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ニサッタ、ニサッタ
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ニサッタ、ニサッタの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.44pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全43件 41~43 3/3ページ
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欠かさず読んでいる乃南アサさんの新作です。 ページ数は500ページ以上ありますが文体と内容の読みやすさで一気に読めました。 簡単に言えば何をやっても裏目裏目に出る片貝耕平(かたがいこうへい)と言う男の物語です。 この主人公程ひどくはなくても人は誰でも「何をやっても上手くいかない時」が多かれ少なかれあると思います。 この主人公が最悪な心理状態に陥るまでの過程が手に取るように完璧な人物描写で描かれて行きます。 途中から登場する少し(かなり?)謎のある竹田杏菜(たけだあんな)の描写も脳内映像で勝手に動き出すくらいに わかりやすく描かれていて先が気になってしょうがありませんでした。 そして主人公片貝耕平のお祖母ちゃんの言葉や動作には胸を打たれます。 5章まではこの先一体全体どうなる事かとハラハラでしたが6章では思わずホロっとさせられて 人間の弱さと共に暖かさを存分に感じる事が出来ました。 エピローグで思わず笑顔にさせられる様な、読後感も爽やかな作品に仕上がっています。 今、落ち込んで迷っている方に是非読んで欲しい1冊です。 タイトル、ニサッタ、ニサッタ(明日、明日)と思える様に! | ||||
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主人公はそばにいたら、正座させて説教したくなるタイプの若僧です。 田舎から出てきた平凡な少年が、「いつか何かが劇的に変わる、いまはツイていないんだ」という 何の根拠もない、甘えた考えで、どんどん坂道を転げる様がよく描かれています。 同じく、田舎から出てきてぱっとしなかった自分の大学生時代を思い出しました。 主人公も、主人公の周りの人物たちも、共感の出来ない人ばかり。 なのに引き込まれます。 それはきっと何かが少し違ったら、自分もこうだったかもという気分が影響しているかもしれません。 最後の最後まで、転げて、最後に少し救いがあり、ホッとしました。 若者向けなのかもしれませんね。 でも若者じゃ、「自分は違う」とか思ってしまうのかな。 私が若い頃読んだら、きっとそう思ってしまったでしょう(笑)。 | ||||
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乃南アサさんの最新作です。 勢いで会社を辞めたものの次に就職した会社は前触れもなくアッサリ倒産。 ようやく新聞配達の店に住み込みで働く事になった主人公。 この店で曰くだらけの人間に囲まれながら何とか新しい生活を始めたところに、色気も何もない一人の少女が同じように住み込みでやって来ます。 「なぜ彼女はこんな所に一人で住み込みしながらキツイ新聞配達を?」と疑問に思いながらも、忙しいだけの日常が彼らの横を通り過ぎて行きます。 この主人公、マジメに健気に生きているわけでは決してなく、典型的な甘チャン野郎。世間をナメ切ってテキトーを繰り返す。このワカゾーの描写がツボを押さえており見事です。 なぜか主人公に寄り添おうとする少女。このいたいけな少女が背負った陰の部分と甘チャン主人公の我儘で 傍若無人な言動を柱に、物語は展開して行きます。 そして遂に自分の愚かさを痛感する主人公。 あらゆる事がうまく行かず自暴自棄になって「もういいだろう。消えてしまいたい」などと思ったとしても、それでもなぜ人は生きて行かなければならないのか。自分は何によって“生かされている”のか…。 よくある小説のテーマですが、大上段に振りかざすような切り口ではなく、スムーズに流れるストーリーから湧き出るような自然な感じでこの普遍的なテーマを説く、とても良く出来た小説だと思いました。 途中で時々登場する、主人公の祖母の一言一言がとてもいい。 この祖母の存在がこの小説の陰のMVPでしょう。 | ||||
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