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氷の娘



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【この小説が収録されている参考書籍】
氷の娘 (創元推理文庫)

氷の娘の評価: 8.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

フィンランドも面白い!

フィンランドではシリーズ開始以来20周年を迎え、すでに12作品が発表されていて知らぬ人のいないという人気ミステリー「マリア・カッリオ」シリーズ。元シリーズでは5作目、日本では第2作目(第1作は未読)となる本書は、フィギュアスケートのスター選手殺人事件という、いかにもフィンランドな作品だ。
ショッピングセンターに駐車した車のトランクから、若手のホープとして期待されている女子フィギュアスケート選手・ノーラの死体が発見された。かつてノーラの母親と同棲し、現在ではストーカー行為を繰り返している男が有力な容疑者と目されるが、捜査を進めるにつれて、ノーラを取り巻くスケート関係者にも容疑がかけられてくる。本シリーズのヒロイン・マリア巡査部長は妊娠7ヵ月の身重にもかかわらず、全身全霊をかけて捜査に取り組んでいく。
殺人事件の真相はそれほど複雑なものではないが、フィンランドのフィギュアスケート界の事情、ロシアとの関係、警察内部の人事を巡る駆け引きなど、バックグラウンドの構成と描写が巧みなので、最後まで飽きることなく読めた。エピローグでマリアが女の子を出産したため、シリーズは今後さらに人間味にあふれた展開になっていくことが予想されるが、果たしてどうだろう。
それにしても、最近の北欧ミステリーブームはとどまるところを知らず、ついにフィンランドのミステリーまで紹介されるようになった。その最大の理由は、物珍しさではなく、すぐれた作品が続々と出てくるところにあると、改めて確信した。

iisan
927253Y1

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