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変身



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変身の評価: 4.07/5点 レビュー 385件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.07pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全385件 341~360 18/20ページ
No.45:
(5pt)

芸術の条件

一次大戦後の社会(主にドイツ)情勢うんぬんは平和な現代じゃ理解し辛いものがあります。なので、もっと早く生まれて大戦後の混沌としていた時期に読んでみたかった。
そんなわけなので、物語の真の意味みたいなものはいまいち判りかねますが、時代性が失われても、その奇抜な設定と、対照的にひどく現実的な文体によって、現下においても多くの人に読まれているのでしょう。
物語の感想てして私見を述べさせて頂くと、まず、作者が毒虫としたからにはやはり毒虫でなければいけなかったのではないかと思います。
とは言えしかし、見方によれば、身勝手な人間に対して、真の意味でのアニマルライトを叫んだ作品とも見てとれますし、家族とは所詮他人なのだと説いた作品にも思えますし、アイデンティティークライシスへの不安を吐露した作品とさえ言えます。つまりそういったいい意味での抽象性が本作品にはあり、読者の数だけ、この本の良さもまさに、「変身」するのでしょう。
これらの様な鑑賞者の自由性を含んでいる事こそが優れた芸術作品の条件なのでしょうね。
変身 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:変身 (新潮文庫)より
4102071016
No.44:
(5pt)

こなれた文体の翻訳で読みやすい

同社からハードカバーで刊行されていた池内紀訳カフカ小説全集を、新書版の白水社uブックスで改訂再刊した1冊である。ハードカバーで読もうと思っていたが、スペースなどの問題もあり、二の足を踏んでいたのだが、新書なら有難い。

池内訳はこなれており、するりと読むことができるので、翻訳嫌いの読者にも受け入れやすいだろう。

いまこの小説を読むとすると、不条理なんて安易な言葉で片づけられない。やはりこれは身体と病気の問題なのだろう。うつ病のケアや脳梗塞発作、認知症患者などの介護問題にあまりにも近すぎる。

カフカのプロフィールに触れた解説も興味深い。原書初版の表紙の書影が掲載されているが、そこには主人公の姿を描かないようにカフカ自身が指定したという。結果として、エドワード・ゴーリーのような不気味な雰囲気になっていたのは面白い。
変身―カフカ・コレクション (白水uブックス)Amazon書評・レビュー:変身―カフカ・コレクション (白水uブックス)より
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No.43:
(4pt)

人は見た目が9割だそうですね

妹のためにお金を貯めておいて、クリスマスに音楽学校への入学をプレゼントをしようとしていたクレーゴルは毒虫になってしまった。なってしまったのならどうしようもない。毒虫として生き、毒虫が食べるものを食べなくちゃいけない。

その妹がバイオリンを披露したときクレーゴルは嬉しくて嬉しくて部屋を飛び出し、妹の足元まで来てしまう。しかし、当然気味悪がられてリンゴか何かを投げつけられてしまう。

グレーゴルは妹想いで親想いで良い人間だったと思う。仕事も不満はあったみたいだけど熱心にやっていた。だけど毒虫なので、皆に嫌がられてしまう。

一所懸命やっているのに認められない人がいる。とても残念だが、それは見た目が良くないのが理由であることもある。よく、「心が綺麗である事が大切だ」とか「見た目だけきれいにしても駄目だ」とか言われる。

しかし、他人は外から来る。すなわち外面がまあまあ良くて、取っ掛かりがあるからそこから内面の交流が始まる。だから朝起きたときに毒虫になってなければ感謝して目覚めよう。そしてきちんと髪を整えて、ちょっとおしゃれしたり、いい香りを付けたりして人生を楽しめるようにしよう。そうしないとせっかく心をきれいにしていても無駄になってしまう。

グレーゴルが息を引き取る場面には彼の心理描写は少ないが、彼は決して恨まなかったと思う。彼の周りの人のことも、彼自身の運命のことも。しかしそこまで彼の心が綺麗だったとしても、毒虫になれば毒虫として一所懸命に生きなくてはならない。それが心が綺麗だということなのだろうな、きっと。
変身 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:変身 (新潮文庫)より
4102071016
No.42:
(5pt)

不条理な設定で書かれたリアルな小説

自意識を残したまま「毒虫」になってしまう男ザムザ。その姿を嫌悪しながらも虫になったことにはなにも疑問をもたない家族達。最初は彼の世話をしつつもだんだん冷たくなる妹。死んでしまったザムザに涙を流しながらも、家族は重い荷物を降ろしたのかのように休暇を取って出掛けてしまう。淡々とした、事務的とも言える文章で書かれたこの物語、何か覚えはないだろうか。私は、長い間認知症を患い最後は寝たきりになって死んだ同居の祖父に対する不謹慎な気持ちを思い出してしまった。

この作品が書かれたのは90年余り前のことである。実存主義文学の先駆をなしたといわれるこの作品が、当時どう読まれていたかはよくわからないのだが、私にとっては“ある朝、目が覚めたら虫になっていた”という不条理な設定で始まる、人間の奥底にある暗い心理を描き出したリアルで重い作品である。今読んでも決して古くない。

ただ、高校生になったばかりの頃初めてこの作品を読んだ私がそうだったのだが、流して読むと単なる気持ちの悪い話にすぎないかもしれない。
変身 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:変身 (新潮文庫)より
4102071016
No.41:
(3pt)

不思議で不明で不透明、だが惹かれる

ある朝、主人公は突然虫になってしまう。

ムカデのような虫らしいが、作品中には馬糞虫と記述が出ているだけで、閉じ込められた部屋の中で主人公が這い回ったり、壁にへばりついたりと家族に疎んじられ、それでも家族は馬糞虫を息子だと感じている。

物語の支柱である(なぜ虫になったのか?)という疑問にはまったく答えず物語は終焉を迎えてしまう。

虫はあくまで虫であり物語を読むという行為ではなく、物語を推測する為の書籍で、答えは読んだ人それぞれにあるだろう。

200ページ未満。さっくり読めます。
変身 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:変身 (新潮文庫)より
4102071016
No.40:
(5pt)

こわいせかいへ。

私目が覚めたら私じゃなくなってて、

「でも私、私なんです。」

そんな私の変身を、

ただの変身として受け入れてくれる人がなかなかいない。

よく考えたらそもそも私なんてたいして変わっていない。

普通に死ぬし。

私にとって私はかけがえのない私だったけれど、

家族とか社会とか世界とか地球とか宇宙にとっては、

穴埋めのきく私なんだよなぁ。

困ったな。

でもとりあえず生きとこう。

そんなことが言いたいのかなぁと思いました。

でも、カフカのいいところは、

小説書いてるうちに自分にもよくわかってないことが出てきてしまうことに対する困惑も書けてしまうことかな。

私はそんな気がします。

読みたくない人は一生読まなくていいけど、

私は星を五つつけてしまいます。

(そもそも本なんて読みたい人だけ読めばいい。)
変身 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:変身 (新潮文庫)より
4102071016
No.39:
(4pt)

新しい未来への出発

この作品を呼んで、ある日突然主人公が奇怪な毒虫となり、父親、さらには妹のグレーテにまで邪魔者扱いされ、最後は父親の投げた数発の林檎が原因で死んでしまう場面が描かれており、一種の疎外感のようなものが描かれていたが、家族がグレーゴルが死んでしまった後に、移り住む事を決意し、以前はグレーゴルが探してきた家に住んできたが、今回は自分達自身でよりよい住家を見つけようとした場面から、自分達自身で明るい未来を切り開いていこうとする姿が描かれていた。さらにここでは、切り捨てようとしていた過去は、自分達の過去の生活だけではなく、グレーゴル、及び彼と暮らしていた生活でもあったことが伺えると思う。
変身 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:変身 (新潮文庫)より
4102071016
No.38:
(5pt)

毒虫って何だろう?

毒虫がなにかって言うことを考えるだけで、この本が身近に感じると思う。たとえば、毒虫を、交通事故にあって半身不随になったということに置き換えてみたら?脳溢血で倒れて半身不随になって寝たきりになったとしたら?見た目は変わらないけれども、突然リストラされて無職になってしまったとしたら?等々。自意識は昨日までの自分と地続きで同じだし、自分の周りの人との関係も見た目の変化ほどにはあまり変わらないのだが、しかし、不幸な出来事は必ず、自分と関係のあるごく身近な人に影響をあたえ、長引くと、時には、酷薄ともいえるような感情さえ引き起こす・・・(死んでほっとしたりとか)。なんというか、だれの心にもある「痛い」ところを突いてきて、「かなしく、苦しい」話である。だから毒虫を毒虫としてしか読めないと、へたなSFみたいで、何を言っているんだかわからないとおもうが・・・。
変身 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:変身 (新潮文庫)より
4102071016
No.37:
(4pt)

ナンテコトダ・・・

朝起きたら虫になっていたザムザ。そのことにザムザを含む登場人物たちは、誰一人として疑問を持たない。彼の家族は働き手がいなくなってしまったことに悩み、それを解決しようとは思うが誰もザムザを人間に戻そうとは考えない。結局、物語の中でその理由に関する説明はない。
 不思議な話だった・・・
変身 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:変身 (新潮文庫)より
4102071016
No.36:
(1pt)

歴史に残る超有名作

のはずですが、リーダビリティがとてつもなく低く、字面を追っているだけではキャラが何をやっているのか全くわからず置いてけぼり。あらすぎとか、背景とかはなんとなくわかるのだが、読めません。ごめんなさいごめんなさい。自分にごめんなさい。
変身 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:変身 (新潮文庫)より
4102071016
No.35:
(4pt)

家族のへんしん

カフカにとって、主人公グレーゴルが、巨大な虫になったことはどうでもよかったと思われる。
むしろ、その周り、(家族)の変化(変身)していくことのほうが、重要だったのかもしれない。
虫になったグレーゴルを、家族は、なぜ見捨てたのか?ということよりも、グレーゴルに依存していた家族が、心身ともに自立していく物語と、とえた方がよさそうである。     
彼(グレーゴル)が、犠牲になることで、悲しいが家族は自由になっていく。そんな考えが浮かんできた。
家族の変身こそ、『変身』の隠されたテーマである。
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4102071016
No.34:
(5pt)

忘れないで 愛されていたこと・・・

或る日突然自分が「毒虫」に変身していたら、どうしますか?
 それでも会社に行こうとしますか?
 逆に、大切な家族や愛する人が「毒虫」になっても、それまで通り愛せることができますか?
 凄く深く考えさせられた1冊です。
 正直始めは「面白いストーリーだな」と思って見ていました。
だって、「毒虫」になるなんて普通は考えられない。ましてや「文学作品」において、何の前ぶれもなくいくなんて。
 そして、主人公グレーゴルは毒虫に変身してしまっても会社へいこうとする
 普通「先ず、どうやって人間に戻れるようになるのだろう?」と考えないのか?と思ってしまうだろう。
 そんな部分が「面白いな」と感じた。
 しかし、段々とシビアな世界へと入っていく。
 家族が愛してくれないのだ。
 人間だった頃のグレーゴルは大黒柱であり、愛されつづけてきたのだと思う。しかし、「毒虫」に変った時から一転した。
 彼を産んだ母親さえも彼を避けてしまう。
 随分なお話である。
 働かせるだけ働かせておいて虫になったら用なしというわけか?
 しかし、家族の気持ちもわかる気がする。
 いくら中身は変らなくても、見た目が変りすぎている。
 でも「人は見た目より中身」というのは「嘘」である。ということも伺える。
 シビアな性格であったといわれているカフカならではである。
 しかし、どんなに御託を並べても「人間は中身より見た目」なのだ。
 それは学んだこと。
 自分の不可抗力によって生じてしまってもこれは避けられないことである。
 でも「グレーゴルは最期はやっぱり愛されていたこと」を忘れないで欲しいと願った。
 グレーゴルが生きていて彼が見た最期の家族の姿は「彼を完全に避けている」ということ。それを抱いたまま死んでしまった。
 しかし翌朝家族は亡骸を見て泣いたことをグレーゴルは知っていて欲しい。
 「やっぱり愛されていた事を忘れないで欲しい」と・・・
変身 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:変身 (新潮文庫)より
4102071016
No.33:
(5pt)

それでも愛されていた

「人間は中身だ」って言うのは嘘だってこともこの中では描かれている。
 子供を産んだ母親でさえも、子供を愛せなくなってしまった。
 ただ姿が変ってしまっただけで
 最後のヴァイオリンの音色はグレーゴルにどう響いたのか?
 そして厄介もの扱いされて全てを絶望した時どう思ったのか?
 グレーゴルの見た最後の家族の姿は「厄介もの扱い」されたこと。
 その光景を抱きながら「最期」を迎えた。
 だけど、亡骸を見たときに家族が涙を流した事は、「やっぱり愛されていた事」それは彼に届いたのか。是非彼に届いて欲しい。
 そして、「虫」という比喩は「誰にでも当てはめる事が出来る」
 自分がいかに無力である存在かを、自分がいかに甘えていた事を、自分がいかに贅沢を願っていた事を改めて戒められる作品。
変身 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:変身 (新潮文庫)より
4102071016
No.32:
(4pt)

怖いですね

カフカの審判を読んで、訳が悪かったのか読みにくい…と思った。なので
最初は抵抗があったが、すらっと最後まで読めましたね。短編なので時間は
かかりませんし。
 内容ですが、朝起きたら虫になってた。怖いのはそこではなく家族の反応
です。読んでいたら、どこかで、静かに、ぞっとしてくるのです。後半に行
くにしたがってそれは酷くなる。本文を読み終わって解説に移ると、その怖
が増す。
 カフカはどこか掴みどころのない、この恐怖感がいい。
 星は四つ。かな。
変身 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:変身 (新潮文庫)より
4102071016
No.31:
(5pt)

誰しもが

ある朝突然、気付いたら虫になるものだと思った。
鏡に映る姿が例え人間であっても、
周囲の人に対して自分が「虫」になるし、
自分自身に対して自分が「虫」にもなるのだと。
グレーゴルが何故「虫」にならなければいけなかったのか
そして私たちが何故「虫」になっていないのか
(私は「なっていない事に気付いていない」と言いたいが)
その事を考えると、自分は今「虫」なのかどうかを自問したくなる。
因みに、この小説は比喩こそ奇抜だが、
私の解釈からすれば「不条理」な話ではないと思う。
変身 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:変身 (新潮文庫)より
4102071016
No.30:
(4pt)

悲しくて 恐ろしい

家族はなぜ「虫」になったグレーゴルを嫌ったのか。
「虫」だからではないような気がする。
もう働くことができないから。お金を稼ぐことができないから。
大黒柱でないから。醜い姿だから。
多くの人は、『本当の自分』と『建前の中での自分』を持っている。
そして、対象に、『建前を崩し、「対象にとっての自分」としての姿』を裏切ったとき、もはやその人物は対象にとって、『その人物』ではなくなり、まったく別の対象になるのではないだろうか。
「変身」して「もうひとつの自分」となってしまったグレーゴルは、
もはや家族にとって兄ではなく、忌むべき存在だったということであろう。
変身 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:変身 (新潮文庫)より
4102071016
No.29:
(5pt)

下から読んでもカフカ・・・・

不条理文学の頂点です。
おきたら、まあ、蜘蛛になっちゃった!
って、ありえな~~~い・・・
なんていってないで、一読してみてください。
現実離れした設定ですが、
 
実に、核心的にこの世の不条理を描写しています。
傑作!!!
変身 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:変身 (新潮文庫)より
4102071016
No.28:
(5pt)

面白すぎる!!

滑稽な描写に笑える。
 虫になった主人公に悲愴感が感じられない。
人間の自由、人間の利己主義、そして家族のきずなについて考えさせられる物語だ。
読んでいる時には虫の姿は、足の数がやたら多い巨大なゴキブリをイメージした。
変身 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:変身 (新潮文庫)より
4102071016
No.27:
(5pt)

ある日突然蟲になる現実

何の変哲もない普通の男がある日突然蟲になる
蟲になるという状況は、それこそ奇怪で異常な通常では考えられない状況だが
何の因果か、その状況がある日突然ザムザの身に起こった。
この話はただそれだけの話です。
しかしこれはフィクションであってフィクションではない
自分たちの知らないところで知らない間にある日突然蟲にされてしまうというどうにもならない現実が世の中にはある。
変身 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:変身 (新潮文庫)より
4102071016
No.26:
(5pt)

何がよかったのかって言われるとわからない。

一気に読みきることが出来たし、読後感も悪くはなかったし、その後の考察も、考えてるだけで面白かった。だけど、この小説の何がよかったのか、と訊かれると正直答えることが出来ない。きっとそのへんがカフカのすごいところなのだろう。
変身 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:変身 (新潮文庫)より
4102071016

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