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かくして殺人へ



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かくして殺人への評価: 3.92/5点 レビュー 12件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.92pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全12件 1~12 1/1ページ
No.12:
(4pt)

傑作と言いたいところだが・・・

ある新人女流作家が映画撮影所に招かれ、探偵映画の脚本を依頼される。
だが、早々に次々と、彼女の身に危難が降りかかる。
それまで映画関係者とはまったく面識がないにもかかわらず、なぜ彼女が狙われるのかというストーリー。

いつもどおりテンポのいいスト-リー展開だが、焦点がいまいちはっきりしないままクライマックスまで進んでいく。

そして結末で明かさせる真相は、意表を突いて実に鮮やか。
さすがのテクニックとうならざるを得ない。

だが、不満もある。

犯人を容疑から外す手段の一部が、ほとんどアンフェアと感じた。
また、全体を通してH・Mの行動原理が釈然としない。

読者を驚かせようとするサービス精神は理解できるが、今回はいささかあくどい面が目立ってしまって傑作になり損ねたといった印象の作品です。
かくして殺人へ (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:かくして殺人へ (創元推理文庫)より
4488118429
No.11:
(3pt)

あまり驚きは無い。

テンポ良く読めるのはいつも通りだが、謎解きをする楽しさはあまり無く、結論を見ても驚きは無い。
かくして殺人へ (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:かくして殺人へ (創元推理文庫)より
4488118429
No.10:
(5pt)

おもしろい!

はじめ名前を知らなくて、誰?と思っていました。でも、調べて読みすすめるうちに自分の不勉強さを大反省。さすが、大家のものはちがうねって作品!
かくして殺人へ (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:かくして殺人へ (創元推理文庫)より
4488118429
No.9:
(4pt)

カーにしてはサスペンスフルな雰囲気のミステリ

カーのH.M卿ものである。
舞台は第二次大戦下のイギリスはロンドン近郊、映画会社のスタジオに集まる面々にしのびよる黒い影、何度かの襲撃の末、ついに魔の手が目的を遂げたかに・・・という、なかなかサスペンスフルな雰囲気のミステリである。

まずもって舞台が映画スタジオで、おもな登場人物が映画監督であったり、脚本家、女優などというところで、なんだかハリウッド映画の原作(近作では"La La Land"とか)みたいな話なのかなぁと思ってしまった。
登場人物はおおむね冒頭に紹介され、そして続けざまに事件が勃発。これがかなり絞り込まれたクローズドサークル状態(いきなりここまで絞るのか!)。警察は当てにならず、登場人物たちは自ら謎を追うのだが・・・、と突然H.M卿登場、という読者の意表を突く展開が楽しい。

最後の最後でH.M.が指摘する錯誤(?)は、うーんこれはちょっとした見落としに近いような気もしますが、でもカーが特殊な叙述に頼ったわけでもなし、どちらかというと特異な舞台環境での速い展開に読んでいるほうがついていけてなかった、ということのような気がしたのでセーフなのでしょう。
そして事件は結末を迎え、めでたしめでたしとなる。オチも気が利いているが、それを読んでも、やっぱりこの作品は映画原作という感じがしてきます。カーにはそんなつもりはなかったのかもしれませんが。
かくして殺人へ (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:かくして殺人へ (創元推理文庫)より
4488118429
No.8:
(5pt)

創元さんに感謝

創元推理文庫から続々出される新訳版、しゃれたカバーに惹かれて1冊読んでみたのが運の尽き、「なんというおもしろさだっ!」というわけで手に入る限りの作品を買い集めて読んでいたところ本書が出版された。どこか記憶にある題名だなーとネットで買った未読の単行本をひっくり返してみたら、地味なカバーの新樹社版が出てまいりました。「単なる文庫化ならまあいっか」と思っていたところ全面改稿版とのこと、どれどれと購入して読み比べたところ確かに冒頭から違っており、全体的に読みやすくなったように感じたが、なにより各章に新樹社版にはなかった副題が追加されたのに驚いた。たぶんミステリの興趣をそぐというような理由で新樹社版では削除されたのではないかと思うが(原著にあれば)、これは絶対にあったほうがいいと思うし、カーの茶目っ気のある笑顔が目に浮かぶようで、この殺人には至らない作品にはぴったりだと思う。
かくして殺人へ (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:かくして殺人へ (創元推理文庫)より
4488118429
No.7:
(4pt)

無い物ねだり

「ひとりは背が低く太っていて、葉巻を吸っていた。もうひとりは背が高く眼鏡をかけた若い男で、極端に上品なアクセントで話した。」

この書き出しで5、6回、映画監督と助監督(?)凸凹コンビが登場する。
その度に、監督がボケをかまし、助監督がムダな突っ込みをいれる。
最後の掛合漫才では、この事件に関するH.M.の唯一の懸念が杞憂であったことが分かるよう仕組まれてはいる。

多分、カーは当時の読者がすぐ思い浮かべられる有名なコンビを念頭にこの二人のギャグを描いているのだろうが、評者にはだれだか分からない。
残念なことに、訳文は生真面目すぎて、ギャグコンビには見えない。

なべおさみ(監督役)とクレージー・キャッツの安田伸(「キントト映画の助監督」役)のコントみたいなものかなとは思うのだが。

「知らず知らずのうちに、彼女は興奮していた。」という一文で『かくして殺人へ』は始まる。

「庭も、建物も、オフィスも、どこもかしこも静かすぎる気がする。ロンドンから列車で四十五分のパオナム・スタジオは道に面した高い針金のフェンスを一歩入れば、何エーカーもの緑が広がる場所だった。本館は博覧会の展示館のように細長くて低く、まばゆい白のコンクリート造りで、窓にはオレンジ色の日よけ。背後に巨大なグレーの防音スタジオ群が控えている。」

下手な小説講義みたいになるが、この文で作者は彼女モニカの目を通して撮影所の情景を読者に提示している。続いて、

「それを見ただけで、モニカは興奮で息が詰まった。」

わたし(読者)はちっとも息が詰まらない。

カーが下手くそなのか(多分下手なのだろう、冒頭から「知らず知らずのうちに、彼女は興奮していた。」と無神経に書き出すくらいだから)、モニカの興奮も伝えているはずの原文のニュアンスを訳文が取りこぼしているかのどちらかだろう。

無い物ねだりかもしれないが、翻訳臭のない・よい文章で書かれたカーやクイーン、クリスティなどの推理小説を読みたい。
かくして殺人へ (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:かくして殺人へ (創元推理文庫)より
4488118429
No.6:
(4pt)

カー流スクリューボール・コメディ

原題 And So to Murder (1940年刊行)
第二次大戦下の映画撮影所を舞台にしたヘンリー・メリヴェール卿もの第10長編。新樹社版の改稿文庫化。
詳しくはネタバレになる為、書けないが解説で霞流一氏も述べているように先行した有名作へカー(ディクスン)なりの挑戦を試みた作品。プロットに秘められたその趣向と人を喰った物語展開は充分面白いが、黄金期の代表作と比べると薄味に感じられ、また不可能犯罪の興味やトリックの新奇さを期待する向きは裏切られるだろう。若干アンフェアな記述があるのもいただけない。しかし奇人揃いの映画人たちが繰り広げるファースとしては愉しい限りで、恋愛要素とミステリとしての興趣が上手く溶け合ったカー流スクリューボール・コメディと呼びたくなるウェルメイドな娯楽作だ。
かくして殺人へ (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:かくして殺人へ (創元推理文庫)より
4488118429
No.5:
(4pt)

ドイツが攻め込んだ 1940年

映画作成現場のドタバタぶりとラブコメ的な男女のやりとり。全体の楽しい雰囲気は戦争の緊張感から来たものか。大事なことを言いかけて止める手法の連続にはイライラしますが、ネタの盛り上げ方は流石です。大ネタもJDC/CDらしくて、とても気に入りました。
かくして殺人へ (新樹社ミステリー)Amazon書評・レビュー:かくして殺人へ (新樹社ミステリー)より
4787584952
No.4:
(4pt)

へ?

きっとこう思われることでしょう。
すみませ〜ん、事件はどこへいったんでしょうか?
そして何も本事件は起こっていないんですけど…
おまけに、こうも言いたいかもしれません。
「著者名、間違っていませんよね…」
間違ってはいませんのでご安心を。
読みやすいのは評価できます。
人間描写の過激化による
読みづらさはあまりないですからね。
ただし、主役級の二人が
犬猿の仲なのは
カーらしくもありますが…
多分ひねりもあまりないので
犯人推測はある程度
容易なことでしょう。
一人だけおかしな人がいますからね。
H・M卿もあまり
とげとげしくないので
ファンの人には物足りないこと必至です。
悪くはないけど
よい点も見つけられない作品でした。
星は3よりの4です。
かくして殺人へ (新樹社ミステリー)Amazon書評・レビュー:かくして殺人へ (新樹社ミステリー)より
4787584952
No.3:
(3pt)

まあ駄作でしょう

カー好きの作家二階堂黎人からも何の取り柄もないと評された作品正直言って単なる勘違いから起きるどたばたを映画界を舞台にして書いているだけでトリックがあるわけじゃないしたしかに何の取り柄もないかもしれないでも、後のロマンスものの路程となった作品だと思えば多少は興味がわくでしょう
かくして殺人へ (新樹社ミステリー)Amazon書評・レビュー:かくして殺人へ (新樹社ミステリー)より
4787584952
No.2:
(3pt)

スリラー系

この頃はスリラーがはやっていたのでそれに乗じて書いた作品また、映画産業にシナリオライターとして迎えられ挫折した経験をもとに映画界を舞台にしているカーの悪い癖である男女の軽薄な恋愛が彩りになっていたりどってことないトリックだったりあまり見所のない作品あえていえば今までこの作品を読むのは難しかったんですよね手軽に読めるようになったのだけは感謝
かくして殺人へ (新樹社ミステリー)Amazon書評・レビュー:かくして殺人へ (新樹社ミステリー)より
4787584952
No.1:
(4pt)

H・M卿、映画界に挑戦!

おなじみヘンリー・メリヴェール卿が、映画の撮影現場でおきた怪事件に挑戦!変わり者の多いことで知られる映画界にH・M卿の取り合わせ、さぞや大騒ぎがおこるだろうと期待していたのですが、得意のドタバタ劇はそれほどでもありません。書名のとおり殺人事件がおきるまでを丹念に書いていて、H・M卿の登場も、事件がおきるのも半ば過ぎ(未遂事件は何度かありますが)なので、しかたないことかもしれませんが。「わしはもう歳だ」などと寂しくなるようなことをつぶやき(すぐに立ち直ってはいますが)、ビシッと締めるところは締めますが、いまひとつH・M卿の活躍が足りない分、周りの人物たちが補ってくれていて、ヒロインの恋愛模様はほほえましく読めますし、映画界という特殊な業界の雰囲気はよく伝わってきます。1940年の発表とかなり古い作品ですが、いま読んでも充分に楽しめるミステリです。
かくして殺人へ (新樹社ミステリー)Amazon書評・レビュー:かくして殺人へ (新樹社ミステリー)より
4787584952

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