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私が殺した少女
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私が殺した少女の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.88pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全80件 1~20 1/4ページ
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沢崎よかですねえ。いまわ澤崎に変わっちゃいましたがそんなことまあよろし。 もう新作読めないのが全く残念。 | ||||
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文庫版に併録されている「あとがきに代えて―敗者の文学」は、沢崎に原尞の身元調査をさせるというシャレた趣向の短文で、この作家のエスキースがかなりの精度で描かれていると思われる。高齢の依頼人に促されて沢崎は原尞についての調査結果を逐一報告していくのだが、そこには、<いや>と否定で受け続けたり、<一体どっちが本当なのかね?>という問いにも<さあ、よくわからないが、おそらくどちらも本当ではないかと思いますね>などと答える始末。3人に訊いた証言もAの言ったことをBが打ち消し、Bが言ったことをCが打ち消すという風にシッポをみせない男として表される。あるいは、興味の推移にしても<それが、そうでもない>で受けることによって、原尞の生き方そのものが誰もが共感を得るようなものではないことが強調される。 そして、この態度こそが彼の書くものそのものでもあるのだ。今回の事件への介入も<まるで拾った宝くじが当たったように不運な一日>として始まる。それほど滅多に遭遇することのない事件であり、二度と遭遇したくない事件であった。誘拐事件である本件に、なぜか身代金を運ぶ任務を指名され、さんざんあちこちに駆けずり廻されたあげく、アタマを殴打され、身代金は盗まれ、オマケに犯人からは連絡を遮断されてしまう。さらにあろうことか探偵の沢崎が共謀者にさえ追いつめられてしまうのだ。最初の8章はこれだけで吹っ飛んでしまう。 「真壁清香(さやか)」この12歳の天才ヴァイオリニスト。―しかし、一面識もないこの少女を殺したのは、むろん沢崎ではない。しかし、その死の周辺で蠢いていた一人であることは紛れもない。“犬の糞は飼い主が始末して下さい”という看板を見て、彼の愛車ブルーバードを、<犬の糞に間違えられたとしても>おかしくないが<掃き捨てられることはないだろう>だとか、Tシャツのマイケル・ジャクソンの顔が<整形手術の甲斐もなく醜く歪んだ>とか、ニュー・ファミリーふうのマスターが経営する<名前のない喫茶店>の<BGMはもちろんニューミュージック>などと揶揄しているうちは、―沢崎がタバコの<フィルターをちぎり取って火をつけ>るのを見た若者が<不思議な儀式でも見物するような眼つきで見ている>のを、<問題があれば、必ず模範解答がついていると思っている><世代>だとか批評しているうちは―もしくは、錦織警部の<カミナリという表現では上品すぎる悪態を三十秒間黙って聞い>ているうちはまだよかった。 一旦解決したかに見えた事件は、さらに新たな皮をむかれるようにして次々と異なる局面を見せて変転してゆく。それは、まるで誘拐事件そのものが身代金とは別の目的をまとっているようにさえ感じられる奇妙にねじれた事件だったのだ。ただ一人真っ先に事件の真相にたどりついた探偵は、容疑者が胸を張ってのたまう“家族愛”とやらに苦言を呈す。<人間のすることはすべて間違っていると考えるほうがいい。すべて間違っているが、せめて恕される間違いを選ぼうとする努力はあっていい>。ここに、この事件に対する探偵の―そして作者のいささか苦い所見がある。 今回、沢崎の元パートナー―かつて池辺良に肖ていたらしい渡辺がチラリと登場する。それも一分一秒を争う可及的な場面で。ほんの瞬間的に。これが効いている。この一瞬のフラッシュバックが沢崎にインスピレーションを与えたのかも知れないからだ。けっしてスッキリした後味をあたえる爽やかな読み物などではないが、せめてこういう探偵が生息していてくれたなら少しは息がつけるのにな、とは思わせてもらえるかもしれない。それは、言うも野暮だが、バックのないたった一匹のしがない探偵風情だからこそのリアリティであり、それ以上でも以下でもない。 | ||||
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綺麗に包装され、本自体も綺麗で読み切りました。楽しんで読みました。 | ||||
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今年の5月4日に原尞氏が76歳で亡くなったという記事を偶々見て、以前から気にかかっていたこの作品を読んでみようと思い立ちました。 自分は、この小説はサスペンスだろうと思って読んだので、最後のセクションの所で真相が明かされて、なんだこれは、とガッカリしました。 沢崎が勝手に妄想したことが真実だったなんて、読者を裏切るものじゃないですか? 妄想じゃない? ならば、それを証拠立てる描写がこの小説のどこにあるのですか? 文章は細かくて良いと思いますから、直木賞には反対しませんけれど。 | ||||
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この2週間、ハードボイルド小説を立て続けに3冊読みました。 本家チャンドラー「ロング・グッドバイ」、それに日本のチャンドラーと言われている 原尞の「私が殺した少女」と「愚か者死すべし」です。 3冊とも文章が簡潔で大変読みやすかった。 個人的には「私が殺した少女」が一番面白かった。 その中の一件を紹介しましょう。 『私はパッケージを破ってタバコを一本抜き取ると、 フィルターをちぎり取って火をつけた。 二人は、それを不思議な儀式でも見物するかのよう目つきで見ていた。』 これら小説はこのタバコを吸ったときのように、すうーと一気に文章が入ってくる。 フィルターやパイプをつけて吸った時のように屈折して喉に入ってこない。 ハードボイルドとは堅く茹でた卵のこと、でも続けざまに3冊も読むと 私の頭の中は、「スクランブル・エッグ」になりそうです。 彼は作品のほとんどを一人称で書いている。 これは素晴らしい事だと思います。 そんな彼が逝きました。 とても悲しいことです。 | ||||
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★★★★★ | ||||
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とても綺麗 | ||||
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一読、推敲を執拗に重ねた作品なのだということがよくわかる。彫琢された文章であるとも感じられる。だが、推敲に推敲を重ねた文章や物語が、漏れなく良いものになるかと問えば、必ずしもそうであるとは限らない。 推敲とは自分の書いた作品に入り込み、またそこから抜け出し、距離を置く。いわば、その主観と客観の反復である。 それはある種の逡巡、躊躇い、思考の彷徨いであるとも言える。 もちろん推敲は必要なことではあると思うが、必要以上にその作業に固執すると、返って、文章の自然な流れを損ない、物語の勢いを削いでしまう結果にもなりかねない。 本作を読んでいる最中、私はそれをたびたび感じた。 例えば、物語の本筋とは関係のない、文章。 「…藤色の絨毯が敷いてあった。その真ん中の冬はコタツに変わるワイン色の家具調のテーブルを挟んで、嘉村千秋と大迫警部が座っていた。」 一見、可もなく不可もなしの文章であるが、どこか気持ちが悪く、意味がすんなりと頭に入ってこない。読者は、「その真ん中の」で、一瞬、意識を止める。 その修飾語はどの言葉に対してであろう?と。それに続く言葉は「冬は」である。真ん中の冬は、ではおかしいのでさらに目を移すと「コタツ」という名詞があり、真ん中のコタツか、と腑に落ちる。だかそこで終わらず、「に変わるワイン色の家具調のテーブル」と続く、修飾語が多い。目的語までの距離も無駄に遠い、目的語はどれだ?と、迷子になった感覚を抱く。読み手はこのたいして長くもなく、意味もない文章に行ったり来たりすることを一瞬強要される。 推敲する作者は、文章を行ったり来たりして読むことが前提としてあるので、結果、図らずも読書にそれを強いることになっている、いわゆる「悪文」に対してやや鈍感になってしまう。 それが推敲の罠、落とし穴であるといえよう。 | ||||
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ハードボイルドの傑作と聞いて読みました。 ストーリー自体は面白かったと思います。 主人公の私立探偵沢崎が格好いいという評価があるようですが、私はそうは感じませんでした。 ハードボイルドによくある、やくざに対してデカい態度をとるシーンがあるんですが、なぜデカい態度をとれるのかの根拠がないんですよね。 警察官なら、国家権力が根拠だし、ジェームズ・ボンドとかなら、格闘の腕や銃の腕などが根拠だと思いますが、この私立探偵は国家権力も格闘の腕も銃もないようで、それだと本来はやくざに痛めつけられて終わりです。 なのに、なぜかやくざも沢崎には頭が上がらず、いうことを聞くというのは、ご都合主義と言わざるを得ません。 もう一つ気になったのは、最後の犯人に行きつくのに十分な情報が読者に提示されていない点ですね。ミステリーとしては、不十分な気がします。たしかに意外な犯人なのですが、「ふーん」で終わりです。 | ||||
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和製チャンドラー、といわれるのは文章のムード作りが巧いからでしょう。ちょっと踏み外すと、気障で陳腐な世界になってしまうので、慎重に言葉を選んでいます。著者は、物語の結末より、そこに至る文章に重きを置いているのが、後年の作品でより分かります。文章を味わいましょう。最後に、私立探偵を主人公にして成功した日本の小説は稀有で、その意味でも貴重な作品です。 | ||||
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こういうのは久々に読みました。あまりカッコよくないのが良いですね。 | ||||
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誘拐ものは数多あり本格系の込み入ったものから、シンプルなものまで様々。 今作はほどほど込み入り方はほどほど。法月綸太郎の小説のように後からストーリーの説明に困るほど複雑な話ではないが、意外性もあり楽しく読めた。 ハードボイルド作家なので当然、探偵はヤクザや警察官に毅然としていて、というか終始喧嘩腰でかっつけるんだけど、こういうハードボイルドのノリって要するに『なろう系』の主人公みたいな無敵感を感じて白ける人もいるだろうな、という印象。正直こういうのを現代では中二と呼ぶのでは、と思う。 それ言い出すとチャンドラーからしてあれなんだけどね。 | ||||
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原さんの本を何冊か読んでいたのですが、これを読んで大ファンになりました。 | ||||
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やっぱりハードボイルドなんだろな。ミステリーとしては、十二分に推理の手掛かりが与えられているわけではないからだ。解決に至るまでの主人公の探偵沢崎がどう行動し、どう会話するかというところにこの小説の面白さが凝縮されている。会話の妙、文章の比喩の面白さ、話の展開の意外さなどがいいのだ。少女が殺されることや終局の後味の悪さがちょっとなあというところもある。それにしても、作者はヤクザの橋爪が好きなんだな。本筋と関係あろうがなかろうが、どうしても登場させたいんだね。 | ||||
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ニヒルなセリフ、ブレない心、 厄介で、面倒くさくて、誠実な男沢崎。 待ちに待った14年ぶりの新刊、それからの明日を読んだら、全作再読したくなり、新装の文庫を購入。 沢崎シリーズの魅力は、絶妙なバランスだと思う。悪態をついていても、信頼あっている錦織との関係、橋爪や相良との間にも、言葉にならない絶妙なきずな感がある。 ストーリーそのものも、圧倒的に面白い。 叶わないとは思うけど、もっと書いて欲しい。 | ||||
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とにかく長い。文章が台本のように細かい描写で、ダラダラしている。犯人が分かってからも長い。 どんでん返しの結末を期待していたというよりも、早く読み終える事を楽しみにしていたぐらい。というかどんでん返しでも無かった。 せっかくお金出して買ったので、もったいないので最後まで読んだが、苦痛にすら感じた。 | ||||
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探偵沢崎シリーズ第二弾。80年代の東京が舞台。くたびれた日常と飽くなき真実への追求のコントラスト、そこに絡む人間の悲しさに引き込まれる。 | ||||
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ハードボイルド探偵小説。 今回もハードボイルド。とあるを誘拐事件を巡る話。前作、そして夜は蘇るからの続編だが、続きの要素は少なめ。 最後のどんでん返しが、そうなのそこなの、どこに伏線あったのって感じだったけど、それ以外は、安定のクオリティー。 今回も満足できた。 | ||||
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新装版になってさらに100円ほどアップしましたね。 中身を見たら旧版とページ数が変わらない。 何なんでしょうね、新装版と称して値上げしていくこの出版社たちは。 (もともと早川文庫は高い!) これで「売れない」と嘆いてもしょうがないでしょう。 | ||||
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直木賞作品らしい、重厚さのある、サスペンスハードボイルド、最後のドンテン返しに驚く。 | ||||
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