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鳩のなかの猫
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鳩のなかの猫の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.28pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全18件 1~18 1/1ページ
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名門女学校が舞台なのですが、そこに中東の小国でのクーデターの際に行方がわからなくなった宝石が絡んできたので、序盤はわくわくしました。 しかし、登場人物はほぼ先生か生徒なうえ、個性的だったり面白く描かれているわけでもないので、退屈でなかなか読むスピードが上がりませんでした。 それが全体の3分の2を過ぎたあたりで、とある生徒が大胆な行動を起こし、ポアロが登場したあたりから、グッと面白くなりました。 そこからは怒涛の展開で、あっという間に読んでしまいました。 ただ半分以上は退屈でしたし、犯人に意外性はなく、アッと驚くようなトリックもなければ、推理を楽しませてくれるような作りでもありません。 決して面白くなくはないのですが、読後はちょっと物足りない感じがしました。 ちなみに表紙には白いスニーカーを履いた女の子の足首までしか描かれていませんが、読み終わった今となっては、膝まであっても良かったのでは?と思ってしまいました。 膝ですよ膝。 | ||||
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おもしろかった。 本書『鳩の中の猫』は、1959年の作品。 原題は、”CAT AMONG THE PIGEONS” 「ピジョンは鳩であるとともに騙されやすい人の意味がある。一方、キャットは意地悪な女」(471頁、朝暮 三文さんによる「解説」より) 「騙されやすい人」とは、本書ではメドウバンク校の校長以下の先生たちと生徒たち。 「意地悪な女」とは、校長の秘書の女でしょうか。 英語と地理担当のアイリーン・リッチ先生は言います。 「鳩の群れのなかの猫、まあそういった感じですの。わたしたちが、ここのものすべてが鳩で、そのわたしたちの中に猫が入りこんでいる。けれども、わたしたちの目にはその猫が《見えない(傍点あり)》」(195頁) 「言わば、鳩の群れのなかに猫を置いたようなものでした」(407頁) 「皆さんの中にまぎれこんでいる冷酷な仮借のない殺人者」(407頁) 見えない猫が鳩を食べちゃいそう。 《備考》 表紙カヴァーの写真について 白い運動靴をはいた生徒が木の枝から吊るしたロープで首吊り自殺したイメージの写真です。 本書には、首吊り殺人はでてきません。 本書に登場するのは、小型ピストルによる銃殺二件と、砂袋による殴殺一件。 「凶器は、外国製の小型ピストル」(182頁) 「あの人は砂袋を振りあげて、打ちおろしてしまった」(436頁) なお、アガサの小説65作品中で、首吊り殺人(縊殺)が登場するのは、 『そして誰もいなくなった』(1939年)の一作品のみ。 ということなので、本書の表紙カヴァーの写真は、 本書の内容にはふさわしくない写真なのでは・・・ | ||||
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「お伽噺風味」で品良くまとまっていると思います。 個人的には穏やかにゆっくり読み進められて、楽しい時間が過ごせました。 ポアロを登場させるなら主役でなければ、といった拘りがなく 「ポアロ」を巧く使って伏線を回収させるアガサが好きです! | ||||
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革命・宝石・名門校・殺人 面白くなりそうな要素がいっぱい そしてーーポアロ 彼が登場してからは読む手が止まりませんでした (もっとポアロらしさが欲しかったなぁ マイナス★) “伏線がーー”とか “あの●●はーー”とか 評論家ぶったことは言いません(野暮よね) とにかく 最後の最後までお読み逃しなく | ||||
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名門女子校で起こった教師3人の殺人事件と生徒の誘拐事件。 中東の国王の自家用機墜落事故に伴って紛失した宝石の行方を動機に絡めて、面白い展開を見せ、ミステリーの物語としての膨らませ方はすばらしい。特に面白いと感じたのは、アラジンの「古いランプと新しいランプの交換」になぞらえたラケットの交換。ジュリアの母親が学期はじめに見かけた意外な人物「鳩のなかの猫」の正体を、母親がトルコにバス旅行に行っていることにして、不明のままストーリーを進めていくところも巧い。 一方、真相はやや拍子抜け。誘拐事件の真相にひねりがあるものの、殺人事件の真相には意外性に欠け、禁じ手ではないが、それに近いもの。現実的には起こりえることだし、それによって犯人が隠蔽されてはいるが、物足りなさを感じた。 | ||||
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……というには、トリックや動機が物足りなさすぎる! アガサの作品の中でも悪名高き『ビッグ4』を思い出しました。 ま、それはそれとして。 膝……膝! お手入れは大事ですね。 まぁ、歳とったら膝の出るスカートなんてはきませんが…… 最後に 「アリのありのままの姿」 どうにも頭にこびりついて離れてくれない一言。 | ||||
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自分で推理するにはちょっと材料が足りない感じはしますし、ポアロが出ている意味はあまり無いような気もしますが、違った意味で楽しめます。 読んだこと無かったみたいです。他の作品と違う。 | ||||
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名門女子校の校長バルストロードは引退を考えていた。 ポワロは後継者について相談される。 第一の被害者スプリンガーと第三の被害者ブランシュは宝石がらみで殺される。 第二の被害者は異質だ。 | ||||
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本作は、メドウバンク女学校という一流女子校を舞台にした作品です。平和なはずの学園生活に中東のある小国に起こった革命騒ぎが絡み、莫大な価値を持つ王族の宝石を巡って学校の敷地内で殺人事件が起きます。王女やスパイ、警察特捜部などいつにも増して非日常の世界の住人が様々な姿で学園に入り混じり、次々に事件が発生し、最後は我らが名探偵が参入して見事大団円というエンターテイメント性の強い作品に仕上がっています。 他のレヴュアーさんも書いておられますが、今作はポワロの登場が非常に遅く(なんと、300ページを過ぎないと出てきません!)そういう点ではやはりポワロの活躍が少ない『ホロー荘の殺人』に似ています。最後の決め手が単純な目撃証言で推理要素も余り強くないと感じましたし、途中からは普通のスリラー小説として読み進めてしまいました。ポワロでさえそういう扱いですので、ヘイスティングス大尉は無論出てきません(哀)。 学園の経営者たちの群像や心理描写は面白く読めましたが、本格派の推理ものではないので、推理するのが好きな読者の方には余りお勧めしません。スリラー小説か、群像劇がお好きな人向けかと思います。 | ||||
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本書を評すれば、面白いB級作品、というところだろうか。 作者初期作品に見られるスパイスリラーものの要素が強く、推理作品としてよりも読み物として楽しむ作品。 意外性は楽しめるが、犯人の手がかりはないに等しく謎解きは不可能。実際、ポアロも、こう思うということはあっても、推理は存在しない。 だから、推理ものとして期待してはいけない。あくまでも流れに任せて、その流れを楽しむべし。 しかし、何で作者はポアロを登場させたのだろう? 無理にポアロを登場させなくても、例えばアダムに事件解決させても構わなかったんじゃないかと思う。 唯一、ポアロとジュリアが「マギンティ夫人は死んだ」に登場したサマーヘイズ夫人のことを話すシーンがあり、オムライスがおいしかったと話すジュリアに、それはポアロが作り方を教えたものだというところは面白かったといえばそうだが、まさかそれだけのためにポアロを登場させたわけではないだろう。 | ||||
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本書を評すれば、面白いB級作品、というところだろうか。作者初期作品に見られるスパイスリラーものの要素が強く、推理作品としてよりも読み物として楽しむ作品。意外性は楽しめるが、犯人の手がかりはないに等しく謎解きは不可能。実際、ポアロも、こう思うということはあっても、推理は存在しない。だから、推理ものとして期待してはいけない。あくまでも流れに任せて、その流れを楽しむべし。しかし、何で作者はポアロを登場させたのだろう? 無理にポアロを登場させなくても、例えばアダムに事件解決させても構わなかったんじゃないかと思う。唯一、ポアロとジュリアが「マギンティ夫人は死んだ」に登場したサマーヘイズ夫人のことを話すシーンがあり、オムライスがおいしかったと話すジュリアに、それはポアロが作り方を教えたものだというところは面白かったといえばそうだが、まさかそれだけのためにポアロを登場させたわけではないだろう。 | ||||
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最初はポアロものだとは気が付かなかった。 アガサクリスティの分身は誰だろうかと思いながら読み進んだ。 ジュリアだろうか。 女学校のあり方を問うような内容があるが、 最後は急展開で、うまくついていけなかった。 | ||||
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最初はポアロものだとは気が付かなかった。 アガサクリスティの分身は誰だろうかと思いながら読み進んだ。 ジュリアだろうか。 女学校のあり方を問うような内容があるが、 最後は急展開で、うまくついていけなかった。 | ||||
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とある国王の死去と、お嬢様学園。 この二つは一見したところ、 どう見ても関連性がないように思えてしまうかもしれません。 ところが、だんだんと物語が進んでいくにつれ、 思わぬ事実が次々と出てくるので 読者は混乱してしまうこと間違いなしでしょう。 特に後半にふとしたきっかけで判明してしまう 「国家のお宝」は それにまつわって多くの人が犠牲になり、 また学園の存続の危機にもなるのですから… 終盤には思わぬ事実が 結構出てきます。 その量もかなりのもの。 本当の最後の事実は どこかしら悲しく、終わり方も さびしい感じでした。 | ||||
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「鳩の中の猫」。聖書からの引用であろうか、勿論、一般人の間に紛れ込んだ危険人物の意だが、内容に非常にマッチした題名である。 前半は鳩(女子学生)の中に紛れ込んだ猫を巡るサスペンス小説。後半、ポワロが登場してからは、一転して本格ミステリ。全体構成も凝っている。クリスティは本作執筆時、既に老境にあったのだが、ミステリに掛ける創作意欲は旺盛だった事が窺える。学校を舞台にしているのも新鮮である。何より、登場人物の扱いとストーリー・テリングは手馴れたものなので、安心して物語に浸れるのが良い。 ミステリに関する飽くなき探究心と斬新な舞台設定で読者を楽しませてくれる晩年の秀作。 | ||||
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アガサ・クリスティの小説の中でも異質な女学校が舞台となった作品です。さらに謀略のにおいが冒頭からしています。職員も含めて女しかいない学校、しかもそこで次々と起こる殺人事件の背後には、どうやら某中東国の財宝がからんでいるのではないか、ということで、この設定だけで十分読むのにそそられました。本書は登場人物もなかなか個性的でいいです。先生陣、生徒たち、そして母親と基本的に女性しか登場しませんが(ポワロもかなり後半での登場)、それぞれが全然違う個性を持っているので、頭の中で整理しやすかったです。あいかわらず難しい犯人探しやその動機など、アガサ・クリスティの切れ味鋭い筋書き作りは健在です。連続殺人事件が起こるにもかかわらず、かわいらしい女学生の活躍や謀略サスペンス的な要素が、本書をなんだか爽やかな物語にも仕立て上げています。凄惨で陰鬱な推理小説に飽きた方、そういうのが嫌いな方はぜひ本書を読んでみてください。 | ||||
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「鳩のなかの猫」は、アガサがお得意の中東を題材にして書き上げた唯一の学園物ミステリであり、傑作といっていいだろう。鳩とは、女だけの寄宿学校に閉じ込められ、かたまって暮らす女教師や女生徒たち。そんな鳩の群の中に、猫が混じり込んで大騒動が持ち上がるのだが、鳩たちの眼にはその猫が見えない。そんな鳩の群の中に潜んでいる猫を探し出すため、終盤、ポアロが女だけの寄宿学校に乗り込み、関係者を煙に巻く鮮やかな着眼点から、一気に猫の正体と事件の真相を解明してみせるこの作品の出来は、なかなかのものだ。アガサの分身とも思える校長に熱く語らせ、実践させているアガサの思い描く理想の教育者像も、なかなかに興味深い。中東のラマット国での革命勃発当日、国王は、自分が生き延びられなかった場合に備えて、一族伝来の巨額の宝石を国外へ持ち出してくれるよう、英国出身の友人に託す。宝石を巡る争奪戦は、国王の従妹で、唯一の近親にあたる王女が入学することになった英国の有名な女子校、メドウバンク校に、思いがけない余波を及ぼすことになる…。ちなみに、ラマット国の革命は、当時、アガサが夫とともに、毎年のように遺跡の発掘作業に赴いていたイラクで、この作品が出版される前年の1958年に実際に起きた「イラク革命」の様子を描いたものであり、メドウバンク校の描写には、アガサの娘ロザリンドが通っていた全寮制の女子予科校の職員、生徒、日課などが生かされているのだそうだ。 | ||||
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イギリスでも上流階級の少女達ばかりが通う女子校メドウバンクでは、夏季学期を迎えていた。数週間後、あまり教師や生徒達から好かれていなかった新任の体育教師ミス・スプリンガーが室内競技場で射殺された。2ヶ月前には、革命の真っ只中にある中東の小国、ラマット国の国王が親友の乗用機操縦士と共に亡命を試みたが、不慮の死を遂げている。そして国王の従妹と操縦士の姪は夏季学期にメドウバンク校に入学していた。・・・全く接点のないような2つの事件が、やがて重要な意味で関連付けられてくるのがわかるのは、何ともいえずぞくぞくさせられます。様々な人の思惑が入り乱れて事件が繰り広げられていく過程に、目が離せません。また、このクリスティ文庫版の表紙でもわかるように、このミステリーの舞台は女子校。たくさん個性的な人物が出て来て楽しめました。私のお気に入りは生徒のジュリア・アップジョン!好奇心旺盛で想像力が豊かで、頭もいい少女です。彼女の機転によってあの名探偵ポアロが登場したので嬉しく思いました。ラストはとても素敵な終わり方で、気に入っています。読んだ後にもう1度読み直してみると、新たな発見があってまた楽しめます。 | ||||
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