氷の娘
- フィギュアスケート (1)
- マリア・カッリオ・シリーズ (2)
- 北欧ミステリ (199)
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点8.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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フィンランドではシリーズ開始以来20周年を迎え、すでに12作品が発表されていて知らぬ人のいないという人気ミステリー「マリア・カッリオ」シリーズ。元シリーズでは5作目、日本では第2作目(第1作は未読)となる本書は、フィギュアスケートのスター選手殺人事件という、いかにもフィンランドな作品だ。 | ||||
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この作家の作品は読者を楽しませるプロットまた人間関係というものがいくつも散りばめられていてあきさせない。読めば読む程ストーリーの中の人物像に引きつけられて、いつの間にか自分自身が主人公マリアの頭と行動に一体化して事件も解決しようとしてしまう。本当にいつも感じるが人間というものを良く描いていると思うし、読者を裏切るということがない。 | ||||
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北欧フィンランドのミステリー界を代表する老舗の人気警察小説シリーズ「女性警察官マリア」の日本で紹介される第2弾です。本書は前作「雪の女」に続くシリーズ第5作でレギュラー陣もすっかりお馴染みとなり読み易い流れになっていて嬉しいですが、マリアの若い頃や夫アンティとの出会いの事件を知る為にも最初の3冊も何時かぜひ紹介して頂きたいと願います。 フィギュアスケート界の期待の星として今最も輝く若き少女ノーラの変わり果てた死体がスーパーの買い物客の車のトランクから発見される。スケート・ファンとして数日前に彼女の演技を観たばかりのエスポー警察のマリア・カッリオ巡査部長は上司のタスキネン警部から事件の担当を命じられ、妊娠7ヶ月の身で産休に入る前に絶対事件を解決してみせると自らに誓うのだった。 本書の推理は最重要容疑者である少女ノーラの母親をつけ狙うストーカー男には鉄壁のアリバイがある状況で犯人確定に決め手を欠く内にやがて悲惨な事件が起きてしまいマリアが責任を感じて悩みながらもノーラの日記を読んで手掛りを探す中で意外な真相に辿り着くという最後まで読者に仕掛けを悟らせない非常に巧妙な出来になっていて大満足しました。前半での犯罪の証拠品の手を抜かない丁寧で詳細な書き込みは基本に忠実でとても好感が持てましたし、結果的に事情聴取等による個々の人物の性格が丹念に描かれていた事にも気づいて大いに感心しました。フィギュアスケート界を巡る人間関係にはとてもリアリティーを感じましたし、スターと言ってもまだ一人前ではなく我が儘ながらも苦悩する少女の心の葛藤と残酷過ぎる運命に憐憫の情を覚えましたね。ここからはレギュラー陣の話題を中心に感想を書こうと思います。マリアの同僚の巡査補ピヒコとは本作でお別れなのが寂しいですが、一方で可哀そうに恋愛運に見放されている巡査コイヴは今後も元気に活躍してくれそうですね。マリアを信頼し好意的なタスキネン警部には出世しても今後も変わらず登場して欲しいです。それからマリアの永遠のライバルであるペルツァ警部補については、まあ根っからの嫌な人間ではなく心の奥には良い所もある様なのですが、素直でなくどうにも性格がねじれている感じなので仲良くなるのが難しくマリアもますます苦労しそうですね。そして我らがヒロインのマリアは猪突猛進で慎重さに欠ける面があり加えて人の良さが災いし今回恐ろしい大ピンチに見舞われますが何とか必死でがんばって難局を乗り越えるのはお見事その物で流石の強運と実力の持ち主ですね。ペルツァからはプロ失格と非難もされますが、でもその完璧ではない部分が彼女の人としての魅力でみんなから慕われ愛される理由だとも思いますね。今回は胎内の我が子‘ちび’が元気良く動き回るのを始終感じながら体を労わらねばと思いつつ何時もの癖でつい無茶をしてしまう様子にハラハラドキドキさせられ(私は男ですが)我が事の様に思わせられましたし、エピローグの出産シーンの描写には何とも言えない畏敬の念と大きな感動を味わいましたね。 | ||||
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