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小説帝銀事件
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【この小説が収録されている参考書籍】
小説帝銀事件の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.85pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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作者の意図が難解ですね。第1部の雰囲気では、「GHQの謀略を暴く」みたいなノリかと思ったら、読み進めているうちに、風むきが180度かわって、画家が犯人として妥当であるかのように描かれるし、いろいろなサイドに配慮してか、最後はどっちつかずの結論となり、読後感がすっきりしません。こんな出来にするくらいなら、「帝銀事件」なんて冠を外して、自由にストーリーを膨らませて書き下ろして欲しかった。 | ||||
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時系列を追うこと、登場人物の入れ替わり。 内容の濃いものでした。正直、自分は読書通でないので苦労したと思いますが、本の作成に込める気概は凄いものを感じました。 | ||||
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清張の調べ物ですね。 小説としての面白さや、事件の裏側の人間模様を楽しむものではありません。 調査した材料から、推論を主張するお話です。 | ||||
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小説と銘打っているが、裁判記録の抜き書きなのか、フィクションなのか、よく分からない記述が大半を占める”ヌエ”的代物だ。私には平沢貞通の奇矯な言動と特異な性格だけが印象に強く残る作品だ。清張氏の本来の執筆意図からするとこれは不味いだろう。731部隊の記述も最後に少しあるだけで突っ込みが全く足りない。発表当時の材料が絶対的に乏しかったという事情もあったのだろうが、そこは’小説’だと逃げを打てる筈。何でもかんでも「米軍の謀略だ!」と決めつける『日本の黒い霧』の単純さに慣れている読者には物足りない”ヌエ”小説だ。 | ||||
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「日本の黒い霧」をはじめ、戦後の日本社会における事件を権力者の謀略という仮説のもとに数多の小説や評論を書いてきた松本清張氏ですが、本作の帝銀事件についても平沢貞道はGHQや特務機関員の謀略の犠牲となって犯人に仕立て上げられた冤罪の被害者であり、かつ日本の警察もマスコミもGHQの圧力によって真実を追及することができなかったという筋書きのもとに書かれています。 松本清張氏の書く謀略論はその後に明らかな事実誤認があることが指摘されることが多いのですが、それを除いても仮にも裏から社会を操れるほどの権力と知能を持つGHQが目的を達するためにわざわざこんな回りくどいことをしなくてもいいだろうというような謀略ストーリーであることが特徴で、帝銀事件にしても「日本軍の持つ化学兵器の威力を試すため」にわざわざ身元のしっかりした罪のない市井の人を毒殺し、高名な画家を犯人に仕立て上げてすぐに死刑にするわけでもなく有罪か無罪かをうやむやのまま生かしておくというのはどうも解せません。 松本清張の言うようにGHQが超国家的な力と頭脳を持っていたのであれば逮捕した平沢貞道にしても彼の発言を一切封じ、証拠をでっちあげて早急に絞首台の露と消えさせることも容易にできたでしょうし、人体実験にしても当時は命を捨てても構わないと考える氏素性もしれず身寄りもない浮浪者や与太者には事欠かなかったはずですです。 また真犯人と目される人物が後日自殺したとの話もありますが、ここにも化学兵器に精通した人物を欲し七三一部隊の関係者をはじめとするプロフェッショナルを囲い込もうとしたGHQがなぜその人物をみすみす死なせてしまったのか、という点でも矛盾が生じます。 小説帝銀事件のあらましを見る限り、松本清張氏の描くGHQの謀略のプランナーは有能どころか目立ちたがりで計画性がなく、回りくどいことばかりを行う無能極まりない人材の宝庫だったということになってしまいそうです。 | ||||
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帝銀事件に関心のある方しか読まないとおもいますが、これはオススメできません。ご本人も満足いかず「帝銀事件の謎」を書いたらしいのでそちらがよいのでは。 | ||||
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年を取ると、何かと忘れっぽくなるもので、ひょっとしたら細かいところは違っているかもしれないが、帝銀事件の犯人は、予行練習や証券の現金引換え等のため、7回か8回、人前に出ている。この7回か8回のいずれ場合も平沢貞通のアリバイがない。この7回か8回の、1回でも、別の場所で平沢を見かけたという人間がいれば、平沢の容疑は晴れる。当時、平沢は、日本を代表するテンペラ画家であった。我々のような無名人ならともかく、こういう多忙な有名人が、7回か8回、誰にも見られなかった時間帯があったというのは私には不自然に思われる。 それ以上に不自然なのは、平沢が盗まれた金と同額の金を持っていたことである。この金の出所に対して平沢側は、合理的な説明を提出していない。平沢を犯人とするには、いろいろ不自然なことがあると言われ、事実、その通りであると思いはするものの、今あげた不自然さは、そういう不自然さを上回っているのではないだろうか。私は、平沢が犯人だと思う。 | ||||
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全体として面白かった。フィクションでありしかも正しく裁かれたか疑問であるため表現が難しいとは思うが 重複表現がたびたびありちょっとくどい感じがした。主観を表現できないため松本清張らしくないような気がした。 | ||||
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社会派推理小説の創始者、松本清張の作品にしては、あまりに歯切れが悪いのだ。 ノンフィクションではなく、小説という体裁を取っているからだろうか。 清張の見解は最後まではっきりしない。真犯人の可能性を示唆するにとどめている。 (出版された)昭和29年の社会情勢では本作の曖昧さが限界だったのか。 それとも当時の文学の作法では、この程度の表現で、作者も読者も満足したものなのか。それが一番の謎である。 21世紀に本作を読むと、読了後にフラストレーションを感じてしまう。 つくづく50年の時を長さを実感した。 | ||||
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