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濡れた魚



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【この小説が収録されている参考書籍】
濡れた魚 上 (創元推理文庫)
濡れた魚 下 (創元推理文庫)

濡れた魚の評価: 3.67/5点 レビュー 18件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.67pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全18件 1~18 1/1ページ
No.18:
(3pt)

期待外れ

バビロンベルリンの原作ということで買って読みましたが、ドラマとかなり違っていて、内容的にも今ひとつな気がして途中で読むのを止めてしまいました…。
濡れた魚 上 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:濡れた魚 上 (創元推理文庫)より
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No.17:
(5pt)

美品です。

満足です。
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No.16:
(4pt)

ベルリン三部作好きなら絶対。

惜しくも早世した英作家フィリップ・カーのベルリン三部作のファンだったので、ドイツ人の書く戦前のベルリン舞台としたミステリに興味が湧き、読んでみました。
主人公ラート警部をはじめ、クセのある人物が多いため相関がハッキリして読みやすく、事件が事件を呼ぶ流れに引き込まれること請け合いです。
大戦後のハイパーインフレが見せかけの終息をみせ、束の間の繁栄を謳歌するベルリン。
数ヶ月後に大恐慌の直撃を被る1929年狂騒退廃の魔都ベルリン最後の夏が緻密に描写されていて唸ることしきりでした。
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No.15:
(4pt)

途中でダレることもなく最後まで興味深く読めました。

「1929年、共産主義者のクーデターが噂される春のベルリン。ゲレオン・ラート警部がわけあって故郷ケルンと殺人捜査官の職を離れ、ベルリン警視庁風紀課に身を置くようになってから、1ヶ月が経とうとしていた。
彼の部屋の元住人を深夜に訪ねてきたロシア人が、無残な死体となって発見された。
殺人課への異動を望み、いつまでも風紀課にくすぶるつもりのないラートは、ひそかに事件の単独捜査を開始する。
それがさまざまな陰謀と罠が渦巻く巨大な事件の発端とは思いもせずに。」

タイトルの濡れた魚とは迷宮入りの事件を指すらしいわね。たいていの魚は釣り上がり、濡れた魚はそう多くはないということ。

最初に共産主義だのなんだのと出てくるので面倒くさい小説かなと思って読んでいたのだが、そうではなくロシア貴族の莫大な金塊の行方を巡ってあらゆる組織が丁々発止の死闘を繰り広げる様を描いたものでとても面白かった。
その他ラートが最高の上司と信用し慕っていた男の裏切りと真の姿、警察幹部の隠蔽工作なども描かれ、途中でダレることもなく最後まで興味深く読めました。

主人公ラートの風貌が明らかになるのは106ページからで、ノッポで刑事にしてはシャレた服を着ていてオシャレで女にももてて野心満々な男なのだが。
ちょっと気に障ったのは好きな女にはメロメロで「好きだ♪好きだ♪」とバタバタ騒ぎ、どうでもいい女には実に冷酷なの。
だったら最初から寝るな!酔いにまかせてなんて言い訳するな!
わたしはこういう男は嫌い。人間味が感じられないもの。
眼中にない相手でも寝ちゃったんだから一応無礼にならないような配慮がなくちゃねえ。まったく。光源氏を見習え!

その点むかし読んだ長いお別れのフィリップ・マーロウとは違うのよね。
彼も冷たいが情はあるもの。
ハナシがソレてしまったが、やはり主人公は好きなタイプの男じゃないとね。
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No.14:
(4pt)

アメリカっぽい

アメリカの警察もののような感じでした。
時代感も現代的。。。まあよし。。
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No.13:
(4pt)

アメリカっぽい

アメリカの警察もののような感じでした。
時代感も現代的。。。まあよし。。
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4488258042
No.12:
(2pt)

なんかあわない

なんかつまらなかったです。主人公にも魅力はないし、壮大な結末という割りには、そうでもないし、、、。続編も買っちゃったから読まないといけないけど、気が進みません。
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4488258034
No.11:
(2pt)

本国での絶賛が海外でそのまま通用するわけではない

「ベルリン・ミステリ賞受賞」の謳い文句に惹かれて買ってしまったが、正直飛ばし読みした部分が多かった。1929年のベルリン、といってすぐに社会情勢が思い浮かぶ日本人がどれだけいるだろうか?社会民主党とか共産党とかの集会やら、革命後のロシアからの元貴族の亡命とかにうんざりするほどのページをさいているが、ドイツ本国なら学校で教えられたり、新聞で読んだりして、常識であるはずの出来事を、日本人が小説の中だけで理解するのは不可能といってもいいほどだ。例えば、明治維新直後の東京を舞台にした小説で、江戸川乱歩賞を受賞したミステリを海外で出版したとして、「ご一新」「士農工商」「華族」などを理解できる外国人がどれだけいるか、ということである。私は大学ではドイツ文学専攻だったし、ハプスブルグ家大好き人間だが、それでも、この小説にはついていけない、いや、ついていきたくないと感じた。要するに、本国で絶賛されたからといって、海外でその絶賛がそのまま通るとは限らないということだ。ただし、ミステリ自体は結構おもしろくて、謎を追うだけなら楽しめるのに、とそれが残念だった。
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No.10:
(3pt)

時代の面白さ

1929年、ワイマール共和国時代のベルリンが舞台の歴史ミステリ。共産主義者やナチスなどが影響力を持ち始めた時代、ケルンの警察署からベルリン警視庁の風紀課へ異動してきたラート警部が主人公。彼が独自の捜査を始めた殺人事件は意外な方向へと広がっていく。様々な人が絡み合い複雑な物語が始まります。

これから暗雲立ち込めていくドイツの空気感漂う物語でした。登場の人物たちの多面性が描きこまれていて「時代」を読んでいく面白さのあるミステリ。色んな要素があって面白いんですがあれこれ書こうとして少しとっちらかった印象もありますがシリーズものということなので今後に期待。
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No.9:
(2pt)

おっさんではなかった

第二次世界大戦前夜のベルリンが舞台というので期待して読みましたが、時代背景がそれほど生かされていないように感じました。
ミステリーとしては大したことはなく、なんか予想がついてしまった。
上巻に伏線がいろいろ張ってあるのだけれど、その部分が少し退屈。お話は下巻にならないと動いてきません。
主人公の肩書から、途中までは髭をたくわえたおっさんだと思っていたけど、違ったのね。でも彼の起こす「事件」とその後処理がどうも納得できず、感情移入できないまま読了です。
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No.8:
(1pt)

レビューのいずれにも不賛成

3人のレビューのいずれにも不賛成、
1930年という時代背景とベルリンが舞台じゃ最初からどうもねと思った。今とは想像できないポルノ取締に躍起だったベルリン
警察の世相など目新しい点もある。ストーリーの展開はつまらないし、主人公達の会話に何一つ光るものなし。
比較のため同時進行で読んでいる「解錠師」が如何に秀逸かのコントロールの役目は果たす。
下巻も買ったが読む気は起こらず。
自分勝手な感想ですので、感心されたおおくの方がたはもちろん無視してください。
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No.7:
(4pt)

2012年文庫・翻訳ミステリーのベストテン入りした快作

1929年、第一次大戦後のベルリンが舞台である。 ラート警部を陥れようとするベルリン警察内部の裏切りや罠により窮地に立たされるが、警視総監(署長)に助けを求めて乗り切ろうとするのが下巻の展開。 上巻で展開されたロシア人の連続殺人事件が、スピード感を増して収束に向かう。
残念なところとしては、ストーリーの意外性・ひねりがあまり効いていないので、サプライズがないこと。 
とはいえ、大戦後の陰鬱、退廃的な世相をうまく取りこんでいるところ、またラート警部を始めとする人物造形がしっかりしているので、小説としての物語性は高いと思う。 いきおいでコカインをやってしまうような弱いキャラの主人公が孤軍奮闘するところなど、ハードボイルドチックな強いヒーローものではなく、このシリーズを通じてラート警部がどのように成長するかも興味のひとつになりそう。
原作では1929年からの1年を1作としてシリーズ化を予定しているらしいので、ぜひ翻訳も継続してほしい。 ちらほらとナチス台頭のきざしが見え始めて、次作以降はますます不穏な雰囲気が伝わってくるのではないか?
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No.6:
(5pt)

1929年のベルリンを舞台とした警察小説、傑作シリーズ誕生の予感

時は1929年、第一次大戦後のベルリンが舞台。 タイトルの濡れた魚とは迷宮入り事件のことを指す。
主人公はケルンの警察で不祥事を起こし、ベルリン警察の風紀課に転属となったラート警部。 ベルリンで殺人課に返り咲きのチャンスを坦々と狙っている。 野心を持っているが、勢いでコカインをやってしまうような軽率なところもあり、また殺人課のタイピストに一目ぼれをする等身大の人物として描かれている。 
1929年を起点として1年間を1作としてシリーズものを書く予定とのこと。 その第一作目が本書であり、第一次大戦後の殺伐とした雰囲気や国威浮揚のきっかけを求めてる世相が上手く反映されている。 上巻ではボルシェビキから逃れてきたロシア貴族が持ち込んだ財宝のカギを握ると目された人物が、拷問された上、殺害されて見つかったことから事件が始まる。 警視総監(ベルリン署署長)にコネを持つラート警部は殺人課への転属を果たした状態で上巻が終わり、下巻へと続く。 時代の雰囲気、ストーリー構成、人物の描きこみとも、ここまでは文句のつけようがない。 下巻が楽しみである。
濡れた魚 上 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:濡れた魚 上 (創元推理文庫)より
4488258034
No.5:
(4pt)

物語に引き付けられる

フォルカー・クッチャー著、酒寄進一訳『濡れた魚』(創元推理文庫)は戦間期のドイツ共和国(ワイマール共和国)首都ベルリンを舞台としたミステリーである。主人公はベルリン警視庁刑事ゲレオン・ラート警部である。ラート警部は、わけあって故郷ケルンの殺人捜査官の職を離れ、ベルリン警視庁風紀課に身を置く刑事である。殺人課への異動を目指すラートは、深夜に自分の部屋の元住人を訪ねてきたロシア人の怪死事件の捜査を密かに開始する。

『濡れた魚』は文庫本上下巻である。多くのミステリーと同様に上巻だけでは事件の全貌は不明なままである。それでもタイトル「濡れた魚」の意味や陰謀の目的が明らかになり、物語に引き付けられる。ミステリーの中にはラストで全ての伏線を結び付けようとするあまり、序盤中盤では話の方向性が見えず、読むことが苦痛になる作品もある。ほとんど捜査に進展がないにも関わらず、適度に謎を明らかにする『濡れた魚』の筋書きは巧みである。
(林田力)
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4488258034
No.4:
(4pt)

社会情勢の描写は深い

『濡れた魚』には殺人事件あり、ロマンスあり、警察組織内部のセクショナリズムあり、主人公の過去あり、社会情勢ありと様々な要素が詰め込まれている。特に社会情勢の描写は深い。一般にワイマール共和国は当時の世界で最も民主的な共和国と評価される。そこからナチス独裁が誕生したことは民主主義のパラドックスと受け止められる。

しかし、実際はワイマール共和国の民主主義に限界があったからこそナチスの独裁を許した。『濡れた魚』で描かれた社会民主党政権による共産党デモ弾圧や退役軍人によるドイツ革命への不満は後にナチス独裁を許したワイマール共和国ドイツの民主的基盤の脆弱性を物語る。

社会民主党政権は帝政ドイツではラディカルな存在であった。それが政権党になった途端、反対勢力を弾圧する側に回ったことは社会民主党の限界を示している。鉄兜団などの民間軍事組織の暗躍は、ヴェルサイユ条約によって徹底的に弱体化されたドイツがヒトラーの再軍備によって瞬く間に軍事大国化した背景が理解できる。

一方で『濡れた魚』に描かれたナチスは新興勢力に過ぎず、小物に過ぎない。ワイマール体制の崩壊は必然でも、反動勢力を押しのけてナチスが独裁権を確立することは自明ではない。『濡れた魚』はシリーズ物の第一作であり、ナチスが勢力を拡大する背景描写に注目である。

『濡れた魚』では、どこの社会でも共通する不都合な事実を隠す警察の体質が描かれる。横あるパターンとして証拠の隠滅や捏造があるが、『濡れた魚』では警察の不利になる証拠そのものは隠さずに報告書での悪意ある印象操作によって「物的証拠を法廷で使い物にならなくした」(上巻128頁)。

それに対して主人公は反倫理性を感じながらも、「警官が警察の不利になることを証言するなどありえない」と考える(上巻129頁)。『ポチの告白』に登場するような悪徳警官でなくても警察には身内を庇う体質がある。それが警察問題の深刻さを物語る。現実に『濡れた魚』の解決法は警察の隠蔽体質の範囲内であった。ヒロインの折角の名台詞「正義が行われることを望むなら、すべてを明らかにするほかない」(下巻294頁)がもったいない。しかし、そのためにリアリティのある物語に仕上がった。(林田力)
濡れた魚 下 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:濡れた魚 下 (創元推理文庫)より
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No.3:
(5pt)

上質のエンターテインメント性〜ドイツ人の描くドイツの負の時代とドイツ人の心境

1929年のベルリンが舞台の物語。主人公はとある事情によってケルンからベルリンへ異動になったばかりの刑事です。殺人捜査を担当していたにも関わらず、新しい部署は風紀課。違法営業の風俗店やポルノ映像の製作者などを取り締まるという役職です。そんなとき、ある殺人事件に興味を覚え、勝手に捜査を始めたことから次第に大きな闇の組織に巻き込まれていきます。

物語は、上巻の後半から怪しいと思っていた人物たちが、見事に下巻で大暴れ・・・的な(笑)流れでした。そして主人公は、私が思っていた以上の大ピンチに陥ります。悪の組織と警察と国家と外交と政治闘争と経済危機と敗戦という素材がミックスされ、そこに都市の持つ熟れた果実のような魅力が加えられ、ケルンとベルリンの違い、当時のドイツを覆っていた風潮と主人公の考え方の違いというソースをかけて、どちらかというとアメリカ的とも言えるような恋愛要素をトッピングした感じの警察小説。

様々な要素が混ぜられているため、いろんな面で楽しめます。外国人ではなく、ドイツ人が、1929年のベルリンという時代と舞台を描くこと、ドイツの負の部分を描くこと、そしてその時代に生きたドイツ人の心境を描くことは重要なことで、この本はそういう点でも十分に満足できます。しかし、そんな堅苦しいことを考えなくても、エンターテインメント性豊かな小説としても楽しめます。文章の中のちょっとした皮肉や風刺にもクスッと笑えますし、どんな困難な目に遭ってもどことなく楽観的で厚かましい主人公のおかげで暗くなりすぎず、ドキドキワクワクする感じが最後まで途切れませんでした。

最後まで読んで、こんなところで終わるのか?!と思っていたら、なんとこれがシリーズの第1巻目ということが判明しました。続きを読むのが楽しみです。
濡れた魚 下 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:濡れた魚 下 (創元推理文庫)より
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No.2:
(5pt)

この面白さには、素直に納得。読ませる作品です。

舞台は、1929年、世界恐慌直前のドイツ・ベルリンである。
本書は、最後の絢爛な輝きを放しつつも街は猥雑、貪欲、悪徳が匂う、デカダンスに満ちた時代の警察小説である。
事件は、ロシア人の怪死事件から始まる。ベルリン警視庁・風紀課ゲレオン・ラート警部は、わけがあって1人で捜査を開始する。上手くいけば、殺人課への異動を目論んでのことである。読者も良くご存じのとおり、そうはいかずに・・・この事件の背景には世界を巻き込む巨大な謀略と陰謀が隠されているのであった・・・これもミステリーによくあるパターンです。この、大風呂敷を如何に納得させ読ませるかは、著者の筆次第・・・作者は読者の期待に見事に応えてくれる!
この物語は、1929〜1936年、ナチスの台頭が進み、共産党員の怪しい動き、権力者は覇権闘争にうつつをぬかし、ギャングは富を求め等々・・・そして庶民は絶望の日々を送る。
このように全部が全部混沌とした時代のベルリンと人を鮮やかな筆致で描いている。
その後の、事件の数々がラート警部を予測不可能、絶体絶命のピンチに追い込んでゆく。さあ、警部にチャンスの光は射すのか?上下、一気読み!あぁ〜これは傑作!
ベルリン・ミステリ賞受賞作であるのも納得。
A READABLE NOVEL!!
濡れた魚 上 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:濡れた魚 上 (創元推理文庫)より
4488258034
No.1:
(5pt)

この面白さには、素直に納得。読ませる作品です。

舞台は、1929年、世界恐慌直前のドイツ・ベルリンである。
本書は、最後の絢爛な輝きを放しつつも街は猥雑、貪欲、悪徳が匂う、デカダンスに満ちた時代の警察小説である。
事件は、ロシア人の怪死事件から始まる。ベルリン警視庁・風紀課ゲレオン・ラート警部は、わけがあって1人で捜査を開始する。上手くいけば、殺人課への異動を目論んでのことである。読者も良くご存じのとおり、そうはいかずに・・・この事件の背景には世界を巻き込む巨大な謀略と陰謀が隠されているのであった・・・これもミステリーによくあるパターンです。この、大風呂敷を如何に納得させ読ませるかは、著者の筆次第・・・作者は読者の期待に見事に応えてくれる!
この物語は、1929〜1936年、ナチスの台頭が進み、共産党員の怪しい動き、権力者は覇権闘争にうつつをぬかし、ギャングは富を求め等々・・・そして庶民は絶望の日々を送る。
このように全部が全部混沌とした時代のベルリンと人を鮮やかな筆致で描いている。
その後の、事件の数々がラート警部を予測不可能、絶体絶命のピンチに追い込んでゆく。さあ、警部にチャンスの光は射すのか?上下、一気読み!あぁ〜これは傑作!
ベルリン・ミステリ賞受賞作であるのも納得。
A READABLE NOVEL!!
濡れた魚 下 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:濡れた魚 下 (創元推理文庫)より
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