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襲名犯



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【この小説が収録されている参考書籍】
襲名犯
襲名犯 (講談社文庫)

襲名犯の評価: 2.64/5点 レビュー 28件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点2.64pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全7件 1~7 1/1ページ
No.7:
(4pt)

文章が難解でナルシスティックな印象も受けるが、骨太のストーリーである。Titain`s Moonの部分にはすごいと思った。

数多くの乱歩賞受賞作というのは(個人的には、ほとんどの作品があまり面白いとは思わない)、記憶に残らない。池井戸潤の受賞作”果つる底なき”さえ、いまいち面白くなかったし、記憶に残らない。記憶に残っているとすると、最初の殺人が蜂に刺されて殺されたということぐらいである。しかし、その後の池井戸氏の活躍は周知のとおりである。

この作品、襲名犯、は多少の批判はあるだろうが、記憶に残る推理小説だと思う。おそらくTitain`s Moonという英語から、新田、霜野という登場人物、二人のプージャムといわれる人物の名前を設定することからこの小説は始まったと想像する。エピローグにでてくる月の話は後付けだとしても。一読の価値はあると思う。

”ただし、容疑者が簡単に二人に絞れます。そして、推理小説に慣れた人なら、簡単に犯人が特定できます。そういった意味では、推理小説として、少々残念と言わざるを得ません。”などとおっしゃっている方もいらっしゃるようですが、本質的に推理小説はそのようなものである。しかし、そのような展開で、いかに読者をとらえるかどうかが作者の腕の見せ所である、ということをご理解されていないようである。こんなことをいう人は、もっと推理小説を読んでから言ってほしい。
襲名犯Amazon書評・レビュー:襲名犯より
4062185091
No.6:
(4pt)

江戸川乱歩賞選考委員の酷評に驚く

第59回江戸川乱歩賞受賞作。面白かった。死刑執行により忌まわしき連続殺人鬼ブージャムこと新田秀哉がこの世から消えたにも関わらず、再びブージャムによる連続殺人が発生。ブージャムを信奉する輩によるコピーキャットなのか…主人公の南條仁を巡り再び蠢く連続殺人鬼…その正体は…

海外のシリアルキラーをテーマにしたミステリーと肩を並べても恥ずかしくないほどの作品。シリアルキラーの深層心理も見事に描き、最後の最後まで緊張感に溢れる作品だった。

巻末に江戸川乱歩賞の選考経過の記載があるが、かなりの酷評。お前らにこういう作品が書けるのかと怒鳴りたくなるような内容だった。この賞は、大衆に愛された江戸川乱歩というエンターテイメント・ミステリー作家に因んだ賞であったはず。
襲名犯Amazon書評・レビュー:襲名犯より
4062185091
No.5:
(4pt)

貶すもよし 楽しむもよし 何れにしても値段相応の価値はある

本書は、江戸川乱歩賞の最新受賞作。

かつて日本中を震撼・狂乱させた連続殺人犯(通称ブージャム)の名を新たに名乗る者(襲名犯という題名はここに由来)の連続殺人が新たに発生。最初のブージャムと関わりのある主人公、プロファイリングを武器とする刑事、ブージャム崇拝者など主人公の友人・知人だけで構成された登場人物の多くが闇や謎を抱えることを明らかにしながら、襲名犯は誰なのか?という謎の答えが思わせぶりに二転三転した謎解きはラストまで続く。

先達レビューでは、本書が江戸川乱歩賞審査員から受賞作なのに批判が多かったことを根拠に、その批判内容をなぞるような酷評が目立つ。あるいは、昔の受賞作と比べて(というか昔の受賞作でのヒット作や大家となった過去受賞者と比べてだが)劣るとの酷評も結構ある。
確かにその通りだろう。プロの審査員の発言はその通りだし、無名の新人とベストセラー作家に大成した先達を比べれば前者は拙い。
これだけ気持ちよくかつ誤読との指摘を受けることもなく酷評できることは、アマチュア読者には格好の愉しみだろう。こんな受賞作もそうないわけで、その点では買う価値ありだろう。(注:本書の審査員からの酷評は受賞時点でミステリー好きの話題となっており、「つまらないから買わない」という選択肢を酷評する読者のうちミステリー好きは持てたという事実!)

ミステリー好きでもマニアでもない私の管見としては、犯人は誰か?が最後まで分かりづらいし、その真犯人を暴くラストも、とりあえず最後まで読む気になったし、確かに文章がダラダラしているが、脳内垂れ流しとか無駄な伏線乱発ということもないので、気楽に読めた。ついでにいえば、江戸川乱歩賞も「受賞作なし」で毎年やるのは大変なんだなとか内幕も楽しめた。

十分に値段見合いの愉しみが、酷評好きにもお気楽組にもあると思いますよ。
襲名犯Amazon書評・レビュー:襲名犯より
4062185091
No.4:
(4pt)

言われるほど酷くない

Amazonレビューが悲惨だったので、あまり期待せずに読んだ。おかげで他の方たちよりは楽しめたように思う。
どうしても江戸川乱歩賞受賞作となると、読者側のハードルが高くなりすぎてしまうので、ちょっと可哀想かなと思う。しかも巻末の選評もボロボロなので、二重に作者が不憫。

確かにブージャムのカリスマ性は伝わらないし、犯人も途中で分かってしまう。凄惨な殺人の割りには生理的な嫌悪感が湧き起こらないし、ゾクゾクする恐怖感も感じない。当然、改善の余地はあるのだろうけれど、筋立ては魅力的だったし、何とも寂しげな地方都市の暗鬱な感じは出ていて、つまらないと感じることは無かった。今後への期待も込めて☆4つ。
襲名犯Amazon書評・レビュー:襲名犯より
4062185091
No.3:
(5pt)

面白かった!

ミステリー作品は、「嫌い」というわけではないが、読書家を自認する私が唯一読まないジャンルであった。

気まぐれで本作品を購入し、読むこととなったわけだが、一気に最後まで読み進んでしまった事に驚いた。
結論から言うと、私のようなミステリー初心者にとって、本作品は非常に楽しめるものであった。

思うに、「本作品のレベルが云々…」といったレビューを書く輩は、往々にして「ミステリー作品のレベルが落ちている」事を
嘆いているようだが、そういった批判がミステリー作品に挑戦しようという作家の層を薄くしているのではないか。

私のようなミステリーを読まない層にまで読者層を広げたということは、ミステリー界にとって大きな功績であると思うが、
レビューでエラそうに批判をする人間は、ミステリーの壁を高くし、「ミステリー作品に挑戦してみよう」(著者・読者ともに)
という層を遠ざけてしまう、極めて害のある連中だと考える。
私もアマゾンで批判的なレビューばかり見ていたら、読まなかったかも知れない。批判をしてエラそうにしている人間は、猛省して頂きたい。

もちろ厳しい目で批判を加え、「育てる」ことは重要であるが、少なくとも本作品に対する「批判」に愛は感じられないし、
その批判もピンとこない。
一方で、評価が高いレビューには、愛の感じられる批判(というより批評)が多いようである。

どうやら私は、ミステリーが嫌いなのではなく、「通ぶって」批判を加える連中が嫌いなようである。そして、そういった連中が
多く徘徊しているのもミステリーというジャンルなのではないだろうか。

どうか著者には、「批判することが楽しい」くだらない輩を相手にせず、今後もチャレンジして、楽しめる作品を世に送り出して
頂きたい。
襲名犯Amazon書評・レビュー:襲名犯より
4062185091
No.2:
(5pt)

もう少し、小説を楽しんでみては。

かなり批判的なレビューが多いですが、読者メーターなどでは好意的な意見が多いですね。
当然乱歩賞という大きな賞のため、期待値も高いのは当然でしょう。
でも、私個人は凄く楽しめました。この小説の真髄は、登場人物の成長、それに尽きると思います。
語彙も豊富で、何より、著者が述べる「タチムカウ」という言葉。それが如実に表れています。
ダヴィンチなどで著者が述べていた通り、猟奇殺人という不条理に対して、人がどうタチムカウのかが、
丁寧に、しっかりと書かれています。
ただの美形が「カリスマ」となるのも、非常に興味深かったです。時はネットがブームになった頃。
その頃に、何もポリシーのない殺人鬼が、周りの憶測によって持ち上げられるのも一本取られたと思いました。
作中に「民衆はハンニバル・レクターと勘違いしている」というような言葉がありましたが、
新田秀哉は、カリスマ性もポリシーもないからこそ、カリスマになったと感じました。
乱歩賞の作品は結構読んでいますが、毎年こういった「乱歩賞なのにつまらない」といったレビューを見ます。
乱歩賞は、新人発掘の場です。(例外もありますが)当然、粗はあります。それは選評委員の言った通りかもしれません。
ただ、重大なのはこの作者が世に出たこと。そして、少なくとも私はこの小説を読んで、登場人物と一緒に悩んだり、
自分に置き換えたり、最後はカタルシスを覚えました。もっと星をつけたいくらいです。

「乱歩賞だから、完璧な作品に違いない!」と思ったら、確かに落差はあるかもしれません。
でも私は素直に「面白い小説が読めた!」と思いたいです。
私は、南條仁という主人公を一生忘れません。タチムカウというその姿勢を、見習いたいです。
次作も楽しみです。
襲名犯Amazon書評・レビュー:襲名犯より
4062185091
No.1:
(5pt)

構想力に脱帽

小説や物語などの文学作品に求めるものは人それぞれでしょうが、自分は構成の妙を感じさせてくれる作品が好きです。その点で、本作は総体として★5の価値があると感じました。

登場人物の会話が軽妙で、無駄を省いた文体も手伝ってぐいぐい読まされます。実はAmazonで注文したのですがまだ届いておりません。昨日本屋で見かけて立ち読みをはじめたところやめることができず、最後まで一気に読んでしまいました(本屋さんごめんなさい)! でもキャンセルはせずに、到着したら再読を楽しみたいと思います。

場面によって表現に多少ムラがあるかな? とも感じましたが、それはさすがに求めすぎでしょうか。ともあれ、殺人の場面には背筋がぞくっとする迫力がありましたし、日常の場面には頬がゆるむユーモラスさも感じました。全体としてメリハリがきいています。それだけに事件の真相にははっとさせられ、その後の顛末にはほっとしました。猟奇殺人を扱っているにもかかわらず、「人」全般に対する深い愛を感じる筆力があります。

私は最近あまり小説が読めていないので最近のミステリーの動向がわからないのですが、さしあたって過去の乱歩賞の作品と比べた際に上位に入るお気に入りになりました。作者はこれがデビュー作とのこと。この出版不況の折に、長編で力のある新人が出てきてうれしいです。いかなる娯楽もハードルを上げればケチのつけようはあるでしょうが、それでもミステリー好きなら、今後の作者の進化と伸展を追うためにも早めに一読しておく価値のある良作だと思います。
襲名犯Amazon書評・レビュー:襲名犯より
4062185091

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