要塞島の死
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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フィンランドでは大人気の「マリア・カッリオ」シリーズの邦訳第三弾(本国ではシリーズ6作目)。警部に昇進し、エスポー警察暴力課を率いることになったマリア警部、相変わらずエネルギッシュです。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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この作者の作品は初めて読んだが。 正直、最初にこれを読んだのは失敗だった。 この作者の作品なら「氷の娘」とかの方が面白そうなので、これだけで判断するのはやめようとは思う。 とにかく、まどろっこしいし、それ程の緊迫感もなく、だらだらと話が進むばかり。 犯人も私も怪しいと感じていた一人なので、そんなに意外性もなく。 それに容疑者の一人に女性警部が仄かに恋心を抱くのも、あまりいい印象は受けなかったし。 とにかく冗長なだけ。駄作。 | ||||
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フィンランド人気ナンバーワン作家のシリーズもののミステリ、という謳い文句に惹かれて“雪の女”から読み始めましたが、本当に面白い!!! あっという間にシリーズ3作目のこの本まで読み終わりました。 続きのシリーズも楽しみだし、日本語訳は原作シリーズ4作目から始まっているので“雪の女”以前の、マリアがご主人とであった事件など以前のシリーズもぜひ出版してほしいです!! お願いします!!! 事件のあいまでフィンランドの子育て事情などが覗えるのも楽しみの一つです。 | ||||
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フィギュアスケート選手の事件だった「氷の娘」に続いて、アーキピラゴ・セーリングなど、これまたフィンランドらしいエッセンスが散りばめられた作品。このシリーズはエスポーが舞台で、個人的に知っている地名が多く出てきて想像もしやすく、よりリアリティがあって面白いのだけど、フィンランドに馴染みがない人には、個人名も地名も覚えにくく、混乱しやすいのかもしれない。 ミステリではあるけれど、日本で報道されがちな「学力世界一」とか「子育て天国」的なステレオタイプのフィンランドではない、フィンランドの現実的な面(というかダークサイドというか)が垣間見れらると思うので、そういう意味でもオススメの一冊。 | ||||
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1作目を読んだ時は(あーあ。またスカンジナビアモノに多いカルト宗教ものか…)と最初から飽き気味だったのですが、2作目『氷の娘』、この3作目と読み進むにしたがって、マリアの物語に入り込んできたようで、読み終わった頃には次作が読みたい気分になっていました。 ミステリ好きにはたいしたトリックがなかったりする部分に評価が厳しくなるだろうなと思います。 マリアの成長物語に共感して読み続ける読者がフィンランドでは多いと、どこか目にしましたが、たしかにそういう面で引っ張られている気もします。でも読み継がれる理由になるには、ある程度はそれで充分なのでは、とも今は感じます(1作目読んだ時点ではそういう視点は唾棄すべきと思っていました。なんでしょう?この変わり様?)。 ところで、今回のペルツァのエピソード、とても好きです。周りを見て、とても他人事とは思えないところは恐ろしいんですが。。 | ||||
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北欧の国フィンランドで生まれた大人気の警察小説「女刑事マリア」シリーズの邦訳第3弾です。本シリーズは人間性を重視した社会派ミステリーのジャンルになると思いますが、今回も環境問題や動物愛護や家族の関係について深く考えさせられる充実した内容になっているなと感じました。本筋とあまり関係のないオマケとしては作中で紹介される古典ミステリー「レアンダの英雄」A・ガーヴ著が早川ポケミスで出ていますのでやや入手難かも知れませんが探して読まれては如何かなと思います。 今夏女刑事マリアが夫アンティと愛娘イーダの親子三人で出産休暇の終わりに訪れた地レードシャール島は昔の恋人が事故死に遭った場所だった。彼の死体の発見者でもある島の持ち主のメリヴァーラ一族の宿に泊まって家族の人達から話を聞いたマリアは、その時の縁だけでは済まず更に厄介な動物愛護のデモ騒ぎと当主の死が続いて起きた事で自身復帰後のエスボー警察暴力課の警部としての初仕事に乗り出して行くのだった。 今回は本筋以外の過激な動物愛護組織「動物革命」の活動を読んでいる間は牛や豚を食べる事にためらいが出て何とも心苦しい気持ちになりましたね。ミステリーとしての出来栄えは、最後の手掛かりがフィンランドの人にしか理解できない物である事や、全てのからくりが解って見れば左程複雑では無くごく単純な事情であったと言う点から、万人の方の高い評価には至らないかも知れませんが、でも案外シンプルさが逆に盲点になっている面もありますので私自身はそんなに悪くはないと思っています。今回マリアの推理は的中とは行かず他力の部分もありましたが、でも方向性はピタリと合っていて潜在意識の中ではきっと犯人が解っていたのでしょうね。本書で最も衝撃的だったのはやはりマリアのライバルである嫌な奴ペルツァ警部の運命でしょう。この展開は出来れば読みたくなかった胸が痛む事件ですが、でも遅かれ早かれ結局は避けられない不可避の運命で、奇跡的に救われるといった不自然な美談に決してしない所が(非常に厳しくはありますが)著者の考えるリアリティーを重視した表現だと思いますね。また最後の方にリフレインの様な場面がありますが、つくづく人はこういう人生の岐路に立たされた時には他者からの説得よりも自身の心の奥にある感情に従って最後は自らが選択するのだと痛感しましたね。それから暗い事件の陰で目立ちはしませんが、マリアの同僚コイヴ巡査と新米巡査のアジア人女性アヌとの親密な仲は嬉しい驚きで明るい話題に心が和みましたね。そしてヒロインのマリア警部は、前述の悲劇に人知れず後悔の涙を流したり、幼い愛娘イーダが怪我をした事で育児に専念しない自分を責めたりしながらも、自分の天職と信じる喜びより悲しみの方が確実に多い困難な道を負けずに歩んで行く態度は立派としか言い様がないと思えますので、私はそんな彼女をこれからもずっと応援し続けて行こうと考えています。本作には人生の過酷さを感じさせる辛く苦い部分もありましたが、何より女刑事マリアの生き方を支持する方にはぜひ読んで欲しい意義深い一冊だと思います。 | ||||
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