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13階段



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【この小説が収録されている参考書籍】
13階段
13階段 (講談社文庫)
13階段 (文春文庫)

13階段の評価: 4.38/5点 レビュー 364件。 Sランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.38pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全364件 321~340 17/19ページ
No.44:
(5pt)

少々台詞が面映い

後半の畳みこみが面白い。
意表をつく展開と様々な伏線が見事に収斂していく手腕が圧巻であっただけに、ラストの純一の手紙が残念。
考え抜かれたであろう台詞が生きてこない。著者は脚本家出身だけに台詞への拘りがとてもよく伝わってくるが、例えば、「いいニュースと悪いニュースがある」とか、「私は、探偵小説が大好きな性分でして」等と言う決め台詞が面映い。
日本人はこう言う台詞が似合わない民族なのだ。
13階段 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:13階段 (文春文庫)より
4167801809
No.43:
(5pt)

乱歩賞屈指の名作


 乱歩賞の弊害であるところの「最後のドタバタ」感だけ除けば完璧に近い作品だと思います。 ここまで司法の世界の深遠を覗かせる作品だから、下手にハイテクを応用した指紋トリックなんか使わないほうがいいと思います。社会派ミステリに大掛かりなトリックを使用するとしくじりやすいというのは、ある意味セオリー。 あと、いろいろな人の視点使いすぎ。南郷と純一の二人の視点だけでオッケーだと思うんだけどな、個人的には。まあ、ストーリーテリングが巧いから読めなくはないんですけど。
 
 でも、書いてて思うんですが、どれも重箱の隅的な指摘かも。ゴミ以下と思わせる作品が少なからず見られる乱歩賞においては「掃き溜めに鶴」でしょう。 星5つにしたのは高野先生が『幽霊人命救助隊』で新境地を開かれた感があるからです。『13階段』に比べて希望が見出しやすい作品です。こちらもオススメします。近いうちに更なる躍進の予感。
13階段 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:13階段 (文春文庫)より
4167801809
No.42:
(5pt)

乱歩賞屈指の名作

  乱歩賞の弊害であるところの「最後のドタバタ」感だけ除けば完璧に近い作品だと思います。 ここまで司法の世界の深遠を覗かせる作品だから、下手にハイテクを応用した指紋トリックなんか使わないほうがいいと思います。社会派ミステリに大掛かりなトリックを使用するとしくじりやすいというのは、ある意味セオリー。 あと、いろいろな人の視点使いすぎ。南郷と純一の二人の視点だけでオッケーだと思うんだけどな、個人的には。まあ、ストーリーテリングが巧いから読めなくはないんですけど。  でも、書いてて思うんですが、どれも重箱の隅的な指摘かも。ゴミ以下と思わせる作品が少なからず見られる乱歩賞においては「掃き溜めに鶴」でしょう。 星5つにしたのは高野先生が『幽霊人命救助隊』で新境地を開かれた感があるからです。『13階段』に比べて希望が見出しやすい作品です。こちらもオススメします。近いうちに更なる躍進の予感。
13階段 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:13階段 (講談社文庫)より
406274838X
No.41:
(4pt)

一気に読めた。

毎週毎週の出張、移動が多く、どの本を買ってもあまり面白くないことが続いていた時、この本を選んでほんとに良かったと思った。主人公が流していた涙は、殺めた人のためではない。しかし外からは、改悛の情として解釈される。さらに冤罪の調査のための出資者は誰かという点も皮肉である。複線が多い。その間に日本の死刑制度に対する薀蓄と、関係者の苦悩の説明。盛りだくさん。
今回、出張の直前の本選びのコツを学んだ。要するに「賞」をとった本を選べば、とりあえずは読める本である確率が高い。その理屈で、その後の数冊はあたっている。そういう意味でも良かった一冊。
13階段 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:13階段 (文春文庫)より
4167801809
No.40:
(4pt)

一気に読めた。

毎週毎週の出張、移動が多く、どの本を買ってもあまり面白くないことが続いていた時、この本を選んでほんとに良かったと思った。主人公が流していた涙は、殺めた人のためではない。しかし外からは、改悛の情として解釈される。さらに冤罪の調査のための出資者は誰かという点も皮肉である。複線が多い。その間に日本の死刑制度に対する薀蓄と、関係者の苦悩の説明。盛りだくさん。今回、出張の直前の本選びのコツを学んだ。要するに「賞」をとった本を選べば、とりあえずは読める本である確率が高い。その理屈で、その後の数冊はあたっている。そういう意味でも良かった一冊。
13階段 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:13階段 (講談社文庫)より
406274838X
No.39:
(5pt)

天才!!

単行本から少し訂正が入っているそうなので、持っているのですが文庫版も買ってしまいました。文庫になって久しぶりに読みましたが、すごいの一言です!迫り来る緊迫感とこれだけの散らばった話がぱっとひとつにつながる構成も秀逸ですね。かなりオススメです。
13階段 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:13階段 (講談社文庫)より
406274838X
No.38:
(5pt)

天才!!

単行本から少し訂正が入っているそうなので、持っているのですが
文庫版も買ってしまいました。
文庫になって久しぶりに読みましたが、すごいの一言です!
迫り来る緊迫感とこれだけの散らばった話がぱっとひとつにつながる
構成も秀逸ですね。かなりオススメです。
13階段 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:13階段 (文春文庫)より
4167801809
No.37:
(4pt)

「うまくできた」作品

周到に張り巡らされた伏線の数々、リアルに描かれた日本における死刑の現実(おもわず「グリーンマイル」や「デッドマンウォーキング」などの映画を思い出します)、そして思わず映像が眼に浮かぶ劇画的な描写によるテンポのよい展開。読んでいるうちに思わず引き込まれます。ラストでは「えぇ、何で?」と思わず読み返してしまう、驚きの展開。非常にうまくできている作品です。ちょっとだけ残念なのは、登場人物たちの人物像や心理の描写が共感を呼ぶレベルにまではなっておらず、あまり作品に「入り込む」ことができないこと。そのためか、読後感は、なんとなく、「土曜ワイド劇場」を見終わったあとのような薄目の印象となってしまいました。(土ワイドは嫌いではないですけどね)
13階段 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:13階段 (講談社文庫)より
406274838X
No.36:
(4pt)

「うまくできた」作品

周到に張り巡らされた伏線の数々、リアルに描かれた日本における死刑の現実(おもわず「グリーンマイル」や「デッドマンウォーキング」などの映画を思い出します)、そして思わず映像が眼に浮かぶ劇画的な描写によるテンポのよい展開。読んでいるうちに思わず引き込まれます。ラストでは「えぇ、何で?」と思わず読み返してしまう、驚きの展開。非常にうまくできている作品です。ちょっとだけ残念なのは、登場人物たちの人物像や心理の描写が共感を呼ぶレベルにまではなっておらず、あまり作品に「入り込む」ことができないこと。そのためか、読後感は、なんとなく、「土曜ワイド劇場」を見終わったあとのような薄目の印象となってしまいました。(土ワイドは嫌いではないですけどね)
13階段 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:13階段 (文春文庫)より
4167801809
No.35:
(4pt)

映画を観る前に、読んで下さい!

乱歩賞選考委員に「ダントツ」と思わせしめた本作。
『 これぞ 巧い小説 』と納得です。前から気になっていた作品でしたので、文庫化を機に購入しました。
映画も観ていないし、ストーリーも知らなかったので、驚きの連続。
ジャンル分けされれば、推理小説の棚等に置かれる本でしょうが...
その枠だけでは納まらない、重みと深み を持った1冊でした。冒頭と中盤に出てくる、死刑執行のリアルな描写には驚愕し、
思わず眉間に皺がより、吐気さえ覚えました。・死刑囚の首に縄をかける作業にリハーサルがある事
・内閣改造が死刑執行の時期に少なからず影響がある事
・死刑制度や恩赦制度には様々な矛盾や問題点もある事
・死刑囚を「殺める」職業に苦悩する人々がいる事等々、この本を手に取らなければ、
もしかしたら一生 知らないで済む事が、かなりのページ数を裂いて
問題提起され、訴えかけられている。しかし、後半はテンポも早く、ミステリー仕立てで、小気味良い。
意外な展開には、電車の中でも『え~ッ』と大声を出してしまった。惜しむらくは、
終盤があまりにも、畳み込み過ぎていて、読み返さなければ意味が
分からなくなったり、サラッと展開してしまう部分があって、
若干、消化不良な感じが残ったこと。この小説を読み終えて...
「絶対に人を殺めてはいけない」
「傷害事件の被害者になる事も加害者になる事も
 事件そのものに縁する事も出来うる限り避けなければ...」それを、改めて甚く感じた。
13階段 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:13階段 (文春文庫)より
4167801809
No.34:
(4pt)

映画を観る前に、読んで下さい!

乱歩賞選考委員に「ダントツ」と思わせしめた本作。『 これぞ 巧い小説 』と納得です。前から気になっていた作品でしたので、文庫化を機に購入しました。映画も観ていないし、ストーリーも知らなかったので、驚きの連続。ジャンル分けされれば、推理小説の棚等に置かれる本でしょうが...その枠だけでは納まらない、重みと深み を持った1冊でした。冒頭と中盤に出てくる、死刑執行のリアルな描写には驚愕し、思わず眉間に皺がより、吐気さえ覚えました。・死刑囚の首に縄をかける作業にリハーサルがある事・内閣改造が死刑執行の時期に少なからず影響がある事・死刑制度や恩赦制度には様々な矛盾や問題点もある事・死刑囚を「殺める」職業に苦悩する人々がいる事等々、この本を手に取らなければ、もしかしたら一生 知らないで済む事が、かなりのページ数を裂いて問題提起され、訴えかけられている。しかし、後半はテンポも早く、ミステリー仕立てで、小気味良い。意外な展開には、電車の中でも『え~ッ』と大声を出してしまった。惜しむらくは、終盤があまりにも、畳み込み過ぎていて、読み返さなければ意味が分からなくなったり、サラッと展開してしまう部分があって、若干、消化不良な感じが残ったこと。この小説を読み終えて...「絶対に人を殺めてはいけない」「傷害事件の被害者になる事も加害者になる事も 事件そのものに縁する事も出来うる限り避けなければ...」それを、改めて甚く感じた。
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406274838X
No.33:
(5pt)

主人公の気持ちに寄り添いながら読みました。

冤罪、犯罪者の更正、刑務官の苦悩など、一見重く、とっつきにくいテーマをわかりやすく、かつスマートに扱っていてすばらしい傑作です。ふつう、ミステリーというのは、読み進んでいくにつれ、なぞが解明されていくものですが、読めば読むほど、新たななぞが深まり、そのなぞをなんとか読み解きたくて、時間を忘れて没頭しました。エンディングがとくにすばらしい。全く予測もしなかった展開で、一本とられた!という感じでした。さらに、今の裁判のあり方や、死刑制度、犯罪者の扱いなどについても、このままで良いのか考えさせられました。読み応えのある一冊です。
13階段Amazon書評・レビュー:13階段より
4062108569
No.32:
(4pt)

幾数十人目かの問題意識先行型

 仮釈放されて,えん罪事件の解明を手伝うことになった主人公の過去の謎と,えん罪事件の真実解明とが物語の筋だが,筆の多くは刑務所のあるべき姿についてや,犯罪者の更正可能性,また裁判制度の諸欠陥,さらには正義と復讐の関係などについて,物語の形で具体的に問題提示するのに割かれている。 映像作家としての経歴があるせいか,テレビドラマや映画になりやすそうなストーリーと描写で,読んでいてイメージが浮かび読みやすい。 ただ,こうした話の場合,読んで「ああ,面白かった」で終わらないためには,作者の見出した問題が読者の胸にトゲのように刺さるためには,手際よく描かれているものの,なお人物の魅力において弱い気がする。数多くの書物を読む読書家にとって,はたして本作の登場人物たちは他の作品の登場人物たちと競合して,どの程度,印象に残るだろうか。 これは作者の問題意識の持ち方に因るのではないか。ジャーナリストがつぎつぎとさまざまな社会問題をとりあげるのと,まさに自分自身の切実な問題としてある問題にこだわるのとでは,表現力において,決定的な差が出ると思われる。果たして,現在,高野氏は,本書で提示した諸問題にどれほど日々,心を痛めているだろうか。 器用で巧みな,しかしスタンスとしてジャーナリスティックな作家が数多く排出されていることは,喜んでばかりいられることではない。
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406274838X
No.31:
(4pt)

幾数十人目かの問題意識先行型

仮釈放されて,えん罪事件の解明を手伝うことになった主人公の過去の謎と,えん罪事件の真実解明とが物語の筋だが,筆の多くは刑務所のあるべき姿についてや,犯罪者の更正可能性,また裁判制度の諸欠陥,さらには正義と復讐の関係などについて,物語の形で具体的に問題提示するのに割かれている。 映像作家としての経歴があるせいか,テレビドラマや映画になりやすそうなストーリーと描写で,読んでいてイメージが浮かび読みやすい。 ただ,こうした話の場合,読んで「ああ,面白かった」で終わらないためには,作者の見出した問題が読者の胸にトゲのように刺さるためには,手際よく描かれているものの,なお人物の魅力において弱い気がする。数多くの書物を読む読書家にとって,はたして本作の登場人物たちは他の作品の登場人物たちと競合して,どの程度,印象に残るだろうか。 これは作者の問題意識の持ち方に因るのではないか。ジャーナリストがつぎつぎとさまざまな社会問題をとりあげるのと,まさに自分自身の切実な問題としてある問題にこだわるのとでは,表現力において,決定的な差が出ると思われる。果たして,現在,高野氏は,本書で提示した諸問題にどれほど日々,心を痛めているだろうか。 器用で巧みな,しかしスタンスとしてジャーナリスティックな作家が数多く排出されていることは,喜んでばかりいられることではない。
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4167801809
No.30:
(5pt)

一気に読めてしまいます。傑作!!

現在の死刑制度について、深い考察を加えながらも、エンターテイメント性を充分に発揮した傑作です。
江戸川乱歩賞の受賞作は何作も読みましたが、ベスト3に入る傑作だと思います。死刑制度を取り上げてる小説は、過去、何作も有りましたが、
これまで有りがちだった死刑囚に同情的な描写に偏ることなく、加害者、被害者遺族双方の感情を公平に描写しているのも好感が持てます。謎解きの部分も秀逸です。読後感も嫌な感じは無く、お奨めできます。江戸川乱歩賞の受賞作は、レベル的に波が大きいのですが、この作品は
間違いなく、過去の乱歩賞受賞作の中でも光ってますね。
一気に読んでしまいました。
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4167801809
No.29:
(5pt)

一気に読めてしまいます。傑作!!

現在の死刑制度について、深い考察を加えながらも、エンターテイメント性を充分に発揮した傑作です。江戸川乱歩賞の受賞作は何作も読みましたが、ベスト3に入る傑作だと思います。死刑制度を取り上げてる小説は、過去、何作も有りましたが、これまで有りがちだった死刑囚に同情的な描写に偏ることなく、加害者、被害者遺族双方の感情を公平に描写しているのも好感が持てます。謎解きの部分も秀逸です。読後感も嫌な感じは無く、お奨めできます。江戸川乱歩賞の受賞作は、レベル的に波が大きいのですが、この作品は間違いなく、過去の乱歩賞受賞作の中でも光ってますね。一気に読んでしまいました。
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406274838X
No.28:
(5pt)

宮部みゆき絶賛も無理はない作

 文庫版の解説で宮部みゆきが絶賛しているが、これは別に無理じゃない。選考する中でこれはダントツだ、と思われても全然無理じゃない。そう感じさせる内容の深い作品で非常に強いメッセージ性がこめられたものだと思っている。 樹原亮は10年前の殺人事件で逮捕され死刑に。そしてまもなく迫るその瞬間。その事件に疑惑を覚えた刑務官の南郷。出所したばかりである純一と弁護士杉浦と共に事件にもう一度探りを入れる。 一見してフーダニットのようなミステリーなのだが趣向は従来のそれに似ているようで違うかなと思われる。ここで書かれている内容は上手に構築されているなあ、と。それがラストにもゆっくり近づいているわけだ。 感覚はミステリーよりの時とサスペンスよりの時がある。特に緊迫してくる展開。追いつめたか、と思われるような展開はダッシュだ。作品自体の充実生故か早く読むことが出来る。その割にはひどく後味というか読後感が残る作であろう。自分が読んできた中ではあまりないかな。 展開からすると雫井脩介の「火の粉」を思い浮かべる方もいるかも知れない。字数制限故か削られた箇所もおそらくあるのだろうなと思うと仕方ないか。しかし近年の乱歩賞作品にあったような物足りなさは殆どないと思う。もう少し純一の事を書ければ深く読めたかなとは思うが字数が限られている中で精一杯書いた様子は随所でうかがえる。 やはりこの作はメッセージ性が強いところにあるだろう。死は誰もが経験する者。しかしそれを与えてしまうこととは?南郷と純一の過去に何があり今何を思いつつ日々を生きているか。特に南郷の場合は共感できる節があるのではなかろうか。しんどいが誰かがやらなくてはならない役目を長い間務めてきた男。プレッシャーや不安。誰もが持ってはいるが、格段に厳しい。 構築、人物造形、メッセージ性、ミステリーの要素とサスペンス性などを見ても十分乱歩賞の名には恥じない作だし近年稀に見る良作ではなかろうか。傑作と言えばまだそんなにも本を書いていない作家のあとが淋しくなりそうなので敢えて言わないし、まだ早いかなと言うのはやっぱり妥当。 あんまり考えることのない死について。それだけがメインでないが少なくとも読むべき作ではないかと思う。
13階段 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:13階段 (講談社文庫)より
406274838X
No.27:
(5pt)

宮部みゆき絶賛も無理はない作

文庫版の解説で宮部みゆきが絶賛しているが、これは別に無理じゃない。選考する中でこれはダントツだ、と思われても全然無理じゃない。そう感じさせる内容の深い作品で非常に強いメッセージ性がこめられたものだと思っている。 樹原亮は10年前の殺人事件で逮捕され死刑に。そしてまもなく迫るその瞬間。その事件に疑惑を覚えた刑務官の南郷。出所したばかりである純一と弁護士杉浦と共に事件にもう一度探りを入れる。 一見してフーダニットのようなミステリーなのだが趣向は従来のそれに似ているようで違うかなと思われる。ここで書かれている内容は上手に構築されているなあ、と。それがラストにもゆっくり近づいているわけだ。 感覚はミステリーよりの時とサスペンスよりの時がある。特に緊迫してくる展開。追いつめたか、と思われるような展開はダッシュだ。作品自体の充実生故か早く読むことが出来る。その割にはひどく後味というか読後感が残る作であろう。自分が読んできた中ではあまりないかな。 展開からすると雫井脩介の「火の粉」を思い浮かべる方もいるかも知れない。字数制限故か削られた箇所もおそらくあるのだろうなと思うと仕方ないか。しかし近年の乱歩賞作品にあったような物足りなさは殆どないと思う。もう少し純一の事を書ければ深く読めたかなとは思うが字数が限られている中で精一杯書いた様子は随所でうかがえる。 やはりこの作はメッセージ性が強いところにあるだろう。死は誰もが経験する者。しかしそれを与えてしまうこととは?南郷と純一の過去に何があり今何を思いつつ日々を生きているか。特に南郷の場合は共感できる節があるのではなかろうか。しんどいが誰かがやらなくてはならない役目を長い間務めてきた男。プレッシャーや不安。誰もが持ってはいるが、格段に厳しい。 構築、人物造形、メッセージ性、ミステリーの要素とサスペンス性などを見ても十分乱歩賞の名には恥じない作だし近年稀に見る良作ではなかろうか。傑作と言えばまだそんなにも本を書いていない作家のあとが淋しくなりそうなので敢えて言わないし、まだ早いかなと言うのはやっぱり妥当。 あんまり考えることのない死について。それだけがメインでないが少なくとも読むべき作ではないかと思う。
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No.26:
(4pt)

さすがに乱歩賞作品

 先日、最近の日本の若手作家の作品が、こじんまりとした自分の感情や周辺だけを書き綴ったものになってしまっていると嘆いている文章を読む機会がありました。確かに、もともと日本には「私小説」の伝統があり「自分」を書くことに終始した作品が多く見られますが、最近は特にそうした「私小説」的な作品が多くあるように思います。 しかし、この作品は違います。「罪とは何か」 「人が人を裁くことはできるのか」 考えてみると、この作品での問いかけは、カインとアベルの頃から、人類永遠のテーマでしょう。こうした重苦しいテーマを扱いながらも、娯楽作品として一気に読ませる筆力は、さすがに満場一致で乱歩賞に選出されただけのことはあります。 いわゆる「社会派」の作品がよいというわけではありませんが、娯楽作品としても、そして社会的な広がりを持った作品としても、高く評価されるべき作品だと思います。 ただ一点、惜しむらくは最後の三上の手紙です。彼の心に潜む闇が手紙という形ではなく、作品の進行の中で明らかにできていたら、と残念に思いました。
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406274838X
No.25:
(4pt)

さすがに乱歩賞作品

先日、最近の日本の若手作家の作品が、こじんまりとした自分の感情や周辺だけを書き綴ったものになってしまっていると嘆いている文章を読む機会がありました。確かに、もともと日本には「私小説」の伝統があり「自分」を書くことに終始した作品が多く見られますが、最近は特にそうした「私小説」的な作品が多くあるように思います。 しかし、この作品は違います。
「罪とは何か」 「人が人を裁くことはできるのか」
 考えてみると、この作品での問いかけは、カインとアベルの頃から、人類永遠のテーマでしょう。こうした重苦しいテーマを扱いながらも、娯楽作品として一気に読ませる筆力は、さすがに満場一致で乱歩賞に選出されただけのことはあります。 いわゆる「社会派」の作品がよいというわけではありませんが、娯楽作品としても、そして社会的な広がりを持った作品としても、高く評価されるべき作品だと思います。 ただ一点、惜しむらくは最後の三上の手紙です。彼の心に潜む闇が手紙という形ではなく、作品の進行の中で明らかにできていたら、と残念に思いました。
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