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(短編集)
初恋温泉
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初恋温泉の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.64pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全36件 1~20 1/2ページ
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〇 温泉旅館を舞台に、そこに泊まる男女を描いた短篇が5編。温泉旅館の紹介文としては申し分ないくらいそれぞれの宿の様子や良さは書き込まれている。 〇 問題はそこで展開される男と女の物語だ。各篇ごとに一応は「なるほどね」と思うようなテーマが仕込まれている。たとえば、業務成績が自己目的化すると人を苦しめる、事業が成功しただけでは妻は幸せになれない、不倫をすると配偶者をいっそう意識せざるを得ない・・・などなど。 〇 ただし、わたしが間違っていれば謝るしかないのだが、作者はこうしたテーマを書きたくて小説を書いたわけではなく、小説を書かなくてはならないからその風味付けとしてこれらのテーマを考え出したと思えてならない。文章も限られた時間で書き流したように型にはまったありきたりの表現ばかり。ハッとするような鮮烈な言葉は、残念ながら見当たらない。つまり、この作品集は吉田修一が思いと力を込めて書いた本ではない。 〇 負担にならない軽い読み物を読みたいとき、たとえば空港で待つ時間や車中の時間をつぶしたいときなどには良いと思う。温泉に行く途中の列車の中ならさらに良いかもしれない。それでも最後の高校生カップルの話だけは勘弁してもらいたい。 | ||||
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短編集なので気楽に読める。 高校生のカップルが温泉旅行に行く話が良かった。 | ||||
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それぞれの物語が、過去の自分の思いと重なるところがあり、或る意味懐かしさすらおぼえる。 | ||||
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温泉に泊まる5組の男女の恋愛小説集。 突然妻に別れ話を切り出され、とまどう夫。雪の一軒宿の謎めいたカップル。初めて恋人と温泉旅館に泊まる高校生。熱海・青荷・黒川ほか、日常を少し離れた温泉宿で繰り広げられる男と女の風景。 | ||||
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配偶者との関係を見直そうかなと思いました。 話としては、そんなに面白いわけではありませんでしたが、そういった気づきはありました。 | ||||
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いずれも温泉場を舞台とした5つの短編が集められていますが、文章の点からも、その描写と構成の面からも最初の一編である「初恋温泉」が群を抜いています。又、この一作を書いただけで作者は小説家としての存在意義があったと言えるのではないのでしょうか? 惚れぬいた初恋の相手と結婚し、それなりの成功を成し遂げたのに妻から別れの提案をされてしまう。 湯の中で腰と突出し自分の性器を見ながら、小さな生き物の死骸のようでグロテスクだと感じながら、若い頃の出会いを思い出し感慨にふける。その場面は誠に秀逸です。特に「自分が一番幸せな瞬間を見せたい女」ということを述べる場面とセリフはこの短編を見事に引き締めています。残念ながら他の四編はこの作ほどの凄みはありませんが、この一作を読めただけで十分です。 | ||||
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いろんな背景を持った人たちが温泉へ向かいます。 温泉は彼らを救うのか。 温泉は同性どうしでゆっくり入る方がむいているように思います。 あ”-とか言いながら。 | ||||
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我が家では、元旦に家族が揃って、祖母、父、母、私、妹の順で、その年の抱負を発表するのが、父の定めたルールでした。現在も、屠蘇、雑煮の後、お節をつまみながら、前年の反省点と、新たな年の目標を女房と語り合うのが習わしとなっています。 閑話休題、小説を読む利点はいろいろありますが、自分以外のもう一つの人生を体験できることも大きな魅力です。 この意味で、温泉を訪れた男女の人生のそれぞれを、5つの短篇で味わうことができる『初恋温泉』(吉田修一著、集英社文庫)は、私を満足させてくれました。 「初恋温泉」では、初恋を実らせたというのに、突然、妻から別れを切り出された夫の気持ちを体感することができます。「白雪温泉」では、妻と訪れた鄙びた温泉宿で、ミステリアスな男女と襖を隔てた隣に泊まり合わせた経験を。「ためらいの湯」では、浮気一泊旅行に出かけた男女の機微を。「風来温泉」では、夫の仕事中毒を厭う妻から予約済みの旅行への同行を拒否された夫が、宿泊先の高級ホテルで高そうな革のコートを着た一人旅の女性を見かけるのです。。「純情温泉」は、それぞれの親に嘘をついて一泊の温泉旅行に出かけた男女高校生の甘酸っぱい香りが漂ってくる物語です。 | ||||
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吉田修一さんの『初恋温泉』は、実在する温泉宿で繰り広げられる、5組のカップルの物語である。湯煙の中に人生の機微が透けて見えるような作品集になっている。ホンワカあり、ほろ苦ありで、身体の芯までじわーんとなるのが、”吉田”温泉の効能なのだ。 ■初恋温泉 事業で成功をおさめた夫と、その夫に突然、離婚を切り出した妻との一時。高校時代の初恋の女性と結ばれた男性の、いつのまにかすれ違ってしまった思いが描かれている。妻との出会いから、彼女のために仕事で奮起してきた過去を振り返っていく。男の僕からすると、なんともせつない物語だ。 ■白雪温泉 雪の中の一軒宿へ投宿した結婚目前のカップルの一夜。照明がランプという風情のある温泉宿が舞台だ。おしゃべりな似たもの同志の二人は、襖一枚隔てた隣室の、無言のカップルの様子が気になってしかたがない。ランプのように温かみのある素敵なお話し。 ■ためらいの湯 ダブル不倫の男女の温泉旅行を描いている。出張と妻を欺き、不倫相手との逢瀬に向かう、男のあせりが情けなさをさそう。こういう馬鹿さ加減は、ステレオタイプではあるかな。そうは問屋が・・・ という可笑しさが良い。 ■風来温泉 妻と喧嘩し、ひとり温泉宿にやってきた男を描いている。男は、仕事の成績を上げることのみに情熱を傾けてきた人生を振り返っていく。ふと立ち止まったがゆえに、迷いの中に入ってしまう。『初恋温泉』と同様、幸福のかたちを問う作品だ。 ■純情温泉 温泉旅行を計画した高校生の男女カップルを描いている。こずかいをはたいて、親に内緒の初めての温泉旅行だ。彼らは、二人だけの世界しか想像できないと公言する。そんな幻想は早々になくなってしまうだろうが、この年代の初々しさが羨ましくもあるなぁ。 | ||||
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吉田修一「初恋温泉」を読了。男女二人でいく温泉がどの短編にも共通しているシチュエーション。なぜ男女は温泉に行くのでしょうか。温泉は男女の繋がりまでも強力にしてくれるのでしょうか。様々な男女が温泉に訪れます。離婚・夫婦げんか・不倫・高校生カップル。すべてを語らない作家なので、その後の展開を様々推測してしまいます。奥行きが広がります。重くなく、想像力の助走をつけてくれるので、一息入れたいときに読むのはいかがでしょうか。 | ||||
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本書は、いずれも温泉を舞台にして5組の男女をえがいた5編の短編 集であり、初出は「小説すばる」で2004年1月号〜2005年4月号まで に掲載され、単行本としては2006年に刊行されたものを文庫化したも のである。 居酒屋チェーンの展開で仕事を順調に続ける夫に突然離婚を切り出し た妻をえがく表題作の「初恋温泉」、結婚を間近に控えたおしゃべり な男女が訪れた温泉の離れで出会ったとても「静かな」カップルをえ がく「白雪温泉」、共に配偶者がいながら不倫を重ねる元同級生の男女 をえがく「ためらいの湯」、当初の目的から次第に離れ、何かに追わ れるように保険の外交員として働く夫に違和感を感じる妻をえがく 「風来温泉」、そして親に内緒で初めて温泉旅館で外泊をする高校生 カップルをえがく「純情温泉」が収録されています。 いずれの作品も、特に温泉旅館の情景描写が非常に細やかで丁寧で あるため、読みながらその温泉旅館の情景が浮かんでくるのは見事で あり、本書の秀逸なところだと感じる。そこに、男女カップルの描写 場面を重ね合わせたり、挿し込んだりして、温泉を背景としたカップル の情事を描き出している。 これは個人の好みによるところだが、いずれの作品も完結型のスッキ リした読了感を満たすものではないため、例えば「ためらいの湯」の ような終わり方には物足りなさを感じる方も少なくないかもしれない。 ご自分の好みに合う作品かどうか、一読されてみてはいかがでしょうか? | ||||
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連作長編で、三話目の突然の暴力が「パレード」に近いか? 表題作は瑞々しくて良い。 | ||||
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短編集で、それぞれの舞台が各地の温泉。 決して明るいだけの恋愛小説ではない。 当然だが、この世の中、いろいろな恋人、夫婦、愛人がいる。 ドラマチックなだけが恋じゃない。 温かいだけが愛じゃない。 平々凡々退屈至極な恋もあれば、冷えてなお美味い料理のような愛もある。 そういった恋や愛の一面を、オチをつけることなく淡々と切り取ったような小説。 | ||||
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もっと温泉に行きたくなるような話だと期待していたがちょっと違った。 最後の純情温泉はよかった。 | ||||
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日常、共に過ごすパートナーと行く温泉。 そこで目にする他者を通して自分たちの関係を再認識する作品。 著者の作品にしては、軽快で色艶がありまた、どこかに温泉宿から夜の山や雑木林を観た時 のような、闇色の部分もありとても面白い。 ぜひ、同テーマで長編も書いてほしい。なので星4つ。 | ||||
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温泉に来るカップルの話が載せられています。 それぞれ、カップル間の意識や考え方の行き違いがあるのですが それが温泉で癒されるのかどうか? というところで話が終わります。 でも、その話の終わらせ方が、実に絶妙なタイミングだと思います。 2話目の「白雪温泉」は、雪の中のランプの宿の描写がきれいで ぜひ冬に訪ねてみたくなりました。 それよりも、このカップルが泊まった隣の部屋の人たちが静かな理由が 話の終盤で明らかにされるのですが、その過程での隣部屋の人との 温泉での無言のコミュニケーションの描き方が素晴らしいと思いました。 そして、部屋に戻った主人公が、妻の布団に入って すぐに話が終わるのですが、ここでの終わり方が 実にもう、くすぐったくなるような絶妙さです。 5話ある、どの話もいいなあ、と思いますが 「ためらいの湯」は、もう少し話の結末が知りたいと思いました。 「えっ、これで終わり?」 と、やや欲求不満が残る終わり方でした。 その先は、読者の自由意志にまかせる、というのが 作者の計算された心づかいなのかもしれませんが この1作はフラストレーションが残ってしまったため 総合評価は星4つとしました。 | ||||
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温泉宿に泊まる男女がテーマ。 だけれども、基本的には 男女の暗部を描く作品が 若干多いのでお世辞にも 読後感はいいとはいえません。 特に後味が悪いのは 「ためらいの湯」かな。 これは扱っている題材ゆえに 必然的に暗さがただよいます。 そして最後は…何かありそう… 逆にああ…と 思わせてくれるのは 「純情温泉」ですね。 若き時代の恋を 思い起こさせてくれるお話です。 そこで起こるある事件なんかは 人によっては体験済みなのでは? そんな思い出も懐かしくなる作品です。 でも暗いから星は1つ分マイナスです。 なんと言うか表現がよすぎて きつく感じるのね。 | ||||
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温泉宿を訪れた異なるカップル達のエピソードを綴った作品。 悲しいかな。男と女の言葉は、なかなかうまくお互いに伝わらない。 言葉があるから、余計にそうなのかも。 物語の中で一番穏やかなカップルだった、耳が聞こえない2人の描写を読んで、そんなことを思った。 | ||||
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最初の章の熱海では、読みながら自分が以前宿泊した旅館を 浮かべていたところ、舞台はまさしくその旅館で驚きました。 吉田修一さんも宿泊されていたのか〜と不思議な気持ちに なりました。 主人公の妻が波の音を表現する部分に、波の音がよみがえって くるようです。 最終章の高校生の話は可愛らしくもあり、昭和にタイムスリップ したような懐かしい感じがして好きです。 きわどい性描写が多いように思える著者ですが、そういう作品 ばかりではないのだと新鮮な気持ちで読み終えました。 | ||||
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吉田修一氏の作品は、最後の息子とパークライフを読みましたが、この初恋温泉も含めあまり好きではありません。特にこの初恋温泉は、登場人物のセリフというか言葉が嘘っぽい。読むのが億劫になるぐらいでした。あんまりおススメできません。 | ||||
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