■スポンサードリンク
7月24日通り
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
7月24日通りの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.75pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全40件 1~20 1/2ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
吉田修一作品は私にとっては当たり外れが大きい。 この作品はだめでした。まず、どれだけ読み進んでも、というか読めば読むほど主人公に好感が持てない。 弟の彼女に対する態度の件を読んだ時にはなんという性格の悪い人だとドン引きしてしまった。 失敗したくない系の女性って打算高くて嫌いです。登場人物誰も魅力的ではなかった。 強いて言えば弟くんが素敵でした! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
私の誕生日がタイトルなので、中学生のころに母がプレゼントにと買ってくれました。そこから定期的に読んでいますが、大人になってこそ理解が深まったなと思います。なんでこんなに小百合のもとに男が集まってくるんだろう、と思いますが、それもそもそも小百合の妄想なのかなと思ってしまったり。最後は勇気を振り絞った決断をしたところで終わってしまうのも余韻があって切なく感じます。幸せになってほしい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
〇 読んでいて少し気恥ずかしくなるような若い人たちの恋愛小説。物語の運びや会話に深みはないし、新しさもない。少し安っぽいなと思うことさえある。しかしながら、この作品を読んでいる間は心地よかった。読んだ後味も良い。その理由は、何よりも主人公が自分の住む街をひそかにリスボンになぞらえているところにある。 〇 パリでもニューヨークでもなく、首都でありながら鄙びた街、しかも昔からの歴史が街角に積もっている街であるところが、とても良い。物語の舞台となっている日本の田舎の港町だって悪くないと思う。ただそこにリスボンのイメージが重ねられることによって、古い修道院だったり、青いタイルだったり、石畳の坂道だったり、路面電車だったり、そんな色合いが浮かんできて、楽しい。主人公の生まれ育った街への愛着も感じられる。物語の背景に色彩と陰影が加わったような気がしてくる。 〇 そうか、こういう味の付け方もあるのかと感心した。作者の作戦勝ちだ。それで星をひとつ増して4★ | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
OL小百合は、自身の住んでいる街を、未だ見ぬリスボンと重ね合わせて夢想するのが好きだ。「岸壁沿いの県道」は「7月24日通り」、「水辺の公園」は「コメルシオ広場」。 さしたる取柄のない小百合は、女性にモテモテの弟耕治が自慢。この気持ちは、よくわかる。自分に自信がない分、身内だったり、付き合っている異性だったりが人気ものだと、誇らしくもあり、ご相伴に預かっているような気にもなる。 そんな小百合は、高校の同窓会に参加することにした。当時の憧れの存在 聡も帰省するらしい。同窓会で再会した聡、そして彼の昔の恋人 亜希子は、再燃したかのような行動に出てしまう。高校ではナンバーワンの聡も都会ではぱっとしない。一方の亜希子の小百合の同僚と結婚したものの、上手くいっていない。 こんな二人の再会は、過去を一瞬取り戻せたかの錯覚を覚える不倫劇の始まり ・・・ かと思いきや、亜希子と発展しないまま聡は、小百合の方へ。なんとまぁ、分かりやすい男なのだろう。小百合には、その頃、ちょっとした出会いがあり、さて聡とは当然、どうにもならんのだろうと思っていたら ・・・ 弟の交際を、釣り合わないと涙ながらに大反対した小百合なのに、いやいや、これは裏切られた。結末の外し方が、ありきたりの恋愛小説と異質ではある。納得はできないけれど、まぁ、実際はこんなものかもしれないな。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ネタバレありです。 主人公と同じ地方に暮らす普通のOLです。 主人公に共感できることとできないことが いくつかありました。 でも、間違った関係を持ったうえに 間違った元カノを追いかける顔だけの 男をいつまでも思い慕う部分は 全く理解できませんでした。 いつまでも王子様に恋をして 間違うことはわかっていても 間違うことをしようとする 二十代の女性というのは滑稽です。 恋をしたくなる的なことが 書かれていましたが、私としては 現実的ではないと感じました。 それに、弟の彼女に暴言をはき 弟からは暴力寸前まで突き放され (こちらは解決されないまま) 父親はのうのうと恋をするなんて 何が伝えたいのかわかりません。 小説は一気に読み終えられたので 評価としては☆2つです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
原作を読まずに映画館へ行ったクチです。 来夏、ポルトガルを再訪するので何かネタは無いかなとKindle版を購入。 あ〜、原作と映画は別モノとは!全然知りませんでした。 非モテの若い女性っぽい、でも明るい妄想にクスッとした不惑の私。 若いっていいなぁとシミジミ思いました。 小説としてはあまり好みではないけれど、何も考え込まずに読めるので◎です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
吉田氏の著作の中では今ひとつな気がします。こういうタイプは他にも有りますが最後がなんとなく尻切れな感じがしました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
見事に構成された短かい長編。全10章からなり、その章題までが最終的な仕掛けになっている。語り手の小百合が自分が住む地方都市の港町をその地形の類似からリスボンと重ねているのだが、その描写が、ジェロニモス修道院前の停留所を出たバスは小さな丘をいくつか越えて市街地に入る。岸壁をコメルシオ広場まで歩くと目の前に海軍工廠が見えてくる。弟はカンポ・ペケーネ闘牛場の近くに借りたアパートで一人暮らしをしているのだが、というふうに、とても洒落ている。もちろんその二重性は百合子の前に二人の恋人候補が揃った時点であまりにも明確になるのだが、それに嫌味はない。こういうのを小説の芸と呼ぶのだろうな。そしてキラキラと輝く青春時代からの憧れの先輩にはイケメンの弟が配置され、その弟の冴えない彼女(めぐみ)が百合子自身の分身として配置される。百合子は弟の彼女としてのめぐみが許せないのだ。そういった構図は他にもいくつもあって、そして、そうだこれしかありえないという結末に読者は楽しみながら導かれる。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
平凡な自分が住む街をリスボンに置き換えて日々暮らしているという設定が 物語に何らかの影響を及ぼすのかと思っていたが、それは特になかったのが残念。 弟の彼女に暴言を吐いたくせに、後からあれはこういうことが言いたかったなどと 言い訳して正当化するのはいかがなものかと。ちょっと無理がある。 最後は納得。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
空想の世界は自己充足的で楽しいが 時にはその世界から飛び出す必要がある。 主人公の弟へのプライド 過去に勝てないカップル ・・・。 オブラートに包まれているが 強烈な主張がそのうちにひそむ もちろん、終り方があっけなかったことは言うまでもないのだが。 画家の役割はなんだったのだろう。 ここに理解できていない部分がひそんでいるのかも。。。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
地味で目立たぬOLの主人公は、港が見える自分の住む町をリスボンに見立てて毎日を過ごす。そんな折、昔の片思いの相手に会い一歩を踏み出す。読了後、特に何も残りませんでした…。 「わたしたちはどんなことでも想像できる、なにも知らないことについては」 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
踏み出してみる。 間違いかもしれないけれど、 もしかしたら、 物語の主人公になれるかもしれないから。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
吉田修一の小説の魅力は、描かれる都会の情景が詩的で美しく心に染み入ってくること。でも、本作は地方都市の平凡な冴えないOLを主人公としたせいか風景まで冴えず小説の魅力減。筋立ては、冴えない女の子がウジウジしながら憧れの格好いい彼氏にアプローチするという「少女漫画」をベタでいくスタイルで男性読者にはつまらないかもしれない。 各章の表題が地味で目立たない女の特徴をズバリ描いている。「モテる男が好き!」、「イヤな女にはなりたくない」、「どちらかといえば聞き役」、「初体験は19歳」・・・「間違えたくない」など、男性としては、これじゃ「いい男」を捕まえるのはNGだろというところだが小説の方はかなり期待をもたせてくれる。 「主人公」と「モテる先輩」。「主人公のモテる弟」と「冴えない彼女」。「冴えない職場の同僚」と「モテる先輩の元カノの奥さん」。「元カノの奥さん」と「モテる先輩」の不倫。冴えないが心安らぐ男からのアプローチ。小説の構成がとても良く出来ていて、三つ巴、四つ巴の恋の行方が気になり最後まで読ませる。結局、主人公が選んだのはこの男か、というところで読了する。なかなかの良書です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読了後、カバー裏を見ると著者の作品「東京湾景」を以前読んでいたことを思い出しました。その本に対しては「ドラマのように流れるストーリーだが、不要な登場人物もいて完成度が低い」といった印象を覚えました。 本書でもドラマのようにそれぞれの情景が目の前に浮かんできます。何気ないOLの日常がエッセイ風に少しずつ進行していき、結果として一つの読みやすい小説になっています。結末は逆であってほしかったのですが、それも若い人の選択なのでしょうね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
表現のしかたに女性らしい感覚があり、とても日常的な言葉で綴られているので読みやすい。 主人公の嫉妬感に共感できるところがあり、目立たずぱっとしない主人公が、次第に成長して行き最後は予想と違ったが納得できる終わり方だった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
うまいこと考えますね、というのが最初の感想です。主人公の女性が、自分のように冴えないくせにかっこいい彼氏(しかも自分の弟)をもつ女性に対する嫉妬と同情が、小見出しにうまく取り入れられています。主人公の気持ちかと思いきや、すべて彼女の自己分析だとわかる。主人公が勝手に「私と同類」と思っていることともつながっています。 小説全体が主人公を中心にしてこの「同類」=「二重化」でできています。「かっこいい男」としての憧れの先輩と弟、「いまいちな男」としての同級生と画家崩れ、「いまいちな女」としての私と弟の彼女、そしてこの街とリスボン。こうした二重化は私の現実からの逃避のせいなのです。私は自分の現実と向き合わないようにするために、周囲を二重化してあいまいにしています(こんな田舎に住み、いまいちな男に告白される、かっこいい弟をもったさえない私)。この私を現実から守るための二重化戦略が崩れていくことで物語が動き出す。 ところが、最後に「かっこいい男」に会いに行く場面は、二重化戦略をなくすような大胆な行動のようですが、実はあいまいな二重化を強化することになっているのではないでしょうか。明らかに心が共振している画家崩れの男ではなく、すでに見込みがないことがわかっている先輩へと向かうことは、もうひとつの現実からの逃避ではないでしょうか。心のつながり(なんかわかる)よりも社会的な評価(かっこいい)を優先することは、自分から出たものではないものを信じてみるというポーズに見えてしまいますが、どうなんでしょうか。 ともかく、構成と細かい機微の描き方はさすがにうまいので一気に読めます。良質の小説です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
主人公の「失敗したくない」気持ち、よく分かります。弟の彼女に、イケてない自分を重ね合わせてイラ立つ主人公。弟の彼女の行動(というか、彼氏への信念)が、キーワードな気がする。個人的に好きなシーンは、憧れの先輩と、車でノラジョーンズの曲を聴いているときの会話のやりとりです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
主人公は自分の住む「地味な地方都市」をリスボンになぞらえて、通りや町名を呼んでいる。自分自身も外観は地味だが、モデルにスカウトされるほど美形の弟を唯一の誇りとし、高校時代は、学校の女の子がみんな憧れる学園のスターに憧れ、地味な男子に交際を申し込まれて落ち込む・・・。一昔前の言葉で要約するとシンデレラ・コンプレックスの固まりのような、かなりイタイ女性。 作品の最後で、突然町が本来の地名を取り戻すあたりがあまりに唐突で、結局現実と斬り結ぶ覚悟かと思いきや・・・。ん〜、このラストは(ストーリーではなくて、その描き方が)ちぐはぐで、納得できない。 結局、彼女は夢見る頃を通り抜けることができたのだろうか? | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
主人公は地元で暮らしているということが肝になるお話。 ずっと地元に住んでいるという女性の方なら この主人公に共感できるという方が多いのではないかと思う。 ただ急に主人公の前に気になる男が複数現れる展開は少女マンガ的です。 実際『7月24日通り』として少女マンガにもなっていますし。 あと、この作品の登場人物はそれぞれ人間くさいコンプレックスを 持っていたりするのは非常に魅力的でした。 昔の自分と今の状況を比べて悩んでいる男(名前忘れた)になんかは特に共感してしまう自分がいたりして… 内容はそんなに濃くないのでお手軽に読める作品でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
多くの人はコンプレックスを自己正当化して生きている。主人公は、生まれ住む地方の町に、ポルトガルの街の地名や通りの名前を勝手に割り振っているが、この“みすぼらしい”町こそが彼女自身でもあるのだ。 コンプレックスは若い頃の恋愛について廻る。“相手にとって自分は不釣合いではないか”という自信のなさ。拒絶されることの不安からの勝手な自主規制。思いがけなく付き合うことになっても、裏切られるのが怖くて常に行動は相手基準。そのうち、それが辛くなり自ら恋愛から降りるというネガティヴ・スパイラル。 “吉野朔美やくらもちふさこのマンガ”っていうのが小説の中に暗示的に登場してくるけど、この小説のモチーフは古き良き時代の「少女マンガ」だと思う。 自分を見ているようで辛い、かっこいい弟のパッとしない彼女も、“みすぼらしい”と感じていた故郷の町も、許せる気持ちが芽生えてくる。そして、主人公は最後まで決断の付かなかった憧れの人と、一緒に歩んでいくのか、それとも留まるのか?結論はどうであれ「少女マンガ」のハッピーエンドは、自分で作っていくしかない。自己に閉じこもることなく現実に向き合い、その中で自分の居場所を見つけていく。 多くの人々の共感を得られそうな、ポピュラリティのある作品に仕上がっている。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!