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海のある奈良に死す



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海のある奈良に死すの評価: 3.62/5点 レビュー 26件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.62pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全26件 21~26 2/2ページ
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No.6:
(4pt)

過程を楽しむミステリ

 「海のある奈良」なんて言葉を、恥ずかしながらこの作品で初めて知りました。人魚にまつわる伝説だとか、ちょっとした旅情ミステリの趣きもある本作は、火村先生のシリーズではちょっと異色な感じがしますが、いろんな情報盛りだくさんで、謎解き以外の部分でもかなり楽しめる作品になっていると思います。
 今回は長編ですが、最後まで飽きずに読めます。ラストの描き方で、ちょっと消化不良気味の読者もおられるようですが、確かに、真相が唐突に出てくる感は否めないとしても、この作品に関しては、犯人に至るその経過そのものが楽しい作品だと思うのです。
 被害者が最後に残した「海のある奈良」とはどこなのか。どんな作品を書こうとしていたのか。もう一人の犠牲者はなぜ殺されたのか。そこに、人魚の謎はどう絡んでくるのか・・・などなど、真相を追ってアリスと火村センセが奔走する姿がおもしろい。ここでようやく、コンビが完成された感じがします。
 短編もおもしろいけれど、長編も大好きです。これ以外の「国名シリーズ」もおすすめです。 
海のある奈良に死す (角川文庫)Amazon書評・レビュー:海のある奈良に死す (角川文庫)より
4041913020
No.5:
(3pt)

挑戦的なミステリ

 1995年に双葉社から出た単行本の文庫化。
 小さなトリックがいくつも投入されている。それぞれ、ひねりが効いていて面白いのだが、全体の整合性としては不満が残る。また、中心的な謎であるはずの「海のある奈良」はどこかという謎が、最後まで解き明かされないまま終わってしまうのもどうかと思う。もうひとつ、大きな謎が残るし。
 いくつもの短篇的アイデアがまとまらないまま長編になってしまったような作品。
海のある奈良に死す (角川文庫)Amazon書評・レビュー:海のある奈良に死す (角川文庫)より
4041913020
No.4:
(5pt)

コンビ愛炸裂

作家アリスシリーズの長編第3弾。『46番目の密室』で華々しくシリーズが始動し、次作『ダリの繭』では火村とアリスのコンビが確立された(キャラに深みが増し、ホームズとワトスンの関係が成り立った)。そして、この『海のある奈良に死す』ではシリーズとしての魅力がトップギアに入り、発揮されることになる。まさに「旅情」に相応しい、各地を転々としたミステリーが繰り広げられる。今後、火村とアリスの2人は様々な土地を訪れることになるが、「旅情」と呼べる作品では、これが原点なのかもしれない。地方の伝説や歴史背景など、とても詳細に(多岐に)迫っており、そういったネタは実に興味深いものだった(これも作者による取材の賜物なんだろう!)。また、推理作家という職業の特殊な設定が最大限に生かされているのも良い。業界関係者が多数登場し、事件の展開として、映像の世界にもちょろっと足を踏み入れているのも面白い。この作品、事件の真相の割には、かなーり大規模(390P)になっているが、これって考えてみたら作者の魅力が炸裂しているからこそなんだと思う。トリックはいかにも有栖川有栖らしい「ふんふん」と頷かせるものだし、それ以上に、火村とアリスの活躍が面白くさせた作品ではないか。
海のある奈良に死す (角川文庫)Amazon書評・レビュー:海のある奈良に死す (角川文庫)より
4041913020
No.3:
(1pt)

面白くなかったなぁ

「孤島パズル」についで読んだ。「孤島パズル」は本格ミステリーでなかなか良かったけど、今回はダメェ〜。まず、全体に冗長でなかなか進まないくせに事件自体がショボくさいんで読んでて苦痛になってきました。出てくる人物もパッとしないし。なによりビデオのトリックの杜撰さに唖然。人殺しにそんなトリック使ったんですかぁ?って突っ込みたくなった。情けないトリックでしたね。
あと最後に、あるビックリする人間関係が明らかにされたけど、なんか強引に読者を驚かせようとしてる感じ。とくに脈絡もないしねぇ。だからどうしたの?ってここでも突っ込みたい。
「海にある奈良」の謎もパッとしなかったなぁ。この人は江神シリーズのほうが面白いようですねー。
海のある奈良に死す (角川文庫)Amazon書評・レビュー:海のある奈良に死す (角川文庫)より
4041913020
No.2:
(4pt)

近畿旅行に行きたくなる一作

この作品は、作者・有栖川有栖が会社員を辞め、専業推理作家となって一作目に書かれたものなのだそうです。作者はこれで自分も一人前の推理作家になったという気持ちになり、そのことがよほど嬉しかったのでしょう。本作の登場人物は、探偵役の火村英生(大学助教授)を別にすると、推理作家や出版社の編集者、そして推理小説をビデオ映画化する制作会社の社員といった具合に、全員が推理小説に関わる職業を持つ人なのです。作家・有栖シリーズでは、これまでは主人公が推理作家であることに特別な意味は感じられませんでしたが、今作では彼の職業を中心に据えた話になっています。中でも、友人である別の推理作家が殺され、彼が書こうとしていた推理小説の内容を有栖らが推理するという趣向は面白いです。そして、本作は関西地方に伝わる人魚伝説を取り入れており、珍しく旅情ミステリ的な趣きも持っています。ちょっと浅見光彦っぽいです(笑)。これも、作者が専業作家になったことに伴い、取材旅行に出かける時間を持てるようになったことの賜物なのでしょう。そんな気合いの入った一作ではあるのですが、肝心のトリックの冴えはこの作者にしては今ひとつかなと感じました。火村英生も思いつきで殺害方法を見破ったりして、いまいち論理的でないのがちょっと残念です。
海のある奈良に死す (角川文庫)Amazon書評・レビュー:海のある奈良に死す (角川文庫)より
4041913020
No.1:
(5pt)

海のある奈良とは?

海のある奈良、とはいうまでもなく、「ありえないこと」だ。有栖川は友人でもある推理作家赤星が「行ってくる。海のある奈良へ」という言葉を最後に殺されたことをきっかけに、親友で犯罪学者の火村と共に事件を追う。主人公も推理作家だけに、彼にとってどうしても気になるのは、赤星が最後に書こうとしたであろう推理小説のトリックだ。一体、海のある奈良とは何なのか?有栖川と火村は事件を追い、それが同時に赤星の幻の作品を追うことにもなっているので、結果的に入れ子式というか、多層構造になった作品だ。読み終わって非常に、こういっては何だが、満足感といえば月並みで、2冊分の本を読んだような感じがある。シリーズ初の「旅情」も楽しめる作品でもある。このコンビの第一作『46番目の密室』、第二作『ダリの繭』にもまして、有栖川&火村のコンビも絶好調。既に第一作でも火村が犯罪学研究を始めたきっかけだという「誰かを殺そうと思ったことがあるから」の謎もますます深まっていく。これから、火村、そして有栖川とのコンビもますます楽しみになった。
海のある奈良に死す (角川文庫)Amazon書評・レビュー:海のある奈良に死す (角川文庫)より
4041913020

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