■スポンサードリンク
ペテロの葬列
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
ペテロの葬列の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.29pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全207件 201~207 11/11ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
逆タマ探偵杉村三郎シリーズ第3弾。 前作『名もなき毒』からずいぶんと間が開いたけど、待った価値はあった。 700ページ弱の分量を一気に読ませる筆力はさすが。 冒頭のバスジャック事件を起点に、三郎が身の回りで起こる細々とした 事件に対処していく展開はこれまでと同じながら、全体的なトーンは 重くシリアスで、話の広げ方なども前2作よりむしろ『楽園』に近い印象。 さらに今回、もともとは「逆タマお婿探偵」というキャラを成立させるための設定であった 今多嘉親や妻の菜穂子の人物像が掘り下げられ、さらには三郎本人の内面にも踏み込んでいく。 事件の解決後、三郎と菜穂子が下す決断がずしりと重い。 そこで初めて、宮部作品の中ではそれほど重要視していなかったこのシリーズに、 自分がそれなりに愛着を持っていたことに気がついた。さびしくなるなあ。 何かを決断するかのように、何かに耐えるかのように、 ぐっと拳を握りしめて独りたたずむ杉村三郎の表紙イラスト。 彼は、そしてこのシリーズはこの先どこに向かうのか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
人物描写が非常に詳細な宮部ワールドにひきこまれてしまい、あっという間に読み終えてしまいました。 主人公の杉村さんの奥様がコンツェルンのお譲様で・・・と現実離れした、いかにもな設定でしたが ラストで「小説の世界でも現実と同じようにキビシイのね」という展開になってしまいました 杉村シリーズはこれからも続くんだろうな・・・と思います 私は、杉村シリーズを今まで読んでいないのですが、それでも違和感なく溶け込めました。 前2作もこれから読もうと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ひとことに言うなら買うんじゃなかった、宮部みゆきさんの本は好きでずーっと読んでいましたが、これほど気分が悪くなる本はあまりない。二度と読むきがしないので即売りに行きます | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
発売日を指折り数えて待ってました。 このシリーズ、主人公の杉村三郎の妻、今多コンチェルンのお嬢様がどうしても好きになれず、 最初からイライラしてました。 本題のミステリーより前2作ともこの夫婦が気になって。 私の言いたいことを妻本人が言ってくれてます。宮部さんは優しいな、 何も分かってないわがままだけのお嬢さんにはしなかった。私から見ればどうしようもない我儘ですが。 ミステリー自体は怖かったですね。お金の恐ろしさ、そして知らず知らず相手の術中に嵌ってしまう恐ろしさ・・・ 人間は弱いです。 杉村さんシリーズ楽しみです。もう少しだけ強くなって。「睡蓮」のマスターも引っ越すらしいから次回からも出てほしいです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
冒頭の数十ページ、締めくくればそこだけで1本の短編ともできそうな良作。 物語が進み、最後までとてものめり込んで読み進められたのに最後の最後のエピソードで一気に台無しになってしまいました。 宮部作品にしては初めてといってもいいくらいの読後感の悪さ。後味が悪すぎて納得できません。 「私」の10年はあれで一気に陳腐で想像通りな薄っぺらいものになってしまった。シリーズが続く様相を匂わせつつ終わったが、このレビューを書いた私が浅はかだったと後悔する結果になることを望んでやまない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「誰か」「名もなき毒」に続く、杉村三郎シリーズの第3弾。杉村が乗ったバスがハイジャックされ、杉村は人質に取られる。その事件は警察の突入により数時間で解決するのだが、そのあとに多くの謎が残され、杉村は人質仲間とともにその謎を調べ始めることになる。そしてたどり着いた真相は、この国の社会の闇につながる苦いものだった。宮部みゆきらしい、社会の悪に市井の人の目で切り込んでいく力作だ。 この作品では、人の心に潜む「悪意」とそれが人に伝播してゆく恐ろしさを取り上げている。題名の「ペテロ」は、キリストの12使徒の1人で、キリストが迫害される中、キリストへの忠誠を誓った人物だ。しかし、ペテロは迫害者の厳しい追及に負け、ついに「キリストを知らない」と嘘をつく。その嘘を後悔したペテロは真実を述べて逆十字架にかけられ殉職する。 この国の社会の闇の中には、自分の利益だけを考えて平気で嘘をついて他人を貶める「ペテロたち」がたくさんいる。本物のペテロには、心の中に嘘を見抜くキリストが住んでいたから、嘘をついたことを悔いることができた。けれど、現代の日本社会の「ペテロたち」は悔いることなく嘘をつき続ける。 この本で描かれる事件は、そんな「ペテロたち」の一人が嘘をつき続けたことを悔いて行動を起こすところから始まっている。人質事件にかかわった人々も、自分の利益と、正義との間で揺れ動きながら、どうすることが自分にとって、そして周りにとってもいいことなのかを考えていく。 現代の闇は利己的な「ペテロたち」をこれからも生み続けていくだろう。しかし、この書で書かれているように、それを悔いるものが現実の社会にもいてほしい、他者の気持ちを考える心を少しでも持っていてほしいと願わずにはいられない。そして、自分も、匿名のネット社会に引きずられて気づかぬうちに「ペテロたち」の一人にならないように気を引き締めなければならないと思う。 また、この作品では、おなじみの登場人物も今までどおりにはしていられない。事件を巡るさまざまな葛藤を経て、それぞれに変化していく。このシリーズの次の作品は、きっとまた違ったものになるであろう。そんな予感がもてる余韻あるラストシーンだった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
宮部みゆきの新刊と聞き早々に予約。本作を読むまでシリーズものだと知らず、結局三部作全て揃えて読みました。 思い違いでなければ、主人公が探偵を志していくまでの物語。全編通して鋭いのか鈍いのかわからないドMの主人公が、 色々事件に首を突っ込んでは、善を施したはずの人から罵倒を受けるという毎度のパターン。 主人公も曲がりなりにも事件に係わり、解決してきた自負でもあるのか、知らなくてもいい事実までほじくり出しては話を 混乱させる。一見淡泊そうに見えて諄い。周囲からの人物評は「いいひと」でしょうが、実際近くにいたら疲れて堪らない。 現代小説と銘打っておりますが違います。作者お得意の「胸糞ファンタジー」です。 シリーズ全般に言える事ですが、登場人物全てが多少の違いはあれども浮世離れしていて変人揃い。まともな人間がいない。 常に力を持つ者が持たない者を踏みにじり、相手を振り回しては屈服を強いる。不条理はファンタジーで有耶無耶にされ、 不誠実な者が無反省かつ薄汚い言い訳を押し通し、数少ない善人が何時までも馬鹿を見続ける、諦観に支配された終末世界。 何奴も此奴も何の責任も取らず、何のケジメも付けない。 その最たる人物が主人公にもっとも深く関わる二人。 主人公を認めているように思わせながらも、実際は人生を縛り付けた上に長期間飼い殺してただの娘のお守りにし、 一々人を呼びつけては愚にも付かない人生訓を垂れ流し、次々に無茶を申し付けては立場を悪化させるだけの義父。 夫の苦悩を一番に理解するべき人間であるはずが、自分の生活を変えたくないが為に常に見て見ぬふりを続け、傍目 では常識人を気取っていながらも次第に浮世離れした価値観を発揮し始め、最後は思う存分妾の子の本性を現す妻。 主人公にとってこの二人と関わることになったのは人生最悪の選択でした。 仕事を捨て、家族とは半ば縁を切り、逆玉であるが故に嫉妬の対象となり、妻の一族からは何時までたっても外様扱い。 それでも幸せを感じているから他人の批判など全て的外れだった。しかし、守っていると思っていた物は全て虚像だった。 終わってみれば他人の言葉は全て正しかった。自分は紛う事無き男妾だった。…とまあ、何とも在り来たりな纏め方で。 で、浮気をする理由は「相手を解放してあげる」ためで、介護に疲れた男が妻を手にかけるのは「恋をしていた」からで、 大好きな父親との別れをあっけらかんと受け入れる子供が「聡い」ですか。 えーと…もしかして頭に何か湧きましたかミヤベセンセ? 指輪物語に何を影響されたか知りませんが、ホントご都合ファンタジズムも大概にして下さいよ…。 最後まで広げっぱなしの風呂敷。コロコロと変わる人物設定。そして都合が悪くなると決まって繰り返される現実逃避。 2度目のバスジャックの話辺りからの、思いついたまま何の推敲もせずに書いたんだろうか?というくらいの投げやり感。 轢き逃げの真相を探る事でもなく、無差別毒物混入犯を曝く事でもなく、悪徳商法の本質を白日の下に晒す事でもない。 結局ハイライトらしい事と言えば、毎度最後に馬鹿男と馬鹿女が出てきてはオイタをやらかしてお茶を濁す事くらい。 最後の最後まで物語の中に入る事が出来ない。本当に衝撃的と言っていいくらいに、つまらない。 途中で何度も挫折しそうになりながら何とか最後まで読み終えましたが、こうも即ゴミ箱行きになった本というのも珍しい。 楽しみが減るからと書評は一切見ずに購入したことを猛烈に後悔しています。 うっかり買うのは仕方ないにしても、そうしておけば何も好き好んでこんな本なんか読まなかったのに。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!