人公の家の冷蔵庫の肉や協力者の老人、パン屋のくだりなど、
おそらく引っ掛かりを覚えてしまうポイントもいくつかある。
ひとまず『忌憶』は読んでおいた方がいい。できれば『モザイク事件帳』も読んでおいた方がいいかも。
記憶破断者Amazon書評・レビュー:記憶破断者より
4344028031

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