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球形の荒野



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球形の荒野の評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

松本清張のロマン派作品

およそ半世紀も前の作品だけに評価がむずかしいが、松本清張のロマンチックな一面がよく現れたロマンチックミステリーの傑作といえる。
ストーリーの中心は、第二次世界大戦末期に欧州の病院で死亡したとされる外交官が生きているのではないか、日本に帰ってきているのではないかという謎を、当の外交官の娘の恋人である新聞記者が追求して行く話。そこに、真相判明を阻止しようとする謎の人物や組織が現れて、殺人や発砲事件にまで発展して行く・・・。この謎解きミステリーだけでも十分に面白いのだが、話のテーマとしてはむしろ、親子、家族の情愛の方に力点が置かれているように思われた。作品全体を通して、しみじみとした風景描写、日常生活への優しい視点が印象的で、ごりごりの社会派という松本清張のイメージを変えさせるような読後感を持った。
テーマ、ストーリーについては、現在の日本のミステリーのレベルから見るとやや物足りなさを感じるが、これはフェアな評価とは言えない。発表当時(1960〜61年)には、かなりのインパクトを与えただろう思われる。

iisan
927253Y1

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