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球形の荒野
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【この小説が収録されている参考書籍】
球形の荒野の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.44pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全28件 1~20 1/2ページ
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自分も好きな西ノ京辺りの情景、あっという間に小説の世界に引き込まれました。 終戦後まだ15年、作品が書かれた当時は令和の今からでは想像できないくらいリアリティを感じたのではないかと想像します。 紆余曲折の末、観音崎で巡り会った親子の”七つの子”には感動しました。 ただ、再婚しているとはいえ妻孝子への愛情が娘程には感じられなかったのが残念です。昭和という時代背景もあるのでしょうか。 | ||||
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この作品は未読のまま、偶然に映画館で見てイマイチ消化不良でした。 ...で上・下巻とも読了しました、スケジュールの都合で 1ヶ月ほど要しましたが、あの清張作品のミステリー感をやっと取り戻せました(笑) 清張作品のいいのは、この作品もそうですが一気に読めなくて間が空いてもストーリー展開や人物像が取り戻せることですね。私のように人物名の記憶が不得意なものには、前に戻らなくても安心して続けられます。 この作品は長編ですのでやや冗長な部分があるかなあ? と思いました。古都、京都や奈良の歴史資料、情景描写などで間伸びしてます。それと、奥様、ご兄妹、など上流社会? の言葉遣い「 ...ございますのよ」「 ...いらしてくださいな」やりとりがかなり多くて、めんどくさい(笑) 欲をいえば、終戦前後の中立国に滞在してた外交関係者の秘密にもっともっと深入りしたミステリー展開だったら最高ですね。 以上、あれこれ考慮して星は4個とします。 | ||||
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あまりにも面白くって一気に読み終えました。 素晴らしい作品です。 | ||||
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戦争中、中立国で客死した父の筆跡が、偶然、古寺の芳名帳で見つかった。そこから始まる「もしや生きている?」との、娘久美子の疑念。打ち明けられた恋人の新聞記者の前には次々と不審な事実が。 | ||||
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“国体の護持”のため徹底抗戦を叫ぶ軍部の陰で、国民の命と国土を守るため、一人の外交官が極秘裏に停戦交渉を進めていた。軍部との確執のなか、なぜ久美子の父は姿を消したのか。そこには一体何が。 | ||||
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素晴らしい小説だ。 小説を読んだと言うより、物語の中を生きたという実感さえ起こさせる。 疵暇はある(例えば画家の件は納得しがたい)が、全体として気にならない。 深く、切なく、美しい。 この作品だけでも、並の作家なら生涯を代表する渾身の一作たり得るが、解説にもあるように清張は1960年、「日本の黒い霧」「わるいやつら」「砂の器」なども雑誌に連載しているのだ。 人間業とは到底思えない。 | ||||
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テレビドラマを見て読みましたが、これを上回る内容でした。 ストーリーは日本敗戦から16年経った奈良の唐招提寺と安居院での、とある属人的な痕跡との遭遇から幕を開ける。その後、舞台は日本各地へと移動する。 情景描写も、場面毎において葛藤する心理描写もなかなか良かったです。 松本清張作品に時々あるようなドロドロさはない。引き込まれながらも、ほんわかした雰囲気で包み込まれるようにラストへ進む。 第二次世界大戦末期、中立国であるスイスの日本公使館の駐在武官がからんだ、当時スイスにいた後にCIA長官となるアレン・ダレスとの接触と終戦工作という実話が、本作品の基になっているように思う。 解説の方で半藤利一氏が、本作は「繰り返し読むほど愛読している」と書いた理由が分かるような気がしました。 | ||||
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ありがとうございました | ||||
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ありがとうございました。 | ||||
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風景のシーンや、食事のシーンが、細かく書かれていて、昭和の風俗が見えて楽しいです。会話がとてもうまく表現されているので、登場人物の地位が現れて、誰が誰だかわかり易い。ハラハラドキドキ推理というより、あの頃は大変だったんだなあ。みたいな感じで読み進めていくと、下巻では最後に思いもかけず号泣しました。 | ||||
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清張の推理長編は、テーマやモティーフ、プロットをあれもこれもと一作の中に詰め込み過ぎ、それらがまた十分整理されないままに不完全燃焼や尻切れトンボを残して終わるものが多々の感が評者にはあって、加えて事件解決の糸口が「たまたま見つけた」「たまたま知っていた」とずいぶんご都合主義の目立つのもよく指摘されるところ。正直、評者の読んだ範囲で決定的な傑作・成功作と云えるものはむしろ少数で、さらにはユーモアやウィットの極端なほどの欠如も、作家の資質の問題で如何ともしがたいとは云え、わずかにファン層を薄くしている部分があるのでは。未完の上やはり体調の衰えか推敲不足の故か、アイデアやイメージの豊かさとは別にひときわ洗練またはまとまりに欠ける絶筆『神々の乱心』が、その散漫さが却って事件の得体の知れなさ・不気味さを生々しく喚起して(ボルヘス『アル・ムターシムを求めて』―の表題作―を実際に読んでみたら、あんな感じなんじゃないだろうか?)、意外なほど面白く読めたりするのも皮肉ではある。 本作も、そもそもの発端が「芳名帳に残された筆跡が〇〇〇〇のそれと似ていた」と云うだけではいかにも説得力不足。最初の被害者とその犯人との戦後の関わり合いも詳細不明のまま(被害者はなぜ相手の現在を知っていたのか?等々)で、終わり近くになって姿を現す某・地下組織もいささか唐突感は免れず、何より第二の殺人の真相が××××と云うのにはかなりガッカリ。一足先に真相を知った叔父の大学教授がその後どう振る舞っていくかも、気を持たせたまま曖昧に終わってやや不満が残る。 そんな若干の欠点ないし不満を補って、本作を(おそらく)清張長編の最高傑作とさせたのは、殆ど脇道に逸れず一直線に進む勢いのある展開と、清張にしては珍しく家族愛や友情をカナメに置いたウェットな哀愁と情感。終盤、矢継ぎ早に訪れるクライマックスの数々―博多区東公園での対話や夜の世田谷郊外は乗用車内での◇◇◇◇、白昼の観音崎での邂逅―はスリルとサスペンスと感動で息もつかせない。東公園で語り合う二人を背後から見守るのが、元寇に際して「身を以て国難に代わらむ」と神々に祈願した亀山上皇像と云うのが象徴的。まさに一身に代えて守ろうとした祖国の無事を確かめる旅と思しき影の主人公の寺社巡りも、国家&時代と個人の悲劇的な相克を偲ばせて感銘が深い。これまた清張には珍しい、物語にゼニカネが全く絡まない・欲得ずくの人間が一人も出てこないところも本作の不思議なさわやかさの所以。初読時は身辺雑多の折りだったにもかかわらず、二日で一気に読み切ってしまった。 それにしても、登場人物の一人である元・陸軍中佐「伊東忠介」。この名前ってやはりシベリア帰りのあの元・関東軍参謀にアテつけたもの、なんだろうか? | ||||
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清張らしい人物描写がとても良かったです。 | ||||
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古都や登場人物の描写共に品があり、例えば「眼の壁」や「けものみち」のようなどろどろしたストーリーとは異なる、でもスリリングな物語の展開でした。最後は叙情的になりすぎたきらいはありますが、この様な時代環境もあったのかと、感じ入る佳作でした。 | ||||
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戦後16年経った時代を描く長編。映画化、TVドラマ化が繰り返されてきた。 敗戦間近な緊迫した時期に発生した事件の種が、16年の間生き続けて殺人事件を引き起こしてゆく。 男たちの地球規模の葛藤と並行して、父と娘の絆が哀切に描かれてゆく。背景に京都の寺々が配されて情感を高める。 松本清張の脂の乗り切った時代の作品だ。 今現在読むと、通信手段など時代を感じさせる一方、今だからこそ見えてくる部分に気づく。 文中のセリフにある通り、タイトルの球形とは地球であり、荒野と化した地球を意味するのだが、今、東日本大震災と、福島原発事故を経てきた時点で読むと、なんとも新しい手触りを「球形の荒野」に感じる。 今が、まさに球形の荒野じゃないか、の思いが生まれた。 さらに、16年という長い年月の間、憎悪、怒り、疑惑、怨念を抱き続け、16年間を足踏みしてきた男たちの思いを、現在から改めて見ることができる。人の傷は、16年ぽっちでは癒されないということ。 また、国の作った書類によって生身の父と娘が引き裂かれたままに終わる姿を、生々しく感じないわけにいかない。 ストーリーを追う物語を楽しんだ後に、今現在に生きている問題とつき合わせて考えることができる、言い換えれば、生きている作品。 | ||||
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『霧の旗』『ゼロの焦点』『砂の器』などに比べれば、無理のない筋立てといえる。 ただ、右翼の描写に不満が残る。 京谷秀夫の『一九六一年冬「風流夢譚」事件』に描き出された、右翼の静かな恐ろしさ、スゴミみたいなものを、もう少し出してほしかった。 | ||||
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戦後16年経った時代を描く長編。映画化、TVドラマ化が繰り返されてきた。 敗戦間近な緊迫した時期に発生した事件の種が、16年の間生き続けて殺人事件を引き起こしてゆく。 男たちの地球規模の葛藤と並行して、父と娘の絆が哀切に描かれてゆく。背景に京都の寺々が配されて情感を高める。 松本清張の脂の乗り切った時代の作品だ。 今現在読むと、通信手段など時代を感じさせる一方、今だからこそ見えてくる部分に気づく。 文中のセリフにある通り、タイトルの球形とは地球であり、荒野と化した地球を意味するのだが、今、東日本大震災と、福島原発事故を経てきた時点で読むと、なんとも新しい手触りを「球形の荒野」に感じる。 今が、まさに球形の荒野じゃないか、の思いが生まれた。 さらに、16年という長い年月の間、憎悪、怒り、疑惑、怨念を抱き続け、16年間を足踏みしてきた男たちの思いを、現在から改めて見ることができる。人の傷は、16年ぽっちでは癒されないということ。 また、国の作った書類によって生身の父と娘が引き裂かれたままに終わる姿を、生々しく感じないわけにいかない。 ストーリーを追う物語を楽しんだ後に、今現在に生きている問題とつき合わせて考えることができる、言い換えれば、生きている作品。 | ||||
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不朽の名作だ。読者の興味を損ねさせない精巧な筆致に誘われ、気づいたら読了していた。親子愛と国際政治情勢という異色の組み合わせが面白く、リアリティを感じた。おかげで、久美子がどうなるか思わず心配してしまう柔らかな気持ちと戦後の日本外交の是非について考えたくなる硬い気持ちを同時に味わえた。 | ||||
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これだけ壮大なプロットなのに破綻なくストーリーが展開されていて、大満足のうちに読了した。最後まで硬派なミステリーだが、親子が再会するシーンで終わる。この点には含蓄と哀愁を感じた。父はついに愛娘に正体を明かさなかったけれど、2人の間には確かに温かな気持ちが通い合っていたと思う。 こんなに面白くて問題提起力もある小説を書ける小説家は唯一無二だ。感動した!! | ||||
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大分昔の小説ですが、ページが止まらなかった。小説クオリティがかなり高くやはり名作。半藤一利のあとがきも秀逸。 | ||||
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10年前に読んで、改めてじっくり再読したが、やはり面白く物語が重厚で充実感がある。清張を読みかえす、必要が有りそうだ。 | ||||
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