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怒り
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怒りの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.68pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全202件 201~202 11/11ページ
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巧い。 点に散りばめられた小さなエピソードが、それぞれ化膿した傷のように痛み出す。 その各キャラクターたちの痛みに共感したら、もうこの物語から逃げられない。 吉田修一はこの作品で、よりエンタテイナーになったように思う。 パワフル且つ繊細で、読む者を、吉田ワールドへ引きずり込む。 ただ、エンディングあたりで、前作「愛に乱暴」と似たような失速感?を感じる。 唐突に、読者はドラマティックな世界から、ドライで無機質な現実に戻されるのだ。 吉田修一が敢えてそういう手法を選ぶのか、それとも飽和して尽きた結果なのか。 いずれにしても、前後編の85%まで、読み手は激しい感情に揺さぶられるのだから、凄い力量には違いない。 イッキ読み必至の面白さ。保証します。 | ||||
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殺人を犯し、整形をして逃げる犯人の男といえば、誰もが実際に起きた事件の容疑者を思い浮かべるだろう。 沖縄の離島や、千葉の漁港で働き、はたまたゲイの居候をしていたと聞けば、より上記の事件の犯人の足取りと結びつく。 殺害現場に残された怒りの文字。犯人は怒りを体現し、それを示したかったのか、それとも何か別の理由があるのか。 この三人の男たちは同一人物なのだろうか。「怒り」はどこにあるのか? 読み終えて最初に思ったのは、ある意味で肩透かしの部分はあるし、掘り下げるべきテーマがもっとあったのではないかということだった。 しかし、それをやってしまえば他のエンタメ小説と変わらないし、作者が書きたかったのは、ワーキングプアの実態とか同性愛者の差別とか、そんな世俗的なものではないと思い直した。 誰の心にも潜み、そして時折抑えられない衝動として湧き上がる、怒り。 けれど、それさえも本当のテーマではない。激しい怒りのあとに訪れる虚しさや哀しみ、そして虚無。 ラストには救いがある。同じく、救いはない。 | ||||
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