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鉄鼠の檻
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【この小説が収録されている参考書籍】
鉄鼠の檻の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.32pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全80件 41~60 3/4ページ
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圧巻という言葉がふさわしい(氏の書はどれも量的にそうではあるが)京極夏彦の京極堂シリーズ第4冊。 これまで以上に分厚い本書は文庫で6センチもの厚さです。 長い、長すぎる、深い、でありながら面白いので、宗教をモチーフにした難解な部分があるにも関わらず飽きずに最後まで楽しませてくれます。 宗教を、しかも古典宗教を題材にしたミステリーというのは、その危うさからして、なかなかお目にかかれないものだとは思いますが、本作が孤高の一冊になることは明らかでしょう。 禅とはなんたるか。生きることとどう関わってくるのか。 生きることが即ち修行であり、生きていることが悟りなんだよ。ただ足ることを知る、それだけでいいんだ。 作中で京極堂が語るこの一言が端的にそれを表しているように感じます。 禅についても、宗教一般についても、あまたの書物がありますが、本書はそのどれよりも的確でわかりやすい入門書になっていると思います。著者の研究ぶりたるや恐れ入るところです。 難題に取り組みながらエンターテインメントとして昇華させる筆力たるや、日本文学界に誇れる一人ではないかと思います。 読後は、寺院を観に行きたくなります。 深い深い禅宗のほんの先っぽを見た、そんな気分になれる一冊です。 | ||||
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今までと少し序盤の雰囲気が変わってますが、面白かったです。不気味要素も、・成長しない迷子・森をさ迷う振り袖の童女・あぐらをかいた状態でいきなり現れた死体・地図に無い寺等満載です。狂骨に続き話が難しいです。内容に宗教の宗派が大きく関わってきます。てか漢字が読めない(笑)ただ、今までと比べるとオチが読みやすかった気がします。 | ||||
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7,8割まで事件の真相に迫れるのだけど、残りの部分がどうしても分からなくて つい読み進め、他のことが何も手につかなくなる京極堂シリーズ第4作です。 今回も異常な厚さです。撲殺事件の凶器になりそうなくらいです。 まあ、血の滴るミステリー小説というのも洒落にならなくていいかなあなどと思いますが、 こんな面白い本に血をつけて汚すなんて、そんなもったいないことはしません。 京極堂の解明の場面は100ページくらいですが、ここは本当に面白い。 毎度のことながら、人間の業の深さ、 あるものにとらわれた人間の悲しさを考えさせてくれます。 禅について語る場面では、解説でもふれられているように、 やや読者置いていき気味ではありますが、禅の歴史、知識をたくさん授けてくれます。 知識だけでなく、仏教の「悟り」についての解説も素人にわかりやすく教えてもらえます。 この部分、本当に勉強になりました。 作者がどれだけ勉強したか、また、どれだけ創作意欲が高いかを 十二分に感じることもできます。 禅の解説だけでなく、解明の章に入る前に、 禅の問答(公案というらしい)がいくつかかかれます。 それを読んだ時に「びびっと」きました。 飛ばさず読むことをおすすめします。その先がさらに面白くなります。 読む楽しさを存分に味わわせてくれます。傑作です。5点しかつけられない。 | ||||
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シリーズ第4弾。 今回は更に厚みがまして約1,400ページにも渡る大長編となっています。 今回のテーマは「禅」! 舞台は箱根の山奥、明慧寺。 登場人物はとにかく坊主が多いです。 坊主、坊主、坊主、坊主、坊主・・・・また坊主(笑) しかし、ストーリーの構成は過去3作を含めても最高の出来ではないかと思います。 シリーズ4作目にして最もミステリーらしい作品になっています。 容疑者は皆坊主ですが、最後まで目まぐるしく状況が変化し、ラストに明かされる真実には驚愕させられます。 難解な漢字の専門用語が非常に多く登場しますが、相変わらず美しく読みやすい日本語のおかげで、1,400ページもの分量にも関わらず、すんなりと読み進めることが出来ます。 薀蓄も相変わらずいい味出しています。 難解な「禅」を京極堂がいつもの調子で説明してくれるので、「解説」にも書いてあるとおり、そこらの入門書よりも良質な禅の解説書にもなり得るほどです。 仏教・禅の専門用語が多いため、難解といえば難解かもしれませんが、丁寧に読んでいけば必ず付いていけます。 大学受験で日本史を選択していた人はやや有利かもしれません。 それにしても、毎度のことながら京極夏彦氏の博識ぶりには驚かされます。 禅という奥の深くて難解なものを題材にして、これだけ面白いミステリーを書けてしまうなんて凄いという他ないです。 | ||||
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百鬼夜行シリーズ第4弾は箱根山中の謎の寺院にまつわる殺人事件。次々に殺されていく禅僧。関係がありそうで、誰でも犯人になりそうな状況下、禅寺という世間常識の通用しない異界での事件に翻弄される警察。その結界の中の砂上の楼閣が京極堂によってあばかれ、がらがらと崩壊してゆくそのストリー展開には感心させられます、禅は知っているようで、全く未知の世界であったことが新鮮でした。今回は第1作とも関連があり、ファンにはおいしいところです。迷探偵榎木津も大活躍。楽しめた作品でした。 | ||||
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今作の中枢には、常人の見解や知識では推し量れない程の禅や宗教の来歴がたっぷり盛り込まれています。それが京極夏彦氏作品の魅力とは思いますが、まずその説明が相変わらず長く、宗教関連に興味が無いと厳しいかもしれません。しかしその蘊蓄に躓き適当に読み進めてしまうと、結末が腑に落ちないものになる可能性は高いです。勿論それ以外、辞書なみの厚さも苦にならない程に今回も、登場人物や情景の描写はとても素晴らしいです。京極堂や関口等の主要人物はさらに奥深く作り込まれ、新たな仲間(?)益田刑事が加わり、久遠寺院長が再登場と、兎に角役者には事欠きません。舞台設定も、雪に覆われた山奥にある謎の寺院に不信な僧達、そこに現れる不気味な少女等。いくらでも話が広がりそうな骨組となっています。なので、シリーズ通して読んでいる方には十分満足出来る内容ではないでしょうか? | ||||
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雪の温泉宿の庭に忽然とあらわれた僧の遺体。 それは、連続する不可解な殺人事件のはじまりでした。 舞台は、山の中にある「知られざる禅寺。」 取材にきた雑誌記者たちの前で、次々と僧達が殺されます。 警察も、修行僧達の独特な対応に捜査が混乱。 たまたま、古書の鑑定のために近くに来ていた京極堂や小説家の関口が事件にまきこまれていきます。 雪の寺の描写の巧みさや、禅についての中善寺の解説が面白く、とても楽しみました。 | ||||
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禅について、よく書かれています。ともすれば見失いがちな本文も、再三手を変え品を変え説明してくれます。そこがくどいと思われるところかもしれませんが、私には大変助かりました。読み終わった後は「禅でおなか一杯」そんな気分になります。 他の方も書かれていますが、僧侶の名前がたくさん出てきます。苗字であったり、なかったり。禅系統の説明のところでもそうですが、メモ用紙片手にまとめながら読み進めるとわかりやすいかと思います。(おお、これかぁ!と鳥肌が立つときもありました。) 登場人物一人ひとりがとても映えています。過去の作品の人物の意外な活躍ぶりに目を見張るものがあります。 前作に比べ、憑き物落しの部分が短いようですが、うまくまとめてくれます。京極堂に全てを任させていたら、もっと丸く収まっていたのかな、と思います。 決して読みやすい本ではないですが、シリーズ通して読んでいるともっと深く楽しめると思います。(人物のつながりや、過去の出来事など。)でも、知らなかったら知らなかったで、今川君の目線で楽しめます。 関君は、全く何やってるんだか…、は、読み終わった直後の正直な感想です。 | ||||
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作者の意図は解らないけど、純粋な推理小説が読みたい人は、京極作品は避けたほうが良いのでは?と思います。 京極さんは従来のミステリーの定説をわざと壊そうとしてるように感じます。(反則っぽいこともかなりアリだし) 主体がころころ変わって、それが誰だか不明だったり、登場人物が前触れなく前後不覚に陥ったり、読者をよく混乱させてくれます。(そのイライラでつい先を読みたくなるのですが) 本作は好きな作品でしたが、あまりに長いので(いつものことですが)走り読みしかしてませんでした。 改めて読み直してみて、やはりこれは京極さんが書いた「薔薇の名前」かな?という印象を強くしました。 エーコの「薔薇の名前」は昔に読んだものだから記憶が定かではありませんが、〈孤立した寺院・不可解な僧侶の連続殺人事件・宗教の歴史や確執・鍵になる本の存在・坊主を惑わす女性や衆道〉等々、登場するキーワードに類似点が多いように感じます。 「薔薇の名前」では坊主がなぞ解きをしますが、あえて禅の僧侶に畑違いの陰陽師である京極堂を相対させるところがなかなか面白い。破天荒な探偵も僧侶に負けてないところが気持ちいい。 禅の「さとり」というものを+αの知識として楽しむならもってこいかと思われます。(純粋なミステリーを好む人には、こういう予備知識的なものはかちょっとどいかも) 本作が好きなら「薔薇の名前」にも挑戦して欲しいですね。 | ||||
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私が京極道シリーズの中で一番引き込まれた冒頭が この作品です。 実際、僧侶の人間関係とか動機は理解できない部分も ありますが、それを読者に納得させるようにページを たくさん使い丁寧に叙述されています。 日本仏教の薀蓄は、レビューに書かれている方も多いですが、 非常に分かりやすいです。 変にパターン化しないのが、このシリーズの良さだと思いますが、 この作品もあっと驚きます。 | ||||
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シリーズ第4弾である今作は仏教、それも禅宗がテーマである。 個人的にはシリーズ中、『魍魎の匣』に次ぐ面白さだと思うのだが、おそらくこの作品は京極堂シリーズが好きな人でも好みがわかれるだろう。 まず、見た目からすぐ判断できるように、とても長い。 そして単に長いだけならまだしも、扱う内容が上記の通り「禅」なので、 興味を持てない人は読んでてただしんどい部分がかなりあると思う(笑) 逆にそれが禅や宗教に興味がある人だと面白いことしか書いていない、と感じる程の出来。 禅だけでなく、寺院で生活している人の生活がリアルに描かれているので、本作を読んだ後、京都や高野山をまわると余計に風情が理解できるようになった、と感じたぐらいだ。 文庫版の解説は、禅を本格的に研究している方が書いているのだが、それによると 京極堂の(つまり京極夏彦氏の)禅の本質についての理解は、正にその本格的な禅の研究者と 同じぐらいのレベルまでに達しているらしい(笑) 確かに、つまらん禅の解説書を読むよりも、本作を読んだ方が絶対にわかりやすいと思う。 つまり、これだけ面白い上に読んだ後は禅の本質が理解できてしまうという、(人によっては)嬉しい副次的効果を本作は持っているということだ。 個人的にはもっとそこに焦点が当てられて、もっともっと本作が評価されても良いんじゃないかなあと思う。 何度でも何度でも読みたい。 | ||||
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京極堂シリーズ第4弾。1,341ページ。1996年1月リリース。 ひたすら大海原を一人遠泳をしているかのように長い。京極作品はレンガ本として有名だが、この第4弾に至ってよりレンガ化が激しくなる。初めは長くて全く彼岸が見えなかったが、長く深いのは実は京極作品自身の『檻』の性だ、と読了寸前に気がついた。恐るべき作家である。 読了すると『禅宗』の世界観が深く理解できている自分に気がつく。まさに1,300ページの『檻』の成せる技だ。読んでいる途中は長さに驚いたが、読了後はその深さに感服した。おそるべき大傑作である。巻末で宗教学者正木晃氏が真摯に書いているとおり、本作は絶対英訳すべきだ。単なるミステリーでなく、誰もなしえなかった驚異的な構築物である。恐るべき余韻である。 | ||||
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ロリコンとか近親相姦とかホモとか・・・。 榎さんは相変わらず面白かった。竈馬がクッキーより嫌いとか。流石「僕は神だ」。 鳥ちゃんも相変わらず「うへぇ」だった。同性愛に寛容な記述にワロタ。 取り敢えず1300頁くらいあるけどさらっと読める。暇な時間に読んでれば3日くらいで読み終わる。かなり面白い。あと松下も途中からいい感じに馴染む。 | ||||
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ストーリー・禅の講釈ともに実に面白く、ぐいぐい引き込まれます。 私はウブメ、魍魎、狂骨と順に読みましたが鉄鼠ではシリーズで初めて 被害者の死を悲しいと思いました。それなのにあの動機はあんまりじゃ ないでしょうか・・・。読み返せば違った感じを受けるかもしれませんが、 最後でちょっと消化不良をおこしてしまいました。 でも面白いんですけどね。 | ||||
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ガチです、ホモです。坊さんがホモです。偏見を抱きます。 あと、なんといっても序盤の榎木津の活躍が楽しいです。 元気すぎです。楽しげです。 | ||||
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事件への関与を嫌い、最後に重い腰を上げる・・・というのはこのシリーズのお約束のパターンのようだが、黒衣を身に纏った京極堂が最後に出撃するシーンは過去四作と較べても、抜群のかっこよさだろう。「憑物落とし」を生業とする男には深山幽谷が良く似合う。 | ||||
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「京極堂」シリーズ第4段。今回の舞台は雪に埋もれた箱根の山中。冒頭から"凍結僧侶"の落下事件を超人探偵榎木津が解くというサービスがある。そして、雪道で何者かに殺された僧侶。犯人のダイイング・メッセージ(?)もある。極め付けは「全国寺社総覧」にも載っていない謎の寺"明慧寺"。この寺の正体は ? この他、山中に出没する"成長しない少女"の謎もあるが、物語を彩るのは雪の中の僧侶、僧侶、そして仏教。この辺は作者の趣味に走り過ぎた感もあるが、それだけ作者が自分の世界に自信を持っている証拠なのだろう。雪の白と黒衣の男、この対比も作者のシャレなのかもしれない。 最後は箱根山中における榎木津・木場の大暴れシーンのサービスも含め、京極堂の憑き物落しが決まる。前3作の成功もあるのか作者の余裕が感じられ、より重量感が増した傑作。 | ||||
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「禅」の何たるか、が物語の重要なバックボーンであり、本作を読了すれば禅の概要が一応掴める。しかし逆に言えば、禅に対する知識が全くないとなると、作中の連続殺人事件の顛末と物語の醍醐味を充分に玩味できないきらいもある。作者の禅解釈の開陳には唸らされるが、エンターテインメント作品としては多少軌道がズレてしまっているかもしれぬ。「姑獲鳥の夏」のキャラクターが再登場している点は、シリーズを通読しているファンには嬉しいという反面、過去の完結作品に依存するのは好ましくない・・と厳しい見方も出来る。読み出したら一気に引きこまれるその筆致は流石だし、長編小説としての構造は高い完成度を顕示している。が万雷の拍手を贈るにはチト及ばぬという気もするのは辛辣か? | ||||
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導入部分から雰囲気がでています。 このシリーズは、犯人捜しではなく複雑に絡み合った出来事をすっきりさせることで進展していると思います。 今作も絡みに絡まって、さらに「禅」が背景にあるので複雑です。しかし、京極堂の手引きにより、絡まった糸もすっきりほどけることでしょう。 皆さんの評価通りの作品です。 前作までを既読の方は是非読んでみて下さい。 | ||||
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やはり京極先生は,鮮やかに美しく犯人を追い詰める達人です。仏教やお寺に関する知識が皆無の状態で読んだので,正直難しいところもありました。しかし,なぜでしょう??がんばって読み通してみると大まかな仏教界の流れが見えてきて,そういう意味でも勉強したような気分になってしまいました。後半,間違ったことは言わない,榎さんの台詞をヒントに,犯人を想像しながら読みました。書かれた時代背景を考えると,京極先生なりに訴えたいことも含まれており,キャスト的にはもちろん,内容的にもとてももりだくさん,私には欲張りな小説でした。改めて京極ワールドにはまる一冊です!! | ||||
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