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戦場のコックたち
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戦場のコックたちの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.88pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全56件 21~40 2/3ページ
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あまい箇所もあるが、いい作品だと思う。 年齢をとると、涙腺がゆるくなるので困ります。 戦争って、やだね。 | ||||
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文庫になるのを待っての購入 バンドオブブラザースを見ていたので だいたいの状況は解りました 戦場という日常の中にある違和感にある謎 解明したくなりますよね 終盤で泣かされました そしてまたやられました 待ったかいがありました 前線を書くことはあっても 後方は珍しいので 本当に良かったです | ||||
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主人公はアメリカ南部の田舎町出身の17歳の青年で、キッドとあだ名をつけられた通りに純朴で子供のような人物です。 最初はボーイスカウトのキャンプの話かと思うほど呑気で牧歌的です。巨大な野外レンジで料理をするところは楽しそう。同じ輸送機に乗っていた兵士が亡くなったことを人伝てに聞いて、優しい主人公は心を痛めますが、まだ現実味がありません。 戦局が変わるにつれ、のんびり屋の主人公も過酷な戦場に駆り出され、ついに友を自分の胸の中で亡くします。亡くなる兵士が陽気な好人物だっただけに、このシーンは深く心に残りました。 次第に主人公の心が麻痺して冷徹な殺人マシーンになっていく様はひたすら悲しいです。 他のレビューサイトを見たところ、エピローグについては蛇足という意見もありましたが、私はあれほどの苦難を乗り越えた登場人物達が幸福な人生を送ったところを見たいという一心で読みました。(実際には悲しい話もありましたが。)確かに話としては失速していましたが、読書を通じた旅を登場人物と一緒に終わらせられて満足です。 | ||||
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米101空挺師団と言えば「バンド・オブ・ブラザーズ」ですよね。しかも本作の主人公の所属は、506連隊。さすがにE中隊ではなく、G中隊の所属となっていますが、著者も述べているとおり「バンド・オブ・ブラザーズ」に影響されて、その中にミステリーの要素を入れながら、書き進めた作品です。 最近、若手の国会議員が、近隣諸国との領土問題を「戦争で解決する」なんておバカなことを平然とのべているわけですが、過去の戦争について知れば知るほど、無知なことが罪であると思えてきます。 生身の人間が戦い、命を落としていく戦場の様子について、押さえた表現になっていると思いますが、若い人たちに知ってもらうために是非読んでいただきたいと思います。 ミステリーの要素が各章ごと(各戦場ごと)にまとめられているので、興味を持って読み進めていくことができます。 その中に、表題でのべたように、戦場の様子や兵士の心理、人間性などを書き込み、さらに多くの伏線をちりばめていく作品の構成には感心させられました。 ただ、戦場の様子などは文章だけからはイメージしづらいものなので、テレビシリーズの「バンド・オブ・ブラザーズ」を見ておいた方がよいと思います。雪のバストーニュの森なんかとくに。(雪の森は全部セットでの撮影だそうですけどね) | ||||
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筆者は日頃推理ものをほとんど読まないのだが、本書が題名を見てミリタリーもの、それも日本軍風に言えば「○軍めしたき兵物語」の類の補給・給養というような渋いジャンルかと思い購入。買ってから著者が日本人であることに気づいた。さらに第1章を読んで本作品が推理ものであることに気づいた。 本作品においてノルマンディ上陸作戦から、マーケットガーデン作戦、バルジ作戦を経て戦闘終了直後までの第二次世界大戦の欧州西部戦線の要所を拾いつつ、前線の分隊〜中隊レベルの兵士たちの活動が補給や給養、休養の様子まで詳細に描かれていて感心してしまった。それにしても筆者にとっては西部戦線と言えば「コンバット」「ヘンリー少尉とその部下サンダース軍曹」である。米国でのドラマ放送が1962年から1967年で筆者が再放送を見ていた1980年当時でも第二次世界大戦は体験談・苦労話の対象であった。近所の写真屋の親父さんが予科練帰りだったり瀬戸物屋の親父さんが元陸軍少佐、定年退職する校長先生は「日中戦争に出征し陸軍少尉として活躍」で、第二次世界大戦は現代史というよりもかろうじて同時代「史」であった。それ故「戦争を知らない子供たち」よりさらに一世代下から一人称のフィクションとして戦争を語ることに何となく抵抗があった。 本作品においてはさらに若い世代に属する著者によって第二次大戦が歴史的対象として捉えられ、その上で詳細なリアリティが積み重ねられて行く。一方で日本人による作品らしさを感じさせるところもある。例えば、終盤からエピローグにかけての良い意味での感傷と痒いところに手に届くような後日談など。また最後のファンタジーっぽい描写もそうかもしれない。戦争が人災であることを指摘しつつ、自然災害に対するかのような諦念をもって語られるところもそうかもしれない。同じ日本人の作家による戦時下の軍隊を舞台とした推理要素もある作品として、大西巨人の「神聖喜劇」と比較して物足りなく感じてしまうが、これは比較自体が無理であり、筆者が責を負うべきであろう。 ところで1980年時点でソ連ではブレジネフが死んでアンドロポフに替わったところだったが、米ソ冷戦はまだまだ頑強で第三次世界大戦1985年危機説などというものがまことしやかに語られていた。当然1989年のベルリンの壁の崩壊は未来に属していた。その1989年=平成元年もすでに歴史に属することを本作品によって直面した。 | ||||
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空挺部隊とはなんと過酷な部隊なのだろう。映画『史上最大の作戦』では、電柱にぶら下がったまま死んでいるパラシュート降下兵の姿が印象的だった。『遠すぎた橋』では、ショーン・コネリー率いる空挺部隊が孤立しながら包囲するドイツ軍と戦う場面(最後は降伏するが)があわれだった。もちろん、上陸部隊の悲惨さも忘れてはならない。映画『プライベート・ライアン』のオマハビーチ上陸の映像や、ロバート・キャパの写真でもうかがい知ることができる。「アルデンヌの盛」での戦闘も悲惨だっただろう。しかし、そんな過酷な戦場でもやはり腹は減るものだ。腹一杯食べたいしうまいものがくいたい。それは人間の自然な欲求だ。 そうした原初的な欲求を満たすための兵士がコック兵だ。主人公はコック兵としてヨーロッパ戦線に従軍する。料理のとき以外は普通の兵士として戦闘に加わるのに、周りの兵からは軽んじられた存在だ。キッドは親友のエドとともに、バカにされながらも第101空挺団に発生するささいな(あるいは重大な)事件を解決していく。予備パラシュートを集める男の謎だったり、粉末卵の紛失事件だったり、幽霊事件だったり。ただ、そこは戦場だから仲間が一人またひとりと死んでいくのがつらい。 けれども、もっともキッドがつらいと思ったのは、親友の死と同じくらい、仲間だと思った人間がスパイだと疑われたことだろう。「バンド・・オブ・ブラザーズ」をどこまで信じれば良いのか。戦争の、本当の悲惨さを教えてくれるような気がする。間違いなく傑作だろう。 | ||||
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長編戦争ミステリーです。アマゾンの広告から興味を抱きました。なかなか面白い筋立てです‼チープに感じる粉末卵が、ちゃんと役割果たしてます! | ||||
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※以下の内容には【ネタバレ】が含まれる可能性があります 極秘で回収される大量のパラシュートや,消えた大量の食材(おいしくない)など, 舞台や背景に戦争はあるものの,前半は確かに『戦場の”日常の謎”』で進むのですが, 主人公をはじめ,身も心も壊れていく仲間たちや巻き込まれる街や市民,さらには…と, 重々しさを増し,非日常へ傾いていく様子は,よくある謎解きとはだいぶ違って映ります. また,徐々に兵たちが追い込まれていく中,それでも何かを口にすることで落ち着き, わずかでも安らぎを取り戻す様子には,極限状態での人間の本能が覗き見えた感覚にも. このほか,待ち望んだ帰郷のはずが,戦地とはあまりにも異なる光景に虚しさを覚え, 温もりを噛みしめながらも緊張が抜けず,後ろめたさに苛まれる主人公に胸が痛む一方, 幼い日,そして送り出してくれた時と同じ,祖母の厳しくも優しい振る舞いが印象的です. 戦争が生み出した憎しみや愚かさ,凄惨な出来事,兵士たちの苦しみと四十数年後など, とても多くの『顔』を持つ作品のようで,それでもただ反戦や戒めを訴えるものでもなく, 喜びも悲しみも,あの時,彼らだけが見たものを少しだけですが知ることができたようです. ただ,この内容なら,カバー絵や帯はもうちょっと違っていても良かった気がしました. | ||||
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第二次世界大戦の欧州西部戦線を舞台にした「戦場の日常の謎」を扱ったミステリ小説。2015年の作品で、2016年度の「このミス」国内第2位など。深緑作品は初読である。 帯紙はこんなである。「生き残ったら、明日は何が食べたい? 1944年、若き合衆国コック兵が遭遇する、戦場の“日常の謎”」 そして表紙絵は、アルミ?の飯盒的な簡素な食器に盛られたビスケットやらスクランブルエッグ、ポテトにハム、それに兵員が身に着ける認識票がポップなイラストが描かれている。 まぁなんだかんだ言って、戦場を舞台に借りたホンワカした謎解き&多少のグルメミステリといった感じだろう、と思って読み始めたのだが、、、その読みは良い方向に裏切られた(と言っていいのか?)。そもそも扉の登場人物一覧がやたらと大人数なのは、ちゃんと理由があるのだ。 プロローグとエピローグとに挟む形で、物語は5章からなる。第一章「ノルマンディー降下作戦」。ノルマンディーといえば上陸作戦なわけだが、主人公のティム君は落下傘部隊所属というわけだ。えてしてものごとは計画通りには進まないものだが、しかし僥倖にも恵まれて自分たちの部隊へ合流できたティム君ほか数名、命を受けてさっそく兵站作業に取り掛かるのだが・・・、というのがイントロ部分。この時点で既に敵兵士との殺し合い含めて、人が何人も死ぬ。描写も結構えげつないなぁと思いながら読んでいくと、まぁまぁうまそうな料理描写とともに「日常の謎」の提示。ティム君は同僚のエドほか数名とともに謎解きに頭を悩ますのである。戦場でそんな悠長な謎解きに頭を使う暇なんて?と思うなかれ。そんな謎に彼らが取り組むモチベーションは、平時には思いもよらぬものなのだ。このあたりから、・・・ホンワカじゃないなぁ、というのをひしひしと感じ始めた。日常の謎は無事に解明され、やれやれめでたしめでたしと思っていたら、戦時中ならではの悲惨な事態が勃発し、この章は幕を閉じる。 第二章は引き続きノルマンディー地方が舞台。またまた日常の謎に取り組んだ結果、今度は戦争がというより過去数世紀の白人の原罪、のような話に落ちていく。いや、これもなかなか重い。西部戦線を舞台にすれば、当然ナチスドイツの話がからむので必然的ともいえるわけだが、やはり重い。これがたかだか半世紀前のアメリカの実態だ。 第三章も有名な西部戦線の作戦遂行の話。これが負け戦というのを後世の我々は知っているので、あらかたどういう展開かも想像がつく。そして読んでみるとやはりというか、第二章の続きをも成す大変な結末だ。第四章はさらに戦況が進んだ段階。長引く戦闘によって死んだり負傷したりその他の理由で仲間はどんどん減っていき、コック兵が主人公なのに食べ物シーンがどんどん貧相になっていき、そして・・・という展開が待ち受ける。第五章は「戦いの終わり」と題されるとおりナチスが降伏し、とある伏線の回収が行われるのだが、これまでの展開からも想像できるように素直にきれいに終わるわけがないのである。 読み終えて、これは本当にミステリなのか?という気持ちもある。著者も巻末に書いているように、歴史的事実を下敷きにしたうえでのフィクションであることは確か。そのうえで「日常の謎」に取り組む登場人物たちを描いたという意味で、ミステリだといえばミステリといえる。なのだが、著者としては、戦場の兵士が日常の謎に取り組むとしたらそのモチベーションって何?というところを読者に考えさせたかったのか?とも思える。その意味では、8月初旬に文庫を書店に並べた東京創元社は、なかなかいいポイントをついた企画を走らせたわけだ。 | ||||
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精鋭アメリカ第101空挺師団の特技兵(コック)を主人公とした戦場の「日常の謎」を解く連作形式の長編ミステリー。 バンドオブ・ブラザースを彷彿とさせるが、参考文献として挙げられており、参考にしているようだ。 筆者の「ベルリンは晴れているか」も読了したが、本作の方が戦場の過酷さ、主人公たちの葛藤が描かれており完成度が高いと感じた。「日常の謎」も短編の方が合うと思う。 次はどんな作品を書くのか、楽しみな作家と知り合うことができた。 | ||||
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年齢と小柄な見た目故にキッドとあだ名された新兵が戦場に持ち込んだのは、祖母譲りの一冊のレシピ。 彼は調理兵として、戦場の兵士たちに料理を振る舞うことになるのだが…… 日常の謎というジャンルがあるが、戦争という大きな非日常の中で、ささやかともいえる謎を紐解いていく本書もその系譜に連なるのだろうか。 もちろん扱われる謎の中には決してささやかじゃない、どころかかなりの度合いで深刻なものも含まれるのだが、キッドの一人称による語り口が重苦しさを和らげている。 主人公が調理兵ということもあり、料理シーンはお腹がすく。粉末卵なんて知らない食材!林檎にソーセージをのっけただけの料理がなぜあんなにおいしそうなのか!食べたい! 人は生きてる限り腹が減るし飯を食う、戦場に行ったってその現実は変わらない。 死と隣り合わせの緊張が慢性化し、時に人間性の善良な部分を剥ぎ取らざるえない戦場下で、「料理」「食事」という日常から地続きで持ち込まれる人の営み、、従来見落とされてきたエアポケットに焦点をあてたのは心憎い。 エドと個性的な仲間たちの掛け合いも軽妙で楽しく、オーソドックスな青春小説やブロマンズを主軸に据えた成長物語の趣がある。 一人一人の背景がわかり、人物像が掘り下げられるごとに、群像劇の様相を呈して物語に厚みが増すのも好み。 特にキッドの親友で、聡明で味音痴なエドの静かな存在感は特筆に値する。個人的には口が悪い衛生兵のスパークと、飄々とした美男のライナスが好き。 第二次世界大戦中の欧州(フランス・ドイツ)が舞台なので、捕虜やスパイ、ドイツ兵と恋愛関係になった女性への迫害など辛い描写も多いが、そんな中でも日々たくましく料理を作り続け、自分の信じる「正義」を貫いたキッドと仲間たちの生き様には心を打たれる。 祖母のレシピ本といい、エドの言葉といい、形をなくしても受け継がれるものは確かにあり、それが人を生かし続ける。 音楽や映画など、古き良きアメリカ色が強いので、当時の風俗や文化に興味があるひとにもお勧めしたい。 | ||||
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『ベルリンは晴れているか』が素晴らしかったので、他の作品も読んでみた。 本作にも圧倒された。 1942年に志願兵としてヨーロッパ戦線に投入された20歳前後のアメリカの若者の話である。 空挺部隊に配属されるが、料理好きの主人公は料理兵を希望する。 軍隊における料理兵は、チキンと軽蔑されている。 その主人公が、ノルマンディー上陸作戦でフランスに降下してから、ドイツ降伏までの物語である。 本書は、戦争小説であり、青春小説であり、ミステリーでもある。 ミステリーというのは、小さな謎が次々と起こり、主人公の親友を軸に、その謎を解いていく話の連続になっている。 その謎の解決が、爽快であったりもするが、戦争ならではの重いリアリティ、やりきれなさに満ちていたりする。 それにしても、この作者は戦場の軍隊の若造どもの心情を、どうしてこれほどまでにリアリティを持って描けるのだろう。 戦争場面のディテールもリアリティに満ちているが、それはあとがきを読んで腑に落ちた。 史実をかなりの程度下敷きにしており、それを描いたドキュメンタリーや映画もたくさん作られているからである。 が、この若造たちの心情は、作者ならではの想像力と創造力以外ではあり得ない。 大したものだ。 作者は、高校を卒業してパートの書店員を経て専業作家になったという。 今後の作品が楽しみである。 | ||||
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すごく泣いてしまった本です。 第二次世界大戦、 アメリカ軍 101空挺師団 G中隊のコック兵たちのお話。 ヨーロッパ戦線の最中 彼らが戦闘の合間に起こる謎を探る、ジャンルとしてはミステリー。 読み終わってちょっと放心しながら ティムたちがした謎解きとは何だったのか考えてた。 戦場は不条理と無秩序が取り巻いていて 全部が矛盾してるから、それに一喜一憂するのは心を消耗するだけでしかないんだと思う。 なにより、 生き延びることが優先される故に 誰もその疑問に立ち止まったりしない。 だけどここに出てくるみんなは足を止めた。 目を凝らしてそれを見ようとしてた。 何を探して何が証拠で何を信じるのか、 自分の感覚とすり合わせて、 戦争の世界を見ようとしてた。 ダンヒルが何を見て エドが何を見ていたのか 今もふと考えてしまう。 そんなこと、当時できた人が 本当にいたのかは分からない。 でも多分 そこに真理があって 人間性が隠されてる そう感じさせてくれた。 衝撃でした。 二段組300ぺージ以上の本で、 細かな戦況や作戦の描写がびっしりとあります。 ノルマンディー上陸から、ヒトラーの別荘ベルヒテスガーデンまでの101空挺師団の大まかな動きをあらかじめ知っておくと多分ずっとすんなり入り込めるかと思います。 (一番手っ取り早いのは、バンドオブブラザーズを観ること…! ) コック兵、料理を誰かに作ること、食べること、それは自分のルーツを手繰り寄せる、時に切ない旅でもあるのかな… | ||||
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第二次世界大戦時の戦場での青春ミステリ なぜこんな部隊を、女性の著者が選んだのかが興味深い 連作ミステリなのですが、 通常の連作ミステリより 各章が連続しており 全体で1冊、という感じです。 オーディオブックで購入したのですが とても良かったです。 本と違って登場人物一覧がなかったので 備忘も兼ねて、一覧しておきます。 *ネタバレ無しです。 19歳の新兵ティム(ティモシー) 主人公、語り手 冷静沈着なリーダーのエド(エドワード) お調子者のディエゴ 調達の名人ライナス 無口なダンヒル 小柄なスパークと長身のブライアンの衛生兵コンビ 赤毛のオハラ | ||||
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最近第2次大戦モノが少なくなってきて、貴重な1冊だ。 しかもコックさんの目線から描かれていて、へなちょこ戦闘員として大活躍している。 ノルマンディー上陸作戦、マーケット・ガーデン作戦、バルジ作戦・・・ ワクワクしながら、久しぶりに読みふけった。 もう取材することもできないだろうし、どこまでリアルなのか分からないけれど、楽しめる作品であった。 ぜひご一読頂きたい。 | ||||
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各章に謎解きを入れたのは、作者自身なのか? あるいは編集者の提案なのか? ノルマンディー上陸作戦以降の西部戦線に関しては、 ドウス昌代さんの"ブリエアの解放者たち"という凄いノンフィクションがあるんだけど、 (日系アメリカ人兵士の物語です) この"戦場のコックたち"はフィクションとして、よく書けていると思う。登場人物も。 私はこの時代を背景とした映画・(USA)TVドラマ・小説は結構見てきたのですが、よいできと思います。 ただ、何故、謎解きが必要と思ったのか? このために小説の流れが中断してしまう。 途中から謎解きの部分は飛ばして読んでました。 残念です。 | ||||
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読了後に女性が書いたと知ってのけぞりました。同じ経験は何度かありますが、衝撃度で言えば、木内昇以来です。作中に出てくる女性副操縦士なら、「女だからってなめるんじゃないわよ」と言いそうですが、性差で能力差があると考えているわけではありません。第2次大戦中のヨーロッパ戦線や米軍のことをここまで調べて長編をものする人物像として、失礼ながら軍事オタク的男性しか想定していなかったのです。筆名をノワキ・フカ・ミドーリとでもされていたら、おそらく外国人が書いたと信じ込んでいたことでしょう。 すばらしく面白い作品でした。 | ||||
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第二次世界大戦で戦地で兵士の食事を提供する特技兵のティム。見た目からキッドと呼ばれている。戦地にいるコックの視点で語られた戦争の話は新鮮だった。破壊と殺戮の戦地で、兵の命をもたせる食事の担うティム。人を殺すために人を養うという行いが、余計に戦争の愚かさを際立たせる。 さて、この作品では、脇役のエドがいい活躍をする。戦地で不思議な出来事があるのだが、そのものが謎をエドが解くのだ。最初の謎は、仲間野雅敏兵士がパラシュートを集めている謎。余っているパラシュートを渡すとアップルシードルと交換できる。この作品では謎は戦争中でありながら微笑ましいエピソードとして読める。これがだんだん戦争中に相応しい謎となり、幽霊話まで行き着く。だんだんと戦争の狂気を読者に感じさせる仕掛けだ。 全体的には緊迫した戦地での殺し合いを悲惨に語るのではなく、コックという人を生かす役割の人が、人を殺したり、ユダヤ人収容所の痩せ細った人を描写することで、恐ろしいほどの生と死の対比をしている。謎解きは戦地の悲惨ではない日常を描きながら、いつの間にか狂気の世界に導くための小道具のように読めた。生と死を強烈に感じさせる本作品は、さくさくと読めるし楽しいシーンもたくさんある。だけど、そこには死と狂気の世界があることをきちんと主張している。 | ||||
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コック担当の米軍の兵隊を主人公とした、食から戦争をみた物語でしょうか。 少々、謎解きもありますが。 第二次大戦中の、ノルマンディー上陸作戦、オランダでの戦線、 最後には、ユダヤ人強制収容所の解放、、という歴史が、 わりと、細やかに描かれていて、どこから歴史物で、どこからが、 謎解きなのかが、よくわからないくらい。 かなり悲惨な事の連続ですが、 その最中に放り込まれた人は、悲惨とか言っている暇もなく、 生きるのびるために、以外と淡々と日々を生きているのかもしれません。 歴史や、この時代が、嫌いな人は、飽きるでしょうねえ。 エピローグがよかったです。 | ||||
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ふかみどりのわき、と読む。1983年生まれの女流作家である。まだ若い。私には未知の作家だが、タイトル「戦場のコックたち」には記憶がある。16年版「このミステリーがすごい!」で2位、「15年週刊文春ミステリーベスト10」では3位になり、この実績から15年下半期の直木賞候補になったが、選考委員では伊集院静と桐野夏生ぐらいしか推さなかったので落選した。 舞台は第二次世界大戦下のヨーロパ戦線。合衆国陸軍パラシュート歩兵連隊管理部付きコック、ティム(通称・キッド)五等特技兵が本編の主人公である。ノルマンディ降下作戦でいよいよフランスの地に降りたキッドたちは様々な経験をする。5章からなる長編小説だが、5編の連作短編小説ともいえる。 第二次世界大戦下の様相をよく調べており、その意味では労作だと思うが、肝心要なところ、面白いかと云うと心許ない。調査の痕跡をバッサリと切り、対象を特化していかないと、説明過多になり面白さが立ち上がってこない。また「戦場のコックたち」と云うワリには、食べ物や食事のシーンが少なく、有っても平凡極まりないのが致命的だ。 しかし、しかしである。それでも途中で読むのを断念させない魅力というか筆力は持っており、最後半の第5章は読み応えがあり、知らぬ間に小説世界へ入って行った。エピローグも淡々と書かれているが印象深い。トータルで云うと破天荒な面白さはないが、ジンワリと染み渡る余韻を残す。 | ||||
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