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イノセント・デイズ
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イノセント・デイズの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.44pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全28件 21~28 2/2ページ
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ミステリ・タッチで読む者の"価値観"を問うた重い作品。雪乃という女性が一家焼殺事件の犯人として死刑を宣告される所から物語が始まる。以下、雪乃の姉、雪乃の中学時代の友人、焼殺された一家の主人で雪乃の彼氏だった人物の友人の視点で雪乃の小学時代~事件直前の生い立ちが語られる。ただし、題名は「イノセント(innocent)・デイズ」。「innocent」は裁判用語では「guilty(有罪)」に対して「無罪」、一般的には「純粋無垢、無邪気」を意味するので、雪乃が「純粋無垢、無邪気」な女性(少女)で「無罪」である事は題名から自明である。即ち、作者が初めから冤罪問題、死刑という罪刑の是非、あるいは雪乃が有罪か否かを問題にしていない事は明らかである。 じゃあ、何を問題にしているかと言うと、唐突だが、私は実はTVドラマ「相棒」を思い出した。官房長の小野田が杉下右京を評して以下の様に言うのである。「杉下は必ず真実を暴き出す。だけど、杉下の正義は怖いよぉ~」。作者の考え方は、(杉下ではなく)小野田の見解に近いもので、「真実は1つかも知れないが、人には各々の正義(信条)があるので、人が自分のモノサシで他人の正義(信条)を判断するのは傲慢だ」というものらしい。確かに一理はある。複数の人物の視点を借りて、対象人物の生い立ちを語るという手法はミステリを中心に多く見られ、とかくステレオ・タイプに陥り易いのだが、その点はかなり綿密に計算して伏線含みで堅実に綴られている。 しかし、雪乃が「自分は生きている価値がない人間」と思い込む程のエピソ-ドかと言えば、う~ん、そこまでの程のものとは思えなかった。同時に、雪乃もまた、自分を支援してくれる人々(の存在を雪乃は知っていた)の期待(正義)を裏切る形で自身の正義(信条)を押し通したので、雪乃も傲慢という事になってしまう。結局、作者が問うている"価値観"の問題は堂々巡りという印象を受けて、何だかスッキリとしない読後感を覚えた。 | ||||
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どんな事件にもそれに関わる人達の人生模様がある。 その一つを深く掘り下げた作品になっている。 作者はきっとやさしく熱い人だと思う。 幸乃への思い入れが強く、最後の場面では作者の鼓動をビンビン感じた。 慎一の幸乃への気持ちが深いと感じとれなかったことが ラストの感傷を少し薄めてしまった。 泣けるわけでもなく爽快なわけでもないが読んだ後余韻の残る作品となっている。 | ||||
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また帯に騙されて買って読んでしまいました。 な~にが、「読後、あまりの衝撃で3日ほど寝込みました」だ。 大仰も大仰、誇大広告も誇大。こういう帯の宣伝文句はいい加減にしてほしい。 ミステリ系のどんでん返しやラストの衝撃を求めて買おうと思ってる人は、待ってください。 この小説はそういうタイプの小説ではありません。 ヒューマンドラマを描く、人間心理の描写がメインの小説です。 ミステリ小説のような「謎」は出てきません。 表紙の後ろに「長編ミステリー」と書いてあるので、自分はミステリ小説だと思い込んでました。 「この物語の着地地点が全く予想できないぞ。スゴイなこれ」とワクワクしながら読んでいました。 なんのことはない、ミステリではないのでミステリとしての着地地点など端から存在してませんでした。 読了後、壮絶な肩透かしを食らってあっけなく終わった本書を片手に、しばらくボーゼン・・・・。 そして、この帯の宣伝文句や表紙裏の概要を書いた人たちへ怒りすら沸いてきました。 とにかく、怒りをもってこのレビューを書いています。 ミステリでもなんでもないヒューマンドラマ小説を「読後は寝れなくなるほどの衝撃が」と思わせるミステリ風に仕上げて売る 浅ましい商売してる連中のワナにはまらないように気を付けてください。 小説自体はそれなりに熱中して読めたので途中までは面白かったのですが、 やはりラストの肩透かし感はマイナスです。よって星3つの評価。 | ||||
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死刑囚となった女性の人生や、彼女を巡る家族、幼なじみ、同級生などとの関わり、これらの登場人物の個性や感性といったことが丁寧に書き込まれていて、引き込まれるように読み進められます。 ストーリーがどう展開するのか、先を知りたくてページをめくっていくという、エンタテイメント小説を読む楽しさも味わえます。 ただ、最後があっけなく、ひねりがない上に、読後感が良くないという欠点があります。作者自身、本作で受賞した日本推理作家協会賞の受賞のことばで、「これはミステリーではないと指摘されることも覚悟の上でした」(2015年5月5日付け毎日新聞)と述べていますが、まさにミステリーとしては肝心のところが弱いと言わざるを得ません。 中身の濃い、上手い小説ですが、やはりミステリーとしてはそこそこの評価にとどまるように思います。 | ||||
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主人公、元の恋人のアパートに放火して、家族(母親と双子の娘)を死なせたとして、死刑判決を受けた田中幸乃の人生を、関係者数人の証言(述懐)で語るという構成である。 (以下ネタバレ)結局、冤罪ではあるのだが、本人がもう死にたいと考えていて、そうなることが本人にとっての幸せである、というような収束であるのだが、確かに可哀相な人生ではあるのだが、何か共感できない。 多分主人公が、あまり魅力的でないせいではないかと思う。 また小学校のときの「丘の探検隊」という遊びのグループをいつまでも引きずっていることとか、真犯人が唐突で安直な感じがするのとか、あちこちのセリフがうそ臭いとか、そんなところが気になった。だから処刑されても特に感慨もなくびっくりもせず読み終えました。 | ||||
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こんなに不幸なのだからハッピーエンドにしてもらいたかった。希望が見えるのにそれを掴もうとしない幸乃が残念でした。ある種、きれいごと。なんか、弱すぎてかわいそう。死刑と言う形の自殺じゃないか。こういう結果を作者が望んだのは、作者もハッピーエンドを望むが、現実にはそれが叶わないのだよと強く突きつけられた気がした。久しぶりに社会的なメッセージと批判が込められた小説を読んだ気がした。 でもこれは小説なのだからハッピーエンドにしてもよいのでは? | ||||
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書評を読みすぐに注文をしましたが、読んだのは昨日一昨日です。 確かに一気に読めますが、登場人物が多い分、あるいは時間の経過と舞台が多いため、粗筋を読んでいるようです。 もっと一人一人の人物描写をしっかり描いてほしかったです。 物語の展開が、技巧的で必然性を伴わない。 全体を倍の長さにして物語を時系列で自然な流れにしてほしかった。 | ||||
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好きな〇潮社の方が、テレビでオススメしていたので、すごく興味を持って3時間ほどで読みました。 結論が最初に出ているのですが、読み進めるごとに自分の中に「ある期待」が沸いてしまい、一気に読んでしまいます。しかし、結果として、結論がくつがえることはありません。 宮部みゆきさんの模倣犯に、話の進め方が似ているのですが、あちらの読後感はよいのに対し、こちらは、あまりよくありません。しかし、だからこそ、より現実的なようにも思います。 1800円(税抜)は、読みごたえはあるのだけれど、少しもったいなかったかなあと思っています。 | ||||
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