■スポンサードリンク


郵便配達は二度ベルを鳴らす



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

郵便配達は二度ベルを鳴らすの評価: 4.48/5点 レビュー 25件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.48pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全25件 21~25 2/2ページ
<<12
No.5:
(4pt)

アイロニーな結末

作者の代表作。「自分の欲望のためなら殺人をも厭わない」という既成の道徳概念を破った主人公達の考え方が当時は衝撃的だったのだろう。特に風来坊の男と夫を殺す女の姿がリアルに描かれているので。書かれた時期が微妙だが、作者としてはハードボイルドというよりは、殺人を扱った文学のつもりだったと思う。

しかし、残念なのは邦題である。ほとんど原題の直訳なのだが、もっと正確に訳すと「郵便配達は"いつも"二度ベルを鳴らす」なのである。これが2度目の事件(事故)によって主人公が転落する様のアイロニーを表しているのだが、「いつも」が入ると入らないとでは皮肉のインパクトに差異がある。

男と女の情念をタップリと描いて既成の道徳概念を壊し、最後に皮肉な結末を用意するという読み応え充分のサスペンス小説の傑作。
郵便配達は二度ベルを鳴らす (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:郵便配達は二度ベルを鳴らす (新潮文庫)より
4102142010
No.4:
(5pt)

ひたすら美しい

冒頭からラストまで一気に読めて、かつ最高のストーリー。

 冒頭の気だるいナンパ場面は、アメリカの古く美しい映画の世界を髣髴とさせ・・・。

 そして、衝撃のラストまで、美しい。

 

 文学にジャンルわけされて当然の、なんとも美しい正統派小説
郵便配達夫はいつも二度ベルを鳴らす (ハヤカワ・ミステリ文庫 77-1)Amazon書評・レビュー:郵便配達夫はいつも二度ベルを鳴らす (ハヤカワ・ミステリ文庫 77-1)より
4150740011
No.3:
(5pt)

読み直すほどに味わいが深まる、ハードボイルド小説の名作

この小説は、私にとっては、不思議な作品だった。というのも、一度目に読んだときには作品にのめり込めず、私の中での作品評価は低かったのだが、二度目に読んだときには、あらすじが頭に残っているにもかかわらず、すっかりのめり込んでしまい、作品の評価も全く変わってしまったのである。  
本書の巻末に、作者ケインのエッセイが掲載されているのだが、彼は、「なぜ、男と女が恋におちいる特定のシーンが必要なのか?物語のエピソードのすべてが、なぜ、ラヴ・ストーリーとしての効果という観点から書き上げられねばならないのか?」という独特のポリシーを持っているようで、この作品でも、男と女が恋におちいるシーンは、あまりにも唐突でリアリティに欠け、また、ここがハードボイルド小説といわれるゆえんなのだろうが、性と金と暴力をテーマとしたこの作品には、物語に「情」が感じられず、作品にのめり込めなかったのである。 
ところが、そんな本書が、何と、都合、四度も映画化されているのだ。それには、やはり、それなりの理由があるのだろうと思い、イタリアの名匠ヴィスコンティの手による映画を観てみたのだが、そこでは、ハードボイルド色は完全に一掃され、全編に生の男と女の人間くさい「情」が溢れており、小説のワルの主人公は、ストレートに、ナイーヴな青年として描かれているのだ。  
そんな正反対の映画を観た後に、もう一度、本書を読み直してみると、最初に見落としていた色々なものが見えてきて、この小説に、新たな魅力を発見できたのである。本書のあとがきで訳者も触れているのだが、性と金と暴力にまみれた、一見、冷酷なワルにしか見えない主人公と、その独善的な愛の中に、たしかに、屈折したナイーヴさが見え隠れしているのである。プロット自体も、ヴィスコンティの映画よりもこの小説の方が、はるかに緻密に練り上げられている。改めて、ハードボイルド小説の名作と称賛したい。
郵便配達夫はいつも二度ベルを鳴らす (ハヤカワ・ミステリ文庫 77-1)Amazon書評・レビュー:郵便配達夫はいつも二度ベルを鳴らす (ハヤカワ・ミステリ文庫 77-1)より
4150740011
No.2:
(5pt)

最高傑作

次から次へと息をつかせぬ展開で飽きさせない。読者の緊張感を高めクライマックスまでもっていく手法は見事だ。
郵便配達は二度ベルを鳴らす (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:郵便配達は二度ベルを鳴らす (新潮文庫)より
4102142010
No.1:
(3pt)

Noir Novel の代表作

なぜだか本書をずっと「エロティック・サスペンス」ものだと誤解していた。かれこれ20年以上もそう思い込んできたので、何がきっかけでそのように思うにいたったかはもはやわからない。あるいは映画の中にそのように思わせるシーンがあったのか? 幼い頃にみたシーンに、何か「エロティック・サスペンス」であると思わしめるところがあったのかもしれない。もちろん。読んでみれば本書は「エロティック・サスペンス」などではない。いわゆる Noir Novel と呼ばれるジャンルの小説で、その中でもなかなかの出来。ただ残念なのは翻訳。登場人物(とくに主人公)の雰囲気を出そうとしてか、 「粗野」な言葉遣いをさせている。これが少なくとも現代の読者には「浮いて」感じられる。とくに最後のシーンなど、もう少し別の雰囲気を感じさせる翻訳が相応しいのではないかと思われる。
郵便配達は二度ベルを鳴らす (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:郵便配達は二度ベルを鳴らす (新潮文庫)より
4102142010

スポンサードリンク

  



<<12
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!