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7月24日通り



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【この小説が収録されている参考書籍】
7月24日通り
7月24日通り
7月24日通り (新潮文庫)

7月24日通りの評価: 3.75/5点 レビュー 40件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.75pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全12件 1~12 1/1ページ
No.12:
(3pt)

吉田氏の中では今ひとつ

吉田氏の著作の中では今ひとつな気がします。こういうタイプは他にも有りますが最後がなんとなく尻切れな感じがしました。
7月24日通り (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:7月24日通り (新潮文庫)より
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No.11:
(3pt)

7月24日通り

平凡な自分が住む街をリスボンに置き換えて日々暮らしているという設定が
物語に何らかの影響を及ぼすのかと思っていたが、それは特になかったのが残念。
弟の彼女に暴言を吐いたくせに、後からあれはこういうことが言いたかったなどと
言い訳して正当化するのはいかがなものかと。ちょっと無理がある。
最後は納得。
7月24日通り (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:7月24日通り (新潮文庫)より
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No.10:
(3pt)

地味で目立たない地方都市のOLの恋の行方が気になってしまうんだから、大したものだ!

吉田修一の小説の魅力は、描かれる都会の情景が詩的で美しく心に染み入ってくること。でも、本作は地方都市の平凡な冴えないOLを主人公としたせいか風景まで冴えず小説の魅力減。筋立ては、冴えない女の子がウジウジしながら憧れの格好いい彼氏にアプローチするという「少女漫画」をベタでいくスタイルで男性読者にはつまらないかもしれない。

各章の表題が地味で目立たない女の特徴をズバリ描いている。「モテる男が好き!」、「イヤな女にはなりたくない」、「どちらかといえば聞き役」、「初体験は19歳」・・・「間違えたくない」など、男性としては、これじゃ「いい男」を捕まえるのはNGだろというところだが小説の方はかなり期待をもたせてくれる。

「主人公」と「モテる先輩」。「主人公のモテる弟」と「冴えない彼女」。「冴えない職場の同僚」と「モテる先輩の元カノの奥さん」。「元カノの奥さん」と「モテる先輩」の不倫。冴えないが心安らぐ男からのアプローチ。小説の構成がとても良く出来ていて、三つ巴、四つ巴の恋の行方が気になり最後まで読ませる。結局、主人公が選んだのはこの男か、というところで読了する。なかなかの良書です。
7月24日通り (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:7月24日通り (新潮文庫)より
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No.9:
(3pt)

私の周囲に張り巡らす二重化のバリア

うまいこと考えますね、というのが最初の感想です。主人公の女性が、自分のように冴えないくせにかっこいい彼氏(しかも自分の弟)をもつ女性に対する嫉妬と同情が、小見出しにうまく取り入れられています。主人公の気持ちかと思いきや、すべて彼女の自己分析だとわかる。主人公が勝手に「私と同類」と思っていることともつながっています。

小説全体が主人公を中心にしてこの「同類」=「二重化」でできています。「かっこいい男」としての憧れの先輩と弟、「いまいちな男」としての同級生と画家崩れ、「いまいちな女」としての私と弟の彼女、そしてこの街とリスボン。こうした二重化は私の現実からの逃避のせいなのです。私は自分の現実と向き合わないようにするために、周囲を二重化してあいまいにしています(こんな田舎に住み、いまいちな男に告白される、かっこいい弟をもったさえない私)。この私を現実から守るための二重化戦略が崩れていくことで物語が動き出す。

ところが、最後に「かっこいい男」に会いに行く場面は、二重化戦略をなくすような大胆な行動のようですが、実はあいまいな二重化を強化することになっているのではないでしょうか。明らかに心が共振している画家崩れの男ではなく、すでに見込みがないことがわかっている先輩へと向かうことは、もうひとつの現実からの逃避ではないでしょうか。心のつながり(なんかわかる)よりも社会的な評価(かっこいい)を優先することは、自分から出たものではないものを信じてみるというポーズに見えてしまいますが、どうなんでしょうか。

ともかく、構成と細かい機微の描き方はさすがにうまいので一気に読めます。良質の小説です。
7月24日通り (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:7月24日通り (新潮文庫)より
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No.8:
(3pt)

夢見る頃は、過ぎたか?

主人公は自分の住む「地味な地方都市」をリスボンになぞらえて、通りや町名を呼んでいる。自分自身も外観は地味だが、モデルにスカウトされるほど美形の弟を唯一の誇りとし、高校時代は、学校の女の子がみんな憧れる学園のスターに憧れ、地味な男子に交際を申し込まれて落ち込む・・・。一昔前の言葉で要約するとシンデレラ・コンプレックスの固まりのような、かなりイタイ女性。
作品の最後で、突然町が本来の地名を取り戻すあたりがあまりに唐突で、結局現実と斬り結ぶ覚悟かと思いきや・・・。ん〜、このラストは(ストーリーではなくて、その描き方が)ちぐはぐで、納得できない。
結局、彼女は夢見る頃を通り抜けることができたのだろうか?
7月24日通り (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:7月24日通り (新潮文庫)より
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No.7:
(3pt)

タイトルの日が誕生日の友人から借りて読んでみた。

主人公は地元で暮らしているということが肝になるお話。

ずっと地元に住んでいるという女性の方なら
この主人公に共感できるという方が多いのではないかと思う。

ただ急に主人公の前に気になる男が複数現れる展開は少女マンガ的です。
実際『7月24日通り』として少女マンガにもなっていますし。

あと、この作品の登場人物はそれぞれ人間くさいコンプレックスを
持っていたりするのは非常に魅力的でした。
昔の自分と今の状況を比べて悩んでいる男(名前忘れた)になんかは特に共感してしまう自分がいたりして…

内容はそんなに濃くないのでお手軽に読める作品でした。
7月24日通り (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:7月24日通り (新潮文庫)より
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No.6:
(3pt)

ハッピーエンドは自分で作るしかない、ということ

多くの人はコンプレックスを自己正当化して生きている。主人公は、生まれ住む地方の町に、ポルトガルの街の地名や通りの名前を勝手に割り振っているが、この“みすぼらしい”町こそが彼女自身でもあるのだ。

 コンプレックスは若い頃の恋愛について廻る。“相手にとって自分は不釣合いではないか”という自信のなさ。拒絶されることの不安からの勝手な自主規制。思いがけなく付き合うことになっても、裏切られるのが怖くて常に行動は相手基準。そのうち、それが辛くなり自ら恋愛から降りるというネガティヴ・スパイラル。

 “吉野朔美やくらもちふさこのマンガ”っていうのが小説の中に暗示的に登場してくるけど、この小説のモチーフは古き良き時代の「少女マンガ」だと思う。

 自分を見ているようで辛い、かっこいい弟のパッとしない彼女も、“みすぼらしい”と感じていた故郷の町も、許せる気持ちが芽生えてくる。そして、主人公は最後まで決断の付かなかった憧れの人と、一緒に歩んでいくのか、それとも留まるのか?結論はどうであれ「少女マンガ」のハッピーエンドは、自分で作っていくしかない。自己に閉じこもることなく現実に向き合い、その中で自分の居場所を見つけていく。

 多くの人々の共感を得られそうな、ポピュラリティのある作品に仕上がっている。
7月24日通り (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:7月24日通り (新潮文庫)より
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No.5:
(3pt)

後押ししたくなる平凡な女の子

主人公はごく平凡な、20代の女性。

美人でもなく、これというとりえがあるわけでもない彼女だが、

どこか空想癖のようなところがあり、自分の住む街を異国の街に見立てて

さまざま思いを巡らせていたりする。

心理描写、情景描写はこの人らしい冴えを見せている。

「告白してくる男によって、私の女としてのレベルはこんなものかと思った」

「かっこいい弟には、それに相応しい女の子と付き合って欲しい」

などというところは、主人公の平凡さと相まって、女性読者の共感を呼ぶのではないか。

ささくれを抜くような、小さな痛みをともなわせつつ。

そこが絶妙である。

誰もが主人公を普通に応援してしまうのでないか。

そして、彼女の最後の決断を後押ししたくさせる運びは、うまい。

主人公や登場人物たちが口に出すセリフは、なにかテレビドラマを見ているような雰囲気のものが多い。

少々キャッチー過ぎるか?と思う反面、同氏の芥川賞受賞作である「パークライフ」に比べると非常に分かりやすく、

誰でも面白く読める作品ではないかと思う。吉田作品を読んだことのない人には、こちらのほうが入りやすいのではないか。

特に女性にはオススメできる。
7月24日通り (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:7月24日通り (新潮文庫)より
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No.4:
(3pt)

ポルトガルのリスボンと日本の郊外都市が想像で重なる。

「自分の住む平凡な郊外都市とポルトガルのリスボンと地形が重なる」

偶然、そのことを知ったごく平凡な20代の女の人が、

リスボンの街並みをあてはめて平凡な日々を過ごしていたが、

高校時代の憧れの先輩との再会をきっかけにカラフルになっていく…。

という、「地元に残った」人の話です。

「ごく普通の人たち」、さらに「地元に残った地味な子」という設定

なのですが、だからでしょうか、彼らの関係の中で時折浮かぶ感情が、

とても生々しくて、激しい。胸を衝かれます。
7月24日通り (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:7月24日通り (新潮文庫)より
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No.3:
(3pt)

ハッピーエンドは自分で作るしかない、ということ

多くの人はコンプレックスを自己正当化して生きている。主人公は、生まれ住む地方の町に、ポルトガルの街の地名や通りの名前を勝手に割り振っているが、この“みすぼらしい”町こそが彼女自身でもあるのだ。
 コンプレックスは若い頃の恋愛について廻る。“相手にとって自分は不釣合いではないか”という自信のなさ。拒絶されることの不安からの勝手な自主規制。思いがけなく付き合うことになっても、裏切られるのが怖くて常に行動は相手基準。そのうち、それが辛くなり自ら恋愛から降りるというネガティヴ・スパイラル。
 “吉野朔美やくらもちふさこのマンガ”っていうのが小説の中に暗示的に登場してくるけど、この小説のモチーフは古き良き時代の「少女マンガ」だと思う。
 自分を見ているようで辛い、かっこいい弟のパッとしない彼女も、“みすぼらしい”と感じていた故郷の町も、許せる気持ちが芽生えてくる。そして、主人公は最後まで決断の付かなかった憧れの人と、一緒に歩んでいくのか、それとも留まるのか?結論はどうであれ「少女マンガ」のハッピーエンドは、自分で作っていくしかない。自己に閉じこもることなく現実に向き合い、その中で自分の居場所を見つけていく。
 多くの人々の共感を得られそうな、ポピュラリティのある作品に仕上がっている。
7月24日通り (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:7月24日通り (新潮文庫)より
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No.2:
(3pt)

優等生の殻を破るまで

主人公の20代前半らしき女性は、間違いを冒さない人生を歩んできた。
2枚目でモテモテの弟や、自分を好きになってくれた男の子、本当に自分が好きだった男の人。
常に冷静に自分の置かれた立場を見、考えながら行動している。
それは、自分に自信がないから。というより、傷つくのを恐れているから。
自分に対する自信は、彼女に告白した男の子のレベルを冷静に見て、その相手として自分が選ばれたことに悲しみを感じる所からも、本当は自信を隠してるにすぎない。
その、いつも自分を庇う人生を歩んできた主人公が、頑丈な自分の殻を破るまでの話。
かなり、女性がリアルに書かれてます。
リアルすぎるので、殻を破るまでのうじうじした感情がしんどい所あり。
7月24日通り (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:7月24日通り (新潮文庫)より
4101287538
No.1:
(3pt)

ちょこっとヒネリが足りなかったかな?

この本の前に読んだ作品が、ひねりにひねった作品でとても映画・ドラマにはできないような内容だったこともあり、今回はあまり面白みがなかったように感じてしまった。
しかし、一つの小さな街を舞台とした物語は中盤以降に話の流れがわかってくるようで面白みがでてきた。街をヨーロッパのある街に照らし合わせるのが好きな主人公が、恋愛もたまにはダメだとわかっている方に進んでもいいと思うまでの物語。こんな街に住んでみたいと思う想像が膨らんだ作品です。
7月24日通り (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:7月24日通り (新潮文庫)より
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