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北京から来た男
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北京から来た男の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.03pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全30件 21~30 2/2ページ
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2006年にスウェーデンの寒村で発生した村人の虐殺事件の原因が、時代は1800年代に遡り、舞台は中国から米国に展開するという極めてスケールの大きな作品で、読み応えがあった。ただ、ミステリーとして見た場合には、後半の謎解きに至るまでの過程に不自然さがあったり、明かされた謎に驚きがなかったという点を考えると、尻すぼみに終わったのがやや残念。 | ||||
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へニング・マンケルの新作で、単行本上下冊で出たので、期待度が高かったが、期待はさっぱり満たされなかった。 理由は以下の通り。 冒頭の凶悪極まりない犯罪(現代である)がなぜ起きたかの説明が弱いので、結果的に荒唐無稽である。 過去のアメリカでの悲惨体験が、歴史的(客観的)にどういうことなのか、ちょっとわかりにくい。歴史的根拠があるにしても、現代とうまく共鳴していない。 犯人の肖像は異様であるが、表の顔と、裏の顔の落差、及び、なぜこういう人間が存在しうるのか、説得力を持って描けていない・ 主人公が広い中国に短期間滞在しただけで、これだけ物語が進んでいくのは、ご都合主義すぎる。 | ||||
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ずっと次の作品の翻訳を待っての本でしたので大変喜んでいます。私の知らない世界の歴史や民族間の違いが解ってとても興味深い作品でした。ただすべてを読み終えて思うのは少し内容が中途半端な感じがしました。理由はわかるとしてもこれだけの事をしての結果があまりに単純なような気がしてなりません。 | ||||
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巨匠の最新翻訳ということで、期待していましたが、残念ながら、期待外れでした。 上巻の100頁過ぎで、おおよそのストーリー展開が読めてしまいました。 作者の名声にふさわしい、高額のアドバンスと翻訳著作権料が動いたと推察しますが、ストーリーに緻密さや新味も感じらず、登場人物の造形にも深みが感じられません。悪く言えば、書き流しの作品と思います。実績ある作家でも老いには勝てないのかも知れません。やはり、気力体力の充実した壮年期にしか生み出せない作品があるのだということを再確認しました。それでも、まあなんとか最後まで読み通したので、☆ふたつです。 | ||||
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北欧を代表する作家、ヘニング・マンケルの長編ミステリー(ヴァランダー刑事ものではありません)。 主人公は中年の女性裁判官、ビルギッタ・ロスリン。 スウェーデンの寒村で起きた恐るべき大量虐殺事件に興味を持った彼女が、 やがてアメリカ、スウェーデンと中国を結ぶ思いもよらない糸を発見します。 前半は謎解きと過去の物語に主眼が置かれていますが、 後半は現代中国に舞台が移り、大きな歴史的転換点にある中国の姿が描かれます。 虐殺事件の謎を次第に明らかにしていくロスリンの活躍と、彼女をつけねらう 邪悪で不気味な影が読む側の恐怖を煽ります。 社会派作家マンケルの国際政治に関する冷静な観察が光る本書、 ミステリーとしての面白さもさることながら、 大河小説と国際サスペンス小説を合わせたような重厚な大作です。 ロスリンをはじめとする優秀で気丈な女性たちの活躍が印象的で、 倦怠期にあるロスリンと夫との微妙な関係や,細かい心理描写が この大作に繊細な味わいと詩情を与えています。 欠点を言えば、冒頭の衝撃的な事件の解決がやや粗雑な感じを受けたのと 後半から内容がぐっと政治面での描写に傾いていくため、 ヴァランダーものに見られるスリルが少々減殺されているように感じました。 ですが現代中国についての洞察はとても優れているように思います。 訳者の柳沢由実子さんのあとがきによれば、 ヴァランダー刑事ものの翻訳も進めていらっしゃるとか。 今後のマンケル作品の刊行が実に楽しみです。 | ||||
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ヘニングマンケルのミステリは北欧だけを舞台とせず且つ長大な時間の中でのストーリーでスケールが大変大きい。事件の発端も村人のほぼ全員が殺されるというおどろおどろしさ。さらに途中で発生する殺人事件。これらがホワイ&フーダニットとしてどう論理的に解明されるのか。そんなところがこのミステリの魅力とおもいますが、結局ホワイ&フーが尻窄みです。スケールの割には、「え、こんなの」という感じ。ヘニングマンケルの他のミステリでもコンピューター犯罪というスケールの大きい事件を扱いながら犯人が小物というのがありました。本作も同様の印象です。 | ||||
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久しぶりの新作でとても読み応えがありました。いつもながら時代背景や人種差別の問題に触れながらの作品展開でした。まだまだ自分の勉強不足を痛感させられた作品でもありました。 | ||||
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あるスウェーデンの寒村で住民の惨殺事件が発生。老人ばかりのこの村のほとんどの住民が一夜にして切り殺されたのだ。殺された老人夫婦が自分の母の養父母だと気づいた裁判官のビルギッタは、事件の真相を探るべく、独自に調査に乗り出す。彼女が手に入れたのはその養父母の家にあった古い日記だった…。その日記から、過去の隠されていた悲劇が明らかになっていく。 貧困にあえいでいたころの中国、開拓真っ盛りのころのアメリカ、そして、現代の経済発展著しい中国、そして、アフリカ…舞台は時代と地域を越え、空前のスケールで展開していく。このスケール感がいかにもマンケルらしい。 ただ、今回のなぞを追う人物が裁判官であるため、マンケルのヴァランダーシリーズのような、警察官が謎を解きほぐして犯人を追うという形にはなっていなかったのが、ミステリーとしての切れ味を損ねているようで惜しまれる。ミステリーというよりも、国をまたにかけた悲劇的な歴史が現在の悲劇を生むという大河小説のように読めばいいのかもしれない。 | ||||
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スウェーデンの重鎮作家ヘニング・マンケルは「殺人者の顔」から始まった、刑事ヴァランダー・シリーズを1999年に9作目「ピラミッド」(未訳)を出版した後、2009年にシリーズ最後といわれる「苦悩する男」(未訳)がでるまでの10年間、ヴァランダー刑事ものは書かず、この間に12冊の重厚な小説を書いた。本書はその内の1冊であると訳者あとがきで書いている。 冬。スウェーデンの小さな村。家々の煙突からは一軒も煙が出ていなかった。 カメラマンの通報で地元の女性警察官、ヴィヴィ・スンドベリが見たものはスウェーデン犯罪史上類のないものだった。 <どの家にも死体があった。犬も猫も斬り殺されていた。オウムまでが首をはねられていた。> 全部で19体。老人ばかり。中に12歳ほどの少年の遺体もあった。 <全員が激しい暴力を受けて殺されていた。> その現場はあまりにもむごたらしくヴィヴィは現場のメモを最後まで書く力を無くしてしまうほどの惨状だった。 この冒頭の<スウェーデン犯罪史に残る>大虐殺の描写の迫力から、読者は一気に壮大な物語にひきこまれる。 新聞で事件を知った女性裁判官ビルギッタ・ロスリンは、そこにのっている一枚の写真に目をとめる。記憶の底にあるその家は捜していた自分の両親の書類の中にあり、犠牲者の名にも記憶があった。捜していた母の養父母なのではないか。自分は遺族ではないか。 こうしてビルギッタは誰が何のために起こしたのかも分からない、謎の世界へと足を踏み込んでいく。 <これは、謎に満ちた、とらえようもないほど規模の大きな事件に違いない。> <すべてがまだ漆黒の闇の中にある。> 物語は突然1863年の中国へとぶ。ここで語られる当時の中国の貧困層が身を削るように生き、多くの人々がアメリカへ移民として渡ったのは事実である。そしてここで描かれるアメリカ大陸横断鉄道の建設はほとんど中国人移民の完全な奴隷労働によって完成し、無数の中国人が飢えと過労のために死んだというのも事実である。 アメリカは移民の国である。1900年代初頭には800万人の移民がいたという。 この中には北欧の人々もいたであろう。そして1892年には突然「中国系移民排斥法」が成立し黄禍論がうずをまいた。 白人に対する「叛」という言葉がうかんでくる。 この小説は過去という止まった時間の底から、実際の事件が後から浮上してくるのだ。 登場人物たちそれぞれの60年代に経験した政治、思想、闘争の歴史過程は、我々の心の奥深いところでいまだに熾火のように燻っているのではないか。 世界は今もこの小説の中で描かれる「暴力」と「非情」、つまり現実に「無感覚」であるという本質にせまろうとした、奥深い闇こそがこの小説のテーマだ。 圧倒的な暴力の迫力に満ちた「上巻」に始まり、冷たい<寂>としたサスペンスにあふれる「下巻」で終わる犯罪小説の傑作である。 | ||||
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ヘニング・マンケル著の柳沢由実子訳ということで、ヴァランダーシリーズ等の前例から、文庫だとばかり思っていたら単行本でした。 ハードカバーではなくソフトカバーです。 うーむ、とりあえず本棚で揃えにくい・・・ というのが不満か。 内容に不満はないのですがねー | ||||
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