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審判
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審判の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.31pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全49件 41~49 3/3ページ
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近畿大学国際人文科学研究所サブテキスト<必読書150>で必読書と して掲げられていたので改めて読んでみました。論理的にストーリーを 追求しようとすると、肝心な説明が欠落していたり、それを主人公が明 らかにしようとしないことにいらだちますが、まあこういう小説もある かな、と思えばそれなりに楽しめます。ノンフィクションやハウツーも のを読み過ぎたなと思ったら、こういう小説の世界に浸ってみるのもい いと思います。 | ||||
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読むたびに凄い、と思う。登場人物の不思議な生々しさや生き生きした感じと、官僚組織的冷たさや拘束感との同居。おかしさ・滑稽さと悲哀・残酷との同居。平凡さと奇妙さとの、日常的なものと普遍的なものとの同立。あらゆる解釈を可能にしながら、しかもこの小説自体は変わらない。一体こんな小説があったものだろうか。 作品の素晴らしさは読めばわかるので、余談をいくつか。 ・しばしば世間的立場から「へなちょこ」扱いされることもあるカフカだが、仕事場ではかなり有能だった(もっとも、本人はうんざりしていたようだが)。また彼は保険協会の年次報告に毎年のように寄稿し、機械の安全な扱い方について説明するなど、労働現場の環境にも目を向けていた。(ドラッカーの『ネクスト・ソサエティ』によれば)工事現場で使われる安全ヘルメットを発明したのもカフカであるという。保険金の査定や労働現場の査察を行うなかで考え出したのだろう。 ・『審判』執筆に挫折しかけていた際、絶望のためか自暴自棄か何か理由はわからないが、カフカは徴兵検査を受けたという(当時は第一次大戦中だった)。合格したが、動員はされなかった。 ・書いたものを出版しようとしなかったカフカだが、『火夫』などについては自分で出版のための努力をした(友人の書いたものを出版しようとするほうがずっと多かったが)。だがほとんどの作品は出すことなく、ひたすら書き続けていた。なぜ出そうとしなかったのかは未だに謎である。 | ||||
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突然役人に捕まって、裁判にかけられてしまうお話。カフカの作品は「不条理小説」というジャンル分けがされることがありますが、何か得体の知れない力による、という点は共通しています。『バトルロワイヤル』などの場合は法律が制定された、とかなんとか変な理屈をこねてしまっていますが、カフカの場合は「この世界の現実はこうだ!」と無理やり小説の世界に引きずり込んでしまいます。結果として読者は小説の世界に入り込んでしまう。なぜ、どうしてという疑問を持たせない物語の展開はすごいと思います。 | ||||
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池内紀の訳したカフカ。意訳が多く、そのぶん読みやすくなっている。それが利点と言えば利点だが、しかしこの全集に限って言えば、問題なのではないだろうか。 このカフカ全集は、マックス・ブロートの手を離れ、綿密な検証作業を経て新たに編集されたものを訳したものである。だからこそ旧版との細部の違いが重要になる(新旧の違いに興味がない人は、既に出版されている旧版をもとにした文庫本を買うだろう)。しかし意訳が多く、池内流な訳され方をされては、どのように新しくなったのかわかりにくい(章の配置の違いについては、その違いについての知識を知ったうえで旧版の文庫本をそれにあわせて読めばすむ)。それでは新版を出す意味があるのだろうか。また「読みやすい訳で出す」ことが大切であるにしても、それは新たに編集された版を訳す際にやるべきことだろうか。訳し手の親切心と個性が、かえってこの全集の価値を下げてしまっているように思えてならない。 | ||||
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なぜか「変身」の方が有名なカフカですが、「審判」はザムザが虫になってしまうといった明らかに夢のような設定はなく、あくまで生活においてのリアリズムに則った作品になっています。(といっても、明らかに現実にはなりそうもありませんが、ナチスの台頭前夜の社会情勢ということを考慮すれば実にありそうなことだと思われます。) 本書と「アメリカ」「城」の三作を含めて孤独三部作ということになっています。本書以外は未完ですので、そういった意味でもまず読んだほうがいいと思います。「アメリカ」「城」のどちらともが、未完に終わった、というより、終わるはずがない小説だった、という印象を自分は持っています。 | ||||
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比較的読みやすい訳文で、内容自体も非常に深く、それ故に興味深いのだが、版元との関係で章立てが当時の執筆時のものとは違っており、「あとがき」の、pp.370~371に書いてある順番で読んだ方が話の流れ上、良いようだ。先に言ってほしかった・・・。 | ||||
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池内紀さんの訳は現代的で、かなり読みやすく内容が頭に入りやすかったために選びました。 意訳も多いだろうから、これまでのものと比べて読むのがいいかとは思います。 カフカの作品は主人公が、とんでもないことに巻き込まれながら、なぜかそれに対してあまり驚かず受け入れようとするところがあると思います。 「変身」では虫になりながら、特に感想もなくすぐ仕事と家族のことを考え、「失踪者」では理不尽にアテもなく追放されながら嘆くこともありません。 「審判」では主人公のヨーゼフ.Kは理由もなく逮捕されます。しかし誰に相談するでもなく、内心の動揺を隠し「こんなこと何でもない、すぐに解決する」と鷹揚に構えています。徐々に焦り、みるからに落ち着きを失いますが、最初は深刻にとらえようとしません。 それが、主人公のおかれた状況以上に、奇妙に感じられます。 作者がわざと「間違った状況にあるのに、抵抗しようとしない人」として書いたのか、そういう訳ではないのか、分かりませんが。 役人や弁護士に対する描写がやけに詳しく、現実的な話でもないのに、リアルに感じられ、揶揄しているように感じられます。 本当にあれば深刻であり怖い話のはずが、思わず笑ってしまうところもありました。 | ||||
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カフカの最高傑作。読めば読むほどその面白さとカフカの類希なる人間と人間社会への洞察力を感じ取ることができる。分量こそ少ないが、プルーストの「失われたときを求めて」とジョイスの「ユリシーズ」と並ぶ20世紀文学の金字塔。しかも、他の2書より遥かに読みやすい。是非、一読を。 | ||||
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いわゆる冤罪の話です。訳もわからず急に家に役人が押しかけて裁判にかけられてしまう。そして最後は・・・。簡単に言ってしまえば、そう言う話です。 今の日本社会においてそんなことは有り得ないと思いたいですが、盗聴法の制定、警察の不祥事、警察による情報開示の妨害、警察の外部監察の不備、政治汚職、などを見ていると、このようなことがいつ起こってもおかしくない世の中になっています。現に1975年12月20日の遠藤事件をはじめ、今まででも確実に存在しました。これからはこのようなことが、さらに増えるのではないか。このようなことを考えさせられました。 | ||||
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