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襲名犯
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襲名犯の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.64pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全28件 1~20 1/2ページ
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読みながらいろいろな疑問が湧き出てくる作品だった。 「これは誰がしゃべっているの? この人誰だっけ? 今どこにいるんだっけ?」 そんなこんなで、話の筋を追いかけるので手いっぱい。 読み終えるのに苦労したあげく、読み終えても、なんでこうなったのかわけわからない。 整理がつかないままの読書はくたびれました。 | ||||
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県警捜査一課にキャリアが出てくるが、有り得ない。キャリアが出てくるとしたら捜査二課。こんな初歩的な間違いを指摘できない選考委員も講談社の編集部も、情けない。 | ||||
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切り裂きジャックを思わせるプージャム。目の付け所は面白い。前半から中盤、つまり新田祐子に会いに行く場面までは終盤に向けてのオーケストレーションを感じ、終盤の怒涛の展開を予期させたが、まさかの失速。エモーショナルな歌を16ビートで奏でるような違和感。もう少し終盤に力を入れるとさらに盛り上がったかと思うと惜しい作品。ただまだ30代の若いミステリー作家だけにこれからに期待持てるかも。 | ||||
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すっかりベストセラー作家の登竜門という売りを同じ講談社のメフィスト賞に譲り渡した感のある21世紀に入ってからの乱歩賞。 本作も最終候補作の作者の平均年齢が50歳以上という憂うべき状況の中、選考委員評ではほぼ褒めている人がいないが、作者が一番若いという事で選ばれたようだ。 設定自体はなかなか近年の乱歩賞作品としては鮎川賞寄りの技巧派サスペンスミステリーになっていて面白そうなのだが、後半になるに従って話のスケールが身内のレベルに収束していき、真犯人も最初から明らかに変な設定の人がそのままということもあり、尻すぼみである。 作者が司書なので図書館員を主人公にしているが、ミステリーで司書が主人公ってほぼ意味がないような・・・。 乱歩賞に顕著な特定業界を舞台にしないと受賞できないパターンを意識して取りあえず自身の仕事を入れ込んだのが見え見えであまり効果を上げていない。 視点描写が入り混じる一種の叙述トリック系で、折原一とかがよく書きそうなパターンのミステリーだが、それにしては落ちがこじんまりとし過ぎでこのネタならもっと結末にウルトラCが欲しいところだ。 が、それやると乱歩賞は取れないしな・・・・・。 この堅苦しさと息苦しさが若手作家志望者がほぼ現在メフィスト賞にばかり応募するという乱歩賞の危機的状況を招いていると感じさせる。 | ||||
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数多くの乱歩賞受賞作というのは(個人的には、ほとんどの作品があまり面白いとは思わない)、記憶に残らない。池井戸潤の受賞作”果つる底なき”さえ、いまいち面白くなかったし、記憶に残らない。記憶に残っているとすると、最初の殺人が蜂に刺されて殺されたということぐらいである。しかし、その後の池井戸氏の活躍は周知のとおりである。 この作品、襲名犯、は多少の批判はあるだろうが、記憶に残る推理小説だと思う。おそらくTitain`s Moonという英語から、新田、霜野という登場人物、二人のプージャムといわれる人物の名前を設定することからこの小説は始まったと想像する。エピローグにでてくる月の話は後付けだとしても。一読の価値はあると思う。 ”ただし、容疑者が簡単に二人に絞れます。そして、推理小説に慣れた人なら、簡単に犯人が特定できます。そういった意味では、推理小説として、少々残念と言わざるを得ません。”などとおっしゃっている方もいらっしゃるようですが、本質的に推理小説はそのようなものである。しかし、そのような展開で、いかに読者をとらえるかどうかが作者の腕の見せ所である、ということをご理解されていないようである。こんなことをいう人は、もっと推理小説を読んでから言ってほしい。 | ||||
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時間を無駄にしてしまいました。 まさか最後までこんな調子で終わるはずがない。 そう思っていたのですが 結局はダメでした。 評価に値しないので星も付けたくなかったのが本音です。 乱歩賞の名が廃ります。 こんな低レベルで賞が与えられたことにショックを受けました。 審査員は何を考えているのか。 自分に酔ったような文章。 構成も下手です。 読者に何を訴えたいのか も不明。 思うに、審査員は将来目がでそうなライバルを蹴落としてレベルの低い作品を推しているのでは ないでしょうか。 そうでなければこのミステリーの秘密は解けません。 桐野さん、流石です。 | ||||
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猟奇的連続殺人事件を犯し、警察に逮捕され、死刑となった伝説の殺人鬼《ブージャム》 平穏を取り戻したかに思えた街で、《ブージャム》そっくりの手口で、またもや連続殺人事件発生! 今回の犯人は、幼い日に出会った《ブージャム》に魅入られ(?)、彼を「襲名」して新たなる《ブージャム》として蘇った「襲名犯」なのだ! 【感想】多分、叙述トリックを使いたかった作品なのでしょうが、上手く行っているとは言い難いです。主人公が街の図書館司書の青年で、初代のブージャムとも因縁浅からぬ人物なのですが、過去の人物配置・人間関係を「見せる・読ませる」工夫が如何せん足りないので、クライマックスが弱くなっています。 図書館でのスタッフによる調べ物(レファレンス・サービスといいます)を織り込み、襲名犯に迫って行くまでのサスペンスは良いのですが、途中で「この街のみんなの平和を守る!」という主人公の決意が、やや上滑りしているのは、ちょっと頂けないかも。 むしろ純然たるホラー色を濃くした方が、作品としてはまとまったかも知れません。問題はここ。恐怖のドン底に陥れられる割には、街のみんなが比較的平穏に暮らしている様で、何となくこじんまりした印象を与えるのが良くないです。群像劇のファクターがほんの少しあっても良かったのでは? | ||||
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作品の構想としては大変興味をそそられるところを突いてきているなと思うが、如何せん、内容が伴っていない。 まずは、登場人物に魅力がない。 そして、作中の記述に筆者の独りよがりな部分が多々出てきて、読み手を困惑させてしまう。 私は素人の読者だが、こんなことを書かなくてもいいのではないかと読みながら首をかしげてしまった。 読み手が存在しての小説であると私は思う。 筆者は、もっと、読者に解りやすく伝えるということを心掛けるべきではなかったのだろうか? 巻末の選評を見ると、この作品をあまり推している選考委員が少ないことに驚く。 最終候補作が不作であり、今後の可能性という部分で消極的賛成をして授賞となったのであれば、 乱歩賞にとっても不幸なことではないだろうか。 高野和明氏の「13階段」や薬丸岳氏の「天使のナイフ」レベルの作品を毎年出してくれとは言わない。 だが、もし一定のレベルに達する作品が最終候補作になかったのなら、受賞者ナシでも、私は構わないと思う。 ただただ、乱歩賞の魅力が失われていく気配に、寂しさを感じる。 | ||||
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一貫して不快な気持ちの悪さを感じながら読みました。 ホラー小説を成り立たせる「気味の悪さ」ではなく、 不快な違和感ということです。 主人公やその友人の造形や心理描写、「ブージャム」と称される殺人犯の言動、 それを模したと思われる殺人事件の様相などが原因だと思われます。 さらに、文章表現が拙劣で、安っぽい印象を強めています。 例えば「破壊衝動という足枷の中で、思考を巡らせる行為は一つの知的遊戯のようで楽しかった」 という一文(219頁)。 このように妙に力の入った、読者がすんなりと共感しにくい文章が散見されます。 ミステリとしてはB級以下。読後のカタルシスは得られません。後味も良くありません。 また、終盤(第四章 結末)になって、「今となってはわからない」という台詞が 1頁に2度出てくるところがあります(300頁)。これでは興醒めです。 作品自体ではありませんが、「受賞の言葉」がひどい内容です。 作者は今回の受賞で「作家の世界に身を置くことができた」と思っているようですが、 勘違いも甚だしい。作家として認められるかどうか試される戦いの入口に立っただけ であるという自覚がないと、すぐに干されるでしょう。 「毎回、自信作を書くつもり」だそうですから、お手並み拝見というところです。 最後に、選評について。本作を最も推しているのは桐野夏生さんです。 桐野さんは前回、前々回とも受賞作を推しています。 選考会における発言力が強いのかもしれません。 前々回から今回に至る受賞作品が首を傾げざるを得ないものであったことを思うと、 桐野さんの選者としての適格性に疑問を感じざるを得ません。 乱歩賞が往年の輝きを取り戻すことができるよう、早く委員を外れて欲しいものです。 | ||||
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読んで面白かった方、ごめんなさい。 他のレビューにもありますが、良く読まれている方なら途中で犯人が絞られてしまいます。 最初から犯人がわかった上で主人公逃げてぇぇぇ〜!の方が面白かったかも?っと思ってしまいました。 選評をじっくり読んでしまったのも、この評価になってしまったと… 影響しているとは思います。 | ||||
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すらすら読むことはできます。ただし、容疑者が簡単に二人に絞れます。そして、推理小説に慣れた人なら、簡単に犯人が特定できます。 そういった意味では、推理小説として、少々残念と言わざるを得ません。 ただ、司書の日々の仕事ぶりなどは、リアルでいいです。評者の場合、主に借りるだけですが、レファレンスのサービスに少し興味が湧きました。 選評は良くないですね。ただ、帯にかかれた東野圭吾の「プロなら逃げ出す題材だ」は、誉め言葉に思える。この矛盾はどういうことなのか(東野圭吾の選評も、高く評価しているとは思えない)。読者に対して、不誠実と言われても仕方ないでしょう。 ほかの文学賞もそうですが、「該当作なし」がほとんどないのは、文学賞が出版社の営業用だからなのでしょう。以前なら、「佳作」「次点」となり、刊行するにしても、編集者が協力して充分に時間をかけ、一定のレベルに仕上げていました(そういった意味では、東野圭吾の選評を実践して欲しかったです)。しかし、今はそういったこともなく、世に出てしまう。結果的に読者を失望させ、離反させていくような気がしてなりません。 なお、★に関しては、作品のみに対する評価です。決して優れた作品とは思いませんが、どうしようもない作品とは思いません。作者が抱く人間観には、それなりに賛同できる部分もあります。 | ||||
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第59回江戸川乱歩賞受賞作。面白かった。死刑執行により忌まわしき連続殺人鬼ブージャムこと新田秀哉がこの世から消えたにも関わらず、再びブージャムによる連続殺人が発生。ブージャムを信奉する輩によるコピーキャットなのか…主人公の南條仁を巡り再び蠢く連続殺人鬼…その正体は… 海外のシリアルキラーをテーマにしたミステリーと肩を並べても恥ずかしくないほどの作品。シリアルキラーの深層心理も見事に描き、最後の最後まで緊張感に溢れる作品だった。 巻末に江戸川乱歩賞の選考経過の記載があるが、かなりの酷評。お前らにこういう作品が書けるのかと怒鳴りたくなるような内容だった。この賞は、大衆に愛された江戸川乱歩というエンターテイメント・ミステリー作家に因んだ賞であったはず。 | ||||
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本書は、江戸川乱歩賞の最新受賞作。 かつて日本中を震撼・狂乱させた連続殺人犯(通称ブージャム)の名を新たに名乗る者(襲名犯という題名はここに由来)の連続殺人が新たに発生。最初のブージャムと関わりのある主人公、プロファイリングを武器とする刑事、ブージャム崇拝者など主人公の友人・知人だけで構成された登場人物の多くが闇や謎を抱えることを明らかにしながら、襲名犯は誰なのか?という謎の答えが思わせぶりに二転三転した謎解きはラストまで続く。 先達レビューでは、本書が江戸川乱歩賞審査員から受賞作なのに批判が多かったことを根拠に、その批判内容をなぞるような酷評が目立つ。あるいは、昔の受賞作と比べて(というか昔の受賞作でのヒット作や大家となった過去受賞者と比べてだが)劣るとの酷評も結構ある。 確かにその通りだろう。プロの審査員の発言はその通りだし、無名の新人とベストセラー作家に大成した先達を比べれば前者は拙い。 これだけ気持ちよくかつ誤読との指摘を受けることもなく酷評できることは、アマチュア読者には格好の愉しみだろう。こんな受賞作もそうないわけで、その点では買う価値ありだろう。(注:本書の審査員からの酷評は受賞時点でミステリー好きの話題となっており、「つまらないから買わない」という選択肢を酷評する読者のうちミステリー好きは持てたという事実!) ミステリー好きでもマニアでもない私の管見としては、犯人は誰か?が最後まで分かりづらいし、その真犯人を暴くラストも、とりあえず最後まで読む気になったし、確かに文章がダラダラしているが、脳内垂れ流しとか無駄な伏線乱発ということもないので、気楽に読めた。ついでにいえば、江戸川乱歩賞も「受賞作なし」で毎年やるのは大変なんだなとか内幕も楽しめた。 十分に値段見合いの愉しみが、酷評好きにもお気楽組にもあると思いますよ。 | ||||
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江戸川乱歩賞受賞までに、1次・2次選考を其々1回通過しているだけあって、文章力は既に新人作家の域を超えているのではないでしょうか。 そのためか、状況説明や人物の心理描写が詳しすぎて、ちょっと読むのがしんどいと感じる所がありました。 ただ、猟奇殺人犯の模倣犯というその犯行の動機付けが難しいと思いますが、例え多数の読者の賛同が得られなくても、犯行に至った犯人の心理醸成は上手く描かれていたのではないでしょうか。 真相もそれなりに楽しめましたし、骨太の作品という印象でしたので、受賞後の次回作が楽しみです。 | ||||
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Amazonレビューが悲惨だったので、あまり期待せずに読んだ。おかげで他の方たちよりは楽しめたように思う。 どうしても江戸川乱歩賞受賞作となると、読者側のハードルが高くなりすぎてしまうので、ちょっと可哀想かなと思う。しかも巻末の選評もボロボロなので、二重に作者が不憫。 確かにブージャムのカリスマ性は伝わらないし、犯人も途中で分かってしまう。凄惨な殺人の割りには生理的な嫌悪感が湧き起こらないし、ゾクゾクする恐怖感も感じない。当然、改善の余地はあるのだろうけれど、筋立ては魅力的だったし、何とも寂しげな地方都市の暗鬱な感じは出ていて、つまらないと感じることは無かった。今後への期待も込めて☆4つ。 | ||||
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ミステリー作品は、「嫌い」というわけではないが、読書家を自認する私が唯一読まないジャンルであった。 気まぐれで本作品を購入し、読むこととなったわけだが、一気に最後まで読み進んでしまった事に驚いた。 結論から言うと、私のようなミステリー初心者にとって、本作品は非常に楽しめるものであった。 思うに、「本作品のレベルが云々…」といったレビューを書く輩は、往々にして「ミステリー作品のレベルが落ちている」事を 嘆いているようだが、そういった批判がミステリー作品に挑戦しようという作家の層を薄くしているのではないか。 私のようなミステリーを読まない層にまで読者層を広げたということは、ミステリー界にとって大きな功績であると思うが、 レビューでエラそうに批判をする人間は、ミステリーの壁を高くし、「ミステリー作品に挑戦してみよう」(著者・読者ともに) という層を遠ざけてしまう、極めて害のある連中だと考える。 私もアマゾンで批判的なレビューばかり見ていたら、読まなかったかも知れない。批判をしてエラそうにしている人間は、猛省して頂きたい。 もちろ厳しい目で批判を加え、「育てる」ことは重要であるが、少なくとも本作品に対する「批判」に愛は感じられないし、 その批判もピンとこない。 一方で、評価が高いレビューには、愛の感じられる批判(というより批評)が多いようである。 どうやら私は、ミステリーが嫌いなのではなく、「通ぶって」批判を加える連中が嫌いなようである。そして、そういった連中が 多く徘徊しているのもミステリーというジャンルなのではないだろうか。 どうか著者には、「批判することが楽しい」くだらない輩を相手にせず、今後もチャレンジして、楽しめる作品を世に送り出して 頂きたい。 | ||||
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センスが無い。 誰かがすでに使っている材料を、使いまわしてつぎはぎした作品のように感じました。 退屈でつまらなくて、読むのを辞めようとしたくらいです。 若くても、このレベルの作品に賞をあげてはだめだと思いました。 | ||||
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今回はちょっと期待していただけに、 読後とても残念な気持ちになりました。 まず、読んでいてどの人物にも感情移入が出来ません。 物語も単調で、場面転換も粗く、なんでこの場面にと思い、 前後のページを何度も確認する始末。 動機の分からない連続殺人が街で起きているにも関わらず、警察及び、登場人物の描写、行動からは切迫感や恐怖は微塵も感じられません。 警察関係の記述でも疑問に思える箇所が・・・。読んでいて違和感を覚えます。 そもそも、なぜ襲名したのでしょうか? 襲名するほどプージャムこと、殺人鬼・新田秀哉に魅力がありません。 プージャムの魅力を伝えようとする作者の意思はまったく感じられません。 ミステリーとして、読者を惹きつける力もなければ 登場人物の魅力も薄く、結局、この作者は読者をどうしたいのか どう楽しんでもらいたいのか、作者の意図も意思も感じることが出来ません。 読んでいてワクワクすることも、驚きもなくミステリー小説としてかなり欠陥のある作品だと思いました。 過去に江戸川乱歩賞受賞作した『完盗オンサイト』と同じ位 読んでいて怠く理解不能な作品でした。 とてもおすすめは出来ません。時間とお金の無駄でした。 | ||||
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第59回江戸川乱歩賞受賞作品。 連続猟奇殺人犯の模倣犯の話です。 巻末にあった選考委員の桐野夏生氏の選評が非常に的確だった。 「問題は、ブージャムという犯罪者のカリスマ性が読者に伝わらないことにある」 最初の10ページはブージャムと呼ばれ、熱狂的な信奉者を生むほどのカリスマ性を持っている連続殺人犯の一人称で語られている。 この10ページにブージャムのカリスマ性がいかにして生まれたかがきちんと描かれていて、読者を納得させることができれば、 その後の展開にも説得力が出たはずである。しかし、この10ページで描かれていることに全く説得力がない。 セリフからも行動からもカリスマ性は見て取れない。 この小説はブージャムがカリスマ的な犯罪者であった、という前提のもとに構成されている。 登場人物も襲名する模倣犯もブージャムのカリスマ性を元に発言をし、街の雰囲気や警察の動きまでもがその前提で動いている。 つまり最初の10ページに説得力がないことで全てが破綻してしまっている。 作者は司書をしていると紹介に書いてあったが、主要登場人物に司書と小説家が出てくる。 二人が作者の投影であり、村上春樹のデビュー作をその二人に当てはめているのは明白だが、バーに入るといきなり村上春樹の世界に入るのはどうかと思う。 いきなり話し方も行動も気取っってしまっている。そこに違和感を感じた。 作者が自分を投影させ、お気に入りの小説を当てはめ、大事にしてしまっている。 自分を投影した人物は過去から日常、そして非日常まで詳しく書かれているのに、肝心のブージャムがきちんと描かれていない。 なぜ彼がこのような人物になったのか。なぜ猟奇殺人犯になったのか。そしてなぜその事件が社会現象になり信奉者を生むまでになったのか。 そこに説得力がないことで、後半のあらが目立ってしまっている。本来なら気にならなかったかもしれない部分が浮き出てしまっている。 話としては完成していると思う。ただ話になっているだけで説得力がない。 作中で小説家が小説にたいしてこう語っている 「リアリティ! 世界一嫌いな言葉だね。馬鹿は理解できない物すべてをリアリティで片付けたがる」 この作品にリアリティーはない。現実的である必要はないと思う。ただ非現実的な出来事にも説得力がいる。 そうでなければ、読者は本を投げ出してしまう。 次回作に期待する意味で星2つ。 | ||||
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乱歩賞、ということでなしに、現在の日本のミステリーの水準からいえば、十分及第点でしょう。決して駄作ではない。 ただ、昨年や、何年か前のように、再デビューを狙う作家たちには、乱歩賞というのは、かなりおいしくなってきているのかなあ、と。もちろん、実力があってのことですが。 個人的に、メフィスト賞が、もう鬱陶しくなってきているので、乱歩賞の折り目正しさ(一定の期待に応えられる作品を世に出すこと)が、親しみやすくなってきているところです。 | ||||
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