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小説帝銀事件
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【この小説が収録されている参考書籍】
小説帝銀事件の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.85pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全26件 21~26 2/2ページ
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昭和23年に実際に起こった帝銀事件をテーマに、平沢死刑囚は冤罪ではないかという疑問を呈した作品。当然ながら膨大な資料の読み込みと緻密な推察が繰り広げられている。 第一部は事件の概要と逮捕まで、第二部は主に捜査記録、検事調書、裁判記録等の振り返り、第三部は著者による推理・推察である。仁科俊太郎という新聞記者を登場させているが、推理・推察は清張自身によるものと受け取れる。 冒頭で、元警視庁幹部がうっかり仁科に「アンダースンという奴は悪い奴でした。・・・帝銀事件のときでも、警視庁にやって来て・・・」と言ってしまう件がある。これが、清張の疑問の出発点なのであろう。GHQによる日本統制が敷かれていた時代、あらゆることが闇に葬られた可能性がある。 この小説が伝えたいことの一つに、日本の検察・マスコミの大衆迎合主義が挙げられるのではないだろうか。平成となって20年が経過する今においても、本質的に何ら変わっていないことを我々は強く自覚すべきであろう。 | ||||
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この本が、松本清張の他の「昭和初期の事件のドキュメントもの」とは一味違うのは、単に事件の真相を明らかにするに止まっていないことだ。 松本清張は帝銀事件死刑囚の釈放運動に加わっていたらしいから、この事件が冤罪あるを詳細に記述しているであろうことは予想できた。しかし、読みながら戦慄を覚えたのは、「冤罪とは何たるか」が書かれているからだ。 冤罪かもしれないが、疑わしい点はいくつもある。前科はあるし、事件後に金回りがよくなっている。犯人がもっていた名刺にも関連がある。一方、事件解決への焦燥感が募る中で、警察は強引な取調べで自白を引き出す。マスコミが裁判を先行し世論が裁判官の判断を狂わせる。冤罪の見本のような経過が生々しくかいてある。 もともと、決定的な証拠がなければ冤罪か否かは結果論かもしれない。訴えられた方からみれば、「とばっちり」「濡れ衣」なんだろうが、裁く方、場合によってはマスコミ側からみれば、「中々吐かない強情なヤツ」となる。強引な自白も相手が真犯人だったら褒められこそすれ非難されることはありえない結果論だ。 自分が裁判員に呼ばれたても、冤罪を見極めることができるであろうか? | ||||
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やっぱり 平沢画伯は冤罪か。 こと細かに検証し、平沢画伯が事件を起こせるはずはない・・・と 実証した筆者。 これを読んだのが 平沢画伯がまだ 存命の時だったので、とても興味 があり 夢中で読みました。 731部隊の存在もこの事件に関わってきている・・・・・。 冤罪でしょうか。それとも・・・。 題名に「小説・・・」とつけた 筆者の気持がわかる気がしました。 | ||||
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私は、数多くの名作を残された松本清張先生のファンである。 この事件について、私的な憶測だが、当時のA級戦犯、B級戦犯…と存在した中で、 この石井が率いた731部隊の中にも、それに相当する連中が数多くいたと思われる。 私の憶測は次の通りである。 GHQがこの薬物による毒殺の完全なデータ(書類)をソ連に持っていかれてしまった結果、 戦後吊るし上げた731部隊のある人間に、 「お前が、培った知識(薬物による人体実験)を命令通り実行すれば、お前の身柄、家族は責任を持って我々GHQが保証する… さもなければ…」という恐喝に遭遇したのではないか? という中で、731部隊のある人物は、軍人教育を受けている (人体実験を行ない、人を薬物で殺すことが任務であり、洗脳されている)ことから、 全く無関係の銀行員たち(帝国銀行の人たち)を、いとも簡単に騙し、薬物による人体実験を成功させたのである。 無論、GHQがこのデータをファイルに収集していたことだろう。 その後のアメリカが現代に至るまで実行してきた細菌、薬物による兵器の伏線がこの事件。 まあ、戦前の日本軍も国内のいろいろな地域で既に実行していたわけだが… 例えば常套手段として、ある川の上流、中流、あるいは井戸。 その水を生活必需品としていた時代であり、その水を飲用、川魚を食したその地域の被害者はモルモット。 このデータをもとに旧満州国で731部隊は見事に成功を遂げたのである。 画家である平沢は典型的な嘘つきであり、支離滅裂であったことを想像すると、とてもこんな玄人じみたことは到底出来ないはず。 真犯人は731部隊のある人物!! 黒幕はアメリカ! GHQ!! | ||||
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一応小説という体裁を纏っているが、ノンフィクションの色合いが非常に濃い一冊。捜査が進めば進むほど平沢クロ説が疑わしくなってくるにも拘らず、半ば無理やりに真犯人を仕立て上げた感のある捜査当局の思惑とはなんだったのか?作者の視点はその一点に向けられていると言っていい。ページのほとんどは膨大な資料を元に極めて客観的な視点に立って描かれており、その点からみても本作はやはり「小説」というより「ノンフィクション」と言うべきだろう。 | ||||
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何者かが帝銀で16人を毒殺した帝銀事件。 容疑者として平沢貞道が逮捕された。 新刑事訴訟法に変わる旧刑事訴訟法の最後の事件。 清張の的を射る鋭い推理と時代背景ならではのあり得ない事実。 普通の人が犯人に仕立てられる旧刑事訴訟法ならではの恐怖。 人事とは思えない。 もし自分だったら逃れられるのか? 考えさせられます。考えて下さい。 | ||||
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