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未必のマクベス
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未必のマクベスの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.76pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全97件 81~97 5/5ページ
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ものごとに執着のない主人公の一人称語り。その語り口の良さでページをめくる手がとまらないのは村上春樹みたい。面白いです。シェイクスピア悲劇の自己言及的な翻案とでもいうべき小説なので、「展開に無理がある」という批判はあたらないでしょう。悲劇というのは、そもそも「展開に無理がある」みたいな発想をする近代小説より古い形式ですから。 それはともかく、文庫本の帯に推薦コメントが4つ並んでます。3つまでがありがちで、4つめが反則。これは買っちまうでしょう。 読後、ただ立ち尽くした。 三省堂書店営業企画室 内田剛 「物語を一緒に生きる」という体験。 紀伊國屋書店西武渋谷店 竹田勇生 本の形をしたラブレター。 都内女性書店員 本書を読んで早川書房に転職しました。 早川書房営業部・O | ||||
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「世界で多くのチケットを売っているのは、大半の人が結末を知っている話だ」シェイクスピアのストーリーは、世界で何度上演されても変わることは無い。それと同じように、3人の高校同級生も同じように定まった運命に向かって走っていくのか、がこの物語の主題である。 満たされなかった淡い恋心、そして気づかれなかった嫉妬心。誰にでもあるような思い出を秘めた3人は、高度な暗号を要するICカードチップの世界で再び交わり、見えない敵を交えてサスペンスが始まる。そのサスペンスに1,000年前のスコットランド王殺しとその後の疑心暗鬼を投影するのが筆者の手腕であるが、科学サスペンスを転がしていくに辺り、ハッキングやデータ改ざんをキーパーツに取り込みすぎるのはどうなのだろう。 その点を除けば、科学サスペンスとして最後まで楽しめる小説。人間性の描写も男性側に関して言えばまずまず。 | ||||
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この作品は、2014年9月に単行本として世に出ていたらしい。 今更ながら、気付かなかった自分の迂闊さを悔いている。 ただ内容的には、当時通っていた書店のターゲット層から考えると、注目作品ではなかっただろう。 タイトルにもある通りシェークスピアの「マクベス」の世界観や進行が随所に出てくる。 読んでなくても楽しめるのだが、読み手の思い込みでハードルが一つ上がってしまうかもしれない。 量的にも、41文字×18行×603ページの7-8割が文字で埋まっているので、読む時間が少ない人には 少し心理的抵抗が予想される。 乗り換えを含む電車の中で読んでいたりすると、余り無い事だが、集中しすぎて乗り過ごしたりすることもあった。 世代的には、30-35歳以降の男性が推奨されると思われる。 何故なら、高校時代に昇華出来なかった淡い思いがくすぶり続ける主人公が、香港を中心とした東南アジアで 「王」として「旅」をしながら、その思いに決着をつけていく物語でもあるのだから・・・。 女性から見たときに、主人公の周囲を取り巻く同性の描写に対してどう感じるかは、人によって異なりそうで 作品への評価を大きく左右しそうに感じる。 ひと時もだれることなく、一気に読み終わった素晴らしい作品であるが、 「暗号化」によるセキュリティが主人公の所属する会社のビジネスの根幹となっていることから、 「難しい」という先入観で物語がすっと入ってこない人もいるかもしれない。 この物語の面白さは、短い書評で伝わるものではないので、是非読んでみて欲しい。 ブックオフに流れる本も少ないと思う。 私はもう既に、死ぬまでにあと何回かは読み返すと信じている程だ。 残念なのはこの作者が非常に寡作であること。 長編第1作が「グリフォンズ・ガーデン」で22年前に出版されているが、手に入らない。 出来ればこの機会に再版して欲しいと切に願う。 | ||||
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途中で飽きてしまい読み通せませんでした。 設定が非現実すぎてのめり込めず。 裏金作りのために設立した子会社の社長を次々に殺す必要があるのか。口を噤ませるなら社長本人も受益者にすればいいんじゃないか。命を狙う相手を殺すより、証拠を集めて信用のできる弁護士や記者を探し、告発すればいいんじゃないのか等々。 主人公の性格もクールで淡々としているためか、いまいち深刻さが伝わってこないし。 村上春樹風味のサスペンスといった感じで、村上春樹作品が好きではない私には合いませんでした。 | ||||
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唐突ですが、村上春樹の主人公ってはっきりしないグダグダ悩むイラつく男性でとても苦手です。 作者の文体は確かに少し村上春樹に似ていますが、主人公は正反対です。 文体も似ているのは透明感だけでナルシストっぷりはなく、とても読みやすいと思います。実際ぐいぐいと引き込まれ1日で読んでしまいました。 ここに書いてある方もいらっしゃいますが、確かにラストが気になります。 でも、面白かった! 雲呑麺を食べたくなりました。 | ||||
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序盤の構成に唸りながら読みました。 初恋の淡い気持ちを思い出し、胸がしめつけられながら最後まで楽しめました。 犯罪小説にして究極の初恋小説と言った感じ。 とにかく面白かった。 | ||||
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香港、マカオ、ホーチミン市、バンコクなど、 アジア各国を出張したり遊び歩いている人たちにとっては、 何となく身近で馴れ親しんでいるような描写が多くあって、 物語のなかに引き込まれていくのだけど、 プロットは極めて非日常的で、現実から遠く離れたフィクションだ。 けれども設定はかなり現実味を帯びていて、 バンコクのBTSとMRTのカードがなぜ統一されていないか、 みたいな、理由が暗示されていたりする。 金正男と思われる人物も、 さもありなん、という役回りで登場する。 深夜特急第一巻へのオマージュみたいに、 唐突に陸羽茶楼が出てきたり、 文体はなんとなく村上春樹で、 池井戸潤より真山仁よりハードボイルドな 企業小説かと思いきや、 伊坂幸太郎の小説よりもなお さり気なく血生臭くない殺人が頻繁に起こる。 お勧めします。 | ||||
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600ページ超ある文庫だったが、表紙の写真と冒頭数ページで世界観に引き込まれて購入。 最後の最後まで、助長とわかっているのに惹きつける展開と描写はお見事。 ただラストの展開にはがっかり。 以下ネタバレ 高木という、社内で主人公にライバル心があるが人間味があって、途中主人公の命まで助けた憎めないキャラクターが、最後に主人公との思い出の場所であんなに大々的に主人公を冷徹に殺しにかかるのは残念すぎた。少なくとも最後の最後に安っぽい理由で心変わりしてしまうキャラクターではない。むしろ主人公が自分の恋人にしたように、戸籍上殺して別人として生かすという方法を取りそうだったものだが。 途中の助長な説明文も描写のセンスでカバーしていたので、かなりの傑作だと感じていたが、最後の展開だけは本当に納得がいかない。無理矢理終わらせた感が半端ない。 ハッピーエンドにしろとは言わないが、なんか編集に長過ぎるからいい加減終わらせろと言われたのかな、と思うくらい唐突な終わり方だった。 もし映像化するならラストだけは変えて欲しい。ハッピーエンドにしろとは言わないが、高木を悪役にするなら犯行理由にもっと深みを出してほしいし、殺し方ももう少し大人しいものにしてほしい。なぜ最後に多人数で高級ホテルでドンパチやっちゃうかなぁ……。 本当に返す返すももったいない!!作品。迷っているなら読んでほしい。 | ||||
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新聞の書評を見て図書館で借りて読んだ。面白かったので手元用に単行本を購入した。 この本は文庫化されるだろうと思っているが、なかなかそうはならず、(もっと多くの人に読まれてもいいと思っているので)もったいないと思っている。 | ||||
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普通のサラリーマンの物語かと思いきや、登場人物は企業の闇の中でありえない事態に振り回される。最初は主人公の中井に、自分と同じサラリーマンだというところに感情移入するのだが、だんだんと自分と異なる中井像になっていく。そこからエンターテイメント作品としてドライブがかかる。真実味を帯びながらも舞台は非現実的な世界に移行。気がつけばすっかりマクベスの舞台の観客になっている。そして中井はミステリーの中心に立たされ、周りの人物もどんどん巻き込まれ、マクベスの舞台は大きくなる。そして終幕。やはりマクベスは悲劇だった。切ない。 | ||||
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評価通りの大変良い状態でした。 また機会がありましたらお願いします。 | ||||
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この本を読みながら、村上春樹の『羊をめぐる冒険』を思い出した。全体的な雰囲気が似ています。ただ、今の自分が引き込まれて、熱中できたという事は、もっと上質なストリー展開である事は間違いない。「羊をめぐる冒険』を再読しようとしても今の自分には到底無理だから。村上春樹が読めたのはぎりぎり『ノルウエーの森』まで。 村上春樹ほどストリー展開に無理はないが、現実離れした主人公の行動は、女の子にもてる事も併せ村上春樹の主人公っぽい。台詞もなんとなく似ている。 今の村上春樹には到底書けない洗練されたストリー、上質な会話、現代性も併せもつですから、もっと売れるべきでしょう。早川では無理か。前作『グリフォンズ・ガーデン』は絶版ですが、近くの図書館にあるようですので、早速借りて読んでみようと思います。作者には、長編次作に期待しております。 | ||||
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ラジオで、オススメの作品だと聴き購入。展開が予想以上に現実離れしていて期待外れでした。中だるみ感も否めない作品でした。 | ||||
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犯罪小説でありながら、恋愛小説の要素も含まれており、あまり無いジャンルの本かと。読み始めると夢中になり、通勤時間に一気に読んでしまいました。主人公の独特な言い回しや表現が印象的であること、また、文章の組み立てがおもしろく、読み応えがありました。 | ||||
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シンガポールを舞台に、大企業の裏金問題に巻き込まれる主人公。経済小説かと思いきや、初恋の思い出がところどころに挟まってきて恋愛小説とも読めなくない不思議な小説です。 巷の評価は高い様ですが、私は読んでいて非常に違和感がありました。 第一に主人公が行動しないこと。周りの人物に言われるがまま動き、状況の変化に棹さすように流される。そんな自発性・行動力に欠ける主人公なのに、妙に社会的評価が高く「そこそこ出来るやつ」として書かれています。 第二に出てくる女性キャラがみんな主人公になびくこと。いまいち主人公の魅力は伝わってこないのに、なぜかモテる。ほとんど初対面に近い女性秘書に「ブラジャーの中まで調べようとは思っていないよ」というセクハラな台詞を吐いても、なぜか好感を抱かれる。 大したことがない男がモテるという意味では非常にラノベ的な内容なのに、ハードボイルド調の持って回った文体で書かれているので、読んでいでいたたまれなくなってしまいました。 たしかに主人公と同じような境遇にある人(30代後半ぐらいの男性で、初恋の思い出を大事にしている人)が読むと共感できるのかもしれません。ただ私には「なんとも都合のよい話だなあ」という以上の感想はありませんでした。 | ||||
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この度早川書房より出版された、早瀬耕氏の新作 「未必のマクベス」 主人公のビジネスマン「中井」に感情移入するのなら タイトルにもあるように、恐らくその世代から上がドンピシャだと思いました。 私から多くを語るには忍びない。 ぜひあなたにもこの物語が届きますように。 ハードカバーで2200円+税 ですが、おそらく数年ないし一年後には「文庫本」としても登場するであろう傑作だと思いましたので、気になった方はぜひこの機会に「マクベス」に触れてみてください~ | ||||
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ジャンルの特定は難しく、緻密な犯罪やファンタジックな恋愛が交錯します。 「マクベス」を知らずに読み進めましたが、前提知識として要求されるものではなく、ストーリーのフレームとして活用されており、必要な導入が設けられています。 登場人物の語り口は独特で、好みが分かれるところです。著者のスタイルなのか、どの展開にも慎重に伏線が張られ、思考やコミュニケーションにも破綻がありません。 徐々にスピード感を増しながら展開していく極端ともいえる企業の謀略も、著者の経験なり取材によって「あり得ない話ではない」と思える設定が維持されています。感情移入が難しい主人公と一定の距離を保ちながらも、グイグイと展開に引き込まれていきます。 会話に多用される学術的な要素や、企業人にとっての(著者独自とも言える)ポリシーが、テンポを崩す反面、ストーリーを読者の想像によって修飾するための小道具にもなって楽しめます。 香港・澳門を中心に、東京から東南アジアへ目まぐるしく舞台を移しながら展開するストーリー。全編を通して登場する「キューバリブレ」で喉を潤したくなります。(私はラム酒が手元になかったので、ウィスキーコークで代用しましたが。。) 長編であり、手軽に読める小説ではありませんが、独特の雰囲気をもった作品です。一読の価値有り。 | ||||
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